織田信奈の野望~乱世に舞い降りた黒の剣士~   作:piroyuki

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なるべく見やすいように会話の「」の前に本人の頭文字を入れていきます。


違う世界

~アインクラッド第74層迷宮区ボス部屋~

 

 

二刀流のスキル【スターバーストストリーム】の最後の一撃がボスに決まり、ポリゴンとなって弾け飛んだ。

 

キ「終わった・・・・・のか・・・・・?」

 

キリトのHPはほんの僅かを残すのみ。まさに紙一重の差でボスを討伐した。

そしてキリトは力尽きたのか、その場に倒れて意識を失ってしまったのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

キ「・・・・・・うっ・・・・・・」

 

 

どのくらい気を失ってしまっていたのだろうか?キリトはゆっくりと目を開けると、そこは部屋の中なのか?木造のお世辞にも綺麗とは言えない天上が見えた。

ついさっきまでボスと戦っていたはずだし、だれかが俺を運んでくれたのか?それともこれは夢なのか?

ともあれ俺は無事だったのだろうか・・・周りを見渡してみるとやけに古風な、そして懐かしいような不思議な部屋に寝かされていることに気付いた。部屋を仕切る襖、縁側のようなところ、そして部屋と廊下を仕切る障子・・・。

 

そしてキリトは「これは夢だ」と考える。アインクラッドの世界では自分の視界の左上にHPバーと状態を表す表示がある。しかし今はその表示もなく、ゲーム内のような特殊な視界とは程遠いクリアーな景色が広がっているからだ。

起き上がると右手にある襖が開き、子供の声が耳に飛び込んできた。

 

?「あ!起きたでござるか!?」

 

その声のほうに目をやると、小さな女の子が立っていた。

 

 

キ「あ・・・えっと・・・ここは・・・?」

 

?「ここはねねの家にござる!」

 

 

寝起きだからなのか、頭が回っていないのか、夢の中だからなのか理解に苦しむ。

 

 

キ「ねねの・・・いえ?」

 

ね「私はねねにござる!」

 

 

なるほど、この娘はねねっていう名前なわけだ。しかしまだ頭がボーっとする。

 

 

キ「あぁ・・・君の家か・・・。えっと、俺はキリトだ。」

 

ね「キリト殿・・・変わった名前にござりまするな・・・。」

 

 

そりゃそうだ。これは夢だろうけどゲームで使ってるハンドルネームだから。

 

 

ね「ちょっとおまちください!爺さまを呼んでくるでござる。」

 

 

ござるござるって、この子は忍者の真似でもしてるんでござろうか?キャラを作ってるんでござろうか?服装も着物のような感じだったし・・・

 

 

 

・・・・しかし・・・・・身体中が軋むというか、痛みを感じる。

痛いのに目が覚めないとは厄介な夢だ。「うーん・・・」と考えてほっぺを思いっきりつねってみる。・・・・・・超痛い・・・・夢じゃないってことか?

そして右手でシステムを作動させようとするが、システム画面も現れない。アイテムストレージを出せない・・・。やはりここはゲーム世界ではないということだ。

 

 

しばらく経つと、ねねが爺さまらしき男の人を連れてきた。

 

 

?「おぉ、目覚めましたか。」

 

キ「あ・・・すみません、お世話になってしまったようで・・・。」

 

 

とても穏やかそうで、そして質素な服装のわりにどこか高貴な雰囲気のある初老の男だった。しかもこの人も着物のようなものを着ていた。

 

 

浅「申し遅れました、浅野長吉と申します。こちらのねねは我が娘にござります。」

 

 

さきほどのねねでは少し心許なかったが、どうにか状況を把握したいキリトは話の分かりそうな浅野という男に話を聞きたくなった。

 

 

キ「えっと・・・・それでここはアインクラッド内なんですか?」

 

浅「あいん・・?はて・・・」

 

キ「ち・・・ちがうよな・・・。じゃあ・・・・ここは日本ですか?」

 

浅「日本・・・?日の本という意味でしたら、そうですな。ちなみにここは尾張の国、清州の町にござりまする。」

 

 

この時キリトは少しピンときた。浅野の言葉からでたキーワードを整理していく。

浅野長吉という名前、その娘のねね、日の本、尾張の国、清州・・・たしか浅野長吉といえば戦国武将にいた、後の浅野長政。そしてねねといえば豊臣秀吉の妻。

ここは戦国時代っていうことか?どういうことなんだろうか・・・また頭が混乱してくる。

 

 

浅「そなたがこの長屋の前に倒れておりましてな。ここに運んで寝かせていたというわけでござりまする。」

 

ね「そうでござる!」

 

キ「そ・・・そうだったんですか。ご迷惑おかけしましt・・・いたたた・・・」

 

 

立ち上がろうとすると頭痛が走った。

 

 

浅「いけません。まだ動かぬほうがよろしいですぞ。しばらくは安静にしていてくだされ。」

 

ね「ねねが面倒をみるでござる!」

 

キ「いや・・・そういうわけには・・・」

 

浅「まぁまぁこれも何かのご縁、身体が良くなるまでゆっくりしていってくだされ。」

 

 

とにかく状況を把握したかった。しかし身体が思うように動かない。

ここはお言葉に甘えておくほうがいいのかもしれない。ゲーム内では無いにせよ、もしこのまま外に出てもどうしていいのかわからない状況だし、おそらくは何もできないであろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こうしてキリトはアインクラッドの世界から、また違う世界にきていたのであった。




拙い文章で失礼しやした。

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