第一声から何を言ってんだと思った方、すみません。
いやぁ、先週テストがありまして。そして今週もテストがあるのですよ....はは........。
はい!気を取り直して!
ではごゆっくり
映姫さんと話をし、幽々子と一緒に住み始めて約一週間ほどたった。『冥界の管理人』という仕事をセットで。
だが正直、冥界の管理人と言われても何をすればいいのかわからないのだ。管理人だから冥界を見てればいいだけなのか?ていうか、何を見ればいいんだ?
「うーん.......」
「どうしたんですか、陽斗さん」
俺が悩み事をしていると白玉楼の庭師、魂魄妖夢が俺のところに駆け寄ってきた。どうやら俺が困ってる風に見えたらしい。なんていい奴なんだ。
「あぁ、今更だが、冥界の管理人って何したらいいのかなぁ~って」
「確かにそうですね。管理人だから、何かを管理するんじゃないでしょうか?」
「妖夢、その管理が分かれば俺は今更苦労はしないんだが......」
「それもそうですね......」
妖夢も分からないってなると、後は紫しか居ないな。今更映姫さんに聞くのもいいけど、『はぁ、あなたって人は.......分からなければ最初に聞きなさい』みたいな感じで説教だろうな。映姫さんの説教は嫌だなぁ。長いもん。説教が。一度あった時に、まぁあれは俺が悪かったけど......
『如月陽斗、ですね?』
『あれが閻魔様か。ちっちゃくて、なんか可愛いな.....』ボソ
『なんですかその態度は。私も身長は気にしてますが、あなたは少し、デリカシーを持った方が良いです。だいたい、初めに返事を───』
こんな感じで3時間ほど、説教があったんだよな。ホントに長かった。
だから今はあえて.........
「とりあえず、白玉楼の周りでも歩くか」
散歩でもしよう。
「やっぱ桜は綺麗だな~」
白玉楼の周りを歩くなか、桜が綺麗だと何回思っただろうか。桜だけでも十分綺麗なのだが白玉楼に咲く桜は花弁1枚1枚が綺麗なのだ。
そんななか、1人、桜の木の下で眠っている人がいた。
上は半袖の和服で白く長いスカートを履いている。そして傍には大きな鎌が置かれていた。
その名は小野塚小町。死神をしてい........え?
俺はすぐさま小町に近づき、確認をする。
「......小町?」
「スー...スー」
名前を呼んでも気持ちよさそうに寝ている小町。
「小町~」
「うっ、う~ん.....だ、」
「だ?」
「ダメですよぉ四季様ぁ。誰かに見つかったら....アタイぃ.....」
......いったい、どんな夢を見ているのだろうか。
「小町っ!」
「わっ!?」
ビクッと小町の身体が跳ね上がり、キョロキョロと周りを見る。
「あ、陽斗。なんでこんなところに?」
「こっちのセリフだよ!」
「へぇ?」
「もう、いいよ.....。んで、なんで白玉楼に?」
小町って確か、三途の川で亡霊たちを映姫さんの所に連れていくのが仕事だったよな?
「理由ねぇ。........ここなら寝てもバレないから?」
「おい!?」
よくこんなんで死神出来るよなぁ。ある意味尊敬するよ。
「でも大丈夫なのか?映姫さんにバレたりしたら....」
「大丈夫だって。さすがの四季様もここまでは」
「あら小町......何をしてるのですか?」
「そりゃサボって.........四季様!?」
小町と話をしている何処からともなく映姫さんが出てきた。笑顔で登場してきたが、その笑顔には何か、黒いものを感じられた。
「し、四季様!なんで!?」
「私は管理人の様子を見に来ただけですが?小町.....少しあちらで話しましょう」
「え、や、やだ.....陽斗、助けて~!」
そう言って小町は映姫さんに捕まり、連れ去られて行った。
さらば......小町。
しばらくして、と言うかだいぶ時間が掛かったが映姫さんと小町が説教が終わったのか、戻ってきた。小町は耳を痛そうに抑えており、映姫さんは前を向きながらも小町に語りかけている。
「それで、なんで映姫さんが白玉楼に?」
「小町にも言いましたが、管理人の様子を見に来ました」
.........俺も説教かな。
「映姫さん。今更、管理人の内容が分からない、と言ったら......」
確実に説教だろう。少なくとも小町よりかは説教時間は短いだろうけども。
「そうですね。今回はその内容を伝えに来ました」
「え?」
「私とした事が。内容を言うのを忘れてまして......」
へぇー、映姫さんが言うのを忘れるなんて珍しいな。でもよかったぁ!説教されずにすむぜー!
「内容としては、主に霊が外に出る事があるので霊を外に出さないようにする。それが冥界の管理人の内容です」
なるほど。要するに見張っておけば良いんだな?なんだ、意外と簡単じゃないか。
「わかりました」
「そうですか。なら私は仕事に戻りましょうか」
そう言い、映姫さんはニコッと笑い立ち去ろうとする。そしてその隅で小町はそろーりそろーりと白玉楼の裏に行こうとする。
「小町、逃がしませんよ?」
「そんなぁ~」
逃げようとする小町を見て、再び小町は映姫さんに捕まってしまった。映姫さんは容赦なく小町をズルズルと引きずっていく。すると小町は少し涙目で俺を見てくる。まるで助けてくれと言わんばかりに。
......しょうがないなぁ。
「映姫さん」
「はい、なんですか?」
「仕事だけじゃ疲れるでしょう。少し白玉楼で休みになってはどうですか?」
「うーん。お気持ちはありがたいのですが......」
「大丈夫ですよ。少しの間だけなのでどうですか?」
「そうですね、ならお言葉に甘えて」
俺はなんとか映姫さんを白玉楼に休ませる事に成功した。小町は物凄く嬉しそうな顔をして俺に感謝をするような素振りをする。
映姫さんは小町から手を離して座る。俺はお茶を出すため、少しの間その場から離れた。
◇ ◇ ◇
「美味しいお茶ですね」
「それはどうも」
俺は小町と映姫さんにお茶を出し、桜を眺める。
この時、俺はずっと気になっていた事を聞こうと思った。それは
「そういえば、どうして映姫さんは幽々子に許可を出してくれたのですか?」
幽々子と一緒に住む許可を出してくれた理由だ。別に嫌ではない。逆に嬉しかったのだが、嬉しいからこそ理由が気になってしょうがなかったのだ。
「理由ですか......。いいでしょう、教えましょう」
そう言い、映姫さんは前にも出した手鏡を出した。
「その手鏡は?」
「これは浄玻璃の鏡と言って、写した者の過去が見れる物です」
「過去......」
この時俺は......西行妖の事を思い出した。
「それで西行寺 幽々子の過去を見たのです」
過去。
あの楽しかった日々が、色んな思い出を思い出した。
「いい機会です。あなたの過去も見ておきましょう」
「はい」
そう言い映姫さんは俺に手鏡を向ける。手鏡を見ている映姫さんは静かに頷いたりと、そんな仕草を見せたりもした。
そして手鏡を下に置き、映姫さんは再び俺の方を見る。
「如月 陽斗。あなたは色んな苦難を乗り越えてきましたね。あなたと西行寺 幽々子との関係。そして別れ......さぞかし苦しかったでしょう」
「......はい」
「でもあなたは挫けずに過ごしている。その事を忘れずにいなさい」
あぁ、泣けてくるなぁ。なんでこんなに説得力あるかなぁ。
「わかりました、映姫さん」
「ならばよろしい。今日はありがとうございました。私はそろそろ仕事に戻ります」
映姫さんは立ち上がり、白玉楼を出ろうとする。
「陽斗、いつか恩返しをするよ」
小町も立ち上がり、映姫さんについて行く。
「あぁ、待ってるよ」
俺は小町と映姫さんに手を振り、別れをする。
ありがとう、映姫さん。
「あら陽斗、お茶なんか出して、一人で花見かしら」
すると幽々子が不思議そうに俺に近づいて来た。
「まぁ、そんなとこだな」
「なによそれ~」
映姫さんありがとう。これからも頑張れる気がするよ。
あなたの言葉、絶対に忘れない。
まさかの2回目登場!四季映姫と小野塚小町!
とりあえず、書いてる途中で思いつきました。できるだけ映姫と小町のやり取りを再現したつもりでしたが、どうてしょうか?
作者も出来るだけ速く更新するよう、頑張りますので、今後とも宜しくお願いします!
ではまた次回!