気づけば桜の亡霊が傍に居てくれる   作:死奏憐音

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最近、夜は寒いですねぇ。
夏は涼しい時もあれば蒸し暑い時もあったけど、今はとにかく寒い!
皆さん、風邪をひかないようにして下さいね。

という訳で3話です!
前回はゆゆ様の出番が少なかったため、今回は多めに出しますよー!

では、ごゆっくり


3話:これってもしかして

『ん、ここは..........』

 

目を開き、周りを見渡す。

上には天井があり、蛍光灯が付けられている。視線を下にやれば本棚が並んでいた。その隣には見覚えのある机。他にはプラモデルやゲーム機もあった。

そして何やら懐しいこの感じ.........

 

『俺の、部屋?』

 

見た限り、ここは俺の、俺が生きいた時に使っていた自分の部屋だった。

懐かしいなぁ。なんか、ずっと白玉楼に居たから凄く懐かしく感じるな。おっ、あれは小学生の時使ってたランドセルじゃんか。高校で使ってたカバンもあるな。ちょっと見て回ろうか.......あれ?

 

俺は身体を動かそうとするが、身体が動かない。

だが、動かない理由は身体を見てわかった。

 

『俺なんで縛られてるの!?』

 

いや待てよ!なんで!?そもそも今俺が寝てるのってベットじゃんか!綺麗に両手両足ロープで縛られてるんですけども!?誰か、ヘーーールプ!

 

『目は覚めたかしら?』

 

するとドアが開き、誰かの、というか明らかに聞き覚えのある声が聞こえる。

 

『気分はどう?陽斗』

 

俺の恋人、幽々子が部屋に入ってきた。

 

『ゆ、幽々子!早く、このロープをほどいてくれ!』

 

よし、これで助かる。まったく、誰がこんな事したんだ!でも本当に幽々子が来てくれてよかったぁ。

 

『えぇ。でもその前に、質問、いいかしら?』

『はぁ?』

 

幽々子は扇子を広げると、俺の顔の近くまで来て、見つめてくる。近い近い。

 

『陽斗最近、紫と一緒に居る事が多いわよね?』

『へぇっ?』

 

なんだろう。この幽々子の笑顔、いつもと違う気がする。それにどんどん暗くなっている様な........

 

『陽斗は私の事が好きなんでしょ?』

『あ、あぁ。好きだ』

『ならどうして。どうして紫と居るの?陽斗は私が好きなんでしょ?なら私だけを見てよ。私とだけ居てよ、ねぇ?』

『ゆ、幽々子.........?』

 

やばい!なんか笑ってるけどその笑顔が暗くなっている!そもそもこいつ幽々子か!?俺の知っている幽々子か!?

 

俺が焦ってる中、幽々子は俺に抱き着くように身体を密着させる。柔らかい。何がとは言わないけど。

 

『なら答えて..........最近紫と一緒に居る事が多い?』

 

その質問に答えるか答えないか、そして答え方によって俺のこの先どうなるかが、何となく予想できた。

 

『あぁ、紫と居る事が多いかもしれないな........』

 

幽々子には嘘を付きたくない。俺は真実を言うぜ!

 

『..........そぅ』

 

あれ?俺の予報してた通りにいかなかったぞ?

ちなみに俺の予想では.......

 

⒈真実を言う。

⒉『なら紫の事が好きなの!?』と幽々子に言われる

⒊『違う!紫と居ようとも、幽々子を心から愛しているんだ!』と俺が言う。

⒋幽々子が感動する

⒌ハッピーエンド

 

だったんだけどなぁ。ならここからどうなるんだろうな俺。

 

だがこの時、幽々子は俺の予想をはるかに超えた行動をとった。

今更気づいたのだが、幽々子は背中に何かを背負っていた、棒状の何かを。幽々子はそれを取り出して、俺に見せる。その正体が俺の予想を越えていたのだ。

 

取り出したもの、それは........

 

『あの幽々子、なんで楼観剣なんか持ってるんだ!?』

 

亡霊10匹分の殺傷能力を持つと言われる、楼観剣だった。

 

『落ち着け幽々子!とりあえず楼観剣から手放せ!』

『陽斗が悪いのよ?陽斗が私だけを見てくれないから、陽斗が紫と居るのが悪いのよ?』

 

そう言い、幽々子は手に持っていた楼観剣を振り上げる。

 

『まっ待て幽々子!俺が悪かった!悪かったから許してくれ、な!?』

 

頼むよ幽々子!ホントに反省してるから、してるからぁ!!

 

だが、幽々子は動きを止めず、最後に、

 

『陽斗.........』

 

ニコッと笑いながら、楼観剣を振り下ろす。

『ちょ、幽々子!お願いだ!幽々子!幽々────』

 

 

 

 

 

 

「幽々子!!!.........へっ?」

「あっ.........」

 

俺はいきよいよく起き上がる。いくら夢だと分かっていても殺されかけたらそりゃ起き上がるよ。でも、起き上がるまではよかった。

 

目の前に幽々子の顔があったのだ。

 

当然、俺は幽々子にヘッドバットをくらわせる状態になり、ゴッという鈍い音がなる。そして俺と幽々子はお互いに気を失ってしまった。

 

 

 

 

 

◇ ◇ ◇

 

 

 

しばらく時間が経って、俺は目を覚ます。

あぁ、すげぇ痛い。幽々子って石頭なのか?そもそも幽々子は大丈夫なのかなぁ、確率的に綺麗にクリーンヒットしたと思うんだけど.......。

 

..........あれ?

 

俺って、こんな服着てたっけ?それにこの服はなんか、見覚えがあるんだが。

俺は立ち上がり、時分の身体をマジマジと見る。

水色の着物に内部には白いスカートのような物と長い袖。明らかに幽々子の着ている服だ。

 

きっと俺が倒れた時に誰が着せてくれたんだろう........そんな訳ない、絶対におかしい!誰だよ!絶対にイタズラとしか考えられないだろこれ!あぁもう!うっとうしい髪だ.........な..........?

 

「髪長!?..........えっ!?声が、俺の声じゃない!」

 

どうなってる!?髪はピンク色で腰くらいまで長いし、声も変わってる!?そもそもこの声って.......

俺は慌てて近くにあった鏡を見る。そこには、

 

「幽々子ぉ!?」

 

 

鏡には幽々子の顔、いや、幽々子自体が映っていた。

 

そして、俺の隣には────

 

 

 

────俺の身体が放置されていた。

 

「っ!?」

 

おいおいおいおい待て待て待て!ヤバイってヤバイって!これってもしかして、魂が入れ替わった......いや、それはないはず。もしそうだとしたらそこに転がってる俺の身体には幽々子の魂があるはずだ!頼む!入れ替わっていませんように.......!

 

「あら?なんで私の身体が目の前に.........?」

「チクショーーーーー!!!」

「え!?これって陽斗の身体じゃないよぉ!なら、目の前にいる私って.......」

「........俺だよ。陽斗だ」

「えっ!?どうなってるのよぉ!?」

 

さぁて、お互いの魂が入れ替わったようだな...............ざけんじゃねぇぇぇぇぇ!!!

 

 

 

 




どうでしたか?

さぁ魂が入れ替わりました。ここからどうなるのでしょうか!
作者は出来る限りヤンデレっぽく書いたつもりですが、皆さんはどうでしたか?
ゆゆ様がヤンデレなら........それはそれで、良い!

感想、意見があれば気軽にどうぞ!
ではまた次回!

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