自分的にはこれと言って夜更かしは少ないのですが、どうも眠くて眠くて。皆さんも睡眠はちゃんと取りましょう!
それでは、ごゆっくり。
「さぁて、お土産でも買おうかな」
今日の晩御飯の材料を買い終わり、俺は二人が喜びそうなお土産を探す。
人里はとても賑やかだ。いろんな人が平和に暮らして、立ち話でもしながら笑う人もいる。屋台の人なんかは大きな声で商売をして、子供は元気に走り回ってる。
この幻想郷では、森の中なんて一人で歩こうものなら平気で妖怪に殺されてしまう世界だ。だから普通の人間は人里からは出ない様にしている。もちろん、そんな妖怪の中でも人間と親しみたい、と願う者もいるし、実際に人里の中は人間と妖怪の共存も叶う場だ。人里で生活する妖怪もいる。
「ほんとにいい所だなぁ」
よし、お土産はあそこの饅頭にしようかな。
「あやや。あれは噂の亡霊では......?」
◇ ◇ ◇
「なんで拉致されなきゃいけないんだ」
「拉致ではありません」
どこかの森の中。一人の鴉天狗の少女に俺は小屋の近くまで連れ去られた。
「誘拐ですよ」
「変わんねぇよ!」
さりげなくとんでもない事を言うこの女。
俺が買い物を終えて冥界へ向かおうと少し歩き始めた時、急な風が吹き始めた。そしてその瞬間、何が起こったのか俺は空を舞っていた。正確には、この女性に連れ去られている最中だったのだ。
「細かいお方ですねぇ」
「それよりも、名前くらい聞きたいんだが?あと誘拐した理由な」
「あややや。申し遅れました。私、射命丸 文と申します。以後お見知り置きを〜」
その少女、射命丸 文は頭を下げた。
赤い瞳に黒いセミロング。シンプルな半袖シャツに黒いミニスカート。頭には赤い帽子を被っている。そして靴は下駄のように高くなっているのが特徴的に見える。
「あなたが噂の亡霊。如月 妖斗さんですね?」
「噂ってなんだよ噂って......まぁ、そうだけど」
「あ、ありますよ、噂。聞きます?」
「いやあるのかよ!」
俺って何がやらかしたっけ?そんな言葉を呟きながら日頃の生活を思い直してみる。文はカバンの中を探り、一つのメモ帳を取り出し、口を開く。
「『怪異!夜中の悲鳴!』ってあるんですけど」
「ごめんそれ妖夢だわ絶対」
「えぇー違うんですかぁー」
だらーんと一気に力が抜けたかのように肩を落とす文。よほど自信があったのだろうか。
「ってか、妖夢は知ってるんだな」
「それはもちろん、あなた達のことは簡単ながら調べさせてもらってます。こう見えても新聞記者なんですよ」
「そ、そうか」
さすがは記者と言ったところか。必要なことはあらかた調べるのは基本なのだろう。
「っと言うわけで、今日は密着取材をお願いしたくて」
「いやその、俺は構わないのだが、幽々子に聞かないとなぁ」
「お饅頭で何とかなりませんか?」
「......調べたんだな」
「えぇ、それはもちろん!」
◇ ◇ ◇
「いいわよぉ〜」
案の定、即許可を貰えた。
「それでは、色々とお聞きしたいことが!」
「うーんそうねぇ。質問一つにお団子三つね♪」
なかなかの鬼畜であった。
さすがの文も「それは勘弁して下さい」と願っている。この時点で饅頭一箱貰ってその上団子まで貰おうとする幽々子も相変わらずというのか、何というのか。まず、それが普通と思ってきた俺も感覚が狂っている証拠だろう。
「ではでは、まず最初に『春雪異変』についてですが」
───
「──なるほど、今回はとてもいい収穫です」
「あらそう?妖夢の下着の色とかは?」
「なんてこと言うんですか!」
ある程度の質問は聞き終えたのか、文は少し満足感に浸っていた。
「ちなみに何色なんですか?」
「なんで言わないといけないんですかっ!」
「えー気になるじゃないですかぁー」
「知ったところでどうするつもりなんですか!」
「意外と人気なんですよ?主に殿方たちに」
「絶対嫌です!ぜっっったい嫌です!」
若干涙目になる妖夢に文は笑いながら続ける。確かに妖夢は涙目になってからは限度を守らなければいけないが、それさえわかればとても可愛らしいものだ。
「では、ここからは真面目な質問いいですか?」
「出来れはもう、関わりたくないのですが......」
はぁ、と大きなため息をつく妖夢を見ても文は遠慮なしだ。
「庭師。ここで働く身として、やりがいとは?」
ほんとに真面目な質問に妖夢は少し驚いている表情を見せる。
まぁ流石にふざけすぎても妖夢の逆鱗に触れて終いには斬られる可能性もある。主に俺だけ。それすら慣れてきたのもどうかと思う。
「そう...ですね。やはり、大切なお方のお側にいられることも幸せですね」
「ふむふむ」
「それと、お二人が料理を喜んで食べてくれるとやりがいを感じますね」
照れくさそうに話す妖夢に、文はメモに書き始める。
「なるほど......。ありがとうございました!」
メモを書き終えると文は笑顔で一礼する。妖夢も普段は答え慣れないようなことを言って少し緊張していたらしい。
「ではではお待ちかね、妖斗さん」
「はいはい。答えきれる範囲内でな」
妖夢への質問が終わり、最後に文は俺のところへと向かってきた。薄々予想はできていたが、まぁ今のを聞く限り変なことは聞かれないんじゃないだろうか。
「では、お聞きします」
「おう」
「幽々子さんをちょっとはエッチな風に見たことは?」
「待て妖夢、刀を構えるな」
やはり文だった。こいつはわざと聞いてるんじゃないかと思うほど悪意を感じる。
「あのさぁ、それを聞いてどうする?ほら見ろ、俺の首筋に楼観剣があるだろ?」
冷静と思うなよ?めちゃくちゃ怖いんだぞ?
「だってですよ?あんなナイスバディーなお姉様がいたら私だって見ますよ?」
「だから、そういうことをあまり言うなって痛いから!妖夢!関節をキメないでくれ!」
いつの間に刀を閉まったのか、今度は関節をキメてきた。さすがは乙女他とはいえ護身術程度には技を知っている。
「み、見てない!そんな風には見てな...」
「そんな、私には魅力がないのね......」
「どこから出てきた!?そして急にそんなこと言うなよ!」
ゆらり、と壁を貫通して幽々子のご登場。二人掛りで俺の関節を潰しに来た。
「その、下心とかじゃなくて!大人な、魅力的な意味で見てる!っという妖夢はそろそろ離してくれないかな!?」
なんか言ってることも恥ずかしいし、何よりも痛い。やはり亡霊とは言え関節をキメられると痛いということがわかってしまった。
「まぁ、それで許して上げましょう」
何やかんやで言われて照れたのか、幽々子は少し顔を赤くしていた。そして妖夢は俺をやっと解放してくれた。
「では、あまり長くいるのも悪いですので、私はそろそろ」
面白いのも見れましたし、と一言余計なことを言いながら、文は黒い翼を広げて空に舞う。
「次は羊羹でお願いするわ〜」
「そ、その時は考えておきます」
「気をつけてくださいね」
「はい!それでは皆さん、また!」
ビシッと敬礼をして、文は幻想郷へと飛び立とうとした。その時に、また口を開いた。
「おっとと。忘れてました、妖斗さん」
「なんだよ、もう俺を虐めないでくれよ」
「違いますよ。お伝えしなければいけないことが」
「伝えたいこと?」
「紅魔の主。レミリアさんがお呼びでしたよ」
「レミリア、が?」
ちょーっと無理やりな感じがありましたかね?
まぁ、それはそうと。
最近では、色んなゲームが発売されてきましたねぇ。
作者はPS4を楽しんでます!
意見や感想、気軽にどうぞ!
ではまた次回!