活動報告に書きましたが、話が進まなかったのとこの時期には珍しい異動がありまして忙しい毎日でした。
やっと神野事件までは纏まってきたので、二週間に一回の投稿をスタートしていきます。
下手したらまた止まることがあるかもしれませんが(ー ー;)
あちらの話を聞く限り、緑谷さんが助けたようだ。
緑谷さんはそのままマンダレイさんの所に向かったらしい。
今度の入浴時間は相澤先生に相談して、ずらして貰いましょう。
それから
今度は私も加わって精神的に女嫌いにしてみましょうか?
「東方ちゃん、顔が怖いよ?」
「のぼせてしまったようです、先に失礼します。」
温泉から上がり、急いで着替え緑谷さんを追う。
そこで聞いたのは洸汰ちゃんの過去。
やはりと言うか辛い過去を持っていたようだ。
洸汰ちゃんを救いたい、そう思い私は部屋の中へと入っていく。
「東方さん?」
「緑谷さん、マンダレイさん。洸汰ちゃんのことを私に任せてもらえませんでしょうか?私が洸汰ちゃんの心の闇をなくしてみせます。」
「できるの?」
「・・・分かりません。私も初めてですので、失敗する可能性もあります。」
やることはさとりさんの能力を使用し心の闇を確認、慧音さんの能力で歴史を書き変えるというもの。
商店街での事件のように少しの時間だけ効くのではなく、記憶の奥に埋もれさせておく必要があるため難易度は高い。
マンダレイさんは少し考え、結論を出した。
「分かったわ、貴方の課題として付け加えておくわ。」
「ありがとうございます。」
課題・・・か。
この課題をクリアすることは難しいだろう。
下手したら失敗することもあり得る。
「東方さん、僕にも何かできないかな。」
「緑谷さん、ありがとうございます。緑谷さんがいいと思ったことをやってもらえば、それだけで助かります。」
緑谷さんと別れ、部屋へと入っていく。
「東方ちゃん東方ちゃん、どこで休んでいたの?」
補修組の三奈ちゃんと範子ちゃんはいないものの、その他は全員いるようだ。
「近くの部屋ですよ。」
「ねえねえ、トランプせぇへん?」
「明日から強化合宿が始まりますよ?早く寝た方がいいですよ?」
お茶子ちゃんがトランプを出して遊ぼうとしているが、明日のことを考えて早めに寝ておきたいのだ。
「あれれ?負けるのが怖いの?」
「私が負けるはずがないじゃないですか。一回だけですよ?」
こうして私と透ちゃん・お茶子ちゃん・響香ちゃん・百ちゃんの五人によるババ抜きがスタートした。
響香ちゃんがトランプをきり、みんなに分けていく。
結果私が八枚で、他が四〜六枚といったくらいだ。
数が多い私から時計回り(私→響香ちゃん→透ちゃん→お茶子ちゃん→百ちゃん→私)でスタート。
一番最初に上がったのは響香ちゃん、一番枚数が少なくあがるのも早かった。
その後は拮抗して残り私が二枚、他が一枚になる。
「えい・・・やったー!あがり〜。」
「ってことは・・・:」
「百ちゃんがうちの引いてうちもあがり〜。」
「あ、私も揃いました。」
「な、なんでよ!」
口が悪くなっているが、仕方ない。
最初から最後までジョーカーは、私の手札から消えることはなかった。
偶然なのでしょうか?
「もう一勝負よ。」
「えー?一試合だけじゃないの?」
「じゃあさ、次の試合負けた人は、四人分の質問に答えるってどうかな?」
「いいねいいね、もう一試合しよう。」
・
・・・
・・・・・
「やった〜、あがり〜。」
な、なぜ?
なぜまた負けたのでしょう。
「じゃうちからね、いつのまにか名前で呼んでいるよね?」
最初はお茶子ちゃんね。
「そうですね、I・アイランドから帰ってきたから名前で呼ぶように統一しています。前から変えようと思っていたので変えたのですが、嫌でしたか?」
「いいと思うよ、なんか距離を感じとったし。でも・・・・うちは最初から名前で読んでたよね?麗日ちゃんじゃなくて。」
「呼びやすさ・・・でしょうか?私的にはそちらの方が呼びやすかったのでしょうね。」
確かに梅雨ちゃんも一度は蛙吹ちゃんと呼んでいたから、最初から名前で呼んでいたのはお茶子ちゃんだけだ。
「次は私から質問。東方がヒーローを目指している目的って何?」
響香ちゃんはオーソドックスな質問だね。
「私がヒーローを目指した目的は、二つあります。お父様とお母様と同じ職業を体験したかった。それと、ある人を自分で探したい。それが主な目的ですね。」
「ある人って?」
「名前までは知りませんが、執事をしてそうな男性です。百ちゃんは知っているでしょうが、迷子になった私を見つけて私を育ててくれる人に渡してくれた紳士な人です。まあ渡し方は雑でしたが、私にとっては命を救ってくれた恩人でもあります。」
あの人は今一体何をしているのだろうか?
爺に頼めばすぐ見つかるだろうけど、今は別の依頼(個性をなくす薬のような何かを探す依頼)をして貰っている。
その人が死んでさえいなければ、いくらでも会える機会はある。
「では次は私からしつも〜ん。クラスの男子の中で付き合うなら誰がいい?」
透ちゃんは透ちゃんらしい質問だなぁ。
「そうですね・・・飯田さんか小槌さんですかね。」
「轟がいないのは意外〜。」
「轟さんもいい方なんですけど、親があの人ですからね。親のせいであまりいい関係になるのは難しいと思います。」
「あ〜納得。」
エンデヴァーは今は少し丸くなったと聞くが、それでもちょっと対象から外れてしまう。
緑谷さんも候補にはいたけど、弟子のような感じもあるから他の二人に比べて高くはない。
「最後は私ですね、穂稀ちゃんの個性はなんですか?メディアには個性不明と言っていますが、穂稀ちゃんがわからないとは私は思っていません。」
一番聞かれて欲しくないことを聞かれましたね。
「そうですね、私は個性の名前を知っています。しかし、お父様と『個性について話さない』と約束を破る訳にはいきません。と言って質問に答えないのは失礼なので、今私が使える個性としての能力は約三十種類、そのうちで二つほど教えようと思います。」
本当はあまり言いたくはありませんが、言う二つはサポート能力。
戦いで出す個性でないため、この中に内通者がいても問題はないと考えた。
「まずは普段から使う個性の能力、“記憶”。一度見たものを記憶することができる能力ですね。次に意識を外して姿を隠す能力、“無意識”。この能力達はあまり戦闘向きではありませんね。」
「意識を外す? どういうこと?」
「そうね、実際やりますね。」
そう言うとこいしに変化。
「じゃまずは、この指を見てください。」
みんなの目の前で人差し指を立てる。
「みんな見てますね。さて問題です、トランプはどこに消えたでしょうか?」
「えっ?下に散らばって・・・」
「無くなっている。」
「皆さん、きちんと箱に入っていました。」
「あれ?穂稀ちゃんは?」
私は皆の目の前から動いてはいない。
本当に恐ろしい能力だなと改めて感る。
デフォに戻ると、皆は驚きの表情(透ちゃんは分からないけど)をしている。
「・・・これが無意識の能力。私に意識が及んでいない時に、私の存在感を消すイメージかしら。」
「まるで私の個性の強化版だね!」
「そうもいかないの。存在感は消せたとしても、完全に消えた訳じゃないの。例えば私の話を聞かず私の指を見続ける人が一人でもいたら、この能力は三分の一まで減少。三分の一まで下がった状態だと、戦い慣れた人にはすぐにわかってしまうくらいね。」
「そっか〜。お姉ちゃんみたいだと思ったけど、違うんだ〜。」
「初耳です、透ちゃんにお姉様がいらっしゃったのですか?」
「そうだよ、葉隠みっせいって言うの。三月に精一杯の精で
「男っぽい!」
「お姉ちゃんはお兄ちゃんでもあるの、両性持ち?バイリンガル?」
「25000分の1という確率で発生するという生腺モザイクの症状を持って生まれた“真性半陰陽者”ですね。私も詳しいことは知りませんが・・・」
「バイリンガルは二カ国が話せる人のことですよ。」
その後も女子会は補習組が帰って来るまで続いた。
備考
・名前呼び
今回の話から名字呼びをやめます。
と言っても男性諸君は名字呼びですが・・・
これで少しは打ち解けあっている感を出せたかな?
・お茶子ちゃん
麗日さん呼びは作者的にも有り得ないので、最初からお茶子ちゃん呼び。
・執事をしてそうな紳士な男性
分かる人には分かるとは思う。
対峙した時、主人公はどういった対応するのか楽しみではあります。
・葉隠 三月精(オリジナル)
葉隠 透の姉ちゃん(戸籍上では)。