はいすくーるDxD 平穏(笑)な日常   作:鶏唐

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モンハン4でゴア・マガラに心を折られたので続きを執筆します。
明後日はガンダムブレイカーのアップデートか・・・
クロスボーンX1が楽しみです。


第4話

先輩から依頼を受けてやって来た土曜日。

俺は昼から教会を探していた。

 

 

「1件目は・・・誰もいそうにないな」

 

 

事前にパソコンで調べて見たところ駒王学園近辺の教会は3箇所あった。

一番近い教会はボロボロでとても教会として機能しているようには見えない。

こんなとこで結婚式なんて挙げたら非難殺到だろうな。

 

 

「次の場所はここから南か」

 

 

琢磨に用意してもらった通信端末に転送した地図を確認した後、自転車に乗り込む。

春先だから日向ぼっこでもしてぇなぁ。

あ、そういえば他はどうしてるんだろうか。

 

 

「あー、こちら虎徹。今から2つ目に向かうとこだ。半蔵、琢磨。そっちはどうだ?」

 

『僕は5件程確認した』

 

『拙者はまだ一つ目でござるよ、廃寺でござ・・・』

 

 

って、琢磨の奴早いな。

でも廃ビルか、幾らでもありそうだよなぁ。

 

 

『む、何奴!』

 

『我、拳を極めし者』

 

『な、何でござる?』

 

『覚悟はよいか・・・』

 

『のわっ!?何か飛んで来たでござるっ!?』

 

 

それで半蔵は一つ目か。神社もそんなに数は無さそうだな。

まぁお互い順調そうで何よりだ。

 

 

『と、殿!?お、鬼が出たでござるーっ!』

 

ピッ

 

「全く、半蔵もくだらない嘘言いやがって」

 

 

通信を切ってそう愚痴を溢す。

お前が行くのは寺じゃなくて神社だろうに。

っと、行き過ぎるところだった。

小奇麗な教会に俺は自転車を止める。

 

 

「花も手入れされているし誰かいそうだな」

 

 

扉を開けて中へと入る。

中は意外と広く、奥に誰かが背を向けているのが見えた。

あれは・・・牧師か?

 

 

「こんにちはー」

 

「おや?ようこそいらっしゃいました。礼拝ですか?」

 

「あーいや、ちょっと調べ物をしてまして」

 

「調べ物、ですか」

 

「えぇ、駒王学園の近辺にある教会を調査していたんです」

 

「なるほど、そうでしたか」

 

 

何だか人のよさそうな牧師だった。

俺は自分の名前を名乗って駒王学園の生徒である事を説明した。

牧師さんの名前はゲーニッツさんと言うらしい。

何でも娘さんも同じく駒王学園に通っているとの事。

 

 

「ウィンドと言うのですがご存知ありませんか?」

 

「うーん、聞いた事ないですね。違うクラスだと思いますよ」

 

「そうですか。調べ物と言っていましたが具体的には何を?よろしければ協力しますが」

 

「本当ですか!それはありがたいです。えーっと・・・んん?」

 

 

ゲーニッツさんが協力してくれるので折角だから質問しようとしたところで気がついた。

・・・俺は一体何を調べればいいんだろうか。

先輩は調べて来て、としか言っていなかったよな。

しまった。その辺聞いておくんだった・・・まぁいいかテキトーに調べるとしよう。

 

 

「教会って結婚式のイメージぐらいしか無いんですけど他って何してるんですか?」

 

「ここは礼拝堂でもありますので、信者の方が礼拝をしていく事もあります」

 

 

礼拝・・・あぁお祈りって事か。

いやー、質問したはいいが全然興味が沸かないな。

仏壇に線香上げて、墓参りするぐらいしかした事無い。

しかも教会関連なんて今まで関わりもしなかったからなぁ。

 

 

「確かバチカンに総本山があるんでしたっけ?」

 

「いえ、それはカトリック教会ですね。私は牧師ですのでプロテスタントになります」

 

「・・・違いがよく分からない」

 

 

一般の人によく知られているローマ法王とかがカトリック教会。

そこから派生した組織とか無く、様々な派閥の集合体がプロテスタント、という事らしい。

他にもいろんな名前が飛び交っていたが俺の脳が受け付けようとしなかった。

 

 

「ははは。貴方は信者ではない、理解しようとしてくれるだけでも有難い事です」

 

「はぁ・・・なんかすいません」

 

「いえいえ、ずっと立ち話も疲れるでしょう。お茶を入れますのでこちらへどうぞ」

 

「あー、じゃあお邪魔しまーす」

 

 

ガチャッ

 

 

「あれ、お父さん。お客さん?」

 

 

奥の部屋に向かうと俺と同年代ぐらいだろう女の子が椅子に座ったままこちらを伺っていた。

お父さんって事はこの子がウィンドか。確かに俺のクラスでは見た記憶が無いな。

 

 

「あぁ、ウィンドと同じ学園の生徒だそうだ」

 

「あ、貴方八代虎徹君でしょ」

 

「そうだけど・・・何で知ってんだ?」

 

「そりゃ、あの学園で男子なんて10人もいないんだもの。分かるわよ」

 

 

そういわれてみればそうだった。

俺のクラスが一番多くて3人、他のクラスは1人か、0人ってとこだったな。

 

 

「私は・・・お父さんから聞いたわよね?ウィンドでいいわよ?」

 

 

そう気さくに話しかけてくる彼女。

俺は一応ゲーニッツさんにいいのか、と聞いて見るが笑顔で頷くだけだった。

どうも、他の連中を苗字で読んでるからか違和感があるな・・・

 

 

「んじゃよろしく、ウィンド」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ピッ

 

「虎徹はこれから2件目、半蔵は1件目。これなら僕が一番早いか」

 

 

他の二人の進捗具合を見る限り半蔵の方に手助けをしたほうがよさそうだ。

こちらは残り4件、幸い現在地から近いため移動にかかる時間は無い。

 

 

ジャリッ

 

 

次の目的地に向かおうとしたとき、背後から誰かの足音が聞こえそちらを振り返る。

 

 

「・・・・・・・」

 

「・・・・・・・」

 

 

そこにいたのは見たところ中学生ぐらいだろうか。

僕が通っていたのとは違う制服を着ている女の子だった。

しかし何故こんな廃ビルの近くに?この辺に学校は無かったはずだが・・・

 

 

「君はこんなところで何をしているんだ?」

 

「その質問はそのままお返しします」

 

 

どこか無表情に切り返してくる彼女。

さて、どうしたものか。

そのままこちらが質問に答えてもいいのだがね。

 

 

「小猫、そっちはどうかし・・・あら、タクマじゃない」

 

 

彼女の背後から現れたのはグレモリーさん

知りあい、なのだろうか?

 

 

「む、珍しいところで会うな。グレモリーさんは彼女の知り合いかな」

 

「えぇ、紹介するわ彼女は搭城小猫。小猫、こちらはクラスメイトの高藤琢磨よ」

 

「初めまして・・・」

 

「あぁ、よろしく頼む」

 

 

無表情に加えてどうやらコミュニケーションを自ら取るタイプではないようだ。

まぁそれを言ってしまえば僕も彼女の事をいえないのだが。

 

 

「それでタクマはどうしてここに?他の皆はいないの?」

 

「バティン先輩から廃ビルについて調べて来てほしいとの依頼があったものでね。虎徹と半蔵も似た理由で出かけている」

 

「ティナが?・・・・コテツとハンゾーは何を調べているのかしら」

 

「虎徹は教会、半蔵は神社だな」

 

「・・・・・・・」

 

 

僕が情報を開示すると難しい顔で考え込みだすグレモリー。

実のところ僕もこの3つの関連性が分かっていない。

とは言え、元々何をしでかすか分からないのがティナ・バティン先輩だ。

考えるだけ無駄だろう。こういう時は過程まで楽しんでこそ面白い結果となるものだ。

 

 

「部長?」

 

「ティナの依頼、気になるわね」

 

 

搭城さんが声をかけて今まで黙ったままだったグレモリーさんがぽつり、とつぶやく。

それにしても・・・部長?

確かにグレモリーさんはオカルト研究部の部長だが搭城さんは中学生で駒王学園の生徒ではない。

この事から考えられる可能性としては・・・

 

 

「・・・何よタクマ、その生暖かい視線は?」

 

「なに、たった二人しかいないとは言え部長に就任して、他の学校の生徒にまで部長と呼ばせていると思うとな」

 

「・・・はっ!ち、違うのよ!?別に私はそんなつもりはなくて!」

 

「部長・・・そうだったんですか」

 

「小猫!?だからそういうつもりではないのよっ!」

 

 

部長と副部長しかいない部活だから心細いのは分かるが幾ら何でも悲しすぎる。

グレモリーが必死に否定しようとすればするほど憐れに見えて仕方が無い。

搭城さんも同じ気持ちなのか無表情ながらもその視線は若干憐れみが含まれていた。

 

 

「分かってます。私は部長の味方ですから」

 

「気にするな。何なら僕も今度からそう呼ぼうか、グレモリー部長?」

 

「やめてっ!本当、そんなんじゃないんだからーーっ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「やれやれ、ようやく終わったぜ」

 

 

日も傾いてきた頃、俺は公園のベンチでぐったりとしていた。

ゲーニッツさんのところでゆっくりした後、最後の教会に向かったのはよかった。

そこにいたのはグラサンをかけた神父で俺が来た目的を知るなり説教されてしまった。

何でもゲーニッツさんのプロテスタントとグラサン神父のカトリック教会は仲が悪いらしい。

というか聞いた限りじゃカトリック教会側が一方的に嫌っているみたいだが。

 

 

『神はおっしゃった。悪者には平和がおとずれる事はない!と』

 

 

最後にそう締めくくって教会から追い出されてしまった。

・・・にしても嫌な神様もいたもんだ。

 

 

「あれ、八代君?」

 

「あら、奇遇ですわね」

 

「あん?おぉ結城に姫島か。どうしたんだこんなところで」

 

「こんなところって、私の家この辺なんだけど」

 

 

声をかけてきたのは結城と姫島だった。

言われてそういえば、と辺りを見回してみる。

確かにこの辺は結城の住んでいる高級住宅街の一角だ。

 

 

「俺は先輩に言われて教会を調べていたんだ・・・って結城はいなかったな」

 

「ティナ先輩が?」

 

 

俺は休んでいた結城と知らない姫島に先輩からの依頼について説明した。

何故か横で姫島が難しい顔をしていたが・・・

ティナ先輩の事だ、悩むだけ無駄だぞ。

 

 

「教会に神社に廃ビル?教会と神社なら分かるけど廃ビルが加わった途端に関連性が分からなくなったんだけど」

 

「そりゃ同感だ」

 

「それでこれが最後なの?」

 

「おう、そうだ。結城は・・・お袋のところか」

 

「そう、また新しいレシピを教えてもらっちゃった」

 

「ふふふ、私も教えていただきましたわ。コテツさんのお母様はとても素晴らしい方ですわね」

 

「本当、うちのお袋はなんでこんなに評価が高いんだ?」

 

 

結城はいつもの事として、姫島まで俺の家に行ったのか。

そのうち料理教室とか開くんじゃないだろうか。

他所の家の料理なんて食った事ないからイマイチお袋の料理が凄いと思えないんだよな。

 

 

「それで朱乃と帰り道が一緒だったからここまで来たんだけど」

 

「そこでやけに疲れた様子のコテツさんを見かけましたの」

 

「なるほど。姫島神社もこの辺りだったな」

 

 

神社と言えば半蔵の奴はどうしたんだ?

あれから結構時間もかかってる。

 

 

「一応連絡はしておくか、ちょっと悪い。半蔵、琢磨」

 

 

二人に断って連絡を取る。

結城と姫島は俺の持っている端末に興味があるのか横から覗いてきた。

画面が2分割されておりすぐに出たのは上半分に映る琢磨だった。

 

 

『虎徹、そっちは終わったのか・・・って結城さんと姫島さんも一緒か』

 

「おう、ついさっき会ったばかりだ」

 

「高藤君、何処にいるの?森?」

 

 

結城が質問するのも無理は無い。

何故か琢磨の背後に映るのは森だった。

この辺に森なんてあったっけか?

画面の中の琢磨は深いため息を吐いていた。

 

 

『僕も何故こうなったのか知りたいぐらいだ』

 

『コテツ、ちょっとタクマを借りてるわよ・・・朱乃、貴女なんでそこにいるの』

 

『どうもです、姫島先輩』

 

「リアス?それに小猫ちゃんまで」

 

「・・・グレモリーはいいとして、どちらさん?」

 

 

俺と同じように琢磨の両隣にはグレモリーと知らない子がいた。

どうやら姫島は知っているようだが、またよく分からん関係だ。

姫島の紹介により、彼女は搭城小猫。姫島の中学の後輩らしい。

 

 

「で、タクマを貸すのはいいが何してんだ?」

 

『人探しをしているのだけど、タクマなら何かいい物を持ってないか協力してもらっているのよ』

 

『僕は誰の所有物でも無いんだが・・・』

 

「・・・リアス、私もそちらに行った方がいいかしら?」

 

『いえ、朱乃。タクマのおかげでもうすぐ終わりそうだからいいわ』

 

「で、半蔵はどうした?」

 

『む。そういえば反応が無いな』

 

 

グレモリーと姫島の方が俺達より端末を使っている様子を見ながら半蔵がいない事に気が付く。

まだ鬼がどうとか言っているんだろうか。

 

 

ピッ

 

『殿!遅くなって申し訳ござらぬ。ようやく鬼を撒いたでござるよ』

 

『ったく、何なんだあのおっさんは。あれで本当に人間かよ・・・おっと、久しぶりだなコテツ』

 

 

画面に映ったのは疲れた様子の半蔵と見覚えのある金髪の兄ちゃんだった。

 

 

「ん?ライザーさん、あんた何してんの?」

 

『いやー、久しぶりにお前の家に行こうとしたら必死に逃げてるハンゾーを見つけてな』

 

『ライザー殿がいなければ拙者、鬼に討ち取られていたところでござった』

 

 

中学時代、俺の家にホームステイしていたライザー・フェニックスさん。

こうして画面越しだが会うのは数ヶ月ぶりだった。

 

 

『お?アスナもタクマも相変わらずそうだな・・・ってリ、リアス!?』

 

『ライザー!?どうしてあなたがハンゾーといるのよ!?』

 

『ぬぬ?ライザー殿はグレモリー嬢と旧知の仲でござったか?』

 

「うーん、何だかややこしい事になりそうな予感」

 

 

結城の言う通り、またメンドクサイ話になりそうだ。

画面の上半分と下半分で驚いているライザーさんとグレモリーを見ながら俺は自然と空を見上げた。

 

 

 

 

 

 




と、言うわけでライザー・フェニックス登場です。
とある理由により性格は変わっていますが、その理由は次話で。

そして出てきた神父。分かる人いるんだろうか。



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