はやてに勁草を知る   作:焼きポテト

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はっきり言おう。

完全に更新のこと忘れとった!!

( ‘ ^‘c彡☆))Д´)パーン<ひでぶっ


29痛しあべし!

 万歳突撃よろしく向かってくる機動兵器を、まずは右手の武装で撫で斬りにする。

 特に力を入れる必要もない。長細いカプセル型の機械は、それだけで飴細工のように切断された。

 ドロリと溶けた断面が、申し分ない威力を物語っているが。

 んー、ちょっと熱量がなあ。

 熱切断だから仕方ないけど、これは自分も怪我するかもしれん。

 

「っと……」

 

 続けざまで、右と左斜め後ろから同時に2機。

 ぎりぎり視野内と、完全に死角からのコンビネーションとは恐れ入る。

 さっきの突撃も、これの誘導じゃないですかやだー。

 

「流石はウーノ、学習能力高いなあ」

 

 ホント、これだから天才様は。

 俺の人生経験を数時間で上回るのやめてもらえませんかね。

 先に右へ大きくワンステップ。

 これで挟撃のタイミングをずらしながら、更に大きく前に跳ぶ。

 先に到達するのは右だが、斜め後ろも気持ちくらいのラグしかないだろう。

 だから、今度は振り返りつつ左の武装を振りかぶる。

 1機目を切り裂き。だがそこで動きを止めることなく、体を大きく捻って刃を振り抜く。

 こちらも特に抵抗は感じない。

 先ほどと同じように、武装はすんなりと2機を切断して見せた。

 やっぱ、エネルギーエッジは威力と安全面が両立してるなあ。

 問題は燃費の悪さか。どこから電源ひっぱってこよう。

 小型化にも限度があるし、かと言ってバックパックみたいなの背負わせるわけにも。

 

「んー……でも、提供者としてはこっちを推したい。熱切断って、割と危ないんだよなあ」

『次のターゲットを出しましょうか?』

「あれ、若干声が震えてるけど悔しかった? ねえねえ! 全機撃墜されちゃったけど、今どんな気持ち? ねえ、どんな気持ち?」

 

 問答無用で6機の機動兵器が野に放たれ、全力で逃げる羽目になりましたマジ怖い。

 か、軽い冗談じゃないの!

 

『くっ、またしても』

「あ、あっぶねえ! 近接は俺の専門じゃないんだから加減してくれませんかね!!」

 

 今回はギリギリ各個撃破でなんとかなったけど、そのうち絡め手とか通用しなくなるんだろうなあ。

 あとは、機動兵器も実験段階だし。完成品が仕上がれば、ちょっと怪しくなる可能性も微レ存。

 

「ついでに、試作型AMFの稼動実験もいっとこうか。今は魔力供給で稼動させてるし、この近接武装は使えなくなっちゃうけど」

『今度こそ吊るしてみせます』

 

 超物騒なんですけど、誰か超なんとかしてくれませんかね。

 とりあえず、逃げるか? いや、逃げたらテストにならんじゃねぇか。

 もうマヂ無理。敵機反応が別れた。

 どんどん分裂してぃまゎ8体になってる。

 ぅちに勝ち目ゎなぃんだって。

 完全にかこまれてる。

 っょぃ。

 勝てない。

 とりあえずリスカはしたくないので、この後滅茶苦茶鬼ごっこする。

 

 

 イイィィィイイヤッヒィィィィイイイ!! とか叫びながら走り回っていたら、たまたま通信してきたスカリエッティにドン引きされた。

 なんだろう、この負けた気分。

 お前にだけは言われたくなかった的ななにかを感じるんですけど。

 

『なんというか、楽しそうでなによりだね』

「いやお前、もっぱらエキサイトしてんのはテメェの娘だからな!?」

 

 そろそろAMFの実験もいいんじゃないですかね。

 発動はしてるけど、範囲設定やら発動維持が甘いのはわかったことだしさ!

 

『ところで、君に頼まれていた闇の書に関する調査だけど。知りたいかい?』

「朗報でありがたいんだけど、これ今はちょっとそういう話が聞ける姿勢じゃないかなあ」

 

 だってほら、そんなこと言ってる間に後ろから2機も3機も追って来てってうわああああ!

 

「ぎゃぁっ! 前からもキターーーーーーーー!!」

 

 4機の影が同時に躍り出たので、その間をスライディング気味に抜けていく。

 うねうねと動くコード状の触手を必死に避けつつ、こういうのは女の子の担当でしょ! と悪態を吐くことも忘れない。

 流石は俺。思ったよりも余裕あるっぽいぞ!

 

『さて、細かいことは資料にまとめて送っておくけど……』

「まてまて、この状態で始めんじゃねえよ! 頭に入ってくるわけないだろ!!」

 

 はい、ここで右に跳んで。更に受身からのヘッドスライディングだ!

 ズザー。

 あっ、やばい。ちょっと今、アドレナリンとかどぱどぱでてるんじゃないかなこれ。

 俺のキャラが崩壊しちゃうよ。

 

『いつもと変わりないように思いますが?』

『ふむ。私も通常運転のように見えるがね』

 

 こいつら、そろいも揃って喧嘩売ってんのか。

 もういいから、とりあえず後ろのやつら止めてくれませんかね。

 追い掛け回されながら喋るのも、結構しんどいんだよ!

 

『ああ、それから。君が言っていた、管理局にあるはずのデータがないという話だけれどね。ちょっと面白いことがわかったよ』

「は? なんでお前そんな……ちょ、待てよ! ウーノ、ホントに止めろ!!」

 

 了解しましたと言って、ウーノは素直に機動兵器へ停止命令を送ってくれるようだ。

 でも、ちょっとタイミングが悪い。

 左手側から現れた3機に、ちょうど捕捉されてしまっている。

 1機が大きく先行して、残りが後を追ってくるという形だ。

 たぶん、しばらく逃げ回っていれば命令が浸透して止まるとは思うけど。

 

「待ってられっかくそったれ!」

 

 振り向くのと同時にヴァリアブルブリットを展開。続けて準起動状態のアンカーバレットを、M1903にセットしておく。

 厄介なのはAMFか。範囲内に入ってしまえば、問答無用で魔力結合が妨害されてしまう。

 もっと言うなら、フィールド内での術式展開は骨が折れるし魔力だってごっそり持っていかれる始末だ。

 厄介なことこの上ない。

 まあ、だからって手がないわけじゃないですしおすし。

 

「機動兵器壊すべし! 慈悲はない!!」

 

 ヴァリアブルブリットは対フィールド魔法である。

 通常魔力弾を膜状バリアでくるむ多重弾殻射撃ともいうが。

 早い話、バリアの部分がフィールド魔法を中和して中身を守る構造と言えばいいのか。

 暴走状態の汎用人型決戦兵器が、なんか似たようなことしてた希ガス。

 まあ、どうでもいいや。とにかく、ギリギリまで引き付けた1機目をこれで撃ち落す。

 相手フィールドに反応して効果を中和するから有効なのは間違いないけど、ちょっとばかし処理工程の多いところがこいつの難点だ。

 インテリジェントデバイスとかいると楽かもしれない。

 

「あとは物理を上げて殴れば勝つる!」

 

 他にAMF対策といえば、もうとりあえず殴ることだろう。

 アンカーバレットで残骸を拾いながら、後追いの1機に叩きつける。

 いくら魔法が無効化できても、慣性なんかの物理現象まで消せはしない。

 だから、こういう原始的なのは逆に効果的でしたというアレだ。

 魔法技術が草葉の陰で泣いてる気がするんですがそれは。

 

「よし、スカリエッティ。詳しく」

『ははは、あと1機残っているようだがいいのかい?』

 

 うるせぇ、余計なお世話だ。こちとらデチューンして半分質量兵器化したデバイス持ちだぞ。

 爆破の煙を掻き分けてやってきたそれも、一対一なら恐くない。

 後にレーザーが実装されるはずのレンズ部分。あそこが一番脆いところだ。

 まだ光学兵器も実装されてないし、弱点丸出しでご苦労様です。

 突っ込んできた機械に蹴りを合わせ、レンズに銃口を押し付けつつ5連射。

 AMF環境下で身体強化魔法しんどい……

 

「無駄に固い。もうやだ消耗武装は使うとお金が……」

 

 リアル課金弾とか、マジ勘弁してくだちい。

 

『ご苦労様、今のはいいデータが取れたよ。AMFの弱点もわかったしね』

「いいから闇の書の情報。あと、テメェ持ち主のこと調べやがったな?」

『手を出さなければ、という話だったからね。大丈夫、観察しかしていないよ』

 

 変人科学者がロリコンの称号まで得てどうするつもりだ。

 あれ? でも、ある意味で最強のコンボじゃね?

 管理局辺りにタレこんだら、即逮捕待ったなしって感じだわ。

 

「人として終わってる系のなにかだな」

 

 なにか言ったかい? と聞かれたので、なんにもと答えておく。

 目先の変態よりも、子供の未来が大事だろ常考。

 そんなことを思いながら、受け取った内容を空間モニターで確認する。

 どれもこれも目新しい情報だらけだが……うぅん……ん?

 

「あの監視スフィア、やっぱり管理局のだったのか」

『そのようだね。だが、より正確には個人の差し金だったようだよ』

 

 つまり、管理局そのものは関わってない? どういうこっちゃ。

 とりあえず、今の仕事保留にしてグラナガンに行こうかな。

 聖王教会の方も覗いときたいけど、正直はやての方も時間に余裕がなさそうだ。

 さて、どうしてみるか。

 




なんだろう。
こう、説明はさみながらの戦闘を一人称ってめんどくさい。
微妙にギリギリ勝った感が出ない。

きっと、ヤクモさんが「いや、余裕でしたし(震え声」とか言ってるに違いない

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