気づけば桜の亡霊が傍に居てくれる   作:死奏憐音

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えーまず最初に皆さんはこう思うでしょう。
「エイプリルフールって昨日じゃね?」と、皆さんが思うはず。
それなのになぜ今日投稿した! それは......!
書いてはいなのですが、疲れきっていてそのままお風呂に入った後寝てしまいました。

いやもぉすみませんでした!
それに今回は、めちゃくちゃ短いです!作者の頭ではネタが思いつきませんでした!

それでも宜しければ、ごゆっくり


特別編:エイプリルフールな白玉楼

 

 

和菓子こそ神レベルの存在なんだと思う。そう思うのは俺だけだろうか。別に洋菓子が嫌いとか食べれない、なんてことはない。

 

ただ、今食べている羊羹が美味しすぎてたまらないのだ!

 

「やべぇよ。なんでこんなに美味しいんだよ......」

「何が美味しいの?」

 

羊羹に感動していると、後ろから幽々子が近づいてきた。幽々子も当然、甘い物には目がなく大好物だ。この前なんて人里に行ったら......財布を見ながら泣きそうになる妖夢の顔を思い出すよ。西行寺家では常に大金を持つのではなく、いつも必要な分だけを持ち歩くのか習慣である。だから妖夢も晩御飯代が無くなるのが怖かったのだろうか。

 

それはさておき、この絶品羊羹、ぜひ幽々子にも味わっていただきたい。

 

「なぁ幽々子、一口食べてみるか?」

「......遠慮しとくわ」

「っ!?」

 

え、今、なんて......?

 

幽々子が食べ物を断った?

 

「幽々子!大丈夫か!?体調でも悪いのかっ!?」

「え、ちょ、大丈夫よぉ。大丈夫」

 

驚きながらも笑顔でそう言ってくる幽々子。いいや、幽々子の事だ。きっと迷惑を掛けたくないと我慢してるに違いない!

 

「幽々子、少しは俺を頼ってもいいんだぞ?」

「ほほ、本当に大丈夫よぉ。安心して?」

「や、でも......」

「じゃあ私、お散歩に行ってくるわね」

 

なにやら逃げる様に早歩きで遠ざかり、幽々子はどこか飛んで行った。

 

怪しい。今までの幽々子なら和菓子を見つけては誰のであろうが瞬時に完食する程のレベルだ。その幽々子が和菓子を遠慮した上に何か隠し事をしているようにも見えた。俺に知られてはマズイ事があるのか?それとも単なるヤセ我慢?

 

「一応、妖夢にも聞いておくか」

 

もうそろそろお昼だ。この時間帯だと妖夢は台所に居るだろう。

 

 

 

 

 

 

「え?幽々子様ですか?」

「あぁ。何か知らないか?」

 

案の定、妖夢は台所でお昼ご飯を作っている真っ最中であった。台所には千切りにされた野菜と鍋の中には煮詰められている魚。きっと献立はサラダと煮魚だろう。

それはさておき、本題に。と思ったら妖夢が何かを思い出したようにポンッと手を打った。

 

「そういえば朝ご飯を食べ終わってからですが......」

「......話してくれないか?」

「はい 」

 

 

 

 

───

 

 

「さぁて、今日は何にしましょう。あ、幽々子様」

「なぁに?妖夢」

「今日のお昼、何が食べたいですか?」

「ごめんなさい妖夢」

「え?」

「私今、ダイエット中なの」

 

 

 

───

 

 

 

 

 

「ゆ、幽々子がそんなっ!」

「なので、念のためサラダを作ったのですが...あ、陽斗さん!?」

「ありがとな妖夢!ちょっと幽々子を探してくる!」

 

妖夢に失礼だが言葉を投げるように走り出す。行く場所は当然決まっている。ここから最も近く、幽々子が居そうな場所。俺はその目的地まで、ある物を持って向かった。

 

 

 

 

◇ ◇ ◇

 

 

 

「.........」

 

.........うん。

 

「私にも、胃があるのね」

 

音が鳴り止まないわ......はぁ。

 

紫に『外の世界は今、エイプリルフールらしいわ』って聞いて、嘘をついても許される日なんて言うからこんな無茶したけど、私には食べ物で嘘なんてつけないわね。餓死しそうだわ、亡霊なのに。

 

「幽々子ー」

 

この声、陽斗?

 

「幽々子ー!」

 

私は声のする方へと体を向ける。そこには小さな小包をぶら下げて走ってくる陽斗の姿があった。どうして、私の場所がわかったのかしら。

 

「幽々子ならここに居るって思ったよ」

「私が、西行妖の所にいるのがわかったの?」

「予想しただけなんだけどな」

 

そう言い、陽斗は私の隣に座り込んで手に持っていた小包を開こうとすると同時に陽斗の声が聞こえた。

 

その声はどこか、心配そうな暗い声で。

 

「なぁ幽々子、どうしたんだ今日は」

「......エイプリルフールって知ってる?」

「あぁ、そりゃ」

「嘘を付いてもいいって知ってから、二人を脅かそうとしたの。私が食べ物で嘘を付いたらビックリするかなって」

 

ホント、バカバカしいわよね私。

 

「はぁ、心配したんだぞ?」

「ごめんなさいね」

「まぁいいさ」

 

この後、陽斗は言葉は続ける事なく小包を開け始めた。私は思いを口にした。

 

「ホントはあの羊羹、すっごく食べたかったの」

「だと思って、ほら。持ってきたよ」

「え?」

 

陽斗が手に持っていた小包の正体。それは私が嘘をついて食べることのなかった羊羹であった。陽斗の事だ、きっと妖夢にでも聞いて察したのかしらね。申し訳ない気持ちが私をいっぱいにした。そして、嬉しい気持ちもいっぱいになった。

 

本当に、優しい。

 

「食べないのか?」

「貴方、ほんとに優しいわね」

「何がだ?」

「なんでもないわ」

 

エイプリルフールって、結構楽しい日だけど、嘘は程々にしないとね、嫌われちゃうわ。

 

「陽斗っ」

「ん?」

「あーん」

「いやいや、恥ずかしいよ」

「お願い、今日の最後のわがまま。食べさせて」

「......ほ、ほら、口開けて。...はい」

「ん〜美味しい」

「もういいか?」

「ほら、陽斗も口開けて」

「お、俺はいいよ!」

「お願いっ。ほら、あ〜ん」

「...ぁ、あーん。......美味しいな」

「ふふ。ほっぺたについてるわよ?」

「ん?あ、ホント......ちょ、幽々子!」

「ちゅっ。はい、取れたわ」

「...ぅぅ」

「陽斗ったら可愛らしいわね」

「ゆ、幽々子のせいだろっ」

 

嘘をついて嫌われないようにしなきゃ。

じゃないと、こんな楽しい時間が過ごせないわね。

 

 




陽斗が羊羹を食べた時の台詞なのですが、あれは作者が羊羹を食べた時に同じ事を言います。
和菓子最高っ!

どうでもいいですね、はい。
改めて、ホントにすみませんでした。今後はなるべくこんなミスがないようにしますので宜しくお願いします。

意見や感想、気軽にどうぞ!
ではまた次回!

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