気づけば桜の亡霊が傍に居てくれる   作:死奏憐音

37 / 76
久しぶりの更新です〜!

なんて言ってますけど、最近何かと調子が悪い作者です。なぜかって?そうですね。簡単に言うと、ゲームで久しぶりに悲しくてもう何もかも嫌になりましたねーハッハッハ......はぁ。

でも皆さんは気にしないで下さいね?これは作者の問題ですから!

っということで、ごゆっくり


32話:コンティニュー

体が震える。初めての弾幕ごっこだからだろうか。それとも、吸血鬼であるフランに怯えているのだろうか。いずれにせよ、体が震えていた。

 

俺は宙に飛び上がり、フランと同じ高さまで飛んだ。

俺には翼が生えているわけではないが、何故か飛べる。そこはいいとして、問題はフランがどのくらい強いのか、だ。こんな可愛らしい娘がどんな弾幕を放ってくるのか、俺は全く予想がつかない。フランに出会った時は紫色をした大きめの弾幕を撃ってきたが、本来の戦い方だとどうなるのか。

 

「じゃあ、いっくよー!」

 

なんて事を考えていると、フランは両腕を上にあげてそう言う。

 

「こい、フラン!」

「うん!」

 

俺はフランに返事を返すと、上げていた両腕を戻し、力を込め始めて体がプルプルなっている。うん。やっぱり可愛い。そしてフランはしばらくしてから両腕を前にやり手のひらをパーの形にした。

 

「......えいっ!」

 

そう言った直後、フランの両手からかなり沢山の、そしてかなり大きい弾幕が放たれって......え?

 

「うおぉあぶねぇ!」

 

ちょ、待った待った!何この量!そして大きさ!逃げる場所あんのこれ!?

俺はひたすらにフランの弾幕を避けては止まりを繰り返すばかりであった。

 

「なぁフラン......ちょっと強くないか?」

「うん!だって霊夢や魔理沙といっぱい遊んだもん!」

「へ、へぇ......」

「だからね、フランは強いよ!だから陽斗兄さんも......壊れないでね?」

「当たり前だよちくしょぉぉぉ!」

 

きっと、紅魔館で俺は死ぬんだ......あ、もう死んでたわ。我ながら面白くないこと言ったなぁ。ちくしょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ほらほらー!逃げてばかりじゃ楽しくないよ!」

「くぅ!」

 

もう戦い方初めて少し経っただろうか。俺は未だにフランに攻撃も出来ず逃げ回っていた。そもそもこんな強いだなんて思ってもなかったよ!

 

「フラン、まだお兄さんの弾幕見てないよー?」

「そ、それもそうだが......こっちは死にそうなんでねぇ......」

「ぶー、それじゃ面白くないよー!やっぱりただのオバケさんだね」

 

この時、何か俺の中で吹っ切れた。

 

「......なら、今から攻めてやるよ!」

 

俺は右腕を前に突き出し、フランに狙いを定めた。

そして力を込めて解き放つように、力を入れた。

 

「きゃっ!?」

 

俺の弾幕はフランには当たらず、かする程度だった。でも、これで少しは戦えるぞ!

 

「お兄さんの弾幕、見えなかったよ......?どういうこと?」

 

フランが見えない、と言ったが、それは間違いであった。それは別に弾幕を透明にした訳ではなく、何か細工をした訳でもない。魔理沙に教わった通り、イメージをしただけだった。

 

狙いを定めて木の板に穴をあけた様にイメージした。

 

そう。これが俺のイメージした弾幕。ライフルのようなスピード重視の弾幕だ。

俺はフランに再び狙いを定め、力を込める。弾幕はフランの方へと一直線に向かっていく。フランはスピード重視の弾幕は初めてだったのか、当たりそうで当たらない、そんな感じだった。

 

「お兄さんの弾幕、速いね」

「そりゃどうも」

「油断したら穴があいちゃいそうだね」

 

女の子がそんな物騒な事を言っちゃいけません。

 

「だから、私も少し楽しめそうだよ!」

「それはそれは、よかったな!」

 

俺とフランはお互いにそう叫ぶ。そして弾幕の打ち合いが始まった。フランは相変わらず容赦ない攻撃だった。気を緩めると当たってしまいそうな、そんな逃げ場のない弾幕だった。

対して俺は先ほどフランが言った通り、スピードのある弾幕を放っていた。数はフラン程ではないが少しでも多くはしてるように撃っている。何発も何発も打ち続けても、フランに当たる事は無かった。少なくとも当たりそうになる事はたまにあった。

 

「お兄さん、上手になってきたね」

 

するとフランは弾幕を撃つ事を止め、そう言ってきた。俺は何かと思い、俺も弾幕を撃つ事を中断させた。

 

「ありがとな」

「だからね、フランも本気を出そうと思うの!」

「......」

 

やっぱり、男が泣いたらかっこ悪いかな......?

 

「あの、フランさんやい」

「なぁに?」

「何かするから許して下さい......」

「どうして?」

「これ以上本気を出されるた、俺即死すると思います」

「お兄さんってもうお化けだから死なないよ?」

「わかってますともわかってますとも」

 

冷静に喋ってると思うなよ?......内心、命乞いで焦ってるぜ?

 

「大丈夫だよ!じゃあ、いっくよー!」

「おいこらちょっと待てーーー!!!」

 

待って!ホントに本気を出すつもりなの!?マジで跡形なくぶっ飛ぶよ!?俺今ならぶっ飛ぶ自信あるよ!?

 

「スペルカード!」

「......」

 

その言葉を聞いた直後、俺の心の焦りが一気に冷えた。

スペルカード。弾幕ごっこの中で1番聞きたくない言葉だった。スペルカードとはその使う者を弾幕で表現するもの。魔理沙だと勢いが売りだからマスタースパークの様な弾幕だが、フランだと一体......。

 

「禁忌『レーヴァテイン』!」

 

右腕を上にあげてそう叫ぶフラン。

するとフランの右腕には見る見るうちに赤い炎がまとい始めてきた。その炎は棒状の形になってきてまるで大剣のようになってきた。

 

「......」



もう絶望で口が開かない。

カッコイイ!と言いたいところだが、そんな状況では無かった。これは弾幕ごっこ。下手すれば死ぬだろうが俺はもう死んでるからいいだろうけど、絶対痛いでしょ!?

 

「いくよー!......えいっ!」

 

フランはそう言うと、掛け声は可愛いのだがとても物騒な物を振り回してきた。俺はギリギリのところで避ける。俺は少し安心はできたが、レーヴァテインの振った後から赤い弾幕が放たれている事に気がついた。それには当たりそうにはならなかったが、いくらでかい攻撃でも油断したら死んでしまう。

 

「なかなか当たらないね」

「当たらないように逃げてるからな!」

 

そもそも当たりに行く奴を見てみたいよ!

 

「ねぇお兄さん」

「ん?」

「お兄さんって、もしかして弾幕ごっこは初めて?」

「そうだが」

「ふ〜ん......スペルカード!」

「なんでっ!?」

 

なんて話していると、フランは急にレーヴァテインを無くし、新たなスペルカードを宣言した。え?って言うかなんで?さっきの話はどこに行った!?

 

「禁忌『カゴメカゴメ』」

 

フランはスペルカードを宣言すると、急に辺りが静かになった。俺は周りを見ても何もなく、目の前のフランもジッとしていた。

だが、しばらくしてから、フランは手を広げニコッと笑う。その直後、周りから弾幕を放つような音が聞こえ始めていた。周囲を見渡すと、そこには緑色に展開されている弾幕が俺を囲んでいた。あぁ、だから名前が『カゴメカゴメ』なのか。ネーミングセンスあるねぇってそんな状況でもねぇ!フランの放った弾幕は少しずつ動き始めた。そして俺を挟むように迫ってきた。俺は弾幕と弾幕の間をすり抜けるように避け、俺も弾幕を撃つ。フランは俺の弾幕に慣れてきたのか、簡単に避ける。

 

「くっ!俺にもスペルカードがあれば......」

 

思わずそう口にする。だが、まだまともに弾幕ごっこが出来ない俺に、スペルカードがあってもフランは簡単に、苦労せずに避けるだろう。

 

そして、急にフランは弾幕を放ちながら急にニコッと笑った。

 

「うんじゃあ、そろそろ終わらせるね♪」

「うわぁ......可愛く物騒な事言ってるー」

 

その笑顔が怖いよ!やっぱり、吸血鬼って怖いな。

なんて事を考えていると、フランは右手を上げて手に持っていた1枚のカードが紅く光った。

 

「スペルカード...禁忌『フォーオブアカインド』!」

 

フランはスペルカードを宣言すると、フランの周りにフランの分身が現れた。全く同じ姿で、同じ顔。同じ服装。同じ翼。まさしく分身と呼ぶのに相応しかった。

 

「アハッ!アハハハハハッ!」

 

分身を出して、フランは笑った。まるで相手を、俺を既にボロボロにしたような、狂気が感じられた。

 

そもそも、俺はフランに勝てるのだろか......。

弾幕が撃てるようになったとは言え、まだ1日も経っていない。それなのにこんな強い、強力なスペルカードを持っているフランと戦って......。

 

フランは笑い終えて、分身した、合わせて4人のフランは同時に弾幕を放ってきた。ただでさえ1人でも苦労するのに4人って......っ!

俺はさっきよりも動くスピードを上げてフランの弾幕を避ける。

 

「お兄さん、攻撃しないとやられちゃうよ!?」

「く、くそぉ!」

 

当然攻撃はしたい。だが、出来ないのだ。攻撃を、反撃する暇がない。正直避けるのだけでも精一杯だった。

だが、

 

「ぐっ!」

 

ついに、フランの弾幕が俺の左腕にかすってしまった。俺は思わず腕を抑え、スピードも落ちてしまい、そして前を見れば、フランの放った弾幕が目の前にまで来ていた事に気がついた。

 

「あ.........」

「壊れちゃえーーー!!!」

 

そう叫ぶフランを、俺は見ることしか出来なかった。

 

 

 

.........終わった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「獄界剣『二百由旬の一閃』!」

「華霊『ゴーストバタフライ』」

 

 

俺は諦めた直後、目の前の弾幕が消えた。それよりも、周りにあった殆どの弾幕が消えた。それに、このスペルカードって......。



俺は思わず後ろを振り向き、確認する。

 

 

「間に合い、ましたね」

「もぅ、まだ陽斗には弾幕ごっこは早いわね」

「幽々子!それに妖夢も!」

 

 

白玉楼に居るはずだった......妖夢と、幽々子の姿があった。

 

 




後書き、何を話そうかな〜。ん?最後が在り来たり?そんなこと言わないで!これしか思いつかなかったの!←(口調が違う)

はい!最近は熱くなってきましたね。作者は寝るときに布団が邪魔で邪魔で。扇風機の時期には早いですが、涼みたいですね。だが熱くなるのはこれから。皆さんは熱中症など、お気をつけ下さいね。

感想や意見、気軽にどうぞ!
ではまた次回!

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。