前回日付を1ヶ月先にしてしまったせいで感覚が狂っている。
便利な物に頼った結果だな笑。
(小槌視点)
ドンキで変装(サラリーマン風)をし、発信機が示す方へと向かおうとした時だった。
「お?雄英じゃん!?」
という言葉とともにビクッ!となる一同。
それで振り向けば街中の大型スクリーンに相澤先生・ブラドキング先生・根津校長・そしてマンダレイの姿が映し出されていた。
相澤先生がメディアに顔出しするのはこれが初らしく、簡単なプロフィールみたいなのが下枠に映っている。
《それでは先ほど行われた、雄英高校謝罪会見の一部をご覧ください。》
民衆がそれを見入る中で、私達も黙って一緒に視聴していた。
《この度―――我々の不備からヒーロー科1年生9名に被害が及んでしまった事・・・ヒーロー育成の場でありながら蠢く敵意への防衛を怠り、社会に不安を与えた事を謹んでお詫び申し上げます。誠に申し訳ございませんでした。》
謝罪の言葉を述べる相澤先生の顔には疲れが見えていた。
それでも気丈に話している。
それから記者たちが矢継ぎ早に質問をしていくという光景が繰り返されていく。
その内容を聞いて、それを見ていた民衆は、
「は?守れてないじゃん!」
「何言ってんだこいつら?」
「ヒーロー達は何をしていたんだよ!」
まるで悪者扱いかのように、批判や不満の言葉を述べていっていた。
「・・・みんな、行こう。」
「ああ。」
人混みをかきわけ、発信機が示す場所へと向かう。
end
(第三者視点)
《生徒の安全・・・先ほどそう仰いましたね?マンダレイさん。敵と合間見えた時のみ個性の使用を許可したそうですね?》
一人の記者がマンダレイに質問する。
少しでも隙を見せれば、すぐさまにそこを徹底的に突こうという魂胆を胸の内に秘めているのだろう。
《意図を聞かせていただいてもよろしいですか?》
《私が敵連合の襲撃によって、混乱する状況を完全には把握することが叶いませんでした。最悪の事態を避けるべく、各生徒の皆さんに戦闘の許可を下しました。》
《その最悪の事態というのは?8名もの被害者と1名の拉致は、最悪だったとは言えませんか?》
《・・・私があの場で想定した“最悪”とは、生徒達が成す術もなく、敵連合の人間たちによって殺害されてしまう事でした。》
マンダレイに代わって、校長が生徒達の現状や活躍によって被害は結果的に小さくできたと説明する。
現状では精神的に負荷を負った生徒はいないとも。
自分は逮捕者を聴き、遊英生達の強さに驚きを感じとった。
《不幸中の幸いだったと?》
《未来が侵されることが最悪だと考えております。》
《攫われた東方さんについても同じことが言えますか?》
確かに、未来が侵される事態が起こり得る可能性はありえる。
同じテレビを見ている人達も「確かに・・・」と呟いている。
《体育祭準優勝・・・保須での救助活動・・・ヘドロ事件・・・彼女の功績は計り知れません。ですが一人一つが当たり前の個性が、彼女は複数の特性を持っていますよね?体育祭で説明した花の個性では到底理解できません。体育祭で見せた超パワーやヘドロの時の剣士は別個性ではありませんか?どうなんですか?》
それは自分も気になっていたことだ。
遊英側はどういう風に答えるのだろうか?
しかし遊英側は何も答えれず、記者の質問が続く。
《しかしそれだけでは、敵連合が誘拐するのには理由足りえる決定打がありません。なにか、彼女の過去にはとてつもない陰謀があるのではないかと思っているのです。》
《陰謀・・・ですか?》
《敵連合には主犯格と見られる女の子がいるという情報も出ています。もしかしたら彼女こそが、主犯格の人物ではありませんか?》
「「「・・・はっ?」」」
変な声が出てしまった。
それは同じテレビを見ている人達も同じだ。
それと同時に、質問した記者に怒りが湧き起こってきた。
《敵連合が誘拐したのは回収する目的で、彼女が敵連合に所属していたことを隠していた。遊英に入ったのは、何かしらの情報を得るためだと私は推測するのですが、そこのところはどうなのですか?》
テレビから目を話すと、電話対応をしているホテルマン。
恐らく予約キャンセルの電話だろう。
そりゃそうだ。
このホテルのオーナー(仮)が、敵だった疑惑が出てしまったからだ。
だが泊まっている連中の中で、出て行こうとする者は殆どいない。
自分を含め帰る家を無くした者達を無料で住まわしてくれている彼女が、敵な筈がないと思っているからだ。
校長は話を始める。
《・・・あくまで彼女の個性は一つさ。彼女自身もそして私達も彼女の個性については、まだ分からないというのが見解さ。それに震災や事件で家を無くした者に、ホテルの一部屋を無料で提供している。そんな敵がいるとは思えないね。》
その後も次々とくる質問に丁寧に答える遊英。
自分はそれを見つつ、オーナーさんの無事を願うのだった。
end
「ふーん、そんな事をしているんだ。」
《ここまでとは予想外だね、敵になる要素はなしか。》
「敵に成り下がるつもりはないわよ?」
《だろうね。フラン、銀次の禁止を破壊しなさい。》
「っ!」
私を誘拐した目的は、幽々子さん・お空・妹紅さんの個性を発動させることと、私をヒーローとしていられなくすることだろう。
そんな個性が解放された瞬間、ここら一帯が更地と化すだろう。
「ねぇ、どんな気持ち?ヒーローを目指していたにも関わらず、ヒーロー達に倒される運命なんて笑えるわ。」
運命・・・か。
「それが私の運命というのなら、的外れな運命ね。特別に運命を占ってあげる,。そうね・・・私は皆が知っているヒーローになり、貴方達のボスは刑務所行き。こんな所かしら?」
何故かそんな運命が見えたのだ。
「どうもー。ピザーラ神野店です!」
「え?そんなもの頼んだ覚えは……」
フランが疑問に思う前にそれは起こった。
盛大な破裂音とともにアジトの壁がぶち破られ、夜の空が見えた。
アジトの中は一瞬にして廃墟と言わんばかりの惨状になり、ヴィラン連合の幹部達も慌て始める。
「な、なんだぁ!?」
「黒霧!」
「はい!」
フランの指示で黒霧がゲートを展開しようとしたが、それよりも早く動いた人物がいた。
「先制必縛!ウルシ鎖牢!!」
シンリンカムイさんによるウルシ樹の束縛によって全員が縛られてしまう。
その中でもやはりいち早く抜け出そうと炎を展開して束縛を燃やそうとした敵だったが、突入してきたヒーローは予測していた。
「逸んなよ!」
高速の蹴りによって一瞬で気絶させたのは、緑谷さんの職場体験先のグラントリノさん。
「流石だシンリンカムイ。そしてグラントリノ!さて、もう逃げられんぞ敵連合。なぜかって?我々が来た!!」
「小娘大丈夫か?」
「もう少し遅かったら、まずかったかもしれませんが大丈夫です。」
オールマイト達は記者会見を見ているだろう敵達の隙を見計らって、タイミングよくアジトに突入したのだろう。
「さて、こうして会うのは初めましてだな。フランドール・絢香。よくも今まで好き勝手をしてくれたものだ。」
「なんでラスボスが直接来てるのよ!色々とこねくり回してたのに・・・」
そう言って、憎らしい表情でオールマイトの事を睨むフラン。
「黒霧!!全部!全部持ってこい!」
もしかして脳無のことだろうか?
しかし、黒霧が汗を垂らしながらも動揺した風で、
「すみません、フラン。呼び出そうとした脳無なのですが、ないのです・・・」
「ない!?どう言うことよ!」
その言葉にフランも動揺を隠せない。
「敵連合よ。貴様達は舐めすぎた。我々ヒーローを、警察のたゆまぬ捜査を、そして我々の怒りを!!」
備考
・小槌の変装
飯田と被った感はあるけど、緑谷の服装を着ても似合わなさそうな気がした。
・主人公=敵連合の主犯格
これがやりたかったがために、よく似てる設定をつけました。
・セリフの変更(原作変化?)
弔からフランに変わっている為、少し子供っぽくしてみました。
違和感が若干あるので、治すかも知れん。