気づけば桜の亡霊が傍に居てくれる   作:死奏憐音

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大変長らくお待たせ致しました!やっとの更新です!

遅れた理由ですが、ネタは思いついてるけど書く暇が無かった!...というべきですかな?
はい言い訳ですね!

ではごゆっくり


20話:白玉楼のピン...チ?

今、白玉楼はピンチであった。

別に妖怪に襲われた訳ではない。ましてや白玉楼にも何も被害がない。それでも、1つだけ、ピンチな事が今現在起こっているのだ。それは......

 

「ね、ねぇ陽斗......」

「なんだ......」

「お腹すいたぁ...」

「我慢してくれ。今はこの白玉楼に食べるものが何もないんだ......」

 

そう。溜め込んでいた食材が遂に!底を尽きてしまったのだ......。この問題は俺と妖夢はなんとか耐えられる。だがしかし、幽々子は食を愛している者。それに大食いという面からして今にも倒れそうなのだ。

 

「そういえば、妖夢は?」

 

だから幽々子は俺に質問をしてくるが、その質問の声からしてヤバイのだ。

 

「妖夢は必死にいろんなとこから食べ物を出来るだけ貰いに行ってる。だから妖夢を待とう。」

「よーむ〜早く帰って来てちょうだーい〜」

 

幽々子は机にダラーっとしながら妖夢の名前を叫ぶ。よほどお腹がすいているのか、腹の音が鳴りまくっている。

 

「なぁ幽々子。ホントにどこにも無いのか?食べ物」

 

俺は幽々子に最後の確認を取る。幽々子は真面目な所もあれば、抜けている面も多々あるのだ。そのたった少しの可能性を俺は信じて幽々子に確認を取った。

幽々子はうーん、と言いながら思い出してくれている。頼む幽々子!思い出しくれ!

 

「うーん......食べ物じゃないけど、調理すればなんとかなる物ならあるわ」

「調理すればなんとかなる物......?」

 

調理すればって、一体どんなものなのだろうか。気になって仕方ない。というか調理しなかったら食べ物じゃないのか?なんて変な疑問もあるが今はどうでもいい。

 

「んで、その食べ物っぽいのはどこなんだ?」

「確か、台所にある小さい棚があるわ。その中に入ってた気がするのよ」

「気がする、ねぇ......」

 

もう心配で仕方がない。

とりあえず、俺は幽々子に言われたとおり、台所に行って食べ物っぽいのを探した。物をどかしながら奥へ奥へと手を伸ばす。すると、手を伸ばしていたら何かが手に当たったのだ。

 

「あれ、何だろこれ?」

 

俺はその何かをグッと掴み、それを取った。

 

俺が手にした、その正体は......

 

 

 

――醤油、砂糖、塩、お酢、味噌。

 

「そぉい!!!」

 

俺は自分の太ももを叩いてそう叫んだ。なんだよこれ!調味料じゃねぇかよぉ!調理すればなんとかなるって、これは調理する時に使うんだよ!ってか、また調味料しかないのか!

 

「幽々子ぉ!調味料しかないぞ!」

「えぇ〜」

「えーじゃな......もぅ、いいや」

 

ダメだ。腹が減ってツッコミを入れる気力がない。このままだとヤバイな。

 

「よし幽々子。今から俺が幻想郷に行ってきて食料を取ってくる!」

「え、いいの?」

「あぁ、幽々子のためだ。このままだと幽々子もキツいだろ?」

「陽斗。あなたいい人ね......」

 

幻想郷に行くことに決まり、俺は部屋を後にした。

白玉楼の門を出て、俺は冥界の桜に挟まれた長い道を歩き始め、幻想郷を目指していった。

 

 

 

 

しばらくして冥界から出て、俺は幻想郷にたどり着いた。あぁ、結構な距離があったな。もう疲れたな。そもそも幻想郷に来たのはいいんだが......肝心の食料がここ幻想郷でどこで取れるのかがわからない!物を買うにもお金が要るのだが、今回はもってないんだがなぁこれが......。

 

「あ...あそこの森、なんかありそうだな」

 

俺は空を飛んでいると目の前に大きい、かなりでかい森があった。

 

俺はその森にたどり着き、森の中を捜索する。森の中はやたらでかい木が生えて遠くが見えない。動物の影もない。というか何もないんですけど?

森の中を歩き、何もない道をずっと歩く。このとき俺は、ある事を考えた。

 

俺って......

 

「........遭難...してない?」

 

遭難したよ、そうなんだー........。

 

ふざけんじゃねぇよ!

おい嘘だろ!マジか?マジなのか?迷ったのか?迷ったんだろ!......迷ったな。

 

「......どうしよ」

 

初めての経験だよ、遭難って。こんな時ってどうすりゃいいんだろうな。落ち着け、落ち着け如月 陽斗。まずは周りを見るんだ。

でかい木。大木。キノコ。変な色のキノコ。......はぁ。

 

「そこのキノコ、美味しいぜ」

「へぇ、そうなんだって、え?」

 

キノコをまじまじと見つめていると、後ろから女性の声が聞こえた。俺は後ろを振り向き、確認をすると、そこには予想通り女性がいた。白と黒を主とした服を着ており、また白と黒の帽子を被って手にはほうきを持っていた。

 

「あんた、見ない顔だな。迷ったのか?」

「うーん。まぁそんなとこだ。それと、キノコには詳しいのか?」

「そうだぜ。私はキノコが好きだからな」

 

へぇ、と思いながらも少し会話をすすめた。

 

「俺は如月 陽斗。身体はあるが、亡霊だ。気軽に陽斗、でいいよ」

「わかったぜ。私は霧雨 魔理沙、普通の魔法使いだ。よろしくな、陽斗」

「あぁ、こちらこそ」

 

俺は手を差し伸べて魔理沙と握手をする。

 

「なぁ魔理沙。何か美味しいキノコ、知らないか?ちょっと食料に困っててな」

 

俺は魔理沙に今回の目的を話した。魔理沙はキノコに詳しいらしいからな、ここは魔理沙に聞くのがかなりの近道だろうな。

 

「なるほどな。ならついて来てくれ」

 

魔理沙はそう言ってほうきにまたがって宙に浮く。俺も後をついて行く様に空を飛び、魔理沙についていった。

 

 

 

 

 

 

「これは焼くよりも煮た方が美味しいキノコだぜ」

「へぇ〜」

「そしてこれはこのまま食べても良いキノコだぜ」

「ほほぉ」

 

魔理沙とキノコの勉強をして結構時間がたった。入れ物はあらかじめ持ってきておいたがもう既にキノコでパンパンだ。色んな色のキノコ。色んな形のキノコ。色んな匂いのキノコ。とにかくキノコが沢山だ。

 

「今日はありがとな、魔理沙」

 

入れ物がいっぱいになり、俺は魔理沙にお礼を言って白玉楼に帰る準備をする。

 

「あぁ、今日は楽しかったぜ」

 

魔理沙も俺に笑顔で言ってくる。

 

「今度はキノコ料理を教えてくれないか?」

「いつでも良いぜ!」

「そうか。じゃあな、魔理沙!」

「じゃあなー」

 

お互いに別れを告げ、魔理沙は森の中を、俺は冥界に向かった。

 

 

 

◇ ◇ ◇

 

 

 

「ただいまー」

「よーとー!」

「うわぁ!」

 

白玉楼に入った直後、幽々子が俺に向かってダイブしてきた。

 

「ど、どうしたんだ?」

「だって、お腹がすいてどうしようもないのよぉ」

「あぁ、すまなかったな。今から料理、作るよ」

「やったぁ」

 

俺は大量のキノコを台所に持っていき、料理を始めた。魔理沙に教わった通り、焼かなくても美味しいキノコやそのまま食べるキノコ。俺はそれにあった料理を沢山作った。

 

 

 

 

そして、キノコ料理を食べ終わって次の日。俺と幽々子と妖夢がお腹を壊した事はまた別の話......。

 

 

 




魔理沙ってこんな感じですよね?なんとなくですが。
キノコ料理は美味しいですよね。特にスープに入れて食べるのが作者は好きです。

今回は腹ぺこゆゆ様でした!いやぁ、作者にはカモンカモンな話でした。

感想や意見、気軽にどうぞ!
ではまた次回!

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