はやてに勁草を知る   作:焼きポテト

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ダメだった。
本当は上下で書いてたけど書く話数前後して間違えたとか、シリアス書いてて耐えられなくなった私がヤンデレ化しそうだったとかモロモロで……
来週は上下更新する! たぶん?


33事は強引グマイウェイを以って成る

 恭也君にいろいろ愚痴ったあと、お礼に素敵な歌を教えてあげたら全力で追い出された。

 最近の俺、なんか追い出されるの多くない?

 

「なにが気に入らなかったかなあ」

 

 覚えやすいし、個人的にはリズムが好きなんだけど。

 ツンツンデレツンデレツンツン。

 

「どうせ、アンタが喧嘩売ったんでしょ。だいたい、なんで私にそれを言うわけ?」

「いや、元祖さん的にはどうかなと思って」

 

 ふっざけんな! と叫びながら、恐ろしいほど鋭い正拳を放つアリサ・ツンデレ・バニングス。

 とても痛い。

 ここら界隈の人間が、異様に戦闘力高めなのはなんでだろうか。

 もしかしなくても、戦闘民族効果だろうな。

 そんで、遠くない未来で戦闘力のインフレが起こると。

 なにが言いたいかって?

 ハハッ、そんなの決まってんじゃん。

 俺オワタ……

 

「まったく……それで、広い場所を探してるんでしょ? 別に庭は貸したげるけど、この車がなんなのかくらい説明しなさいよね」

「ツンデレおづぼがぁ」

 

 吐く。

 そろそろ、胃の中にあるフルーチェっぽい物が出ちゃう……

 謎の白い液体まみれにされたくなかったら、もうちょい加減を考えてくだちい。

 

「翠屋の前で黄昏てるから助けてやったのに、ホントいい度胸よね」

「よし待て、もうグーはやめろ!! いやパーならいいって問題でもないけどね!?」

 

 そこで張り手選択する小学生ってどんなだよ!

 

「言う、言うから!! 自力で修理を条件に、廃車を安くで買っただけ! 翠屋にいたのは、なのはの知り合いに広い場所を提供してくれるやつがいたから。まあ、追い出されたんだけどさ……」

 

 なんでも、ユーノとかいうフェレット人間がいるらしい。

 人間なのかペットなのかよくわからないが、少し前の事件で結界を張りまくっていたのがそいつだ。

 サーチャーを走らせて、まだこっちにいるのも確認済み。

 そして、使えるものはとりあえず使おうと思った結果がこれだよ。

 結界張ってもらって、スペースの確保がしたいだけだったんだけどなあ。

 どうしてそれが、ツンデレ幼女に土下座なんてことになったんだ。

 

「解せぬ」

「なんか言った?」

 

 いいえなにも。

 

「まあ、せいぜいはやてのご機嫌を取りなさい。あんたが黙っていなくなったから、かなり怒ってたわよ」

「それなら大丈夫だ。もう逆鱗に触れてきたから」

 

 今日は帰れないな、たぶん。

 あと、わかってるからそのゴミを見るような目やめてくれませんかね。

 

「バカだバカだとは思ってたけど……」

「おう、死体蹴るのやめろや」

 

 いや、まだだ。まだ終わらんよ!

 人生の勝ち組が、戦力の決定的差だよどうしようどうしよう……

 まあ、もともと謝り方のプランなんて欠片もないんですけどね、白目。

 

「修理してドライブに誘うとか、そのためじゃないってこと?」

「これは俺の純粋な足として……すげぇ、俺なんでか幼女にとんでもない目で見下されてるんですけど」

 

 やばい、なんかゾクゾクする……じゃなくてだ。

 ウーゴといいツンデレといい、俺をなにに目覚めさせるつもりだよ。

 あれ、今なんか違うの混じってなかったか?

 ……気のせいかな。

 

「とりあえず、ご機嫌うかがいは置いといてだ。1週間くらい置きっぱなしになるけど、本当に大丈夫なのか?」

「ハァ……いいわよ。今さらダメなんて言わないから安心しなさい」

「そいつは助かる。ただでさえ、もろもろの費用で足が出てるからな。場所代の節約は死活問題だった」

 

 やっぱお金って大事だわ。

 お金で買えないはあるかもしれないけど、ぶっちゃけ無いと困る物だし。

 まあ、どう言ってみたところで無いものは無い。仕方ないね。

 

「同情するなら金をくれ!」

「なんも言ってないでしょうが!!」

 

 再び、拳が俺の鳩尾を抉る。

 この子、俺をサンドバックかなにかと勘違いしてやしないだろうか。

 というか、そろそろ真剣に臓物とかブチ撒けそうなんですがそれは……

 略してマジハラね。

 

「どうも、俺の周りは冗談が通じないやつ多い希ガス……」

「アンタがTPOをわきまえて発言しないからでしょ」

 

 まさか、小学生にそんな正論浴びせかけられるとは。たまげたなあ。

 

「で、見た目は特になんともなさそうだけど。どこが壊れてるのよ、これ」

「動力周りかな。エンジンとかエンジンとかエジソンとか」

「……おじさんが走って発電してるとこ想像しちゃったじゃない、どうしてくれるのよ」

 

 いや、半笑でそんなこと言われても困るわ。

 しかも、回し車にオッサン乗っけて全力疾走とか。もはや虐待以外のなにものでもねぇよ。

 

「だいたい人力で車動かすとか。ちっちゃいオッサン何人連れてくりゃいいんだよ」

「……ちっさ……エジソ……ぷふっ……」

 

 なんか変なツボに入ったようだ。

 ああ、でもちっちゃいエジソン集団なら送電とか凄い効率になるかもしれない。

 それこそ、頭の上に電球が光ってティンとくる感じの発想とかで解決しそう。

 

「まあ、せっかく車もあるんだから。はやてを助手席に乗せて、どっか連れてってあげなさい。それで仲直りできるわよ」

「えー、あれガチギレだったんだけど。そんなんで許してくれるか?」

「アンタが、あの子の我がままを全部聞いてあげればだけどね。丸1日、馬車馬のごとく働けば許してくれるわよ。きっと」

 

 それはそれで覚悟がいりそうな気がする。

 にしても、今日は不思議な日だ。まさかダブルツンデレに慰められようとは。

 アレか。もしかして、今の俺ってそんなに弱って見えるのかな?

 

「これは小動物系なんたらで売っていける予感!」

「普通に気持ち悪いわね」

「俺のライフはもうゼロよ……」

 

 容赦なさすぎワロエナイ。

 現代っ子マジ怖い……

 

「さて、じゃあ適度に戯れたんで作業を始めていこうかな」

「今さら大人ぶられても……」

 

 聞こえなーい、なんにも聞こえなーい。

 うわぁ、エンジンルームが真っ黒だあ。バッテリーも……え、死んでる?

 よし待て、ラジエータが……空っぽじゃねえか喧嘩売ってんのか!!

 

 

 結局、業者に連絡をつけたら「長いこと放置してたんで、てへぺろ」とか言い出しやがった。

 ちょっとイラッとしたから、寿司とピザを10人前ずつ注文して送りつけておく。

 1人でレッツパティーしてればいいよ、マジで。

 

「あー……う、ん? もうこれ大改造のレベルだな」

 

 欠けたギアに折れたピストン、ベルトも磨耗してるしバッテリーもダメだった。

 オイルの交換とラジエータの掃除に給水と……

 エンジンは載せ変えよう。その方が早い。

 これでまだ、肝心の魔力炉も見ないとだめなんだろ?

 作業量ががが。

 

「シャフトとかステアリングとか、根本的な構造が無事だったのは奇跡か。まあ、油差さないと怖すぎるけど」

 

 おうふ、ブレーキオイルが……これは酷い。

 とりあえず、全面修理はここじゃ無理だ。

 その辺りは一旦諦めて、これから必要になる魔力炉の周りだけさっさと直してしまおう。

 で、修理計画を立てると同時にスカリエッティにもメールを送っておく。

 必要な機材なんかを、守銭奴経由で転送してもらうためだ。

 この辺りは、後日の職場復帰を交換条件にしてあるから存分に使わせてもらう。問題があるとすれば、バニングス家の関係者に見られないよう注意するくらいか。

 今はツンデレちゃんも屋敷に戻ったので、遠慮なく空間モニターを開いているが。

 

「魔力炉の設計図が全然違うやつなんですが……あの野郎、車が直ったらルーフに括り付けてカーアクションしてやろうか」

 

 これは構造解析からやらないとダメっぽいな。

 スカリエッティに、その手の機材も送るよう追加でメールを書いておく。

 ついでに、ザルな仕事した馬鹿からは安価で車の部品をせしめようそうしよう。

 

「これは思ったよりも時間かかるな」

 

 ってことは、こっちよりも先にもう1つの方へ着手しとこうかな。

 どうせ時間が必要な内容ではあるし、今のうちにやっとかないと間に合わないって可能性も微レ存だ。

 

『つうわけで、シグナムさん闇の書持って来てくれない?』

『お前の唐突さには毎回驚かされるな』

 

 そもそも昼前にようやく帰ってきて、主と喧嘩していたと思ったら、そのまま外出とはどういうことだ! と闇の書を持ってきたシグナムに軽く説教されてしまった。

 まあ、ごもっともですわ。

 俺の1日どろり濃厚。

 

「とりあえず、言われて通り持ってきたが。なにをするつもりだ、なんだその車は、どこだここは」

「質問の多い守護騎士だなあ」

「塩を振ってシャマルに調理されたいか?」

「ちょっとスライムに転職はしたくないな……」

 

 なら話せと言われたので、車と場所については短く説明しておく。

 ここから先は、結界を張ってもらってからだ。

 

「こういうのはシャマルの分野だ。次からはそっちに頼んでくれ」

「おっけ、そうする。んで、本題なんだけど。とりあえず、闇の書で俺のリンカーコアを収集してくれる?」

 

 理由としては、闇の書の管制人格と話しがしたいこと。

 1度収集したリンカーコアを、再び取り込むことはできないらしいこと。

 治療のためには闇の書へアクセスする必要があるも、根本的に稼働率不足であること。

 手始めにこの辺を解消させる必要があるから、俺のリンカーコアを……あれ、シグナムさん?

 

「腹ペコき――ひぃ!!」

 

 いつの間にか顕現したレヴァンティンで、危うく足を串刺しにされそうになった。

 シェラスコとか、そういうのは食用のでお願いします!!

 

「……貴様、正気か?」

「いや、なにも死ぬまで引っこ抜けって言ってるんじゃないよ? 最低出力でいいから、闇の書のスリープモードを解除したいだけだからね?」

 

 これを気に亡き者、とか考えられてたらどうしようか。

 それに、これは今のうちにやっておかないと間に合わないというのもある。

 リンカーコアを差し出せる人間が、この世界では圧倒的に少ない。知っている範囲だと、俺となのはとフェレットもどきくらいか。

 もちろん、探し出せば資質を持った人物を見つけることも可能だろう。だが、手間も暇もかかりすぎる。

 魔法生命体である守護騎士たちは、リンカーコア抜くなんて自殺行為もいいとこなんで論外だし。

 

「きっと、はやては他人に迷惑をかけたがらないだろ。その点、俺なら問題ない」

 

 そういえば、なのはが魔法関係者って知らないんじゃないかな。

 本人から口止めもされてるし、言わないほうがいいかもしれない。

 守護騎士たちにはモロバレだけど、自発的に気付いたんだからノーカンで。

 

「また、主は怒るんじゃないか?」

「お前らが優先して考えるべきは、俺とはやての関係じゃなくて主の安全と安息だろ? じゃあ、俺が宿無しになるかどうかの心配は端に置いとけよ」

「いやしかし……」

「いいから、死なない程度にさっさとやってくれ。それが嫌なら、対案でも持ってこい」

 

 それでもまだ渋るシグナムを、YOU! やっちゃいなYO! とか言いつつ煽りまくる。

 日も傾き始めた夕暮れ時、果たして俺はなにをしてるんだろうかと疑問を持ってしまった瞬間だった。

 




だんだん、シリアス誰得と思う自分もいたりいなかったりラジバンダリ

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