気づけば桜の亡霊が傍に居てくれる   作:死奏憐音

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皆さん、お久しぶりです!

長い間更新したくてもなかなかできなかった作者です。この前は部活の大会。そしてテスト。もう疲れましたよ。これからはちょっと頑張ります!ちょっとだけ!←(おいこら作者)

っというわけで、ごゆっくり。


33話:お食事会

「ど、どうして2人が......」

 

今俺が目の当たりにしている光景。

それは白玉楼に居るはずの妖夢と幽々子がいるという事。

 

「あら。私は陽斗に危機を感じたから来たのよ?」

「そ、そうなのか?」

「...幽々子様が陽斗さんが居なくなってずっとそわそわしていて最終的に『陽斗が心配...今すぐ行くわよ、妖夢!』っと言って来ました」

「なんでホントの事言うのよぉ〜」

 

ビックリしたぞ。俺は一瞬幽々子は俺の状況が瞬時にわかるちょっとカッコイイ能力があるかと思ったぞ。

でも正直......元気そうな2人の顔を見れて良かった。それに俺を心配してくれて嬉しかった。

 

「あなた達は誰?」

 

だが、フランは俺たちの話が終わるのが待てずにそう言った。

 

「貴女が、陽斗と戦っていた娘ね。...私は冥界の白玉楼の主、西行寺 幽々子よ」

「白玉楼の庭師をしている、魂魄 妖夢と言います」

「私はフラン。フランドール・スカーレット」

 

スカーレット?どこかで聞いたことあるような......。

お互いに自己紹介が終わり、フランは笑った。俺に見せたような、狂気の笑みだった。

 

「私と遊びましょ!」

 

そしてフランがその言葉を言った直後、妖夢は刀を構え、幽々子は扇子を広げた。

最初にフランは右手を上げて力を込める。そしてその右手を左から右へと払おうとし、弾幕を放とうとした。

 

「そこまでよ」

 

直後、聞き覚えのある声が3人の動きを止めた。皆は声のした方向に視線をやった。

 

「ふふ。あなたね、春雪異変の主犯って......」

「お姉さま」

「お姉さま!?」

「陽斗はなんで驚いてるのよ」

「だって、フランがさっきお姉さまって......」

「フランも名前を言う時言ったでしょ『フランドール・スカーレット』って」

「あ、そういや......ごめんなさい」

 

良く考えたら、2人ともスカーレットって言ってたな。てかなに?なんで皆は俺を呆れた目で見てくるの!

 

「まぁいいわ。メンバーもいるし、今からお食事会でもどう、白玉楼の主さん?」

「...それもそうね。紅魔館の主さん」

 

 

 

 

 

◇ ◇ ◇

 

 

 

 

 

「まぁ、とっても美味しそうなご馳走ね」

「当然。うちの自慢のメイドと、あなたの自慢の亡霊が作ったもの」

「いただきまーす」

「......ねぇ陽斗」

「なんだ?」

「あなたの主は食事の目の前だと話を聞かないのかしら」

「そこはあえてノーコメントで」

 

なんて事を話していても、幽々子の食欲は止まらなかった。むしろもう既に2枚程皿が真っ白になってるんですけど!?

 

ちなみに今食事しているメンバーだが、紅魔館のみんなと俺、幽々子、妖夢だ。魔理沙は霊夢のところに行ってくると言って飛んでいった。

 

「そう言えば、フランちゃんだけにしか自己紹介をしてなかったわね」

 

そう言うと口を布巾で拭き、幽々子は席を立った。

 

「私は白玉楼の主、西行寺 幽々子よ。今回はうちの陽斗がお世話になったわね」

 

幽々子はフランにそう言い終えるとニコッと笑った。幽々子。頑張ってるだろうが視線が料理にいってるぞ......。

 

「そして、私は白玉楼の庭師をしている魂魄 妖夢と申します。今回はこのようなお食事会にお誘いいただきありがとうございます」

 

そう言い、妖夢はペコリと頭を下げた。さすが妖夢だよな。普段からの態度といいとても礼儀がなってる。

 

「紹介、ありがとう。ならうちも紹介するわ」

 

レミリアがそう言うと咲夜、パチュリー、小悪魔、美鈴、フランが静かに立ち上がった。美鈴、身長高いなー。

 

「私はパチュリー・ノーレッジ。ここの大図書館の管理者みたいな者よ。よろしく」

「そしてそのパチュリーに従えている小悪魔と申しますっ。宜しくお願いしますねっ」

 

パチュリーは静かに、そしてクールに自己紹介を終え、小悪魔は子供のような笑顔で言った。

そしてそのあとにフランが無邪気な子供のように元気に口を開いた。

 

「私はフランドール・スカーレット。気軽にフラン、でいいよ♪」

「宜しくね、フランちゃん」

 

幽々子はそう言うとフランはうん!っと元気良くそう言った。

 

「改めまして、私は紅 美鈴と申します。普段は紅魔館の門番をやっています」

「あら美鈴。会ったことあるの?」

 

美鈴が自己紹介をすると、レミリアは不思議そうに美鈴にそう言った。

 

「はい。先ほど2人が入ってくる際に」

「なるほどね」

「美鈴ちゃんはスタイルがいいのね〜」

「そ、そうですか...!?......えへへ」

 

すると幽々子はそんな美鈴を見てそんな事を言っていた。そしてなぜだろうか。美鈴の隣にいる咲夜が胸元に手を当てて美鈴をすげぇ睨んでる。

 

「...美鈴、後でちょっと」

「何でですか!!?」

「ゴホン。私はレミリアお嬢様に従え、紅魔館のメイド長をしている十六夜 咲夜と言います。お二人には1度合ったことがありますね。今後とも宜しくお願いします」

「そして私が紅魔館の主であり...」

「紅霧異変の主犯」

「パチェ、少し黙ってなさい」

「......」

「...紅魔館の主であり」

「霊夢さん大好き」

「美鈴、後でちょっと」

「なんで私だけ何ですかっ!?」

 

あ、レミリアちょっと泣き目になってる。

 

「......レミリア・スカーレットよ」

「お嬢様、よく頑張りました」

 

咲夜。レミリアの背中をさすってあげるのは良いけどこう見ると咲夜が保護者でレミリアが子供に見えて仕方が無いんだけど。

 

「美鈴ちゃんとフランちゃん、小悪魔ちゃん以外は宴会の日以来ね」

「そう言えばそうね」

 

幽々子の言葉にレミリアがそう言った。確かに宴会の時以来だよなぁ。まぁすっごく苦労したけどな。

 

 

自己紹介を終えてしばらく。レミリアと幽々子は俺たちと別の部屋に移動していった。なんたってレミリアが主同士、話し合いがしたい、なんて言い出したからだ。

そして今俺たちは食事を終えてみんなと話したり遊んだりしていた。

 

「陽斗さんは幽々子さんの事、どう思ってるのですか?」

「え、あ、美鈴、何を急に...」

「あ、それ私も気になりますっ!」

「小悪魔!?」

「この白いの、面白そー」

「あ、触らないで下さいね。感度は私にも共有されるのでひゃぁぁ!?」

「不思議ね。少し実験していいかしら?」

「あ、パチュリーさん!そんなに触らな、フランさんもぉそんな弄っちゃダ...さ、咲夜さん助けあぁぁぁぁ!!!」

 

とりあえずゴタゴタだった。ただ咲夜が静かに見守っているだけであった。俺は美鈴と小悪魔からの質問攻め。妖夢は半霊を弄ばれている。今すぐに妖夢を助けようと思うのだが小悪魔と美鈴が俺を逃がさまいと手首をガッチリ握っていた。小悪魔はいいけど美鈴は力が強い!少なくとも俺より筋力あるだろ!

妖夢は妖夢で、フランとパチュリーから半霊のありとあらゆる所を触られていた。そして妖夢の表情はとても、女の子がしてはいけないような顔をしていた。

 

 

 

 

 

───一方その頃───

 

 

 

「これが紅茶...とてもいい香りで美味しいわ」

「口に合ったかしら」

 

のんびりと紅茶を堪能していた。

 

「それで、主同士何を話そうかしら」

「そうもそうね。なら......」

 

幽々子は紅茶を呑みながらレミリアにそう聞いた。するとレミリアは両目を閉じて、少し悩むような雰囲気を出し、口を開いた。

 

「なら、あんたは如月 陽斗の事をどう、想ってるのかしら」

「......」

 

レミリアは幽々子にそう言うと、幽々子は少しうつむいた。

 

「なんとも、いや......分かんないわ」

 

幽々子はうつむいた状態でレミリアにそう言った。まるで追い詰められているような、そんな雰囲気だった。

幽々子は普段、のんびりと過ごしているように見えるのだが、本来は心の中では冷静な判断など、頭の中では考えるのだ。だがそんな幽々子でも、レミリアの質問には考えるのに時間が掛かった。

 

「......好き、なんでしょ?」

「っ!?」

 

レミリアの言葉に幽々子は身体がビクついた。

 

「その、えっと、」

「なら嫌いかしら?」

「そ、それは違うわ!......え?」

 

幽々子がレミリアの質問に強気に言った。するとレミリアは幽々子の近くまで来て肩を掴んだ。

 

「自分に正直になりなさい、桜の亡霊」

「......れ、レミリア......」

 

幽々子はとても驚いていた。まさかレミリアからそのような行為をしてもらうとは思ってもいなかったのだろうか。幽々子はしばらく沈黙して、ふーっと息を吐き、肩の力を抜いた。

 

「その、気にはなってるわ......」

 

そして幽々子は口を開いた。今までの事を思い出しながら、今までの感情を思い出しながら、そう言った。レミリアもそれを分かっていたかのように黙り込んだ。

するとレミリアは片手を差し出し、手のひらに丸い球体の物が出てきた。レミリアはそれをジッと見つめる。しばらくしてから、その球体は姿を消した。

 

「...ふふ。なるほどね」

「な、なによ」

「さっき、あんたの運命を見たわ」

「え......」

「でも何を見たかは言えないわ。見たものが絶対、という訳じゃないから」

 

そう。レミリアが見たものは幽々子の、陽斗とのこの先の運命、未来を見たのだった。

レミリアの能力は『運命を操る程度の能力』。操ると言っても少ししか、結果が少し変わるくらいだ。そしてその者の未来を、運命を見ることもできる。だがレミリアの言った通り、見た事が絶対に起る訳ではないのだ。

 

「だから、私が少しだけ手伝ってあげる」

「そんな...私は気になってるだけで」

「好きでもある、でしょ?」

「うっ」

「安心しなさい。変な事はしないわ」

 

レミリアはそう言い、幽々子の耳元で何かを囁いた。

 

 

 

 

 

 

───再び、陽斗と妖夢は───

 

 

「陽斗さん教えてくださいよー!」

「そうですよ〜!」

「いい加減しつこいぞー!!!」

「あ、あぁ...も、もう、もうらめぇ...あぁ......」

「白くてフニフニ〜」

「......ホント不思議ね。一体どうなってるかしら」

 

妖夢はもう再起不能だろうか。

そして俺は小悪魔と美鈴に追いかけられていた。小悪魔はなんとかなるとして、美鈴がめっちゃ足が速い!

 

そんな時、隣にあった扉が開いた。そこからはレミリアと幽々子が歩いてきた。あぁ、助かったぁ!小悪魔と美鈴は追いかけてくるのを止めたが、パチュリーとフランは相変わらず半霊を弄っていた。

 

「はいはい。一旦行動を止めてもらえるかしら」

 

レミリアがそう言うとパチュリーとフランは動きを止め、俺も走る事を止めた。

 

「今夜は紅魔館へ来てくれた白玉楼のみんな、来てくれた事に感謝するわ。そして、もう既に夜。吸血鬼としては良いけど、せっかく来てくれた参加者に危ない目には合わせたくないわ」

 

は?レミリア急に何を言い出してんだ?夜でも幽々子は飛べばいいし、俺も妖夢もそうだ。それに弾幕も撃てるようになったんだから尚更平気だ。

 

「だから、せっかくだから今夜は白玉楼の全員...」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「......紅魔館に泊まっていきなさい」

 

 

 

この時、レミリアは吸血鬼とは思えない程ニッコリと笑っていた。

 

 

 







......自転車を盗まれました!わーお。かなり悲しいですよ。学校行こうとしたら無くなってましたもん。皆さん!鍵はちゃんとしてくださいね。

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ではまた次回!

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