僕アカ×東方 〜私の個性はほぼ全キャラの能力〜   作:響緑

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サブタイ思いつかん。
新たな敵(オリジナル)が現れます。
アニメ版にて本当の黒幕が分かっても、この作品ではこの敵が情報を伝えていたことにします。


新たな敵

円場さん・柳ちゃん・塩崎ちゃんが助けにやって来た。

よく見ると空気の膜があった。

 

「彼を施設に・・・」

 

そう言えば、透ちゃんにお姉様がいると言っていた事を不意に思い出した。

そのお姉様は透ちゃんの上位互換であり、着ているものも透明にでき、砂利の上を音を鳴らすことなく走ることもできるらしい。

そんな彼女が敵だったら?

周囲に意識を集中させ、永琳さんの攻撃手段でもある弓を構える。

 

「そこっ!」

 

射った矢は途中で止まる。

 

「バレちゃったか。絶対見つからない自信があったんだけれどな〜。」

 

隠していた姿を見せた。

背中に透明な羽が生え、先がコロネっぼくなっている黒みがかった黄髪、黄緑の目の女性?

いや骨格的には男性?

透ちゃんとは違い、オン・オフが可能のようだ。

 

「私、三妖精(スリーフェアリーズ)。一番厄介な神の使者を倒しに来たとでも言っておこうかな?」

 

私は山女魚ちゃんを守るように前に立つ。

さとりさんに変化せずとも、嘘を言っているのは丸分かりだ。

 

「山女魚ちゃんが倒し損ねたら、すぐ人質を殺せるようにするためよね。大事な者を守れなかった、そんな屈辱を植えつける。違う?」

 

それを聞いた山女魚ちゃんは、個性を解除してくれた。

これで幾分か楽にはなったかな?

 

「そ、そんな!約束と違う!!」

 

「あら?いつから敵は約束を守る者の集まりだと思っていたの?まあ、それはおいておいて・・・・・東方 穂稀、大人しく捕まってくれないかしら?」

 

「それはどう言うつもりかしら?私が敵の言うことを聞いて、大人しく捕まるとでも?」

 

相澤先生に連絡して数分は経っているから、こちらに応援が来るのも時間の問題。

 

「そう簡単にはいかないでしょうね。」

 

チラッと視線をずらす三妖精。

はっ!

彼女に集中するあまり、トガヒミコのことを忘れていた!

円場さん・塩崎ちゃんが倒れている。

二人の心を読むまでもなく、柳ちゃんは洸汰君を連れて施設の方へ逃げたのだろう。

トガヒミコに向け矢を放つが、軽々と避け後退している。

ここからはあまり詳しく分からないが、二人とも血は流れているようだが軽傷。

動かないのは、意識を失っているからだろう。

 

「三人を守りつつ、私達を相手できないわよね?体力そこまで残っていないんでしょ?」

 

「っ!」

 

変身にはある程度の体力と精神力が必要だ。

あまり攻撃能力とはいえない、さとり・阿求・永琳・こいし辺りはそこまで必要とはしない。

しかしこれらの能力を使ったとして、全員を守りながら二人を相手するのは体力的に難しい。

暫く私と三妖精との睨み合いが続いたが、私は弓と矢をトガヒミコの近くに投げ捨てた。

 

「これでいいかしら?」

 

「まだよ、武器をしまっているポーチもよ。」

 

敵連合は、しっかり私のことについて調べているようだ。

少なくとも三人だけは・・・

 

「・・・渡す代わりに、三人を施設に送ってもいいかしら?」

 

「良いわよ。私が興味あるのは、君だけだから。生徒を殺すようには言われていないしね。」

 

ニタッと笑う三妖精。

こうなることを予想していたのか?

 

「お、お姉ちゃん!」

 

「心配することはないわ。」

 

「で、でも・・・」

 

トスッ

 

山女魚ちゃんに手刀で意識をかりとり、三人を素のままで紫さんの能力を使い施設へと飛ばす。

座標がずれ教室(補習部屋)ではなく寝室になってしまったが、精度が悪い中上手くいった方であろう。

完全に隙間が閉じ終わった後、ポーチをトガヒミコの近くまで投げる。

 

「貴女も逃げてよかったのよ?」

 

「私が貴方達から逃げない理由を分かってて、それを言っていますよね?」

 

「そりゃそうよ。」

 

トガヒミコの方を見ると中身を無造作に出し、ポーチをズタズタにし始めている。

もし生きていたら、西川さんに謝っておこう。

 

「貴方に会いたがっている人がいるの、案内してあげる。」

 

フランだろうか?

辿り着いたのは、少し開けた場所。

どうやら集合場所のようだ。

隠し持っていた無線機も携帯も謎の観察スキルで三妖精に見つけ出されて、トガヒミコに破壊させられた。

体力もある程度戻ったため反撃も可能だが、人質がいる今は望ましくはないだろう。

 

「君は誰だ! 知っているぞ、東方穂稀だな。」

 

「久しぶりね、穂稀ちゃん。また会えるなんて、思ってもいなかったでしょ?」

 

「ニジ・アジェス!!脱獄していたなんて考えてもいなかったわ。」

 

刑務所に入っているはずのニジが目の前に現れたのだ。

 

「脱獄したんじゃないの、刑務所に入らなかったのよ。馬鹿な一般人に頼んで正解だったわ。これは貴方へのプレゼントよ!」

 

ニジのボディーブローが炸裂。

猛烈な吐き気に襲われた。

これにより、反撃用の体力も失くしてしまった。

私の変身に体力と精神力が必要なことを、覚えていた為の行動だろうか?

いや、ただの嫌がらせのつもりなのだろう。

 

「ニジ、彼女は大事な人質です。」

 

「分かっているわよ、黒霧。これでも手加減してあげた方よ。ターゲットは君達に渡したんだし、契約は果たしたわよね?もう付き合うつもりはないから、勝手に帰らしてもらうわね〜。」

 

どうやら私を引き渡す契約をして、ニジはここにいるみたいだ。

ニジはそう言うと、森の方へと消えていった。

 

「私らとてあまり戦闘は望みません、大人しく付いて頂ければ結構。分かっているとは思いますが・・・」

 

物言いからすると人質は黒霧が持っているようだ。

それに言葉の節々から、何かしら含んだ言い方のように思えてくる。

 

「抵抗すれば人質の命がないってわけね。それも一人じゃないんでしょ?」

 

恐らくあっているはずだ。

 

「物分かりが早くて助かります。さあ行きましょう、貴方の妹さんが待っています。」

 

 

(山女魚視点)

 

意識を冷ますと、どこかの施設の部屋にいるみたいだ。

近くには、トガヒミコって穂稀お姉ちゃんが言っていた敵を相手に戦っていた二人がいる。

慌てて二人に駆け寄り容体を確認。

大丈夫、意識を失っているだけだ。

悪い菌を吸い上げ、私は自分の行動を悔いていた。

私のせいで、お兄ちゃんの大事な人が大変なことになってしまう。

いや、反省は後でもできる。

今私にできることをして、少しでもよくなるように行動を・・・・

私は部屋を抜け出して、人を探すことにした。

飯田お兄ちゃんを見つけた。

 

「飯田お兄ちゃん!お願い、穂稀お姉ちゃんを助けて!」

 

「こ、小槌君の妹さんではないか!と、とりあえずブラドキング先生の所に案内するぞ。」

 

私は飯田お兄ちゃんの後について行く。

辿り着いた場所は学校の教室のような部屋で、そこにお兄ちゃんがいた。

 

「や、山女魚⁉︎なぜここに?」

 

「お兄ちゃん、ごめんなさい。私の・・・私のせいで穂稀お姉ちゃんが、捕まっちゃう。」

 

そこに駆け込んだのは、男の子を抱えた女性。

あの二人が逃がした女性だと気づく。

無事施設に辿り着けたみたい。

 

「せ、先生。敵の襲撃です。」

 

「分かっている、柳。だが俺がこの場から移動することはできん。生徒を守るのもヒーローの役目だ。イレイザーや虎達に任せるしかない。」

 

「他のヒーロー達には⁉︎」

 

「固定は電線が切られていた、電話も何故か圏外だ。」

 

電波妨害系の個性者が近くにいるのかな。

えっと・・・

 

「電気系統の個性でなんとかならないの?」

 

「試してみるか。上鳴、個性の使用を許可する。」

 

「う、うす。」

 

後は・・・

 

「鳥がいたの、操れる個性の人いない?」

 

「口田の個性か!やってくれ口田。」

 

「(コクコク)」

 

「後誰か救急箱を探して来て!私と一緒に飛ばされた人がいるの、私とあの子(洸汰君を指しながら)を守るため傷だらけなの。」

 

「分かった!」

 

私に出来ることはこれくらいかな?

 

「お前の妹、凄いな。」

 

「は、初めて見るぞ・・・山女魚のそんな所(゚o゚;;」

 

私がやってしまった結果だ。

これで少しでもいい未来になりますように・・・

 

 

end




備考
・三妖精
元ネタは東方三月精に出てくるルナチャイルド・スターサファイア・サニーミルクのこと。


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