今、作者はテストの時期なのですが、勉強の息抜きとかに持って来いですね。
はい!こんな感じで始まりました!
今回はタイトルからして誰が出るのかわかりますかな?
ではごゆっくり
「今日は暖かいわね」
「そうだな」
俺と幽々子は今、冥界の管理人という仕事がある。だから今は散歩がてらに冥界を見回っている最中なのだ。といってもそろそろ終わるのだが。
「ねぇ陽斗」
白玉楼に向って歩いていると幽々子が俺に話しかけてきた。
「なんだ?」
「妖夢って可愛いわよね」
「急にどうしたんだ?」
「あのね。この前、お菓子を食べてたのよ」
──幽々子視点──
『ん~、このお菓子美味しいわぁ~』
口の中でゆっくりと甘味が広がって、甘すぎないところがいいわね。そして食べやすい大きさに切り分けられるところも良いわね。紫が外の世界のお菓子って言ってたけどなんだったかしら?
『栗ようかん......だったかしら?』
うん、確かそんな感じの名前だったわ。
あら?
『これは......妖夢の分ね』
.........じゅるり。
『あ~幸せ~』
結局、妖夢の分が後ひとつになっちゃったわ......どうしましょう。今妖夢が来ちゃったら大へ
『幽々子様~、私のお菓子ありま.......す....ぅ......』
『あ........』
すると妖夢がベストタイミングで来てしまった。妖夢はあまりにも衝撃的な光景を見て、プルプルと身体が震え始め、次第に涙が出てきた。
『お、お菓子.....楽しみにしてたのにぃ......』
─────
「あの時の妖夢、可愛かったわ~」
「妖夢、可愛そうだな」
お菓子をつまみ食いした挙句に泣き顔が可愛いなんて......。
「大丈夫よ。ひとつだけ残しておいたからそれをあげたわ」
「ひとつだけって......」
「その後の妖夢がまた可愛かったわ~」
「うん、わかった。わかったよ.......」
とりあえず、幽々子はお菓子の為なら妖夢を泣かしてもいい、というか泣き顔を見ても可愛いという時点でどうかと思うんだが。
そんな話をしていたら白玉楼の前まで来ていた。俺と幽々子は白玉楼の門を開き、『ただいまー』と言って中に入る。
するといつもの事だが、妖夢が出迎えて来たのだ。
なぜか猫を抱えて。
「陽斗さん、幽々子様、おかえりなさい!」
「あぁ、ただいま......妖夢、その猫は?」
俺は妖夢に返事を返す。と同時に質問をする。
妖夢は俺と幽々子にニコニコとした笑顔で、なぜか猫を抱いていた。猫はちょっと茶色で黒には程遠い色だった。片方の耳にはイヤリングを付けており、俺を見つめてくる。
「はいっ、庭の手入れをしていたら見つけたんです」
「そ、そうか」
「幽々子様っ、飼ってもいいですか?」
「猫.......美味しそうわね」
「食べないで下さいよ!?」
「うふふ、冗談よぉ。妖夢がちゃんと育てるなら、飼っても良いわ」
うん、食べてもらったら困る。
「はい!頑張ります!」
◇ ◇ ◇
「妖夢、猫の飼い方わかるのかな......」
桜を見ながら、思わずそう呟いてしまう。
妖夢はああ見えて、何でも斬ってしまう癖があるのだ。白玉楼の庭師とはいえ、幽々子を守るため何か少しでも怪しかったら所構わず斬ってしまうのだ。もし仮に、猫が余計なことをして斬られたら......考えたくないな。
でも、さすがの妖夢でも、それはないかな......。そう信じたい。
「にゃあ」
「ん?」
そんな事を考えていたら、さっきまで妖夢と一緒に居た猫が俺の方をところまでやって来た。
「にゃあ」
「......」
「にゃあぁ~」
「.....」
誰か、猫の言葉が分かる人は居ませんか?
猫は会話をしようと続けて鳴き声をあげる。ごめんな猫ちゃん。俺は亡霊であって、猫の言葉は分からないんだ。
なんてことを嘆いてたら、猫はトテトテと俺のところから離れていった。なんだろう、少し安心した。だが、少ししてから、猫は座布団を喰わえて俺のところまで再びやって来た。なんで座布団?
「にゃあ」
すると猫は手招きをするように前足を動かす。これこそ招き猫だろう。
......あっ!
「もしかして、座布団で寝てくれって言いたいのか?」
「にゃあぁ」
すると猫は返事を返すように欠伸をする。ほほぅ、俺は猫を会話する事が出来るそうだ......なんだろうこの複雑な気持ちは。
「とりあえず、寝るか......」
俺は座布団に頭を置き、寝る体勢に入る。それと同時に猫も俺の腹の辺りに寄ってきて丸くなった。そして段々と意識が遠のいていき、俺は眠りについた。
──しばらくして──
「ふぅわぁぁ......よく寝たな」
結局、招き猫に眠らされたな。俺は目をこすりながら視線を猫にあてる。
そこには丸くくるまっていて気持ち良さそうに寝ている......
猫耳をつけた少女がいた。
「...........」
冷静でいると思うなよ?内心、すげぇ焦ってるぜ?
いやいや待て待て!どうなってんだこれは?俺はたぶん!さっきまで猫と寝ていたはず。断じて猫耳少女と寝ていたわけじゃない。そもそもこの子は誰なんだ?
「すー....すー」
なんか、見てると和むな......。
いや、今はそんな状況じゃないぞ。俺は今から、この子をどうするかを考えなければいけないのだ!
「すー......すー」
「とりあえず......俺の部屋まで運ぶか」
俺は女の子を抱えて、抱っこの状態をとる。身長が低く、まだ幼いのかとても軽かった。俺は自分の部屋へと足を動かし、白玉楼よ中へと入る。こういう時に誰かに見つかったら、なんか変な誤解されそうだなぁ。
「猫さ~ん、どこですか~」
げっ!妖夢!やばいな、今見つかったら何て言えばわからないぞ。ここは少し走るか。
「あ、陽斗さん。さっきの猫......」
走る体制をとろうとした直後、妖夢が後ろから現れた。
「まさか陽斗さんっ、ついに誘拐を!」
「んなわけねぇだろ!」
「ほ、ホントなの........陽斗.......?」
「そして幽々子はどこから出てきた!?」
妖夢に気を取られているうちに、いつの間にか、てかホントにどこから出てきたのか分からないが幽々子が出てきた。
「どうなんですか、陽斗さん!」
「ねぇ陽斗、嘘.......よね?」
「ちょっと落ち着けーーー!!!」
───説明中───
「......というわけだ。分かってくれたか?」
ちょっと時間が掛かったが、二人に説明をしてやっと納得してくれた。
「それにしても、この子はどうすれば......」
「ちぇぇぇぇぇぇん!!!」
「「「えっ?」」」
俺と妖夢と幽々子はあまりにも急すぎる叫び声に反応した。俺は慌てて声のする方を見ると、そこには全速力で走ってくる九尾こと、八雲 藍が走ってきた。
それも必死な顔で。
「藍さまぁ~~~」
藍が走ってくる、と同時に猫耳の少女が藍のところへ走っていった。
そしてお互いが抱きつくように猫耳の少女が藍にダイブする。藍はそれを笑顔で受け止めた。まるで何かのドラマの様に。
「藍......とりあえず説明をしてくれ」
───説明中───
「.........なるほど、それで今の状況か」
「そうですね」
藍から説明をしてもらったおかげで大体の事は理解できた。
内容は、藍と猫耳の少女がかくれんぼをしていて、藍に見つからないと猫そのものに化けた結果、この白玉楼に迷い込んで妖夢に拾われた。そして藍はどうしても見つからないから必死に探した。
というわけだそうだ。
「そういえば、その子の名前は?」
すると妖夢が言い出した。確かに、説明は受けたものの、名前はまだ知らないな。
「そうだね。ほら、自己紹介をしてみなさい」
「はいっ、藍さま」
藍がそう言うと、猫耳の少女は前に出てきてニコッと笑う。
「藍さまの式の橙、と言います。よろしくお願いします」
そう言って、橙はペコリと頭を下げる。まるで初対面の小学生を見ているようだ。
「藍さま、これでいいですか?」
「はぁぁぁ~可愛いよォ橙~」
橙が藍に良かったかを聞くと、藍はすぐさま橙に抱きつき、頭をなでなでする。
「はぁぁぁ~~可愛いよォ、可愛いよォちぇんん~」
「藍しゃまぁ、くすぐったいですよ~」
「......」
この時俺は、ある言葉を心の中で叫んだ。
『藍ってこんな奴だったっけ......!?』
ちぇぇぇぇぇぇん!とノリで叫んだことがあります。
みなさんはどうですかな?
まぁこれはさておき。
前書きでも書きましたが、テスト期間なので更新が遅くなるんですよぉ。
だがしかし!作者は読者の為にも頑張ります!
感想や意見、気軽にどうぞ!
ではまた次回!