気づけば桜の亡霊が傍に居てくれる   作:死奏憐音

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お久しぶりです皆様!
そして遅くなってごめんなさい!

とりあえず、学校生活での忙しい事は終わりました!っと言っても、まだあるんですけどね。まぁ残ってる行事もそれほど忙しい訳ではないのでご安心を!

久しぶりに書いた小説。さぁ、どれだけレベルが下がっているのかご覧あれ!(混乱)

ではごゆっくり。


47話:乙女の特訓......?

「簡単に説明するわ」

「はいっ!」

 

永遠亭の夜。外は静かで意外と私の返事の声が響いて少し恥ずかしかったり。

 

「率直に言うと......」

「はい......」

「貴女の主を相手だと、スタイルでは完敗よ!」

「......わかってます!」

「ごめんなさい。まさか涙目になるとは思わなかったの」

 

気づけば私の視線は鈴仙さんではなく自分の体を見ていた。あれ、どうして涙目が?今更な話なのに。幽々子様にスタイルで勝てないって分かってる筈なのにどうしてでしょう。

それはさておき、鈴仙さんの言う通りなのは本当の事。幽々子様は食欲を抜けば完璧です。大きな胸にちゃんとしたくびれ。スラッとした美脚に細く綺麗な腕。そしてあの笑顔。女性が求める殆どを幽々子様はお持ちになっているのです。それに比べて私なんか。余計なお肉は付いてはいませんが......全体的にほっそりしています。あ、また涙が...。

 

「だ、大丈夫?飲み物持って来ようか?」

「いえ、お気になさらず」

 

涙を拭いて気合いを入れ直す。よし、私はこんな事で落ち込んじゃダメです。この程度じゃ私は何も変わりはしません!変わるためには自ら動く!

 

「鈴仙さん!まず、何をすれば......」

 

動く為にはやはり協力も必要。

私は顔を鈴仙さんに近づけて問いかけ「そうね」と首を傾げた。少しの間があったものの、鈴仙さんは一生懸命に考えてくれてた。そして、口を開いた。

 

「着物を着たらどうかしら?」

「き、着物...ですか......」

 

その発想は無かった。まずは見た目から!と鈴仙さんは部屋を出て行った。きっと着物を取りに行ったと思われますが......これでも私、着物なんて着たことないんです。

しばらくしてから扉が開き視線を移すと、そこには着物を持った鈴仙さんがいた。あらかじめ畳まれていた着物を床にそっと置き私を見た。

 

「この着物、貰い物でね。貴女なら似合うと思ったの」

「い、いいのですか?わざわざ」

「いいのよ。ほら、着替え手伝うわよ」

「いや、ちょ、一人で出来ますから!」

「手伝う方が早いでしょ?ほら脱いで」

「そ、そんな一気にだと恥ずかしいです!」

「女同士気にしないの!ほらっ!」

「ーーーーっ!」

 

夜だったため、私は大声を噛み殺して心の中で叫んだ。

 

 

 

 

 

 

 

「───出来たわ!」

 

どれくらい経っただろうか。なんかあれですね、着させられる側からしたら長く感じましたね。そもそも着物を着ることがないのでそう感じるだけと思いますが、幽々子様は慣れっこでしょう。

 

着物を着終え、鈴仙さんが大きな鏡を出してきた。

 

「自分で見てみなさい」

「は、はぁ......」

 

正直、あまりのる気ではない。幽々子様はあのスタイルだから似合うのです。男性である陽斗さんがどう思っているのかは分かりませんが、女性の胸というのは大変魅力的なんだと思います。女性の方なら誰もが羨ましがる筈なんです。

しぶしぶと鏡の前に足を進める私。鏡は結構大きく、人一人なら全身が映る大型だった。

どうしよ、これで似合ってなかったら......いやいや、まだ諦めるのは早いですね。せっかく鈴仙さんが協力してくれてるのです。ここは一旦、自分を見るしかないです!

 

目を閉じ、勇気を出してその鏡の前に立った。

 

そして、目を開く、と同時に私は驚いた。

 

「...ぁ......」

 

目の前には綺麗な少女がいた。もちろん、私が鏡に映っているだけ。

着物は緑と白を基本とした配色。全体的には緑が多く使われており、細かなところで白が使われている。裾や袖には花の刺繍がありとても可愛らしい。

 

「着物には、体のラインを分かりにくくする効果があるの。これなら貴女でも大丈夫でしょ?それに、着物は細い方が綺麗なのよ」

 

言われて見ればそうだ。幽々子様は大きいから別の魅力がありますが、私みたいな体でも、自分で思うのも何ですが綺麗に見えるんです。これなら、気にせずとも大丈夫な気がします。

 

「これが、私......」

 

分かっていてもそう思ってします。あまりにも今までとは比べ物にはならないであろう。そして、今までで一番輝いているのかもしれないです。

 

「自信はついたかしら?」

「す、少し......」

「ならいいわ。あと大切なのは仕草とかね」

「仕草、ですか?」

「そう。そうね。妖夢は自分の主のどういう仕草が男性に好まれてると思う?」

「え、幽々子様の、仕草ですか?」

 

幽々子様のどういう仕草が、陽斗さんが興味を持たれるのか、というコトですか。むぅ、これは難しいですね。半人半霊だけであって女ですし、陽斗さんが引かれる仕草なんて......あっ。

 

「幽々子様がお酒の入った時ですが」

「うんうん」

「肩や鎖骨の辺りを見せたり、着物をはだけさせたときに陽斗さんが顔を赤くするのを見かけますね」

「それよっ!」

「え、えぇ!?」

「今すぐやってみなさいよ」

「むむ、無理です!恥ずかしいですよ!」

「主の出来る事が、従者が出来ないでどうするの!」

「お酒が入ったときですもん!」

「今はお酒が無いんだから我慢しないよ!」

「恥ずかしいですって!」

 

自分でも思う。何この争い、と。

 

 

「頑張って、ほら!」

「ほら、じゃありません!」

「このまま終わりたくないでしょ!?」

「このまま終わりたいです!」

 

長く続いたよくわからない言葉の攻防戦。

つ、疲れた。まさか言い合うだけがこんなに疲れるなんて思ってもませんでしたよ。でもとうしましょう。このまましないで終わりたいのですが、この仕草ができる事で少しは陽斗さんも私を見てくれるのでしょうか。鈴仙さんはきっとそう思って私に言ってくれてるのでしょうか。正直身に付けたいですが、恥ずかしさの方が上をいってしまう。せっかくのチャンスを、ここで逃すなんて私らしくない。

 

「...鈴仙さん。絶対笑いませんか......?」

「やる気になった?」

「頑張ってはみます」

「わかった。笑わないって誓うわ」

 

戦友との、お互いの信頼を誓い決めた。当然だが、まだ恥ずかしさはある。十二分にある。それでもやらなければならない時が私にはある。それは今だ。

オドオドとしつつも、私はゆっくりと床に座り込んだ。腰を少し捻らせて両足を重ねる。腕で体を支えて反対側にいる鈴仙さんに向かって這いよるように体制を作る。そしてわざと着物を崩し、肩や鎖骨辺りが見えるようにした。

 

「ど、どう、ですか?」

 

恥ずかしい。とてつもなく恥ずかしいです!普段からこんなに肌を他人に見せる事なんてなかったし、ましてやこんなキャラでもありません!鈴仙さんなんとか言って下さいよ、恥ずかしいんですからぁ!

 

「......あ、ごめん。見蕩れてたわ」

 

顔を赤くしてそう言った。

 

「本当にですか?」

「えぇ。貴女、ある意味男性を落とす才能あるわよ」

「そんな才能無くなっていいです!」

 

剣が私の全て。お色気なんて必要ありません。でも、心の中ではどこか嬉しがっている自分自身がいた。たった少し褒められたくらいで、私は軽いのですね、と自覚もした。

 

「まぁ、でも、完璧よ」

「あ、ありがとうございます」

「もう寝ましょうか。貴女の事だから朝には帰るのでしょ?」

「はい」

「そうと思った。なら、火、消すわね。おやすみ」

「お、おやすみなさい」

 

二人で横になり、ふかふかの布団へと身を委ねた。徐々にくる小さな温もりが私の意識をすぐに眠りへと誘い込んだ。

 

 

 

 

 

 

永遠亭へ感謝の言葉を言って、私は帰ろうとした。着物は鈴仙さんが譲ってくれました。なので今着ていますが空を飛びづらいですね。風の抵抗も大きいし、何より下着が見られそうで嫌です。幽々子様はいつもこの格好で動いてますから流石です。

 

竹林を抜け、人里が見え始めた。今日は人里で一日を過ごそうかと思います。早く帰りたいのもありますが幽々子様が帰る前に「明日は休み。楽しみなさい」とおっしゃって下さいました。主から許可の出た休暇、大切にしたいと思います。

 

「とりあえず、人里かな」

 

進路は人里へ。

とは言ったものの、今まで休みを過ごした事がありません。一応、休憩時間はありますけど、そういう時間帯はいつも鍛錬をしていましたから、遊び方を知りません。幽々子様や陽斗さんなら、どうするんだろう。

 

幽々子様はお食事。

陽斗さんは......いつも何してるんだろ。

 

人里の前まで来て、私は地面に降りた。地に足をつけ、人里へと入って行く。

人里はいつもと変わらず賑やかですね。お店も沢山あって、側には子供達が元気良く遊んでいる姿を見ると無意識に笑顔になります。

 

「あ、よーむお姉ちゃん!」

「着物着てるー!」

 

元気のいい声が聞こえ、そこを振り向く。そこには寺子屋の子供達が私に向かって走ってくる姿があった。その後ろにも当然あの人もいた。

 

「こんにちは」

「「こんにちはー!」」

「慧音さん、お久しぶりです」

 

子供達の後ろには教師である、上白沢 慧音さんがいた。青と白を組み合わせた服に頭には四角い帽子。

この人は本当に人柄のいい人で会うたび助けてもらっている気がします。

 

「おう、久しぶりだな」

 

見た目とは違った喋り方。凛々しい声に立ち姿で挨拶をした。

 

「どうしたんだ、着物なんて。似合ってるじゃないか」

「いつものお洋服は〜?」

「あるよ。でも今日はお休みを貰って、人里で過ごそうかなって」

「そうだったのか。それにしても綺麗だな、見違えたよ」

「けーね先生、よーむお姉ちゃん可愛いね」

「あぁ、そうだな」

「い、いえいえそんな......!」

 

ダメだ、無邪気な笑顔でこんな事を言われると喜びたいのですが、やっぱ恥ずかしいです。まぁでも、言われて嫌な気持ちにはなりません。

 

「休暇と言ったな。色々教えたい事があるが、私はこの子達に勉強を教えないといけないからな」

「先生っ」

「ん?どうした」

「よーむお姉ちゃんにも勉強教えてもらいたい!」

 

な、なんてことを言い出すんだろうか。

 

「それもそうだな。どうだ、妖夢?」

 

あぁ。慧音さんと子供の視線が凄い......。

 

「え、その、私で宜しければ......」

「やったぁー!」

「よし、そうと決まれば早速頼む」

 

子供達に手を握られ、寺子屋の中へと案内された。中は結構広くて綺麗だ。さすがは学び舎、周りには小さな子供達がキャッキャと遊ぶ姿もあれば黙々と勉強をしている子もいる。

 

目の前の扉で「ちょっと待っててくれ」と慧音さんに言われ少しの間待つ。

 

「みんな、今日は特別に私ではなく、ある人に勉強を教えてもらうぞ。誰だか分かるか?」

「もこーお兄さん!」

「妹紅は女だぞ?」

「あきゅー先生っ」

「稗田家は忙しいからな」

「あ、さくやさんだ!」

 

へぇ、咲夜さんって子供達に人気なのですね。

 

「違うなぁ。じゃあ、今から呼ぶからな。入ってくれ」

 

無声側から声が聞こえた。急な緊張感が私を襲った。どうしましょう。人に教えた事もないのに、どうすればいいのでしょうか。と、とりあえず中に入りましょう。

扉に手を掛け、中はと入ると同時に歓声があがった。

 

「よーむお姉さんだぁ!」

「やったー!」

「わぁ、着物きれー!」

「なんか隣に白いのが浮いてるー!」

「み、みなさん、こんにちわ」

 

「「「こんにちわー!」」」

 

す、凄いですね。

 

「私は白玉楼の庭師、魂魄 妖夢です。今日は楽しい時間にしましょう」

「うむ。自己紹介ありがとう。なら、今日は妖夢先生にはもうお題は教えてるから、みんな期待しててくれ」

 

え、お題!?何にも聞いてませんよそんなこと!

急な無茶ぶりに戸惑い、頭の中が一瞬真っ白になってしまった。どうしようどうしよう、あらかじめ考えておけばよかった!

 

「ちょっと慧音さん、急過ぎま...なんですか、紙?」

「後は頼んだぞ。あとこれを」

「な、なんです、これ?」

「眼鏡だ。これをすると先生っぽくなるぞ」

 

肩に手をポン、とされ教室から出ていった慧音さん。め、めがね?そんなものがあるのですね。それと同時に、一枚の紙切れを渡された。私は無言で見つめられる中、静かに紙の中身を確認した。

 

なるほど、慧音さん。わかりました!

私はめがねを付け、気持ちを切り替え先生っぽく振舞った。

 

「ではみなさん、始めますよ」

「「「よろしくお願いします!」」」

 

「今日は『幻想郷と冥界』についてです! 」

 

 

 

 

 

 

 

この休暇で、私はなかなか珍しい体験ができたと思います。

まさか見習い教師になってすぐにスカウトされるとは思いませんでしたね。生徒の皆さんからはお礼の手紙も貰って嬉しいです。

 

「...庭師がクビになったら、教師、なんてね」

 

私は一生、白玉楼庭師として頑張らせてもらいます!

 

 

 

 

 




改めて読み直しましたが、これはなかなか......。

もうあれですね。作者の妄想を書いているだけで文章力の欠片もないですね!
ただ言えることは、乙女な妖夢を書いてみたかっただけなんです!上手く書けてませんけども!

っという謝罪まみれの後書きまで読んで下さった読者様、ありがとうございます。
できる限り!ペースを上げたいなと思っていますので今後とも宜しくお願いします。

意見や感想、気軽にどうぞ!
ではまた次回!

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