遅くなってほんとにごめんなさい!ちょっと修学旅行の準備&当日を楽しんでいて書けませんでした。まぁどちらにせよ、ごめんなさい。
それと、いつもは夜に更新してますが、今日だけなんとなく昼間?にしてみました。......『だからどうした?』とどこかで聞こえた気がする!?
それではごゆっくり
書物に魔法を掛けまくり、パチュリーと小悪魔は疲れきっていた。俺は魔法が簡単なのしか使えないので見ているだけだったが、今は2人にお茶を煎れている。
「2人とも、お疲れ様」
「はぁ、はぁ、ありがとう」
「ありがとう...ございますぅ......」
セリフを聞く限り、見てもわかるのだが完全に疲れきっていた。それもそうだろう。フランだけならまだしも、それに幽々子も参戦したのだ。破壊力のあるフランの弾幕。優雅に大量の弾幕を放つ幽々子。これほど危険な弾幕ごっこは俺はまだ見たことがなかった。
「楽しみね。まぁ私なら勝てるけど」
「お嬢様。それをフラグ、と言うらしいですよ」
「妹様ー!頑張ってくださーい!」
「幽々子様ー!無理だけはホントにしないでください!」
そしてついでにギャラリーを集めてきた。それもそうだ。こんな大勝負、見ないと損するであろう。でも、皆は妖怪とか、まぁ咲夜は大丈夫として、見る側からすると怖いんだよなぁ。
「じゃあお姉さん、いっくよー!」
「えぇ。かかってらっしゃい」
そして、そんな事を思っていると弾幕ごっこが始まってしまった。俺とパチュリー、小悪魔はパチュリーの魔法陣。詳しくは魔法結界の中に待機していた。何故かと言うと、理由は簡単。魔法結界の外に出たらヤバイので。
「えぇい!」
魔法結界の中にいるとはいえ、外の声はちゃんと聞こえた。そして外の状況も見えた。
フランは掛け声とともに、紅い弾幕を放った。弾幕自体は大きく、それも右へ左へといろんな方向に動き回っていた。幽々子はその弾幕を見ては避けを繰り返し、微笑まながら口を開いた。
「うふふ、勢いだけじゃ私には当たらないわ」
それはまるで、全く私に当てる事は出来ない、と言わんばかりの台詞であった。確に、フランの弾幕は見る限り、幽々子の様な弾幕とは全く正反対の戦い方であった。勢いだけ、パワーだけで相手を倒す。フランはそんな感じだった。
「私も、そろそろ反撃かしら」
幽々子はそう言うと、右手を横に伸ばし手に持っていた御所車の扇子を開いた。それと同時に、幽々子の周りからは弾幕が放たれた。紫や青と言った綺麗な配色に、フランは少し見とれているようだった。
フランは一旦弾幕を撃つのを止め、幽々子の放つ弾幕や回避に専念していた。幽々子の弾幕は速度があるわけでもない。ただ、数が多いのだ。フランは今まで地下に居たため、弾幕ごっこにはあまり慣れていない様子だった。相手がいてもせいぜい魔理沙が偶に来る時だろうか。だが魔理沙も勢いやスピード系、パワー系の弾幕を放つ。だからフランにとって幽々子の様な弾幕は初めてかもしれなかった。
幽々子の弾幕を避けてから、フランは何故か動きを止めた。幽々子にはその行動が理解出来ず、思わず弾幕を放つ事を止めた。
「ふふ、あははっ!あはははは!!!」
突如、フランは笑い出した。幽々子にはそれは不気味に見えたのか、少し身が引けるようだった。
「やっぱりお姉さん強いね。私も本気ださないと負けちゃうよ」
「あら、本気じゃなかったのね」
お互いの弾幕は見られず、会話が始まった。フランにとって幽々子は、そして幽々子にとってフランはお互いに正反対の弾幕。だからこそ楽しめるのだろうか。
「でもこのままだと、フランが勝っちゃうよ!」
フランはその言葉を言い、両手を大きく広げて力を込める。力を込め終わり、フランは勢いよく腕を振った。それと同時に大量の弾幕が幽々子に向かっていった。今度フランが放った弾幕は先ほどのより小さいのだが、その弾幕には追尾性があった。だが幽々子にはそれが予想出来てたのか、あっという間に避けてしまった。フランは当たらなかった事が悔しいのか、とても嫌な顔をしていた。
次に、幽々子はフランの弾幕を避けながら弾幕を放った。避けながら弾幕を放つ幽々子の姿は、とても美しく見えた。
「うふふ、楽しくなってきたわね」
余裕の表情で、幽々子はそう言った。
するとフランは再び避ける事に専念していた。それと同時に、フランの右手にはカードのような物を持っていた。そう。スペルカードである。フランはスペルカードを使うつもりだった。
「スペルカード!」
予想は出来ていた。フランは弾幕を避けて安全を確保したのを確認し、右腕を上にあげた。それと同時に、スペルカードを宣言した。
「禁忌『スターボウブレイク』!」
フランがスペルカードを宣言した。最初の1、2秒は何も起こらなかった。ただ静かな空間だった。だが少しすれば、フランの周りに赤、黄、緑などの弾幕が現れたが、フランの周りで待機しているかのようだった。幽々子はその弾幕を静かに睨み、構えを取る。
その直後、フランの周りに展開されていた弾幕が一斉に降り注いだ。それはまるで雨のようにだった。幽々子は降り注ぐ弾幕を見て、その間をすり抜けるように動いた。
「ふふっ......」
フランは自分のスペルカードを避けている幽々子を見て、少し笑っていた。それはフランにとって、今まで自分のスペルカードを耐えるのは霊夢か魔理沙くらいだったからなのか。その2人以外で、まだ強い者に会えたことが嬉しかったのだろうか。
「お姉さん、逃げてばかりじゃつまらないよぉ」
「ごめんなさいねぇ。でも痛いのは嫌なの」
「ならさ、今度はお姉さんのスペルカードが見たい!」
俺はこの会話を聞いて驚いた。いくらフランが強かろうが、幽々子のスペルカードは強いものだかりであった。実際に、俺は見ているから分かる。
「あら......後悔しても知らないわよ?」
この時、幽々子は笑っていたが、明らかにいつもと違う雰囲気を出していた。幽々子はそう言うと右手を上げて、手の先が光出した。光を出した所をよく見ると、そこには当然、スペルカードがあったのだった。
「......スペルカード」
幽々子は宣言をした。幽々子の周りには既に弾幕が展開されており、いつでも発動が可能な状態であった。
「華霊『バタフライディルージョン』」
「えっ?」
幽々子の宣言、と同時に妖夢がなぜか驚いていた。
「どうしたんだ、妖夢?」
「陽斗さん、知らないんですか?」
「何をだ?」
正直、ホントに妖夢が驚いている理由が全くわからない。
「幽々子様のスペルカードには何段階かあるのです。相手によってその段階を変えているのですが、幽々子様の使ったあのスペルカードは、四段階の中で一番強力なスペルなんです」
妖夢の説明を聞いて、俺だけでなく周りのみんなも少しだが驚いていた。その中で、レミリアだけは『フラン相手なら当然ね』と言っていた。これはフランの強さを一番知っている姉だからこそ言えるセリフなのだろう。
幽々子の展開した弾幕は青く、円を描くように放たれた。フランは大したこと無さそうに、それをあっさりと避けていまう。だが、そのスペルカードがそれだけではなかった。その青い弾幕の中に、小さいながらも追尾性のある弾幕がフランを追いかけていた。その弾幕は5つほどあり、その弾幕が1点に集結すると花火のように弾幕がまた展開されていた。フランは流石に予測できなかったのか、追尾性の弾幕をギリギリのところで避けきった。
フランは今までにないように、キツそうな顔つきをしていた。だが幽々子の弾幕はそれでも放たれ、追尾をして来たのだった。
やがて、フランは疲れきっていた。永遠と追いかけてくる弾幕は今までに見たことがなかったからだ。そして弾幕ごっこをしている相手が、幽々子が強かったからだ。そんなフランを見て幽々子は、まるで挑発するように喋り出した。
「あらあら。さっきまでの元気はどこにいったの?私を倒してみなさい」
フランはその言葉を聞いてその場で立ち止まってしまった。このままでは弾幕に当たってしまう。俺はそう思った。
だが、フランの行動は俺の予想を遥かに超えていた。
「禁忌っ!」
スペルカード。フランはそれを発動させた。だが今発動させても、フランの周りには弾幕に囲まれている状態であった。それでもフランはスペルカードの発動を止めはしなかった。なぜなら......
「レーヴァテイン!!!」
フランの手には紅く、炎を纏った大剣。レーヴァテインを持っていた。フランはレーヴァテインを振り回し、自分の周りに展開されていた弾幕を全てかき消したのだ。これには幽々子も流石に驚きを隠せなかった。自分の自身のあるスペルカードを一瞬でかき消されたのだから。
「えぇい!」
フランは思いっきりレーヴァテインを横に薙ぎ払った。幽々子はそれを避け、安全な場所を探そうと周りを見た。
「そ、そんな!」
だが、レーヴァテインはただの大剣では無かったのだ。レーヴァテインの刃が通った跡には、大量の赤い弾幕が放たれていたのだ。幽々子にはそれを予想出来ず、何度か当たりそうになってしまう。フランは何度も何度もレーヴァテインを振り回し、幽々子を襲う。
「あは!楽しいよ、とっっっても楽しい!」
「これは、ちょっとキツイわね......」
フランはまるで、いや、完全に狂気だった。今まで、この紅魔館に来てから見たことがなかった。噂では聞いていた。咲夜、パチュリー、レミリア、美鈴から聞いたことはあった。聞いたとおりだが、俺の予想を完全に超えていた。
そして、もう一つ。あんなにも疲れた幽々子も見たことがなかった。
幽々子の表情は稽古後ではないだろうかと言わんばかりに疲れていた。それでも幽々子は攻撃に当たらまいと息を切らしながらも動いていた。
「はぁ...はぁ......」
「どう、降参するの?」
「そうね。でも、こんな可愛い子に負けたら、陽斗達に見せる顔がないわ。負けたらリベンジになっちゃうから」
「そうなんだ。でもねお姉さん...お姉さんはもう......」
フランはレーヴァテインをグッと握り締め、笑いながら口を開く。
「......コンティニューできないのさ!!!」
レーヴァテインを構え、幽々子に向かってフランは飛んでいった。弾幕を放ちながらだ。幽々子にはもう早く飛べるほど体力はあまり残ってはいないだろう。
「くっ!」
幽々子はフランのレーヴァテインを避けようとはしなかったが、手に持った扇子を横になぎ払うような動作をした。それと同時に反魂蝶が現れた。きっと反魂蝶で壁を作ったのだろう。だが、このままでは確実に当たるだろう。俺はそう思ってしまった。レーヴァテインはそのまま幽々子に向かって振り下ろされる。俺は見ることしか出来ず、思わず目をつぶった。
「えっ!?どうして!?」
突如、フランのそんな声が聞こえた。俺は目を開くと、そこには弾幕や反魂蝶に囲まれたフランと、そのフランから少し離れた所に御所車の扇を背中に展開した幽々子の姿があった。
「やっと捕まえたわ」
「なんで!どういうこと!?」
「うふふ......私が反魂蝶で壁を作った訳じゃないわ。単純にフランちゃんの目くらましよ」
幽々子は口に手を当ててそう言った。完璧な作戦だった。
「なんで、なんで!強いのは私の方なのに!」
「.........」
フランは今から負けてしまうという瞬間でもまだ戦っているように叫んだ。確に、実際に強いのは圧倒的にフランの方が強いであろう。それでも、幽々子は勝ちへの方向へ進んでいった。
「えぇ。私は貴女より弱いかもしれない。でもね、誰にでも守りたい者、大切な人がいるわ。私には、それがあるから強くなれるの。これが、勝てた理由かしらね......」
静かに、美しく、その場を静めた。幽々子の言葉に誰もが耳を傾け全てを聞いた。戦っていたフランも、静かに聞いていたが、顔ではやはり悔しそうにしていた。
「コンティニューできないのは......」
幽々子が口を開くと同時に、フランに弾幕が押し寄せる。
「...フランちゃんの方だったわね」
「あーーー悔しいぃぃぃ!!!」
「ま、まぁ妹様、落ち着いてください」
「うぅ...うぅぅ〜」
「よく頑張りましたよ、妹様。よしよし......」
今現在、戦争なみの弾幕ごっこが終わり、見事幽々子の勝利に収めたのだった。フランはご覧の通り、美鈴に抱きつきながら悔し涙を流していた。美鈴はそんなフランに我が子にように頭をなでなでしていた。
「ゆ、幽々子様ー!お怪我は、お怪我はありませんでしょうかぁぁぁ!!!」
「大丈夫よ、妖夢。そんなに叫ばなくても」
「ホントですか?ホントにですか!?」
「もう。安心なさい」
弾薬ごっこが終わって、幽々子は椅子に座っていた。そして弾薬ごっこが終わった事を知った妖夢は幽々子を見るなり全速力で幽々子に向かっていった。妖夢の慌てっぷりに幽々子は少し呆れていた。
「貴女、よくフランを倒せたわね」
「レミリアちゃん」
「ちゃん付けは止めなさいよ!」
「わかったわ、レミリアちゃん」
「うぅ。まぁいいわ」
「あらあら、照れちゃって」
「う、うるさいわね!」
見る限り、幽々子はホントに怪我などはしていないようだった。いつも通り笑顔で振舞っている様子を見る限りそう思った。そして咲夜は、なぜ顔を赤くして鼻を押さえているんだろうか。
「お、お嬢様可愛過ぎ......」
「咲夜。今なんて」
「紅茶を入れてまいります」
「ちょ、咲夜!...時間止めたな......」
レミリアは咲夜を止めようとしたが、咲夜が時間を止めてどこかへと逃げてしまった。こういう時に咲夜の能力って便利だと思う。
「それじゃ、そろそろ帰ろうかしらね」
「それもそうだな」
「あら、もう帰るの?」
幽々子はそう言い、俺たちは帰る準備を始めた。レミリアはそう聞いて少し残念そうにしていた。
「ずっと居ても迷惑でしょ?」
「まぁ、あんたの食欲が凄すぎるのよね。そこだけ迷惑よ」
「むぅ。そんな事無いわよ。あれでも少ないほうよ?」
「あれで!?」
やはり、レミリアは聞いて驚いていた。正直、紅魔館で食べた量は普段白玉楼で食べている約3分の1くらいだ。白玉楼の時はご飯を作る時が1番と言ってもいいほど大変だ。
「それじゃ帰るわね」
「お姉さん、また弾幕ごっこしましょ!」
「えぇ。いつでもいいわよ」
「妖夢さん。また遊びましょうね」
「待ってるわ」
「お待ちしてますよ!」
「美鈴さん、パチュリーさん、小悪魔さん。正直、今日まで私は弄られた事しか記憶がありませんよ!?」
妖夢は、まぁしょうがないだろう。
「んじゃ、じゃあな」
「じゃあね〜」
「お世話になりました」
「お気を付けて下さいね〜」
「「「「咲夜いつの間に!?」」」」
こうして、長い紅魔館生活が終わったのであった。
そして白玉楼を留守にしてて冥界の管理が出来ず、亡霊がいろんな所に溢れていたので白玉楼に帰ってくると即座に待ち構えてる四季映姫さんに説教をされたのだった。
戦闘シーンを上手く表現できるコツがわからない......。
はい。やっぱ、好きなヒロインを勝たせてあげたくなるものなんですよ、作者なんて。←(たぶん1人だけ)
感想や意見、気軽にどうぞ!
ではまた次回!