気づけば桜の亡霊が傍に居てくれる   作:死奏憐音

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更新速度、大幅ダウン、ごめんなさい!
今回は本気で話が上手く思い浮かばず......!


なので、今回の話はあまり自信が無いですね......指摘されまくりそうな気がします。

それでも宜しければ、ごゆっくりと


36話:紅魔館で過ごそう

 

 

天気は晴れ。

雲一つなく爽やかな風が少しながら吹いていた。風は涼しく、とても穏やかな気分になってしまう。

 

俺たちはさっき朝ごはんを食べ終わり、今日はなんと!紅魔館で1日を過ごそうと思う。まぁ幽々子がのんびりしたいって言うもんだからそのついでだけどな。

 

「っにしても、何しようか」

 

思わずそう呟く。いや、ホントにやる事がないんだよなー。白玉楼だったらいつもは......なんもしてないな。いつもと変わんないじゃん。ただ、白玉楼とは違って洋館である紅魔館。少しは楽しめるかもしれないな。

ここは幻想郷。冥界とは違って幽霊がいなければ桜もあまり多くない。当然、冥界では起こらない出来事があってもおかしくない世界だ。

そんなことを考えていると、小さな足音が後ろから聞こえてきたのだった。

 

「あら陽斗、退屈そうね」

「レミリア」

 

後ろから声が聞こえた。俺は後ろを振り向くと、日傘を片手に持ってこちらに歩いてくるレミリアの姿があった。

 

「退屈ならフランの遊び相手でもしてくれないかしら?」

「死んじゃう死んじゃう」

「貴方はもう死んでるじゃない」

 

レミリアはそう言いクスクスとからかう様に小さく笑った。いやまぁ死んでるけども、わざわざツッコミを入れなんてもいいじゃないか。俺だって笑いをとろうとしている訳じゃないんだからな?

 

吸血鬼は日光が大嫌いだ。当然、日光に当たれば本人曰く、灰になってしまうらしい。実際にレミリア本人はそう言っていると言うことは何度か体験しているということなのだろうか。

 

 

「そういやレミリア。昨日はよくもやってくれたな」

「あら、なんのことかしら?」

「このやろぅ......変な手紙まで書きやがって」

「あーあれね。ちょっとした紅魔館のもてなしよ、気に入ってくれたかしら?」

「世の中には限度があってな......」

「あら。そんな事、西行寺の前で言えるの?」

 

レミリアは俺がこう言う事を予想できていたのかニヤニヤと笑う。このやろう、ホントに500年も生きてるのかよ。考えている事が子供っぽくて若干可愛く見える、と言うか実際には可愛いのだ。それに、日傘がある事でまた幼い感じに見えてしまう。

 

「そういや、レミリアはなんで外に出てるんだ?」

 

今の殴りたい気持ちを抑え、俺はレミリアにそう聞いた。いくらレミリアとはいえ吸血鬼。直射日光なんかくらってしまえばいくらレミリアでもキツイのではないだろうか。

 

「理由なんてないわ。ただ、たまには散歩もいいかなってね」

 

何日間か紅魔館で過ごしていたが、俺は今までレミリアが外に出歩くのは初めて見た。いつもは椅子に座って片手に紅茶を持って過ごしていたのだから。

 

「陽斗は、何かする事はないのかしら?」

「うーん。何もないな。だからこうして外に出ている訳なんだがな」

「そうねぇ。なら美鈴のところに行ってあげて」

「美鈴のとこ?」

「あの子、いつも門番で誰とも話をしてないと思うのよ。その話相手」

 

おぉ、まさかの返答。

 

「レミリアって......やっぱ優しいんだな」

「な、何よ急に!褒めても何も出さないわよ?」

「結構だよ。ただ思ったことを言っただけだ」

「あぁもうさっさと行きなさいよ!」

「はいはい」

 

レミリアは顔を赤くしながら俺にそう言う。俺は言われたとおり、紅魔館の門の方へと向かい歩き始めた。やっぱレミリアって子供っぽいな。特に顔を赤くしたときとか。

 

少し歩くともう既に門が目の前なあった。改めて見ると門は結構デカかった。白玉楼にも門はあるがきっと紅魔館の方が大きいだろう。

そしてその門に1人、女性が立っていた。いや、正確には眠っていた。チャイナドレスの様な服に淡い緑色の配色。髪は腰あたりまで伸びた赤いストレート。そして頭には帽子に『龍』と書かれた星のエンブレムが付いていた。身長は女性にしてはかなり高く、スタイルは幽々子といい勝負だろうか。

 

「美鈴〜」

「スー...スー...」

「めーりん」

「ぅ、うーん......スー...スー」

「めーいりーん」

「ぅ、ぅーん...ぅ...さ......」

 

あれ?もしかして美鈴って寝起きが悪いのか?明らかに『うるさい』って言われるんじゃない?

 

 

 

 

 

 

 

 

「......さ、咲夜さんダメですよぉ、こんなとこでぇ...わ、私ぃ......スー...スー」

 

一体どんな夢を見ているのだろうか。ここは一つ、どれだけ咲夜loveなのか気になるな。なんか、何でもいいから言ってるか、面白そうだしな。

 

 

 

「......咲夜がパチュリーの実験で幼女化したらしいぞ」

「ホントですか!?!?」

 

 

効果は抜群。まさに獣の如く素早く美鈴は反応して目を覚ました。そんなに咲夜が好きなのだろうか。まぁ人を好きになることは大切だけど。

 

「......」

「あれ?陽斗さん?小さくなった咲夜さんは?」

「すまん。ちょっと嘘を言って見ただけなんだ、ゴメンな」

「あー!騙しましたねー!」

「ごめんごめん」

 

美鈴は顔をプクーと膨らませて俺を見る。そんなに期待してたのか......。

 

「まぁ、それで、何かご用ですか?」

「レミリアが美鈴の話相手をしてやれって言われて」

「お、お嬢様が......」

 

やはり美鈴をこのことを聞いて驚いていた。美鈴から聞く限り、レミリアからはかなりひどい扱いの時があったようだ。詳しくは知らないが、そのレミリアが急にこんな事を言うのだ。驚いてもしょうがないと思う。

 

「まぁそう言う事だ」

「わかりました!なら何を話します?」

 

そう言うと美鈴はとても目をキラキラとさせながら言ってきた。何から、と言われてもなぁ。

 

「美鈴はさ、なんか趣味はないのか?」

「趣味、ですか?え〜とぉ......」

 

話題に困った時の定番。それは相手の趣味を聞くこと。え?いきなり困ってる?しょうがないだろ!

 

「花壇の手入れや太極拳、武術の練習ですね」

「お、おぉ......」

 

なんか、妖夢っぽいな。特に花壇の手入れって白玉楼で言うと庭師じゃないのか?それに武術の練習って、妖夢だと剣術だよな。やっぱキャラが似てるのかな〜。

 

「陽斗さんもどうですか、太極拳」

「いや、今日はやめとくよ。また今度でいいか?」

「いいですよ」

 

そう言い、美鈴は笑顔で言ってくれた。美鈴の笑顔って、なんかこう、癒されるような気がする。

 

「陽斗さんって、幽々子さんの事好きなんですか?」

「ど、どうした急に」

「いえ。ただ、見ていて夫婦みたいだな〜っと」

「ふ、夫婦!?」

 

思わず驚いた。

俺は生きていた間、恋愛には微塵もこれっぽっちも縁が無かったのだ。言わるゆ彼女いない歴=生きた年数である。そんな俺に美鈴は隠すことなく言ってきた。あまり言われ慣れてないから少し混乱した。

 

「え、いや、その......」

「知ってるんですよ?幽々子さんと陽斗さんが夜に話していたの」

「なっ!」

「ふふ。安心して下さい。私は応援しますからっ!」

 

美鈴はそう言うと笑顔でガッツポーズをする。っというか聞かれてたのか!あの話を!?俺は頭の中で昨日の夜の出来事を思い出した。俺は急に恥ずかしくなり、美鈴に口止めをお願いした。

 

「そもそも、なんで知ってんだよ!」

「いえ、知りませんでしたよ?」

「......え?」

「すみません。ちょっと気になったので言ってみただけなんです」

 

美鈴の言葉に俺は少し飽きれた。それも自分にだ。

だが、美鈴にはバレても大丈夫だと思うな。それに今になって昔のことを思い出す。幽々子が泣いている姿なんて誰も見たくないはずだ。少なくとも俺はそう思っている。なんかな、今日はやけに美鈴が応援してくれたな。

 

「なんかありがとな、美鈴」

「いえいえ、私は何もしてませんよ」

「まぁとにかく、俺は俺で頑張ってみるよ。美鈴も門番頑張ってな」

「はい!陽斗さんも頑張ってくださいね!」

 

お互いにそう声を掛け合い、俺は門から離れていった。美鈴と話すことなんてあまりなかったからあれだけど、話してみると結構楽しいもんだな。

 

美鈴と話を終えて俺は紅魔館の広い庭をぶらぶらと歩いていた。庭の広さは白玉楼の方が少し広いだろうか。だが右を見ても左を見てもとても綺麗な花が咲いている花壇が長々と続いていた。

しばらく花壇を眺めながら歩いて行く。見たことある花もあれば、幻想郷にしか咲かないのだろうか見たことない花もあった。赤や青、黄といろんな種類の花。白玉楼では滅多に見れない光景だった。俺は花を見ては前を向き歩き、を繰り返していると、目の前に見覚えのある背中が見えた。水色の着物にピンクの髪。そう、幽々子だ。

 

「よ、幽々子」

「あら陽斗」

 

俺は幽々子に声をかけると、幽々子は後ろを振り向き返事を返してくれた。

 

「お腹すいたわね」

 

そして会話の始まりがこれである。

「はぁ、さっき食べたばかりだろ?」

「いいじゃない。美味しい物は陽斗も好きでしょ?」

「いやまぁ、そうだが......太るぞ?」

「ざーんねん。私は亡霊だから太らないわよ〜♪」

 

俺の言葉に幽々子は微笑みながらそう言ってきた。いや納得はいくけどさ、だからと言って食べ過ぎるのは......いや、もうよそう。

確に今更だが、俺と幽々子は亡霊だ。今まで一緒に過ごして来たが俺も幽々子はも食事をしても一向に体に変化が無い。それは先ほど幽々子が言った通り、亡霊だから栄養があってもなくても変わらないのだ。

 

「ねぇ陽斗。ここのお花って綺麗ね」

「え、あ、そうだな」

 

幽々子の急な話しかけに俺は少し慌てて返事をした。

 

「私は今まで、花なんて桜くらいしか見たことなかったわ。幻想郷にはこんな綺麗な花があるのね」

 

冥界、白玉楼には幽々子の言う通り、桜しか咲いていなかった。俺が死んで、亡霊になったとき白玉楼に来た時も桜しか周りを見ても見当たらなかった。それ程、冥界には桜が咲いているのだ。だがそれとは裏腹に、桜意外の花は咲いていないのだ。幽々子にとって桜意外の花を見る事はとても新鮮な気持ちなのだろう。

 

「なぁ幽々子。俺は今から図書館に行こうと思うけど、幽々子はどうする?」

「いいわよ。私も行くわ」

「そうか」

 

2人で図書館に行くことが決まり、俺と幽々子は花壇に咲くいろんな花を見ながら、パチュリーのいる図書館に向かっていった。

 

 

 

◇ ◇ ◇

 

 

 

「パチュリー、入るぞー」

 

俺は扉を3回ノックして、扉を開けた。周りにはかなりデカイ本棚にぎっしりと並べられている書物がたくさんあった。

俺は図書館の奥に進み、パチュリーを見つけた。奥には机が1つあり、パチュリーは普段ここで本を読んでいる。

 

「何の用かしら陽斗。それと西行寺」

「あら、覚えててくれてたのね」

「貴女は結構、私にとっては興味があるの」

 

幽々子は嬉しそうに返事を返すとパチュリーも返事を返した。パチュリーが幽々子に興味を持つって、なんでだろうか。まぁそこはいいとして。俺がなぜこの図書館に来たのか。その理由は簡単。

 

「話を戻すけど、何か用?」

「暇つぶしに本を読もうかと」

「......だと思って小悪魔にあんた達にも読めそうな本を探してるわ。小悪魔」

「はぁーい!お二人さん、これをどうぞ」

 

パチュリーは小悪魔に名前を言うと、後ろにある本棚の影になっている場所から元気良く出てきた。手には何冊かの本を持っていてこちらに飛んできた。

 

「ん?ねぇ小悪魔ちゃん」

「こ、小悪魔ちゃん......それも、悪くないですね...」

「小悪魔ちゃん?」

「え、あ、はい!なんでしょうか!」

「これって、なんの本なの?」

「あ、それはですね......」

 

幽々子は小悪魔に渡された本に疑問を持ったのか、そしてその本に興味を持ったのか小悪魔に聞いていた。ちなみに、俺は小悪魔からは以前と同様、グリモアールを渡された。もちろん、俺にでも出来るような簡単な物だ。

 

「......っという本です」

「ん〜なんだかとっても難しそうねぇ」

 

おっ、説明が終わったっぽいな。幽々子は小悪魔に説明をされてはいたが、普段聞かないような言葉を前にとても困っている様子が見えた。

 

「陽斗ー貴方これ分かる?」

「まぁ、ちょっとは」

「なら教えてくれないかしら?私も魔法、使ってみたいの」

「わかった。なら今から教えるからな」

 

俺は返事をすると、幽々子の方へと歩き始め幽々子が手に持っていたグリモアールを俺が持った。そしてグリモアール(簡単な)指導が始まった。

 

「幽々子も一応、妖力はあると思うから......」

 

 

 

 

 

 

「......幽々子、これでやってみてくれ」

「いくわよ.........えいっ!」

 

幽々子は両手を広げ、ちょっと可愛らしい掛け声とともに力を入れる。すると、幽々子の手の先からは魔法陣が発動し、赤い玉と青い玉がゆっくりと上に上がっていった。そして2つの玉はお互いにぶつかり、赤と青が混じった、紫色の結晶のような物がヒラヒラと散っていった。

 

「わぁー、上手くいったわ!」

「おー凄いな」

 

幽々子はそれを見ては、初めての魔法に成功してとても喜んでいた。パチュリーと小悪魔も、ここまで出来るとは思っていなかったのか少し驚いていた。

「とっても綺麗です!」

「あんた達。凄いわね......」

 

これにはパチュリーも関心していた。それは幽々子にとって嬉しかったのか、とても笑顔で喜んでいた。

 

「うわぁ!今のとっても綺麗ー!」

 

するとどこからか、聞き覚えのある声が聞こえた。その声にはとても子供らしい感情が込められており、誰の声かはすぐにわかった。

 

「あら、フランちゃん」

「こんにちわっ、幽々子お姉さん」

「フランが図書館に来るなんて珍しいわね。何か用?」

「あのね、今日はパチュリーじゃなくて幽々子お姉さんに用があって来たの!」

「ん〜私に何か用かしら〜?」

 

幽々子はニコニコとした笑顔でフランに近いていった。そして幽々子はフランの頭をナデナデすると、フランは気持ちよかったのか顔がフニァとなった。

 

「幽々子お姉さんって強いって聞いたんだけど!」

「強い?......あぁ、弾幕ごっこかしら」

「うん!それでね......」

 

この時、俺の背筋に凍りつくような感覚があった。それにはパチュリーも小悪魔にもあったようで、パチュリーはため息を1つ。小悪魔は今から戦争でも起こるかのように慌てていた。いや。今から実際に戦争が起こるかも知れない。

 

「お姉さんと弾幕ごっこしたいの!」

 

この言葉はみんな予想出来ていた。

そして、次に幽々子がなんて言うのかも予想できていた。

 

「えぇ、いいわよ」

 

「小悪魔!今すぐ書物に防壁魔法を掛けなさい!」

「今やってる最中ですっ!」

 

 

この時、俺は初めてパチュリーが早く動いたのを見た気がする。

 

 

 

 




当然ですが、ガンダムって良いですよね。
作者はガンダムが大好きです。東方projectには負けますがね!
ゲームセンターでもガンダムをしていて、PS3でもガンダムのゲームをしています。

まぁこんなどうでもいい話をしてなんなのかって......何もないですね、すみません。
ただ、言いたいことと言えば......次回からは、もうちょっと更新を早めに頑張りますので、宜しくお願いします!

感想や意見、気軽にどうぞ!
ではまた次回!

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