気づけば桜の亡霊が傍に居てくれる   作:死奏憐音

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あぁ~、前書きで話す事が思いつかない~。

うーん.........いやホントに思いつかない!?やばいよ、これじゃあ前書きが真っ白になってしまう!それは作者も嫌だ!

ならどうすれば........よし!

9話です!ではごゆっくり.........。(ごめんなさい)






9話:隠し事

「はぁ......陽斗と子供を育てたいわぁ」

「ブホォ!?」

幽々子の言葉を聞いて、俺は飲んでいたお茶を全部吹き出す。

 

「幽々子、お前!いきなりなんてことを言い出すんだよ!?」

「え?」

 

いやいや、え?っじゃねえよ!何年か幽々子と一緒にするでるけどやっぱわからないや。

朝っぱらかな何を言い出すかと思えば......はぁ。

 

「あのな幽々子、よく聞けよ?」

「なぁに?」

 

幽々子はニコニコした笑顔で首をかしげる。ホントに、幽々子には恋人として、いろいろ教えないといけないよな。

 

「子供を育てたいって事は子供が必要だろ?なら子供を作らないといけないんだ」

「えぇ、知ってるわ。でも作り方がわからないの」

「つ、作り方.......」

 

何て言えばいいんだろう。今言えるのは俺の頭の中が混んがらがっている事くらいだ。

その、作り方を言ってもいいのだが、言おうとしても口が動かなくなる。まぁそれは誰だってそうだ!俺だけじゃない..........はず!

 

「陽斗、何か勘違いしてない?」

「はぁ?」

 

勘違い?俺がどこで勘違いをしたって言うんだ?どこも勘違いをするところなんて.......

 

「だれも『陽斗と子作りがしたい』とは言ってないわよ?」

「............あっ」

「ふふ、陽斗ったら何を考えてたのかしらね」

 

ゆ、幽々子ぉ!お前のせいで!物凄い勢いで勘違いをしちまったじゃねぇかぁぁぁ!!!俺はてっきり、その、えーと、なんていうか......あぁ!

 

「こ、このやろう..........」

 

俺はとりあえず幽々子を睨みつける。

 

「あらあら、顔が赤いわよ?」

 

俺が睨みつける事も構わず、ずっとニヤニヤと笑い続ける幽々子。くそぉ、幽々子って今更だがドSなのか?なんか悔しいなぁ。

 

あ、腹が痛くなってきた。

 

「あら?どこに行くの?」

「ちょっとトイレに」

 

そう言って俺は立ち上がり、部屋を出ていった。

 

 

 

 

 

◇ ◇ ◇

 

 

トイレから出て、俺は腹を少し抑えながら廊下を歩き始め、さっきの部屋へと向かう。うーん、最近腹の調子が悪いなぁ。なんでだろ。

俺はさっきの部屋にたどり着き、扉を開ける。

 

「あれ、誰もいないな」

 

だがその部屋には誰も居らず、幽々子も居なかった。とりあえず俺は部屋を軽くて見渡す。するとテーブルの上に何かの手紙が置かれていた。俺はその手紙を手に取り、読み上げる。

 

『陽斗よ、この手紙読んだなら庭に来なさい。 魂魄 妖忌 より』

 

あの爺さんは、何を考えてるんだ?これだと読まなかったら行かなくていいってなるだろ。

とりあえず、庭に行くか。

 

 

 

◇ ◇ ◇

 

 

 

「妖忌ー、なんだー?ってなにをしてんだよ!?」

 

俺は妖忌の行動を見て、身体が凍ったかの様に一瞬だけ動かなくなってしまった。

 

俺が見た光景。それは

 

妖忌が幽々子を後ろから羽交い締めするように捕まえ、刀を構えている姿だった。

 

「お、おい妖忌。何をしてんだよ........」

「見てわからぬか」

「わ、わかるわけないだろ!」

「主人に刀を向けている。わからないか?」

 

俺は妖忌の『刀を向けている』と言う言葉を聞いて、自分の耳を疑った。

意味がわからない。どうして、どうしてそんな事を言ったのだろう。長年妖忌と一緒に居るが、これだけらどうもわからない。

 

「なあ幽々子、これは冗談だよな?大掛かりな冗談だよな?」

「いいえ。違うわ陽斗。妖忌はね、この白玉楼にある宝が目的なの」

「宝?」

「詳しくはわからない。けど、妖忌は私が生まれる前からこの白玉楼の庭師をしているの。だから妖忌が知っていて当然なのよ」

 

確かに、妖忌は幽々子よりも長生きだ。ホントに幽々子が生まれる前から生きていて、ずっと、今まで白玉楼の庭師をしているんだ。知っていて当然なのかもしれない。

 

「妖忌、その宝よりも、幽々子はどうするつもりなんだよ」

 

未だに信じられないが、妖忌は完全に俺を、俺たちを裏切ったのかもしれない。だが、宝は俺にとってはどうでもいい。問題は幽々子が、俺は幽々子が1番心配なんだ。

 

「妖忌、答えろよ!」

「それはお前、陽斗次第じゃ」

「俺次第..........」

「陽斗、もう一度戦え。勝てば幽々子殿を離してやろう。だが負けたら..........わかっておるな?」

 

妖忌の話を聞いて、身体が上手く動かない。勝てば幽々子を開放。でも負けたら........いや、だが妖忌の事だ、流石にそこまではしないはず。

 

「陽斗よ。ワシを甘く見るではないぞ?」

 

妖忌の目は本気だった。まるで弱った獲物を本気で仕留める獣だった。そんな目をしていた。

 

「どうした陽斗よ、怖気づいたか?」

 

ここで、俺が勝てばいいんだ勝てば。でもやっぱり、妖忌が裏切った事はまだ信じられない。

 

「未だに信じられないようじゃの。なら、仕方ない」

 

妖忌はそう言って、幽々子の首筋に刀を添えた。幽々子は自分もビックリしたのか、身体が震えていた。

 

「やめろ!」

 

俺は全力で叫ぶ。

そしてこの直後、何かが俺の中で弾けとんだ。

幽々子を守りたい。

幽々子を助けたい。

幽々子を安心してさせたい。

そんな言葉が頭の中でいっぱいだった。

 

「妖忌、お前は...........絶対に倒す!どんな手段を使ってでも!」

「どんな手段.....なら久しぶりに見るな。陽斗の本当の戦い方を」

 

そう言い、妖忌は少しニヤけた。

 

わかったよ。本当は妖忌には使いたくなかった。それもこんな形で使いたくなかった。

 

 

 

 

 

 

俺の能力.......『阻害する程度の能力』を。

 

 




まさかの展開!と思った方も多いと思います。

陽斗はどうするのでょうか!そして隠させていた能力とは.......!?

意見や感情、気軽にどうぞ!
ではまた次回!


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