気づけば桜の亡霊が傍に居てくれる   作:死奏憐音

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はじめまして、死奏憐音です!

東方Projectの西行寺幽々子(ゆゆ様)が大好きです!
という訳で、ゆゆ様がメインヒロインの小説を書きたいと思って書かせていただきました!
ふつつかものですが、どうぞ宜しくお願いします。

では、ごゆっくり


1話:白玉楼の朝

「ほら、朝よ、起きて」

「うぅ~ん、あと少しだけ........」

 

身体がユサユサと揺れる。

誰しも朝は『寝ていたい!』と思うだろう。当然心の中ではそのとおり、まだ寝ていたいのだ。

 

 

「もぅ、妖忌に言いつけるわよ?」

「ん、うぅ......わ、わかっ、た、からぁ」

 

重たいまぶたをうっすら開く。朝の光が入り込み反射的に手で隠す。ある程度光には慣れ、少しずつ目を開き一言。

 

「おはよう幽々子」

 

白玉楼の主、西行寺 幽々子が居た。

綺麗な長いピンク色の髪に、水色が主な着物を着ている。

そう。ここは白玉楼。

 

「おはよう、陽斗」

 

幽々子はおっとりとした笑顔で俺に返事を返す。

如月 陽斗、俺の名前だ。そして亡霊、なので、1回死んでます!死んだ理由は、と言うと.......生きてるときにある事故で死んでしまった、かな。簡単に言うと。でも亡霊でも身体はちゃんとあるし足も地面についている。死んでからわかったが、俺はてっきり亡霊は足が無いのかと思っていた。そして壁をすり抜けられるとも思っていた。なに、子供っぽい?いいじゃねえか!夢があって!

 

朝の挨拶をお互いに交わし、俺は背伸びをした。



それにしても.......

 

「なぁ幽々子」

「なぁに?」

「......この体制、なんとかならないか?」

 

今とっている体制が凄く恥ずかしいのだ。簡単に説明すると、幽々子が寝ている俺の身体に四つん這いで乗っている、という感じなのだ。これが非常に恥ずかしい。

 

「いいじゃないの、私と陽斗は両想いなんだから」

「うぅ、それを言われてもなぁ......」

 

ふふ、と言って少し笑う。

ちなみに、俺と幽々子は両想い、恋人同士とも言っても良いだろう。最初はなんともなかったんだが、一緒に住み始めてから、お互いのことが好きになっていった結果、今の状況という訳だ。でもいくら両想いでも、この格好を誰かに見られたりしたら、特にあいつだけには見られたくな.......

 

「あらまぁ、朝からイチャイチャと.........」

「っ!」

「あら紫、来てたの?」

 

俺は慌てて声のする方を振り向く。そこには今1番見られたくない人物が居た。ゆったりとしたドレスの様な服を着て、大きいリボンのついた帽子を被っている人、八雲 紫が立っていた。

 

「えぇ、さっき来たわ」

 

少しニヤけながらそう言う。紫め、完全に楽しんでるな。

この八雲 紫。見た目はかなりの美人でとても若く、20代と思わせる程の美貌を持っている。だが実際には人間ではなく妖怪。それも年は4桁はいっているだろうか。

 

「陽斗。今かなり失礼な事思ったわよね?」

「キノセイジャナイカ?」

妖怪だから心も読めるのだろうか、ホントに恐ろしい奴だ。

 

「私と陽斗は恋人同士よ、何をしてもいいじゃないのよ」

「幽々子、恋人同士だからってしていい事と悪い事があるからな?」

 

何事にも限度というものがある。

 

「ふふ、それもそうね。それで、今回は幽々子から仕掛けたのかしら?」

「今回はってなんだよ!それじゃあ毎日俺がしてるみたいじゃねぇか!」

 

そもそも、幽々子に何も仕掛けたことすら無いわ!いやその、別に仕掛けたくない訳じゃないんだけど、そのなんだ、機会が無いと言うか何と言うか......なぁ?

 

「違うわよ。陽斗が起きなかったから起こしたのよ」

「分かってるわ、でもするなら控えときなさいよ」

 

分かってるなら聞かないで欲しい、って話だ。

 

「それで紫、今日は何しに来たんだ?」

 

俺は今の恥ずかしさを無理矢理なくし、紫に怒りを少し込めながら質問をする。

「朝ごはんを食べに来たわ」

「堂々と言うなよ............」

「良いじゃない、いつも通り作れば」

「それが大変なんだよ!」

 

はぁ、簡単に言うけどなぁ、ただでさえ俺と幽々子、妖忌で3人分を作るのが大変なのに1人プラスって、なかなかだぞ。

 

「なら陽斗、手伝おうか」

「あ、妖忌」

 

俺が紫に文句を言っているとこの白玉楼の庭師、魂魄妖忌が来た。緑色を主にした着物を着ており、白く長い髪の毛を後ろに伸ばしており、そして腰には刀を腰掛けている。妖忌は見た目は普通のお爺さんだが、種族では半人半霊なのだ。半人半霊は普通の人間よりも歳をとるのが遅いらしく、聞いたところ1000年以上生きているらしい。だから白玉楼の庭師のベテランと言っても良いだろう。

 

「じゃが、その後は稽古をするぞ」

「え、あ.........わかったよ」

 

そして剣術の達人、とも言えるだろう。

 

俺と妖忌は台所へ向かい、料理を始める。メニューは、そうだなぁ。ご飯や魚もあるし、それに味噌汁を付け加えてスタンダードにいきますか。

 

 

 

――しばらく経って

 

 

 

「「「「いただきます」」」」

 

朝ごはんが出来て、みんなで手を合わせて挨拶をする。メニューはさっきの通り、ご飯に味噌汁と

焼き魚、朝の王道メニューである。

 

「美味しいわね」

「さすが私の陽斗ね」

「うぅ~ん、なんか照れくさいな」

 

こんな会話もしながら、淡々と朝ごはんを食べ始める。

 

 

 

◇ ◇ ◇

 

 

 

 

「「「「ごちそうさまでした」」」」

 

朝ごはんを食べ終わり、手を合わせる。

 

「美味しかったわぁ陽斗」

 

幽々子が笑顔で俺に言ってくる。

 

「そりゃどうも」

「料理なら妖忌を超えるんじゃないかしら?」

「剣ではまだまだじゃがな」

「そこを言われるとな.........」

 

俺は食べ終わった食器を重ね、台所に運ぶ。水につけて洗って拭くを何度か繰り返す。

 

「ねぇ陽斗」

「なんだ、幽々子?」

「ご飯、美味しかったわ」

「それはさっき言わなかったか?」

「ちゃんと言いたかったのよ」

「なるほどな」

 

わざわざ言ってくれるなんて、意外と可愛らしい所あるな。

 

 




どうでしたか?

作者も、こんな朝が良いですね............。
白玉楼でゆゆ様と住みたい!という願望を持って生きています!

感想や意見、気軽にどうぞ!
ではまた次回!


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