僕アカ×東方 〜私の個性はほぼ全キャラの能力〜   作:響緑

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設定としては、アニメ版を採用しています。
同時開始の設定でもよかったんですが、アニメ版の方が何度でも見られるので・・・


本来の個性

(緑谷視点)

 

一回戦。

切島君と小槌君の試合を出張保健所で見ていた。

麗日さんも一緒だ。

 

「小槌君の新技もセメントスを打ち破れずか。」

 

「この前の救助訓練の時と同じことをしているだよね?」

 

「おそらくそうだと思う。腕の長さを大きくしたり、小さくしたりしているだと思う。でもかなり体力を使うようだから、セメントがある限り負けることはないセメントス先生が相手だったんだと思う。」

 

「正解だよ、いい考えしているね。」

 

「だけど、この三人の課題ってなんなんですか?特にエクトプラズム先生の個性は、天敵とは思えないんですけど・・・」

 

確かに光が弱点の常闇君はともかく、二人に弱点らしい弱点がないのだ。

 

「普通はそう思うだろう?だけどね、常闇の強みは間合いに入らせないのがいいところだけど、逆に言ってしまえば間合いに入りさえしてしまえば途端に脆くなる。逆に東方の強みは自分の間合いに相手を入ることだけど、逆に言えば間合いに入らなければ攻撃の手段が少なくなってしまう。」

 

「あー!だからそのためのエクトプラズム先生の個性なんですね!?」

 

麗日さんが分かったように叫ぶ。

ダークシャドーにも捕捉できる数には限界がある。

それゆえに多人数で攻めれば、途端に弱さが露呈してしまうのだ。

それは東方さんにも同じことが言える。

 

「その通りさ。そして蛙吹梅雨だけど、彼女に関しては課題らしい課題はない優秀な生徒だよ。だから彼女の従来持っている冷静さで、どこまで二人の弱点を埋めるためのサポートができるかが今回の目的って言えば目的だね。彼女はいいと思うよ。きっと将来は精神的支柱になりえる子だね。」

 

試合開始と共に常闇君が二人を投げ、蛙吹さんが舌を使って引き寄せる。

やっぱり逃げることを選んだのか。

蛙吹さんが司令塔のなり、二人が戦う。

いい連携がとれている。

エクトプラズム先生の巨大分身に二人が捕まり、東方さん一人が捕まらなかった。

東方さんはダークシャドーを逃がすため、エクトプラズム先生と対決。

 

「あれ?分身の個性って二つの角が生えた子が使っていたよね?素のままでも使えるんだ。」

 

「素でも使えるけど、変化した方が効果が強いとかじゃないかな。」

 

「そっか。」

 

残り時間が迫る中、東方さんがあるヒーローに変化した。

 

「えっ?人魚姫リバイアさん?」

 

15年前、敵によって殺されたはずのヒーローがそこにいたのだ。

リカバリーガールも持っていた湯呑みを落としかけた。

 

「利鋂!・・・いいや、あれも彼女の個性か?それにしてもよく似ている。」

 

一体どう言うことなのだろうか?

モニターを見ると、東方さんも驚いた表情なのが見てとれる。

 

「二人とも、このことは誰にも言うんじゃないよ。例え先生であってもね。」

 

「どうしてですか?」

 

「彼女のこの個性が知られたら敵に狙われている。それ程リバイアの個性は凄い。」

 

それ程強個性だったのか、リバイアさんは・・・

 

 

end

 

 

私は校長の所に行っていた。

 

「オールマイトとリカバリーガール、そして校長と話をしたいのですが、時間を作って貰いたいのですが・・・」

 

「・・・何か分かったんだね?」

 

「はい、私の本来の個性が分かりました・・・とても公開するのが躊躇われるくらいの強個性だと私は思います。」

 

「分かったよ。今日の放課後防音室で聴くとしよう。」

 

「そんな部屋があるんですか?」

 

「音関係の個性の練習場所だよ、最もあまり使われることはないんだけれどね。」

 

今度耳郎ちゃんに教えてあげよう。

出張保健所に入ると五回戦目が終わろうとしていた。

 

「緑谷さん、私の後の二組はどうなりましたか?」

 

「四人とも合格したよ。」

 

まあ、私の予想通りの結果ね。

13号先生が個性を使い吸引し続けている。

 

[ねえ「緑谷出久なら・・・」って考えた?君・・・彼のこと好きなの?]

 

青山さんが爆弾発言。

思わずお茶子ちゃんが手を離してしまった。

13号先生も本当に吸い込む気は無かったのか、個性を解除。

近づいたお茶子ちゃんがカフスをつけ、合格した。

心が読める私を除いて、おそらく初めて気づいた人が青山さんとは・・・

音声は聞こえない設定だから良かったけれど、お互いが気まずい空気になること間違いなしといった所だ。

六戦目は校長先生か。

校長先生クリアさせる気あるかな?

 

・・・

・・・・・

 

まあ、うん。

分かっていた。

瀬呂ちゃんが空中に逃げたのは良かったけれど、流石ハイスペック。

それすらも考えついていたようだ。

逃げ道は一つだけ残してあるようだが、見た感じかなりの遠回りだ。

七戦目・八戦目は苦労しながらも、合格したのだが・・・

 

《峰田、上鳴ペア。戦闘不能により、ミッドナイトの勝利。》

 

開始1分以内に決着がついた。

ミッドナイト先生の個性、眠り香は男性相手だと効果が出やすくそれにあの二人だ。

こうなることは予想はできた。

 

「まさかここまで早く決着がつくとは、私も考えていませんでしたが・・・緑谷さんならどうしましたか?」

 

「うーん、まずは個性が届かない距離までバラバラに逃げる。上鳴君の方を追うなら牽制しつつ、峰田君がゴールに入る。逆に峰田君の方を追うなら、罠を仕掛けておいて捕まればそれでもいいし、上鳴君がゴールに入るのもいいかも。」

 

「緑谷さんの考えもいいかもしれないけど、ミッドナイト先生が動かなかったらどうするの?ゴールに入れず不合格確定ね。」

 

「そのための上鳴君だと思う。遠距離から個性を使って上手いことおびき出せればいいと思う。」

 

この組も私達と同じで、遠距離と近距離の組み合わせということか。

 

「緑谷さん、次ですよ?試験会場に向かったらどうです?」

 

「あ、うん。」

 

二人の仲は最悪と言っていいだろう。

だからこそ、N o.1ヒーローであるオールマイトが相手なのだろう。

それ以外にも弟子の成長を見るためもあるだろう。

 

「まさか利鋂の姿にもなれるとは予想外だったよ。」

 

「そのことも含めて今日の放課後防音室で話をします。」

 

「奴には?」

 

「まだ・・・。」

 

「私から伝えておくよ。」

 

・・・

・・・・・

 

最終試験は結果から言えば合格。

しかし、二人の連携が取れたかどうかと言う点では微妙。

これはオールマイトの採点結果では、二人とも不合格になり得るだろう。

 

「あの馬鹿、子供相手に本気になりすぎたよ。」

 

「そうかも知れませんが、ある意味彼らには丁度良かったのかも知れません。」

 

一時的とは言え、二人が連携したのだ。

それは称賛に値するだろう。

 

 

 

その日の放課後。

防音室に三人はいた。

 

「私の本来の個性が分かりました。とても公開するのが躊躇われるくらいの強個性。」

 

「それは利鋂になれないたことに関係あるんだね?」

 

「利鋂⁉︎リバイアのことか。どう言うことだ東方少女。」

 

「順を追って説明します。私の個性、つまり本来の個性が分かる前は『東方プロジェクト』だと思っていました。これは藍さんから聞いた話ですと、一人でありながら沢山の個性を使えるチート個性で、発動したら体がもたない人が多かったそうです。私の前の持ち主が、オール・フォー・ワンに狙われました。」

 

「!」

 

「私達を呼んだのはその話もするためだね。」

 

「それもあります。その持ち主は咄嗟の判断で個性達をばらけさせることに成功しました。その個性達は新たな命として産まれ、今も生きています。梅雨ちゃんとか小槌さん、あとはお父様や絢香もそうです。」

 

暫く沈黙が続く。

その沈黙を破ったのは、寝津校長。

 

「本来の個性はなんだったんだ?」

 

 

 

 

 

 

 

「私は旧字体の『靈』と名付けました。」




備考
特になし

やっと主人公が個性について分かります。
ちょっと分かるの遅すぎやしやせんか?

「紙(設定などを書いてまとめた一冊の大学ノートのこと)は言っている、もっと遅くなったかも知れなかった・・・と」

そうなんだよな〜。
初期設定では爆豪救出作戦で判明ってなっていたんだよね。
いくらなんでも遅すぎる!
一番最短で体育祭後案もあったけどね、没になりました。

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