いやぁ、自分の地元では今お祭りがありましてね、まぁリア充が多いこと多いこと。
ん?自分ももちろん行きましたよ!チョコバナナと箸巻きを食べに、1人で!......チクショウ
それはともかく、後書きの方でご報告がありますのでぜひ!
それではごゆっくり
魔理沙の家の付近に春度を集めてから3日が経った。
「さ〜狩りに行くわよ」
意気揚々としているのは勿論幽々子である。自分が春に関係しているのか知らないが、春度によって栽培されたキノコが余程気になっていたらしく、昨日まではワガママなお嬢様だった。まぁ、それはいつもとあまり変わらないのだが......。
「...今、失礼なこと考えたでしょ」
「そ、そんなことないぞ?」
だが、感の鋭い所は相変わらずだ。
「よーむぅー、七輪はあったかしらー?」
「た、ただいま!」
「あら。随分立派ねぇ」
妖夢は何を探していたのかというと、幽々子が「キノコは七輪で焼いてこそ美味しいの!」と言い張るため、妖夢はわざわざ倉庫の中に入り、たった今探してきたところだ。妖夢の頬には黒い跡が付いていて少し可愛らしさが出ている。
みんなが揃い、準備は整った。
白玉楼を出る前に戸締りの確認。万が一侵入者が入ろうものならそっこく消されるだろう。そんなちょっと恐ろしいことを考えながらも、俺たちは幻想郷の魔法の森へと向かった。
◇ ◇ ◇
「これはまた...」
「凄いわね」
「...です、ね」
魔理沙の家に到着、とは言ったものの、まさか来て早々驚かされるとは思ってもいなかった。
「褒めても何も出ないぜ?」
「褒めてないからな?」
家がキノコなのか、キノコが家になったのか。はっきり言ってもうわからないくらいキノコだ。壁に、屋根に、煙突に、玄関に生えまくってる。
「どうしたの?これ」
食べられるかしら、と明らかに表情に出ている幽々子は興味津々に魔理沙に尋ねた。
「聞いて驚くなよ。実はこれ、お前達が集めてくれた春度って奴で繁殖が凄いんだ!これは凄い発見なんだぜ!」
ニコニコと可愛らしい笑顔で語る魔理沙。いい笑顔だなぁと思いながらも本当に春度だけでこんなになったのかと疑いもある。
「ところで、前に言ってた春のキノコって言うのは?」
幽々子の本音が出た。今日一番に言いたかったセリフだろう。それを聞いた魔理沙も聞かれることは分かっていたらしく「まぁまぁ」と幽々子を宥めている。
魔理沙の後を付いていくと、家の中に案内された。すでに春のキノコは収穫していて、それで料理を作ろうとしていたらしい。
「これが今日のメインだぜ、春のキノコ!」
「凄い、綺麗な色してるなぁ」
「これは、花弁の模様、ですかね?」
「美味しそうの一択ね」
目の前に並べられた春度によって作られたキノコ、春のキノコはキノコの傘の部分に桜の花弁の模様が描かれており、薄目のピンク色をしてとても綺麗だった。
「へぇ〜ホントにこんなキノコあるんだな」
「じゃあ、食べましょうか」
「まぁ待て待て。この私が絶品料理に変身させてやるぜ」
「妖夢の方が腕がありそうなんだけど」
「私はキノコ専門だからな」
「確かに、今回は魔理沙さんの方がいいかも知れませんね。この食材は扱ったことありませんので」
確かに料理の腕前では妖夢が圧倒的だろう。だが今回に限ってはほぼ『未知のキノコ』の為、専門家だと思われる魔理沙に任せた方がいいだろう。それに、今回のでまた妖夢の料理の腕が上がってくれるのなら喜ばしい事だ。
籠に入ったキノコを魔理沙は台所へと運び出す。春のキノコの量自体はあまり多くは栽培出来なかったため魔理沙一人でも簡単に運べるくらいだ。まぁ、食べる量が少ないと何処ぞのゴーストお嬢さんが文句を言うだろうが気にしてはいけない。
ちなみに、他に生えていた分は白玉楼まで持ち帰るつもりらしい。
「さーて!この霧雨魔理沙のキノコ料理!味わってもらうぜ☆」
普段のテンションで可愛らしくポーズを決める魔理沙。服装もいつもの白黒の魔女の衣装では無く、部屋着なのだろうか、普段見慣れないラフな格好にエプロン姿であった。
「......」
「な、なんだぜ?」
「いや、ごめん。エプロン姿にギャップがあって良いな、なんて」
「ば、ばか!そーいうのは私に言わなくていいんだよ!ぶ、ぶっ飛ばすぜ!?」
「す、すまん。でも、似合ってはいるかうぐっ!なんで腹パン.....」
「うっさい!あーもう!......あーもー!!!」
顔を赤くして無言の腹パンをかます魔理沙。もちろん予想も出来なかったから割とダメージが大きい。
「.........」
「痛っ!ゆ、幽々子?どうした急に」
「知ーらない。さぁ魔理沙、早くごちそうしてほしいわ」
「え?なんで?なにこの叩かれ損」
「陽斗さん。反省しといてくださいね」
「な、なんで妖夢まで......」
「乙女心は複雑なんですよ」
魔理沙からは腹パン。幽々子からは頭を叩かれ妖夢からは呆れられる。そして最後に乙女心と。何がなんだがさっぱりの状態から、魔理沙の調理が始まった。
「乙女心って、なんなんだ.........」
◇ ◇ ◇
「美味しかったわね、魔理沙のお料理」
「そうですね」
白玉楼の縁側。お茶を啜りながら幽々子と妖夢は話していた。
あの後、結局叩かれた理由もわからず、そのまま魔理沙の料理を味わっていた。珍しいキノコとは言え、料理は変にこだわりを持たず、シンプルに仕上げる。作った物は焼きキノコとスープだ。春を感じさせる優しい味わいで、香りもとても良く、また食べたいと思わせられた。
そこまではいいんだが。
「幽々子ー。お風呂沸かしたぞー」
「......ありがと」
「お、おぅ......」
やはり、俺はあの叩かれた時に何かやらかしたのだろう。あのままからずっとこの調子である。
「なぁ妖夢。どうすればいいんだ...」
「そうですねぇ。その鈍感な所をまずは治しましょう」
「酷い言われようだな......」
「陽斗さんは、幽々子様のエプロン姿。どう思います?」
唯一頼れるのは妖夢だけである。もちろん、男である俺には乙女心を理解出来ていない。やろうと努力はするが、どうすればいいのかがわからない。だがら、こういう時は妖夢がとても頼もしく思える。
「そうだな。まぁ、いつもn「失格ですね」...えぇ......」
まさかの答えてる途中にこの失格宣言である。
「ま、まだ途中なんだが」
「即答しない時点でアウトです」
「なんか、いつにもなく厳しいな」
「そんなことありませんよ?じゃあ、質問を変えます」
「お、おう」
「幽々子様のエプロン姿を、見たいですか?」
「......見たい」
「まぁ、いいでしょう。そういう事です」
「えっ!?」
そう言って、妖夢は立ち上がり自分の部屋へと戻って行った。もうここまで行くと何がなんだか、謎は深まるばかりだ。鈍感で鈍いところは何となく自覚はある。だが乙女心を察する、というのは生きている間にも経験がなかったけど、俺が死んでからは幽々子と付き合って.........あぁ。
死んでからは、経験したじゃんか......
「あとで、謝っておこう 」
──────
「陽斗のばか。確かに着る機会は無いけど、ちょっとは気を使ってもいいじゃない......」
まぁでも、最初に着た姿を見せる時は、まず私が料理を振舞ってあげられるようにならないとよねぇ〜。
「お料理、妖夢に教わらなくちゃ......」
その前に、材料を食べることを我慢ね。
えっとですね、ご報告ですが。
前回の投稿をしてから、9月5日になんと!日間ランキングで8位になっていました!ありがとうございます!
まさかこんなに投稿していなかったのにここまで読んでいただけると思うと感謝の言葉でいっぱいです。
これからもこんな作者ですが、『気づけば桜の亡霊が傍に居てくれる』を宜しくお願い致します。
意見や感想、気軽にどうぞ!
ではまた次回!