僕アカ×東方 〜私の個性はほぼ全キャラの能力〜   作:響緑

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今回はほぼ第三者視点のみです。
(第三者視点は)初めてなので、言葉足らずかも知れません。



限界突破(リミット・ブレイク)

一方B組の面々も、遅れながらも強化訓練場所へと歩いていた。

 

「前期ではA組が目立っていたが、後期からはA組ではなく我々B組だ。A組ではなく、我々だ‼︎」

 

そう力強く宣言するブラドを見て、

 

「「「不甲斐ない俺らですみません!!」」」

 

男子生徒達が涙も隠さずに一緒に悔しがっていた。

USA襲撃、体育祭、保須事件。

目立っているのはA組の面子ばかりなのだ。

B組もA組と同じくヒーロー科・・・B組はこれといった活躍をしていないのが現状だ。

だからブラドもどうにかして、B組の生徒達を活躍させたいと日夜考えを巡らせている。

 

「ですが先生。突然“個性”を伸ばすって言っても・・・20名20通りの“個性”があるのに、何をどう伸ばせばいいのか分かんないんスけど・・・」

 

個性は誰一人として同じではない。

他の面々も同様のようでうんうんと頷いていた。

ブラドはそんなB組の面々に対して、冷静に説明をしていく。

 

「筋繊維は酷使することにより壊れて、それ以上に回復した時に倍以上に強く、太くなる。“個性”も同じだ。今のご時世・・・20代ならまだ挽回の目途は立つが、使い続けないでいた30代、40代ともなればもう“個性”は衰えに衰えているだろう。故に・・・」

 

広い場所へと到着した一同。

そこで目にするのは阿鼻叫喚の地獄絵図・・・とまではいかないが、物々しい雰囲気であった。

ブラドは一度全員の方へと振り向いて宣言する。

 

「すなわちやるべきことは一つ!限界突破(リミット・ブレイク)だ!!」

 

 

まず爆豪 勝己。

ドラム缶の熱湯に両腕を突っ込んで、それによって汗腺の拡大及び爆破を繰り返して規模を大きくする特訓。

 

「くそがぁぁぁぁ!!」

 

爆豪本人はもうそれは苦しい事だろう。

両腕を天に掲げて限界以上の爆破を放つ光景は、まさに“壊す”特訓と言えよう。

 

 

次に轟 焦凍。

これまたドラム缶を使用するスタイル。

さらにはそれに沈んで凍結と炎を同時に出して、お風呂の温度を一定にする。

とても冷たい凍結に体を慣れさせて、炎の温度調節を試みる特訓。

 

「はぁ、はぁッ!」

 

急激な温度の変化に荒い息を吐きながらも、ドラム缶を叩いて交互に個性を発動する轟。

 

 

次に瀬呂 範子。

肘からテープを出し続けることで容量の拡大、テープ強度と射出速度を強化する特訓。

 

「痛い痛い痛い痛い‼︎」

 

無限にテープを出し続ける事ができるのだが、出し続けると非常に激痛が走るらしい。

 

 

次に切島 鋭児郎&尾白 猿夫。

硬化した切島を尾白が尻尾で殴ることで、互いに個性強化を高める特訓。

 

「こい、尾白!!」

 

「おぉぉぉーーー!!」

 

切島は硬化の強度を、尾白は尻尾の操作と練度を高めることができるので有効である。

 

 

次に上鳴 電気。

大容量バッテリーと通電することで、大きな電力にも耐えられる体にする特訓。

 

「びゃああああああーー!!」

 

上鳴の個性“帯電”は、自身の体で電気を作り出す事ができない以上は容量を増やす以外に道はない。

 

 

次に口田 甲司。

生き物を操る声が遠くまで届くように、声帯を鍛える発声の特訓。

内気な性格を治すにも効果的である。

 

「ああああああああーーーーー!!」

 

果たしてその効果はあるのかは、本人以外は分からない。

 

 

次に小槌 宿儺。

スクワットながらひたすら物を大きくしたり小さくして、タイムラグの時短および自分自身の体力アップを目指す特訓。

 

「八十二・・・八十三・・・・」

 

やっていることはかなり地味だが、彼にとっては辛いことだろう。

 

 

次に青山 優雅。

腹痛を起こしても続けてネビルレーザーを撃ち続け、体を慣らしかつレーザーの飛距離アップを目指す特訓。

 

「ふんっ!ふんっ!・・・・・うぅっ!?」

 

トイレに入り込んだ所を見ると、上手く行っているようにはみえない。

 

 

次に常闇 踏陰。

洞窟の中の暗闇で暴走する黒影ダークシャドウを制御する特訓。

 

「ダークシャドーーー!?」

 

中では一体どんな争いが起きているのか分からないが、普段冷静な彼が悲鳴を上げていることから相当のモノなのだろう。

 

 

次に麗日 お茶子。

無重力でピクシーボブが操作する土の上を回転し続ける事によって三半規管の鍛錬と酔いの軽減、また限界重量を増やす特訓。

 

「うぅぅう、うう。」

 

回転ボールの中で必死に酔いと吐き気に耐える彼女の姿は、決して麗らかではないだろう。

ボールの中で出してしまったら、乙女として生きていけないほどのトラウマを抱えてしまうだろう。

 

 

次に飯田 天哉。

脚力と持久力を高めるために走り込みの特訓。

 

「ふんふんふんっ!!」

 

決められたコースには上りや下り、階段といったものがあり平坦な道より鍛えられるコースになっている。

 

 

次に蛙吹 梅雨。

全身の筋肉と長い舌を鍛える特訓。

 

「ケ、ケロ。」

 

何度も崖を舌を使ってさらには全身を使って、よじ登っていく訓練は地味ではあるがハードな訓練である。

 

 

次に八百万 百。

食べ続けながら個性を発動して物を作り出し創造物の拡大、創造時間の短縮を図る特訓。

 

「うむうむっ……」

 

見ていて胸やけを起こしそうな光景である。

 

 

次に耳郎 響香。

耳のピンジャックを壁に叩きつける事によって、音質を高める特訓。

 

「おらぁあああっ!!」

 

体の一部でもあるのだから壁に全力で叩きつけるのは相当の負荷を負うだろう。

痛そうである。

 

 

次に芦戸 三奈。

手から断続的に酸を出して壁を溶かし、皮膚の耐久度を上げる特訓。

 

「うぅうううっ!!」

 

常に手が酸に晒されるのだから耐性があるとはいえ、とてつもない激痛を伴う事だろう。

 

 

次に峰田 実。

頭のもぎもぎをもぎってももぎっても血が出ないように頭皮を強くする特訓。

 

「うっ、ううっ。」

 

見た目以上に血が噴出しているため、貧血で倒れないか心配になってくる光景である。

 

 

次に葉隠 透&障子 目蔵。

気配を消す葉隠を障子が複製椀を素早く同時に変化させて探すことで互いの個性を強化する特訓。

ただこれに関してはかなり特殊と思わざるを得ない。

果たして二人にとっていい成長はあるのだろうか?

 

 

どれもが厳しい特訓だと言えるだろう。

ブラドが今回の特訓の説明を相澤とともに話していき、ワイルドプッシーキャッツの面々も登場して説明も交えていく。

だが、ふと拳藤が指を折りながら数えていた。

そして首を傾げた。

 

「あの・・・相澤先生。」

 

「なんだ?」

 

「その・・・数えてみたんですけど二人いないような?」

 

その言葉を聞き、他の生徒も気づいたようだ。

 

「イレイザー、どこにいるか知っているのか?」

 

「呼ぶことは合理的ではないが、仕方ないだろう。」

 

相澤が紙を燃やし始めた。

なにやら書いてあるようだが分からなかった。

すると隙間が現れ、東方が顔を出す。

一見すれば生首だ。

女子からは軽い悲鳴が起こる。

そんなことを気にせず、相澤は東方に話しかける。

 

「相澤先生、何かご用ですか?」

 

「緑谷の様子はどうだ?」

 

「まずまずといった所ですかね。そろそろ引き上がろうと思っています。」

 

「そうか、戻っていいぞ。」

 

東方が隙間に消え、相澤が話を続ける。

 

「B組の奴も己に自信がある奴・個性の特訓相手欲しい奴は俺か奴に言え。奴が手伝ってくれるだろうよ。」

 

すると先程の隙間が開かれ、東方と緑谷が出てきた。

緑谷はその場に倒れ息が上がっているが、東方はそこまででもない。

 

「なんなら今から誰か戦ってみるか?」

 

相澤はニタッと笑う。

 

「東方、お願いしてもいいだろうか?」

 

「次は轟さんですか、このカードを引いて下さい。」

 

「・・・にとりと書いてある。」

 

「わかったわ、では隙間にご案内。」

 

そう言うと東方と轟が隙間に消える。

 

「東方はあのカードで当たった能力を使い、模擬戦又は特訓の手伝いをすることによる能力強化及び臨機応変な対応の特訓をしていると言うわけだ。緑谷、虎の所に行け。」

 

「は、はい!」




備考
・どうでもいい変更
瀬呂がTSしている為、「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!」から「痛い痛い痛い!」に変更。

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