部活が終わるのは寂しいですが、これで小説が書ける!
なので、これからはできる限り更新ペースをしようと思っていましたが、作者は学生でして、就職活動があるのでわかりません!ほんとにごめんなさい。
話はここまでにして、前回の続き!
それでは、ごゆっくりと。
剣は斬る道具である。
銃は撃つ道具である。
この二つの共通点といえば、殺める道具。この一つに限るかもしれない。何かを殺してしまうのは当然いけない事であり、この幻想郷ではそれを阻止するために弾幕ごっこ、スペルカードルールがあるのだ。
ならばどちらが強いのか?
剣は相手に近づいてしまえばこちらの勝ちである。
銃は相手を近づけなければ勝ちである。
お互いに得意な分野があるが、お互いに大きな弱点よ存在するのである。弱点の無い物などほとんど存在しない。戦う上で、どちらが先に相手の弱点を見つけ、どう戦っていくのかを見つけるのが勝負の鍵かもしれない。
「はぁ!」
私は楼観剣を横に薙ぎ払うようにして弾幕を放った。今戦っている相手、鈴仙さんがまだどれほどの腕前なのかわからない。だからこそ、慎重に、慌てない事を心がけよう。
鈴仙さんは私の放つ弾幕を簡単に避けた。鈴仙さんもこのくらいはとまだ余裕な表情をしている。
「貴女は、弾幕が苦手かしら?」
鈴仙さんは私にそう聞いてきた。
「苦手ではありませんよ。ただ、あまり弾幕ごっこをしてないだけです」
実際には苦手である。そもそもこの刀は斬る道具。弾幕を撃つための道具ではなく、純粋に、主を守る為の道具だ。スペルカードルールなんてものが無ければそれはそれで大変な事になっているかも知れないが、無ければ私はかなり有利かも知れなかった。
「私も、あまり経験は無いの。でも経験する機会はあったかも知れないわ」
顔を上げて月を見ながら鈴仙さんはそう言った。まるであの満月に何かあったような、そんな雰囲気が見てわかった。
「私、あの月で軍にいたの。その中で私は、自分で言うのも何だけど優秀だったわ。月では戦争が起きて、その度に誰かが怪我をして、中には死んでいく。それが普通な世界だった。私はそんな生活が嫌だったし、なにより......」
顔を上から下へ向けて、少し間が空いた。
「......戦うのが怖くて、逃げたの」
悲しそうな声で鈴仙さんは呟いた。今にも泣いてしまいそうな悲しい声で少し震えていた。聞いている側としても、かわいそうで無意識に拳に力が入る。
「でも、ここに来てからもう逃げないって決めたわ。名前をくれた主を、助けてくれた皆を。過去に習った技術で守りたいの!」
目つきを変えてそう叫んだ。鈴仙さんを見ているとなぜか、似ていると思ってしまう。実際にはどこも似ていないかもしれない。住む場所も違って、何より過去が違う。似ていなくても、これだけは思う。
「それは、私も同じです。いつも見守ってくれる幽々子様を。助けてくれる陽斗さんを。そして、この二本の刀、魂魄家に掛けて......本気でいきます」
お互いに大事な存在の為に戦うのだと。
「......いくわよ!」
鈴仙さんは叫び、弾幕を放った。赤く銃弾の形をした弾幕が綺麗な配置でだ。その弾幕を上手く避け、お互いに走り出す。右へ左へとフェイクを掛けながら、どちらが先にスキを見せるかを疑う。
私が楼観剣を構えると鈴仙さんの目付きがまた変わる。
「いい刀ね。でも、当てられなければ意味がないわ」
鈴仙さんは私との距離を取り、刀の間空いを作った。
正直、面倒な戦い方だ。楼観剣は長刀。いくら長いといえど距離を離され弾幕ばかり撃たれては流石に厳しい。
ならばっ!
「やぁー!」
足を踏み込んで一気に鈴仙さんとの距離を無くすだけ!
鈴仙さんも流石にこれは予想していなかったらしい。慌てて逃げようもするがもう私の間空いだ。楼観剣を縦に振って攻撃をする。だがその楼観剣は当てる事が出来ず空を切った。
「どんな跳躍力してんのよ」
「日頃の鍛錬の成果です」
外してしまったけど、大体の距離や間空いはわかった!あとは今わかった事を使っていけば......あれ?
「し、視界、が......え...?」
視界がボヤけた。それも突然にだ。
自分で片目を瞑っても変化はなく、自分の手のひらでさえもボヤけて見えた。おかしい。何かの病気?それともここ特有の何か?考えていても視界は悪くなるばかり、鈴仙さんの顔が二つや三つに見えてきた。
「貴女は今、 私の能力に掛かっているわ」
「のう...りょ、く......」
「私の能力は『狂気を操る程度の能力』。私と目を合わせた瞬間から、貴女は狂っているのよ」
「きょう、き......?」
ダメだ。混乱してて頭に話が入ってこない。第一まともに立つ事すらままならない。このままだとすぐにトドメを刺されてしまう。立ち上がらないと、早く!
心の中ではそう思っても視界がボヤけて周りの状況がわからない。
「くっ、ぁ、はぁ......」
刀を地面に突き刺して杖の変わりにして、私はかろうじて立ち上がった。
「よく立ち上がったわね。いいわ、能力は解除してあげる」
鈴仙さんがそう言った数秒後、視界が徐々に回復していった。
「......ん...で......」
「え?」
「なんで能力を解除したんですか......」
震える声でそう言った。解除してもらったのは確かに助かったと言える。けど、悔しい。手加減されているのかと思うと、心の底から悔しさが込み上げてくる。
「はぁ、貴女。さっきの状態で勝てるって思ってるの?」
「そんなの、やってみないとわかりません!」
「立ち上がるのにも苦労して、姿すら見えなかった貴女が、そんな根拠無しで......呆れたわ」
はぁ、とため息をつく鈴仙さん。
根拠は無い。自信もないです。呆れても当然だと思います。
それでも......
「まだ、始まったばかりですよ!」
「.........」
「はぁー!」
地を踏み前に飛び込むように進む。楼観剣を握り締め、力いっぱいに振りかぶる。
「はぁ、なにも学習してないわね。そのくらい簡単に......あれ?」
鈴仙さんはやれやれと私の攻撃を避けた。だがその攻撃の後に鈴仙さんは驚愕した。
「もらいました!」
「よ、妖夢が二人、分身!?」
その通り、分身である。私は半人半霊であり、私ともう一つの半霊で私の分身を作った。当然鈴仙さんは私が半霊を分身に使ってるとは知らずに油断していた。分身の攻撃は避けられたが、私本体の攻撃は見事に命中した。
「ぐぅっ!」
「はぁ、はぁ、はぁ」
後に下がる衝撃をなんとか鈴仙さんは抑えた。
流石に、分身まで使うと体力の消耗が凄いですね。でも、モロに入った楼観剣での攻撃です。ダメージは小さくないはず!
「いきますよ!」
「くっ!」
苦しそうな表情をする鈴仙さん。やはりダメージは大きかったらしい。私は休憩する暇を与えずすかさず次の攻撃へと移る。
「やぁ!」
「っつぅ!」
次!次!次ぃ!
鈴仙さんは私の攻撃を必死に避ける。右へ左へと飛び跳ねるが、当然私もその動きに合わせて剣を振るう。完全に今は私のペースだ。このまま、一気に押し通ってみせる!
「はっ!」
「もぉー!あんた、いい加減にしなさいよぉ!」
「なっ!?」
ついに吹っ切れた鈴仙さん。その周りには赤い弾幕が数多く展開されていた。
それと同時に、鈴仙さんの瞳が紅く染まった。
「スペルカード!」
そして、鈴仙さんはスペルカードを宣言した。ついに本気でやりあえる。そう思うと私は少しの恐怖と少しの楽しさが出てきた。
「幻波『赤眼催眠(マインドブローイング)』!」
手の形を銃の形にして乱れ打つように弾幕を放つ鈴仙さん。スペルカードを見る限り、全体的に大きな隙間がところどころにある事が確認できた。そこに飛び込めば避けられるはず!私はその隙間目掛けて体を入れようとする。
その直後、鈴仙さんが小さく笑った。
「何がおかしい!......え、なに!?」
弾幕の隙間に体を入れようとしたとき、目の前にあった赤い弾幕が一つから二つへと分裂し始めたのだ。私は咄嗟に回避行動に移るが予想出来ていなかったため、回避まで間に合わず何発かかすってしまう。
「ぐぅ!」
かすったところが少し黒くなった。まともに当たっていたらどうなっていたかわからなかった。想像もしたくない。
しかし、これは厄介だ。ただでさえ私は近接での戦いが得意な分、遠距離攻撃が苦手だ。その遠距離攻撃をしつつ、弾幕を分裂させてくるスペルカードだ、私にとっては不利でしか無い。
鈴仙さんのスペルカードを避け続ける。このままでは体力が無くなってしまうのを待たせているだけである。こうなれば、私も使うしかないですね。
「スペルカード!」
力を楼観剣に集めてちょっとポーズを決める。べ、別に意味なんかありませんよ!?
変な邪念もあったが、スペルカードは発動してくれた。密度のある弾幕ならば、それを突っ切れるだけのスピードと勢いさえあれば!
「獄界剣『二百由旬の一閃』!」
鈴仙さんのスペルカードに向かって私の弾幕が展開された。一直線に並べられた弾幕は鈴仙さんまで届き挟むようにした。「なに、これ」っと鈴仙さんが呟く。このスペルカードは基本的に弾幕を相手に当てるのではない。この一列に並んだ理由がある。
「これで、目の前は鈴仙さんだけになりましたね」
「だ、だから何よ」
「気づいてないなら、今から......」
楼観剣を鞘に収め、力の入りやすい体制を作る。剣術でいう抜刀。抜刀からの剣技は神速とも言われ、居合切りでも使われている。鈴仙さんのその事は知っていたらしく、私の構えを見てこの弾幕の存在意義に気づいた。けど、もう遅いです!
「はっ!ま、間に合わな...」
「切り抜けます!」
慌てて自衛用の弾幕を張る鈴仙さん。このままでは私にもダメージはあります。でも、それだけのダメージを受ける覚悟の上ですっ!
「はぁぁぁー!」
目標は目の前。楼観剣を鞘から抜いて鈴仙さんに目掛けて楼観剣を振るった。それと同時に切り抜けた。すべての神経を集中させまさに一点集中の攻撃。これまで最高の威力とスピード。全てを鈴仙さんにぶつけた。
背後にいる鈴仙さんは動かず、静寂が続いた。
確実に決まった。
......と思っていた。
「...惜しいわね」
「っ!?」
後ろから声が聞こえる。それも聞きたかったセリフとは全く別の言葉が聞こえた。そんな、どうして!私の攻撃は完璧だった筈なのに、なんで立っていられるの!
「ど、どうして......」
「確かに当たったわ。でも、斬った実感はあまりないでしょ?」
斬った実感......。私は自分の手を見つめて考えた。そういえば、いつものような何かを斬る瞬間が、さっきは無かった?わからない。でも確実に決まったはずなのに。
頭の中が混乱するが、後ろを振り向いたらその混乱が無くなった。
「いな、い......」
さっきまでいたはずの鈴仙さんがいなかった。声が聞こえていたのは何らかの原因か。そこはまだいい。問題は鈴仙さんの姿が見当たらないことだ。
パチンッ。
「......はっ」
音が聞こえたと同時になにか私の中で吹っ切れた感じがした。そして、なぜか目の前にはさっきまでいなかった鈴仙さんの姿があった。
「まさか、これを使うとは思ってなかったわよ」
赤く染まっている左肩を抑えながらそう言った。
「さっきは一瞬だけだったけど、今からは常時使わせてもらうわよ」
そう言うと鈴仙さんは少し顔を下げ、深く息を吐いた。何が起こるのか。何を使ってくるのか。私では全くの予想が付かない。少なからずとも、さっきよりも強力な何か。楼観剣を握り締め何が来てもいいように再び集中する。
その時だった。
「ひっ!」
私は思わず声を上げた。
何が起きたかわからない。だけど一瞬だけ、鈴仙さんの後ろに『二つの紅い目』が見えた。
その目が見えたと同時に、鈴仙さんは顔を上げ睨みつける様にして口を開いた。
「幻朧月睨(ルナティックレッドアイズ)」
一時小説を書いていなかった結果、このような感じになりました。はい、危機感がとても、ビンビン来ています!
なんといっても弾幕の表現がダメダメですね。ただでさえ文脈や形が訳わかんないのに......そして妖夢はまだしも作者は妖々夢しか詳しくなく、鈴仙のスペルカードはあまり詳しくありません!鈴仙ファンの皆様、すみません!
謝罪をフルで書くと大変なので、ここらで中断。
意見や感想、気軽にどうぞ!
ではまた次回!