入学式はないの?
(学校側サイド)
雄英高校ヒーロー科の会議室では、校長や教師陣が出席する重要会議があっていた。
見ているのは勿論、実技試験だ。
「実技総合成績が出ました。」
前方の大画面に受験生の名前と成績が、上位からズラリと並ぶ。
それを見た教師陣から感嘆の声が複数上がった。
やはり目立つのは爆豪勝己、そして緑谷出久の二人である。
「救助ポイント0点で1位とは中々だな。」
「後半も派手な個性で、敵を寄せ付け迎撃し続けた。タフネスの賜物だ。」
「対照的に敵ポイント0点で10位。」
「アレに立ち向かったのは過去にも居たけど・・・ブッ飛ばしちゃったのは久しく見てないね。」
暫く沈黙が続く。
「そして・・・2位の小槌宿儺と3位の東方穂稀か。」
「東方穂稀に関しては、ニュースに取り上げられた有名人かつ銀次の娘さんですからね。上位に入るとは思っていましたが、小槌宿儺は予想外でした。」
「彼の担任に聞いたら、願書届けギリギリに雄英に行くことを決めたそうです。それまで雄英に行くとは言っていなかったそうで、びっくりしたそうです。」
「元々は普通の学校に行こうとしてたらしいね。ヒーローに憧れていた気持ちが出てきたと言うことでしょうか?」
小槌の試験の様子が、いくつかの画面に映し出される。
「彼の注目すべき所は、前半と中盤で稼いでいることですかね。明らかに救助ポイントを知っていた様な動きでした。」
「筆記の方がダメダメじゃなかったら、ダントツトップだろうに・・・。」
「東方穂稀は中盤以降に救助ポイントを稼いでいますね。彼女の的確な応急手当は、リカバリーガールも絶賛しています。」
「そして最後・・・二人とも0ポイント仮想敵に立ち向かっています。」
スクリーンに0ポイントとの戦いが映し出される。
プレゼント・マイクは歓声をあげる。
「YEAH‼︎何度見てもスゲェ炎の塊だぜ‼︎建物が消滅する程の威力って、どんだけだよ⁉︎」
「しっかりと、周りに人がいないことを確認して打っていますね。そうじゃなかったら、大変なことになってしまう所でした。」
「建物を消滅させていなければ、1位になっていたかも知れませんね。」
一同はその意見に反論することはなかった。
「では、二人の合格に異議のある者はいるかい?」
その問いにも誰も手をあげる者はいなかった。
「では、続いてですが・・・」
end
入学当日。
爺に送ってもらい、雄英高校についた。
「ありがとう、爺。」
「電話して頂けば、十分以内に迎えにいきます。」
「無理しなくていいから、爺。爺もヒーローなんだし、仕事を投げ出さなくても・・・」
でも強くは言えない。
私が呼ぶ頃には、依頼は全て終えてくるから。
「了解しました、お嬢様。分かっていると思いますが・・・」
「えぇ、分かっています。個性は話さない。」
爺と別れ、校舎へと入っていた。
私は1-Aらしい。
阿求さんの個性を使い覚えたため、教室へ15分前には辿り着いた。
「大きいわね。」
扉がとにかく大きい。
扉を開けると、数人がすでにいた。
「お?どっかで見た顔だな〜。俺、切島鋭児郎って言うんだ。」
「私は東方穂稀、一時期ニュースに取り上げられたからね。見たことあってもしょうがないわね。」
切島君は納得してくれようだ。
やっぱり殆どの人が知っているようだ。
指定された席に行くと、見知った顔があった。
「お久しぶりだね、百さん。この前の誕生日パーティー以来ですね。」
「お久しぶりです、穂稀さん。推薦を蹴ったとおっしゃった時は、この学校には来ないのではないかと思いましたわ。」
因みにABともに21人だそうだ。
本来は20人しか入れないらしいが、今年は一人ずつ多いことになる。
すると後ろから声をかけられた。
「推薦を蹴るとは、受かる気があったんだな。」
「いいえ?ありませんでしたよ。その方が面白いと思いまして・・・」
流石に推薦を蹴ったのはレミリアさんのせいとは、言えない。
「君は変わった奴だな。」
「よく言われます。君もそうでしょ?髪が二色なんて珍しいと思いますが?」
少し笑みを浮かべた。
「そうだな、俺は轟焦凍だ。よろしくな。」
「おっ⁉︎君もA組か。あの時はあんがとうな。俺、小槌宿儺。」
(宿儺視点)
さて、A組にご都合主義的に決まったから問題なしね。
ハブられた奴は・・・砂藤ね。
原作でもあまり活躍が描写されないから、当然なのかな?
え?
ABとも21人ずつになっている?
Bは砂糖が入って、Aには私以外に東方さんがいるね。
もしかして、彼女なの?
教室に入ると、そこには彼女がいた。
あの時助けてくれたあの彼女だ。
「おっ⁉︎君もA組か。あの時はあんがとうな。俺、小槌宿儺。」
男口調は勝手に直してくれるから、気にせず話せるから楽。
丁寧にこっちを向き直し、話してくれた。
「貴方もあの仮想敵を、倒そうとしていらしゃったんですよね?私は怯えて逃げ遅れている、と勘違いしてしまいました。」
倒そうとしていたのを知っていたのね。
「個性が発動する前に潰されたと思うし、いいってことよ。」
そろそろ予鈴がなろうとしている。
もしかして・・・あのシーンでは?
まるで芋虫みたいに寝袋に入った、見るからに汚い人がいた。
「はい、静かになるまで十秒かかりました。時間は有限、君たちは合理性に欠くね。」
おー、あれがイレイザーヘット。
思っていたより見た目悪いし、カッコいいとは言えないね。
髭を剃ればそれなりに・・・ならないか。
もう少しカッコよく現れられなかったのかな?
「担任の相澤消太だ。早速だが東方以外はコレ着てグラウンドに出ろ。」
なんで彼女だけ着なくていいの?
確か試験の時も私服のままだったような・・・
それを疑問に思っている生徒もいるみたいだが、質問することはなかった。
end
私以外は着替え、グランドに集合した。
「個性把握テストォ‼︎」
クラスの大半は驚き、叫んだ。
「入学式は⁉︎ガイダンスは⁉︎」
「ヒーローになるなら、そんな悠長な行事出る時間ない。」
まさか入学初日で、入学式もガイダンスもなしとは思わなかった。
同じヒーロー科のB組の姿がない所を見ると、相沢先生の独断のようだ。
そんなことが許されるのだろうか?
「雄英は自由な校風が売り文句、そしてそれは先生側もまた然り。」
確かに自由な校風だし、これはしょうがないのかな?
「お前たちも中学のころからやってるだろう? 個性使用禁止の体力テスト。」
考察をしていると、相澤先生からの説明が始まった。
・個性使用禁止の体力テストと同じ8種目を行う。
・その八種目は『ボール投げ』『立ち幅跳び』『50m走』『持久走』『握力』『反復横跳び』『上体起こし』『長座体前屈』で、個性使用が認められる。
・最低限の種目ルールさえ守れば、各自は己を活かす個性の創意工夫をしてもよい。
だそうだ。
爆破系の個性?
そう言えば、商店街で助けた子がそんな個性だった様な・・・
生徒は面白そうとか、言っている。
「面白そうか・・・よし、トータル成績最下位の者は見込みなしと判断し、除籍処分にしよう。」
悪そうな顔を浮かべる相澤先生。
すごく、悪そうです。
「はあ⁉︎んだよそれ‼︎」
「今日の日本は理不尽にまみれている。理不尽を覆してこそヒーローだ。これから三年間、雄英は全力で君たちに苦難を与え続ける。Plus Ultraさ。全力で乗り越えて来い。」
あれはマジな顔だ。
さとりさんで心を読まなくても分かる。
どうしようか・・・
よし、あの子達で個性有りの体力測定をしよう。
備考
・2位のオリキャラと3位の主人公
やっぱ爆豪に選手宣誓をやってほしい。
そのため減点ポイントで減らすことに・・・
主人公・・・建物を溶かしてしまう
オリキャラ・・・テストの点数が悪い
・八百万と友達
富豪同士の為、お互いの誕生日会を開く間柄。
・ABとも21人
砂藤はB組送り(笑)
オリキャラを入れる為、仕方なかったんだ。
新登場キャラ及び使用キャラ・・・なし