はいすくーるDxD 平穏(笑)な日常   作:鶏唐

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暇つぶしに更新と言ったのにもう3話。
どれだけ暇なんだって話ですね。



第3話

駒王学園は元女子高だった。

おまけに入学するには結構な学力と厳しい面接が必要な狭き門だ。

つまりは何が言いたいのかと言うと、

 

 

「ではこの問題を八代君、答えなさい」

 

「げっ!あー、えーと・・・」

 

 

親友二人の手ほどきでギリギリ入学した俺にとっては授業初っ端から着いていくのでやっとだった。

国語の島津先生もどうして俺を当てるかね。

肩パットつけてるしよ、ここの教師大丈夫か?紙袋を頭に被った教師もいたぞ。

 

 

「はぁ、今はまだ復習の段階だぞ八代君。では変わりにグレモリー君」

 

「はい」

 

 

俺が席に座ると同時にグレモリーが席を立つ。

そしてすらすらと答えを言った。

欧州出身の奴に国語で負ける俺は一体・・・

しかも見ればグレモリーの奴、勝ち誇った顔をしやがる、ぐぬぬぬ!

 

 

「正解だ。ここは間違えやすいので注意してほしい。次に・・・」

 

 

そこまで言ったところで島津先生の声は授業終了のチャイムに中断される。

 

 

「では今日の授業はここまで、号令を」

 

「起立、礼!」

 

 

日直の春日野の声を最後に授業は終了した。

俺は教科書とノートを机の中に収めて背筋を伸ばしているといつものメンツが集まってきた。

 

 

「八代君、さっきの問題。以前に教えたよね?」

 

「バカヤロウ、そんなの忘れてるに決まってるだろ!」

 

「自信持って言う事じゃないよ・・・」

 

「うむ、拙者も忘れていたでござるよ」

 

「本当に君達の記憶力は刹那的だな」

 

 

呆れた様子でため息を吐く結城と琢磨。

すると先ほど勝ち誇った顔をしたグレモリー、後は姫島までこちらにやってきた。

 

 

「よく入学できたわねコテツ」

 

「リアスだって国語や社会では必死に勉強したじゃないですの」

 

「い、いいのよ!今はきちんと身になってるんだし!」

 

「相変わらず面白い奴らだな」

 

 

余裕たっぷりに言おうとしたんだろうがその後の姫島の言葉で完全に崩れている。

外国から来たんだから国語や社会、歴史なんかは苦戦して当然だろうな。

まぁ俺は日本人だが苦戦しているが。

 

 

「そういえばリアス、朱乃。聞きたい事があるんだけど」

 

「何かしらアスナ」

 

 

知らない間に名前で呼び合う仲になったらしい結城とグレモリー達。

まぁ女同士、気が合うのも早いんだろう。

 

 

「オカルト研究部って何するの?」

 

「何ってそりゃオカルトを研究するんだろ?」

 

「うん、だからそのオカルトって何なのかなって」

 

「このクラスに来てからオカルトの定義が崩れてる気がしてなりませんわ」

 

 

何やら遠い目をしながらも姫島が教室を見渡す。

このクラス変な奴らばっかりだもんな。

 

 

「一緒に相撲やりませんか?」

 

「藤堂流古武術をお見せしよう、覚悟、よろしいな!」

 

「お兄ちゃん、何処にいるんだろう」

 

 

3人集まっているのに一切会話がかみ合ってない奴ら

まぁあいつらはまだマシな方だな

 

 

「アイヤー、この間街で金髪の格好いい人を見つけたアル。ぜひともバイトに誘わないとネ」

 

「ジョニーより格好いい人なんていないよーだ!」

 

 

この間、狭いカラオケ店内で飛び跳ねた中華娘とイルカを召還した奴か。

こいつらも大概だな。

と、言うよりもこの状況に慣れている俺も相当な気がする。

 

 

「活動と言っても今のところは特に予定はないわ」

 

「じゃあ僕達の部活と同じ感じだな」

 

「あら、ティナ先輩の所もですの?」

 

「うん。ここ最近はお話して解散って形が多いかな」

 

「文化系の部活なんて何処もそんなものじゃないのか?」

 

「元々、先輩のために作られた部だしなぁ」

 

 

逆にこれと言った目的があった試しがない。

暇だから、とか疑問に思ったら即行動って考え方の人だしな。

 

 

「そうね・・・話を戻すけどオカルトと聞いて何を思い浮かべるかしら」

 

「うーん、幽霊とか?」

 

「スタンドじゃね」

 

「非科学的なことだな」

 

「超能力でござるな」

 

 

グレモリーの質問に咄嗟に思いついた事を言ってみる。

 

 

「何で誰も悪魔って言葉が出てこないのかしら・・・」

 

 

何故か落ち込んでブツブツと言い出すグレモリー

俺達の回答が不満だったらしい

 

 

「スタンドは分からないですけど、そういった情報を集めたりするのがオカルト研究部の内容ですわ」

 

「ふーん、じゃあこの学園でもそういった話ってあるのか?」

 

「七不思議と言うやつでござるか?」

 

「そういえば聞いたこと無いね」

 

「たとえば・・・悪魔が支配している、とかだったらどうする?」

 

 

不適な笑みを浮かべてグレモリーは聞いてきた。

悪魔が支配、ねぇ。それもまたオカルトちっくな・・・

まぁとりあえず、もし本当にいたとしたらだな。

 

 

「十字架を学園中に置いておこうぜ!」

 

「後はお札も必要でござるな!」

 

「では僕は太陽光を使った武器を用意しておこう」

 

「何でそんなに攻撃的なのよ!?」

 

「いや、だって支配してるなら徹底抗戦だろ」

 

 

ゲームで得た知識でよくある悪魔の撃退方法を言ってみると怒られてしまった、解せぬ。

 

 

「分かった。じゃあまず鳥もちで身動きを封じてだな」

 

「ドラム缶に詰め込んでコンクリを流し込むでござる」

 

「最後に太陽に向けて打ち上げるとしようか」

 

「おかしい・・・最近の人間はこんな非道な事を考えるというの」

 

 

何やらガクリとうな垂れるグレモリー

相変わらず変なところでぼそぼそとしゃべる奴だ

 

 

「朱乃はお母さんからお料理を習っているんだ」

 

「えぇ。アスナはどうやっているんですの?」

 

「うーん、私のお母さんは料理が苦手だから、一緒にある人に習ってるの」

 

 

その一方で結城と姫島は暢気にそんな会話をしていた。

料理ってあぁ、確かに結城のお袋さんは仕事一筋って感じで苦手そうだったよな。

一時期は険悪と評する程の親子仲だったらしいが。

何やらうちのお袋が介入したらしい、ぐらいの事しか分かっていない。

まぁ、うちのお袋は容赦、遠慮を知らない肝っ玉母ちゃんだからな。

以前も全く知らない人から感謝されているのを見たことがある。

 

 

「ん?そろそろ時間だな。席に戻るとしようか」

 

「そうでござるな、この眠気に耐えねば忍びの恥でござる」

 

「いや、勉強しようね服部君」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

午前の授業が終わって現在はお昼休み。

私達は食堂の一角で昼食中。

 

 

「あー腹減った」

 

「先ほどの授業、恐ろしい相手だったでござる」

 

「ただの英語の授業だがな」

 

 

私はお料理の勉強をかねて、お弁当。

八代君は私にお料理を教えてくれている小母様お手製のお弁当

服部君と高藤君は学食、リアスと朱乃も手製なのかお弁当みたい。

 

 

「本当にコテツさんとハンゾーさんはお勉強が苦手なのですね」

 

「好きな人なんているはずが無いでござるよ姫島嬢」

 

「世の中テキトーにできてるんだから無理に勉強する必要はねぇんだよ」

 

「だからと言って堕落するのもどうかと思うわよ?」

 

「そうだよ、普段遊んでばっかりいるからこうなるの」

 

「虎徹と半蔵はこれで問題ないと僕は思うがな」

 

「さすが琢磨、いい事を言う」

 

「左様、拙者達はこれでいいのでござるよ。日々、自然体でござるな」

 

 

私とリアスが注意していると高藤君が二人を庇う。

むぅ、高藤君はいつも二人に甘いんだから。

そうやって甘やかすから二人は遊んでばっかりなのに。

特に八代君は普段から自分の好きなように過ごしてるだけという印象がある。

服部君はそんな八代君に従っているみたいだから、まずは八代君のやる気を出させないと。

 

 

「小母様からも言われてるんだから駄目です!」

 

「げっ。お袋の奴、俺の友人関係にまで魔の手を伸ばしやがった」

 

「ぬぅ、殿の母君に言われたとなると・・・」

 

 

八代君の小母様は私と両親の仲が険悪だったのを解消させてくれた感謝してもしきれない人だ。

あれ以来、まだぎこちないながらも話もできるようになった。

そんな小母様から頼まれてるんだから私がしっかりしないと!

 

 

「い、いや、俺はやればできる子だと信じているから問題無い!」

 

「せ、拙者もいざとなればキラリと光るでござるよ!」

 

「・・・・あら、何かしらこの感覚」

 

 

どうみても咄嗟に出た言葉にしか聞こえない言い訳の二人

そんな二人の困った様子を見て朱乃の笑顔が2割り増しに見えるけどどうしたんだろう?

 

 

「そ、それよりもだ!改めて見るとよ」

 

 

話をごまかすように八代君が周囲を確認する。

私達も同じに見てみるけど、当然のように他の生徒も食事中でおかしな様子は無いね。

 

 

「何か留学生多くね?」

 

「そう言われればそうでござるな」

 

「・・・言うだけ無駄だと思うが二人とも、パンフレットは確認したのか?」

 

「「いや?」」

 

「駒王学園は姉妹校が幾つもあってそこから経由して留学してくる生徒が多いんですのよ」

 

「ふーん、なるほどねぇ」

 

 

元女子高と言う事も知らなかった八代君だからもしかして、とは思ってたけど・・・

まさかパンフレットすら見ていないとは思わなかったよ。

相槌を打ちながら再度周囲をじっくりと見回す八代君・・・む、何かイラッと来た。

 

 

ガツッ

 

「いてぇっ!何しやがるっ!」

 

「女性をそんなに見たらだめでしょ」

 

「ぐっ、そんなつもりじゃなかったんだが。確かに今のは俺が悪いな」

 

「基本世の中は男に不利にできているでござるよ・・・」

 

「別に女性上位と言うつもりはないけれど、ある意味真理ね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

放課後、俺達は日課となった部活に顔を出すため部室へと来ていた。

今日は結城は習い事の日のためいない。

あれから琢磨のおかげで部屋も一新されて過ごしやすい部屋となった。

 

 

「ねぇトラちゃん」

 

「何ですか先輩?」

 

「何だか隣から異様な音がするんだけど私の気のせいかしら」

 

 

先輩に言われて耳を澄ますと確かに小さな音だが聞こえてくる。

何だろう、何かを削るような音っぽいな。例えばドリルとか。

 

 

「琢磨の奴が何か作ってるんじゃないですか?」

 

 

先輩から許可をもらって翌日からずっと琢磨は隣の部屋で何かの作業をしている。

時たま休憩がてらこちらには顔を出しているが、本当に何をしてるんだろうか。

 

 

「しかし殿。段々と音がこちらに近づいてきているでござるよ」

 

「そうなのよ。一体何なのかしらね」

 

 

半蔵と先輩が言うなら間違いないだろう。

この二人、耳は凄くいいからな。

耳だけでなく身体能力全てが異常だが。

 

 

「ちょっと見てきますよ」

 

 

俺自身も気になったのでソファから起き上がって部室を出ようとした時だった。

 

 

ドッゴーンッ

 

 

部室の一角が壊れて向こうの空き教室が見えるようになった。

開通工事でもしてたのか琢磨は。

そしてその壁をぶち壊しやがったのは琢磨ではなく別の見知った奴だった。

 

 

「す、すみませーん!」

 

「あら、ティセちゃん」

 

「何だティセ嬢でござったか」

 

 

ぺこぺこと頭を下げる頭に2本のアンテナを生やした少女。

膝裏まである無駄に長い金髪に前髪も長いのか常に目が隠れている。

こいつこそ琢磨が開発した自動人形、っていうかロボのティセだ。

 

 

「ティセ、お前何してんの?」

 

「すみません。は、博士からここから通れるようにとご命令があったもので・・・」

 

「いや、とりあえず壁の陰から出てきて話せよ」

 

「あう~」

 

 

相変わらずロボのくせに引っ込み思案な奴だ。

おずおずと部室へと入ってくる、そしてその後ろから琢磨も入ってきた。

 

 

「ふむ、これで移動が便利になったな」

 

「タクマちゃん、せめて一言教えてくれたらお姉さん嬉しかったんだけどなー」

 

「何、先輩ならOKを出すと思っていましたのでその手間を省いたまでです」

 

 

さすが琢磨、自分の研究に勤しむため無駄な手間を省いたか。

確かに隣の部屋からわざわざ廊下に出て部室まで来るのは面倒だよなぁ

 

 

「ティセ、悪いが瓦礫の撤去は頼むぞ」

 

「お、お任せください博士!」

 

 

さすがはロボ、あの小さい身体で軽々と瓦礫を箒で掃いている。

いや、その前にあの箒が凄いと思うべきか?

そんな事を考えている間に琢磨はこちらに来てソファに腰掛ける。

 

 

「もう隣の部屋はいいのか?」

 

「一応必要な物は全て揃えた」

 

「それで今度は何を作ろうとしているのかしら?」

 

「起動戦士作ろうぜ!」

 

「合体変形ロボがいいでござる!」

 

「いや、今日話していた太陽光を吸収、圧縮して放つ武器を開発中だ」

 

「そ、それはまた斬新ね」

 

 

珍しく先輩が顔を引きつらせながら感想を言う。

 

 

「ならば剣でお願いするでござる」

 

「ここはやっぱりソーラービームだろう」

 

「ふむ、今は機構を作っているところだが・・・案として考えておこう」

 

 

ビームサー○ルかビームラ○フルか、悩むところだな。

俺はいつものように本を取り出して数冊を重ねて枕にする。

余った本は足で端に固めておく。

 

 

「ハンゾーちゃん、そこのペンを取ってくれるかしら」

 

「承知」

 

 

余った本をいつの間にか先輩が手にしていた。

そして半蔵からペンを受け取るとさらさらと俺以外には白紙にしか見えない本に書き始めた。

 

 

「って何してんすか先輩」

 

「んー?ちょっとした実験ね・・・はい、トラちゃん」

 

 

先輩から本を受け取って見るとデフォルメされた先輩の絵が描かれていた。

これをどうしろと?

 

 

「一旦消して、また出してくれる?」

 

「はぁ、いいですけど」

 

 

言われるがままに本を消す。

何故か一冊一冊消すことはできずに常に全て出すか、全て消すことしかできない。

そして再び本を出す。

 

 

「えーっと、絵を描いた本はどれか分かるかしら」

 

「これ、ですね・・・あれ?」

 

 

他の人からは表紙すら見えないのでどれか分からないため俺が手に取る。

そして先ほどのページを開いて見ると先輩が描いたはずの絵が見事に無かった。

 

 

「なるほどなるほど。恐らくこれは元々書かれてあった状態に戻るんじゃないかしら」

 

「ふーん、ジュースを溢しても大丈夫って事か」

 

「落書きしても大丈夫でござるな!」

 

「初期状態を記憶しておき、出す度に、初期状態にも書き換えられるということか」

 

 

原理はよく分からないが常に元の状態になるって事らしい。

ん?って事はだ

俺は立ち上がると本を数冊持って部室の隅に向かう。

 

 

「どうしたのトラちゃん?」

 

「いや、燃やしたらどうなるかなーって」

 

「さ、さすがにそれはやめた方がいいんじゃないかしら」

 

「え?だって戻るんでしょう?」

 

「先ほどのは落書き程度で済んだが本自体が変化した場合も戻るとは言えないからな」

 

 

確かに戻らなかったら幾つもあるとはいえ損した気分になるな。

仕方なく諦め座りなおす。

 

 

「それよりも3人とも、週末の予定は空けておいてね」

 

「今のところ特に予定は無いでござるが・・・何処へ行くでござるか?」

 

「いい質問よハンゾーちゃん。ちょっと皆に調べてきてほしい事があるの」

 

 

そう言って先輩は俺達に封筒を手渡していく。

特に考えずに中身を取り出せば紙切れが1枚折りたたまれていた。

ピラッと開けば簡潔にこう書かれていた。

 

 

「教会?」

 

「神社でござるな」

 

「僕のは廃ビルだな」

 

 

イマイチ何を調べてほしいのかさっぱりだ。

 

 

「駒王学園周辺にあるソレを調べてきてね」

 

「この辺に教会なんてあったっけな・・・」

 

「神社は姫島神社ぐらいしか見た覚えが無いでござるよ」

 

「何故僕だけ難易度が高いんだ」

 

「そりゃタクマちゃんの調査力を期待してに決まってるじゃない」

 

 

これがどういった事につながるのか分からないが、どうせ暇だしやってみるか。

 

 

 

 




ここまで読んで頂いて分かった方もいるかと思いますが、
原作本編は当分先になります。(と言うかやるのだろうか)


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