それに、更新してなくてもお気に入りが増えることがたまにあったので、『読んでくれてるんだなぁ』と実感しました!
では、ごゆっくり
「昨日の宴会、楽しかったわね」
「あ、あぁ。そうだな」
あの地獄の宴会から次の日、俺は紫との死闘(追いかけっこ)をやり続け、紫に追いつけず結局寝てしまった。目が覚めると周りが宴会の後で散らかっていたため、今片付けているところだ。
「それでね陽斗」
俺は食器を持ちながら片付けていると、幽々子が聞いてきた。
「私ね、宴会の後のことが思い出せないのよ」
「うっ」
「私って何してたのかしら」
「た、楽しんでたんじゃないか......」
「どうして目を逸らすの?」
「うぅ......」
言えない。昨日の事なんて本人の前でなんて言えない!っていうか言いたくない!だって昨日の俺って...魔理沙と霊夢に絡まれて、妖夢には絶望させられて挙句の果てには幽々子になんかヤバイ事されて、それに対抗してセクハラっぽい事をした......最低だよ!
「ねぇ、昨日の私って何してたの?」
「え、その、何と言うか......」
「うぅーん?」
ち、近い。顔がめっちゃ近い。心臓無いけどドキドキするからやめて!
「陽斗ー?」
「ち、近いって幽々...」
「幽々子はお酒の勢いで陽斗に」
「紫てめぇぇぇええぇぇ!!!」
「おっと。危ないわね」
俺が幽々子の名前を出そうとした直後、紫がスキマから出てきた。俺は昨日の怒りをぶつけるために、その紫をめがけてドロップキックをする。だが紫はそれを見切ってたのようにすぐさま避けられ、俺は腰からモロに落ちた。痛った!腰痛!
「こ、このやろう......」
俺は腰を抑えながら紫を睨む。だが紫は見向きもせずに幽々子と会話を始める。
「それで紫。お酒の勢いで私が?」
「陽斗に襲いかかったのよ」
「うん。それで?」
ヤバイ!紫がいつもの会話の如く暴露話を続けている!このままだと、俺は白玉楼で居られるか分からなくなってしまう!
「それで幽々子は、陽斗の身体にまたがって...」
「わー!わー!わー!」
「あんな事やこんな事...もう凄かったわ」
「そして地味に焦らすんじゃねぇよ!」
「あら、言って欲しかったの?」
「そういう意味じゃねぇ!」
もうやだ。紫が相手だとホント疲れる......。
「まぁ、とにかく陽斗に凄い事をしたのよ」
「そうなの?まぁ、陽斗があんなに慌てるなら、相当な事をやったんでしょうね私は」
そう言い、幽々子はなぜか『ふふっ』と言って嬉しそうな顔だった。
「あ、紫様。来てたのですね」
「こんにちは妖夢。そう言えば、あなたも面白い事を言ってたわね」
そして紫は妖夢を見て早々ニヤニヤし始めた。こいつ、最低だな......。
「えっと...何のことでしょうか?」
「あら、あなたも覚えてないのかしら」
「?」
「妖夢が酔っ払って、陽斗になんて言ったか.....」
「......あぁ!ダメですっ!言わないでくださぃぃ!」
すると妖夢は思い出したのか、紫の両肩を掴んだ。紫は未だにニヤニヤしながら『どうしよっかな〜』と言っている。外の世界ではこれをイジメと言う。
「あら妖夢。陽斗になんて言ったのかしら?」
「え?幽々子は覚えてないのか?」
「まぁ覚えてるけど」
「幽々子様までぇー!」
妖夢はウルウルと涙目になり、紫から幽々子の両肩を掴んで上目遣いをする。幽々子にはそれが効いたのか、少し顔を赤らめてうつむいた。まぁ妖夢の涙目上目遣いをされたらああなるだろうな。
そして我慢が出来なかったのか、幽々子は妖夢にギュッと抱きついた。
「もぅ!妖夢ったら可愛いわね」
「へっ?え?」
「幽々子。妖夢が混乱してるぞ」
そして俺はさりげなくツッコミを入れる。
「よし。妖夢も混乱してるし、昨日の話はここで切り上げよう」
「なら妖夢はこのまま抱いててもいいのかしら?」
「そ、それは構わないが...」
そんなに妖夢を抱きたかったのだろうか。妖夢はまるで人形のように幽々子に抱かれている。まぁ、なんか見ていて和むから、まぁいっか。
◇ ◇ ◇
「ねぇ陽斗ー」
「なんだ?」
「夜ご飯まだかしら?」
「さっき食べただろ!?」
「あ、あれって夜ご飯だったの?」
「おいおい......」
あたりは既に暗く、夜になっていた。俺と妖夢と幽々子はさっき夜ご飯を食べ終わったところだが、幽々子がまたよく分からない事をいい始めた。いつものことだが。
「なら幽々子はさっきの食事は...」
「間食」
「嘘だろ......」
「うふふ。冗談よ、冗談」
「食事関連での幽々子の冗談は本気に聞こえるんだが」
まったく困った主だ。ちなみに今夜は珍しく麺類のカルボナーラだ。妖夢はいつも通りの量。俺は妖夢より少し多め。そして幽々子は3人前だ。それだけ食べといて間食とは......冗談でも考えたくない。
そういや、主で思い出したけど......
「レミリアの住む紅魔館ってどこにあるんだろ」
「れみりあ?」
「忘れるなよ...。ほら、宴会の時に羽の生えた」
「あ〜。あの幼そうな子ね」
俺はレミリアの事を教えるとやっと思い出したのか、手をポンとするような仕草をした。
「紅魔館ねぇ、どこにあるのかしら」
「紅魔館は霧の湖の隣よ」
「へぇ〜........え!?」
俺はそれを聞いて驚いた。別に紅魔館に驚いた訳じゃなく、場所に驚いた訳でもない。俺が驚いた理由はそんな事ではなく...
「咲夜!お前いつ.......!」
「白玉楼のみなさん、こんばんわ」
綺麗な銀髪にとても似合っているメイド服。服の上からだけどとても綺麗な身体のラインをしている......紅魔館の住人、十六夜 咲夜が居たのだ。
「あら、こんばんわ」
「幽々子は少しは驚けよ!」
なんでそんな平常心が保ってられるのかを知りたい。俺はたぶん生きていたら心臓がバクバクだっただろう。
「あ、咲夜さん......ってえ!?」
すると廊下から妖夢が来た。そして当然ビックリしている。
「それで、何の用かしら?」
妖夢が慌てている中、幽々子は平然と話を進めた。俺も少し落ち着いて話を聞く。
「ちょっと、如月 陽斗だったわね」
「あぁ、そうだが」
「あなたを何日か借りたいのよ」
「.......俺を?」
「そう、あなたを」
......話がよく分からない。
「っと言う訳で来たわ」
「なるほどね。理由は分かったけど、どうしてかしら?」
「そうね。正直に......私に料理を教えて欲しいのよ。そしてお嬢様も陽斗の料理が食べたいそうなの」
「「......」」
咲夜が理由を話すと、俺たちのいるこの場がシーンとなった。なんで!?理由がまさかの俺だったから!?
「確に、陽斗のご飯は美味しいわ。でも、陽斗も大事な白玉楼の住人なの」
「幽々子......」
この時俺は、少し泣きそうになった。
「だから、借すことは...」
「返す時に紅魔館で食事会でもいかが?」
「オーケーよ」
「俺の感動を返せ!」
とりあえず俺の感動を返してくれ!俺は幽々子にさっきのことを言われて物凄く感動したのに、ここでまさかの伏兵かよ!めっちゃ心に槍が刺さったぞ!
「大丈夫よ陽斗。正直、私は陽斗のご飯の美味しさを紅魔館の人に教えたいだけ。軽い宣伝と思ってるわ」
「でもさっきのは傷ついたぞ」
「それは謝るわ」
っと言い幽々子はペコリと頭を下げる。ほんとに謝っているのだろうか......。
「話が分かってくれて良かったわ」
「えぇ」
「なら陽斗。さっそく行くわ」
そう言い、咲夜は俺の手を握ってきた。いやいや、なんで握る必要があるのだろうか。ここから紅魔館まで行くわけ無いよな?
「じゃぁ、いってらっしゃーい」
幽々子は俺を見送るように小さく手を振った。
「あぁ、行ってく.......あれ?ここどこ!?」
俺も手を振ろうとした直後、目の前に妖夢と幽々子が居たはずの風景が、いつの間にか目の前には建物が経っていた。え、え、何が起きたんだ!?
「咲夜、一体何があったんだ!?」
「それは後で説明するわ」
「うんじゃあここは.......?」
疑問しか出てこない俺は一旦頭の中を整理する。そして咲夜に質問をした。咲夜はそれに答えるように片手を建物に向けて...
「ここが......紅魔館よ」
慌てた妖夢って、あんな感じですかな?ほとんど想像で書きましたが...。やっぱり妖夢はいじられキャラが可愛く見えますね。
とまぁ、こんな感じで、次回から紅魔館で過ごす話になります。なので、申し訳ないけど!ゆゆ様の出番が少し減ってしまう......。それを我慢して、次回も書きたいと思います!
感想や意見、気軽にどうぞ!
ではまた次回!