それと時間関係は、作者の勝手な説明で付けたものです。
DVDを何度見ても時間関係はなかった筈だし・・・
(オールマイト視点)
緑谷少年を見送って三時間は経っているだろう。
活動時間が過ぎているものの、マッスル状態を保てていられるのは筋肉を使用していないからだろうか?
東方少女の安否が気になるが、敵の監視がある以上思うようにはいかないだろう。
[・・ル・・ト]
ん?
[オールマイト]
この声はまさか、東方少女?
[聞こえていたら、軽く頷いて下さい。]
軽く頷く。
[今、私の個性の一つによって貴方と話をしています。私から貴方への一方通行なので貴方と話はできませんので、ご了承下さい。]
こんなに話せると言うことは、大きい怪我はしていないようだ。
[私に撃たれた銃ですが、おそらくケチャップ弾と睡眠弾だと思われます。こちらの心配はいりません。]
ケチャップ弾・・・本当にそうだろうか?
[疑っていますね、仕方ありませんが・・・]
それほど顔に出ていただろうか?
[とりあえず緑谷さん達が制御ルームへ辿り着いたら、私のことは他のヒーロー達に任せて緑谷さん達を助けに行って下さい。]
分かったという意味を込めて、軽く頷く。
拘束が解けたのは、それから三時間後のことだった。
end
個性が使えるようになったのは、耳郎ちゃんに今の状態を伝えた3〜4時間後。
すぐさまバレないように萃香さんへと変化。
ここを監視しているのは三人。
テロ犯の主犯格と思われる奴とデヴィットさん、後は助手の人がいないだろうか?
壁にかかっている時計を見てみると、十時を超えており捕らえられたから三時間経っていることを確認。
見られる可能性を考慮しデフォに戻っておく。
上から見た情報を元に、監視の目から死角になる位置に小さい状態の萃香さんを出現させる。
その萃香さんを永琳さんへ変化、私の応急処置をしてもらう。
ふう、出血は止められたかな。
弾は貫通したらしく、中には残っていないみたいだ。
次にやること・・・
やれるかどうかは不明だが、やってみる価値はありそうだ。
[オールマイト、オールマイト。聞こえていたら軽く頷いて下さい。]
・・・反応なし。
もう一度・・・あ、今度は軽く頷いている。
オールマイトからの返答は聞かないけど、なんとなく汲み取ろう。
個性が使えなくなったことは、伏せておいた方がいいだろう。
そこで思いついたのはケチャップ弾と睡眠弾。
あまり嘘はつきたくはありませんが、仕方ありません。
眉がピクッと動きましたね、疑っている証拠。
常人では見逃すかも知れませんね。
さてオールマイトから了承の頷きを見たことですし、暇になってしまいましたね。
・・・・・ルートの計算でもしていましょうか。
(小槌視点)
135階フロアに辿り着いた私達を迎えたのは、沢山のコンピューターが置かれているサーバールーム。
「ここで激しい戦闘は控えて!サーバーに被害が出たら警備システムもどうなるか分からないから!」
ということは、私の個性がほぼ使えないと言っているのと同じだ。
皆のサポートをするか個性なしでやるかの二択だ。
そう言っていると警備マシンが天井タラップから、コンピュータの間からわんさかと出てきた。
「どんだけいるんだよー!」
叫んでしまったが許してくれ、ツッコミたくなったんだ。
「警備マシンは私達がどうにかしますわ!」
「緑谷君はメリッサさんを連れて別ルートを探すんだ!今一番の戦闘力を有しているのは緑谷君だからな。」
確かに総合的なことを言えば、この中で一番戦闘力を持っているだろう。
「飯田君・・・メリッサさん、行きましょう!」
「うん!・・・・・あ、お茶子さんも一緒に来て!」
麗日の個性をその肌で体感しているメリッサは、何かを思いついたのか麗日を一緒に連れて行こうとする。
「え、でも・・・」
麗日も暴れる気満々だったのだが、それで思わず飯田に顔を向ける。
「麗日くん、頼む!」
「飯田君・・・うん!行こう!!」
それで緑谷達三人は別のルートを走っていった。
警備マシンが追おうとするが、
「ここからは通さんぞ!」
「はい。メリッサさんを必ず届けますわ!」
「だから、なんとしてもここで足止めするんだ!」
「山女魚、お兄ちゃんの後ろで皆のサポートだ。」
「わかった!」
こうして五人対警備マシンの対決が始まった。
私は戦闘早々にあるものを取り出す。
取り出したのはポーチ。
まさかこんな時に役立つとは思っていなかったから、持ってきたのはないに等しいけれどないよりかはマシだろう。
えっと使えるやつは・・・
「飯田、八百万!これを受け取れ!」
そう言って取り出したのは2cmの赤い筒。
その筒には青い刺繍が施されており、薔薇や水仙の絵が描かれている。
握りやすい大きさまで大きくし、二人に投げる。
両方に二つずつ投げる。
「飯田の方の筒には氷が入っている、エンストしかける前に冷やされると思う!八百万の方の筒には高カロリーの食べ物が入っている。戦闘になると思ってなかったから、今渡した二つしかないから気をつけてくれ!使う時は底の方にある黄色のボタンを押して“デレパ”だ!」
私はそういうと、山女魚にも一つ投げる。
黄色のボタンの方を下にして“デレパ”と唱える。
出てきたのは、山女魚専用武器として企業に問い合わせていたスピーカー型の銃で音波のようなものを出し、相手を混乱させる対人用の武器だ。
マシンにも効果はあり、機械類は壊れないというこのバトル向きの武器。
飛び出した後の筒は白へと変化する。
二人も分かったように頷く。
「耳郎に対して渡せるようなもんがない、すまない。戦闘になると思ってなくてな、普段から準備をしておけば・・・」
「小槌を責めるつもりはないよ。」
さて、私達でどれだけ持ちこたえられるだろうか?
・・・・・
・・・
・
あれからどれくらい時間が経過したのだろう。
おそらく二時間は超えているだろう。
マシンがないと仮定したら、制御ルームに辿り着いているかもしれない。
こちらといえば山女魚と飯田が頑張っているものの、捕まるのも時間の問題だろう。
八百万は渡していた食材がなくなり、新たに個性を使うことすら出来ない状態。
飯田も二度エンストしかけ、氷はもうない。
山女魚の専用武器も残り数発といったところか?
「飯田さん、もう・・・無理ですわ。」
「八百万、諦めるな!メリッサがマシンを正常化させるまで、耐えるんだ!」
口ではそう言っているが、私の個性が使えない以上戦いには参加できない。
さらに個性を使えたとしても、一対多ではあまりにも不利だからだ。
「あ、弾が・・・」
カチャカチャと音が聞こえる。
くそ、万事休すか・・・。
そう思ったが、マシンが動こうとしない。
「もしかして・・・解除できたのでしょうか?」
はあー。
緊張が解け肩の荷が降りた気分だ。
後ろにいた山女魚は私に寄りかかっている。
「こうしちゃいられませんわ、敵側にもこのことは分かっているはず。私達もメンテナンスルームに急ぎましょう。」
八百万の意見は最もだ。
だが・・・
「俺は・・・行けない。」
「何言っているのだね、小槌君!!」
私は口の前で人差し指を立てる。
「緊張が解けたせいもあるが、山女魚が寝ている。まだ敵が何人いるか不明なんだ、だれか一人はこいつを守らないとな。」
皆はそっと山女魚の方を見る。
おそらくだが今は十二時を回っているのだろう。
普段ならとっくに寝ている時間でもある。
そんな山女魚を起こすのは可哀想だ。
皆もそれを承知し、二人を残し皆は走る。
私はそれを見つつ、山女魚の様子を見る。
「メリッサ姉ちゃん・・・約束・・・」
「馬鹿、こんな時でもそんなことを言うのかよ。」
幸せそうな寝顔に笑みを浮かべる。
後は任せましたよ、オールマイト。
備考
・マッスル状態について(オリジナル)
維持するだけならそこまで筋肉は使わないのではと思い、付け加えました。
・ルートの計算
かなり頭を使うため、時間が空いている時には便利かも。
√2の場合、√1<√2<√4なので1<√2<2です。
1.4×1.4=1.96<√2<1.5×1.5=2.25なので、1.4<√2<1.5になります。
そうやっていくと√2に限りなく近い数字になっていきます。
・小槌が使った筒
この筒には元ネタがあり、ダイの大冒険から“魔法の筒”がモデルの収納道具。
ダイの大冒険では魔物の収納だったが、今作ではアイテムの収納。
一つの筒に三つまでは入るが同じものしか入らない、大きいもの(キャリーバッグ以上の物)は一つとなっている。
大き過ぎるもの(人二人以上の物)は入らない。(小槌の個性による縮小したものでも不可能。)
“デレパ”で出して“イルイル”で収納は変わっていない。
2020年10月より再放送(?)が決定したらしい。
うちのテレビで見られるチャンネルで放送してほしいけど、無理だろうなぁ。
・寝顔
幼い女の子の寝顔ってとても可愛いと思います。
ここに性的な感情を持つ人はロリコンです、自覚を持って下さい。
次回映画完結?
主人公もサブも屋上での戦闘はしないため、翌日(?)の焼き肉パーティーまで飛ばす可能性大。