はいすくーるDxD 平穏(笑)な日常   作:鶏唐

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かなり間が空きました。

ペルソナQを3周、閃の軌跡を3周もすれば時間が経つのも早いはずです。
まぁ、今度は閃の軌跡Ⅱが発売されるのでまた間が空くかもしれませんが。




第29話

昼食も終わり外に行った連中と合流する。

本来ならグレモリー達と大自然達の試合だったはずなんだが、

教師チームと試合と言う事で両チームは隣り合ったコートで話をしているようだ。

が、どうやらまた一人知り合いが現れたようだ。

 

 

「テスタメントさん?あんた何でそんなにボロボロなんだ?」

 

「・・・ふん、私はディズィーが心配だっただけだ」

 

 

いや、全然答えになってねーよ。

ソルさんとライザーさんが連れてきたのは分かるが何故そんな姿なのかさっぱりだ。

ディズィーはテスタメントさんの姿を見て驚きオロオロしている。

まぁ家族みたいな人がボロボロになっている姿を見れば誰だって驚くな。

 

 

「あら、教師の方が来たみたいですわよ」

 

「お?こりゃまた凄いメンバーだな・・・ってアレ?」

 

 

姫島の言葉に視線を向ければコートに向かってくる教師陣の姿。

あー、ファウスト先生と壬無月先生と教頭がいるじゃないか。

長身の三人がいると結構不利かもな。あ、でも教頭以外は大自然達のコートに行ったな。

そして教師陣の中に混じっている俺が疑問に思う人もいた。

 

 

「ラグナさん、何してんの?」

 

「いや、何かいきなり雇われてな」

 

 

ガシガシと頭をかきながら困惑したように言うラグナさん。

雇われたって事はラグナさん教師やるのか。

教員免許持ってたのか?いや、まぁ校長が校長だし気にしたら負けだな。

 

 

 

「ふふっ。校長先生も話の分かるいい人で助かったわ。在学中の頃と変わりないみたいだし」

 

「校長が・・・いい、人?」

 

 

お袋の喜ぶ声に思わず言葉に詰まる。

短い言葉の中に突っ込みどころが多すぎる。

お茶目な悪戯をしただけで分身を飛ばしたり瞬間移動して踏みつけてくるような緑軍人がいい人?

いや、そもそも人なのかあの緑。

それにお袋がここの生徒だったなんて初耳だぞ。

 

 

「全く校長にも困ったものだ」

 

「あらいいじゃない。楽しみがないとつまらないわ」

 

「っ!?」

 

 

最後尾を歩いてきた禍忌教頭とモリガン先生。

そんな二人を見てか隣にいた姫島が驚きに目を見開いていた。

 

 

「どうした姫島」

 

「・・・近くで見て分かりましたが教頭先生はオロチ様と同じ存在(地球意思)ですわ」

 

「おろちんと同じ存在?」

 

 

校長や他の先生の無茶ぶりを一手に引き受ける真面目な先生って感じだけどな。

俺の悪戯に真っ先に怒るのがヨハン先生と教頭の二人だし。

しかしまさか教頭が同じ存在(中二病)だったとは・・・

 

 

「それにモリガン・アーンスランド。三大貴族の一人が何故ここに・・・」

 

 

ふむ、どうやらモリガン先生は海外じゃ有名なお嬢様のようだな。

俺の悪戯を推奨してくれる気さくで話し易いイメージがあるんだが。

まぁ服装は胸の谷間が見えたり下着が見えそうなくらいミニスカートでエロいけどな。

 

 

「リアス!頑張って!」

 

「ふぁいと、でござるよ!」

 

「顔面セーブだ!顔面セーブするんだグレモリー!」

 

「アスナとハンゾーはいいとして、コテツ!何を期待しているのよ!」

 

 

結城と半蔵が応援していたので咄嗟に俺も応援をしてやる。

しかしグレモリーには不服だったようだ。

折角応援してやっているのに何て態度だ。

 

 

「トラちゃん。リアスちゃんは先生方をこてんぱんにやっつけるから心配しなくても大丈夫よ」

 

「へぇ。面白そうじゃない、グレモリーだから一層期待しちゃおうかしら」

 

「ティナも煽らないで!?モリガン先生もやめてください!」

 

 

どうやら相手陣営にばっちり聞こえていたようだ

グレモリーにしてはやけに低姿勢だな。

モリガン先生に苦手意識でもあるんだろうか。

 

 

「部長、勝てますかね・・・」

 

「どうだろうな。グレモリーさんのチームも一筋縄では行かないようなメンバーだが」

 

「そういえばケイの知り合いが参加してるって言ってたな。どの人だろう?」

 

「鞭や剣を持っていたりと多様スギデス」

 

 

確かに教師陣だけじゃなくてグレモリーのチームも面白そうなメンバーが多いな。

コート内で定位置につく教師チームを油断無く見ている。

 

 

「グレモリーさん、始まりますよ」

 

「そ、そうね。悪いわねヒビキ」

 

「いえ、先輩方の足を引っ張らないよう頑張りましょう」

 

 

グレモリーに声をかけた子は俺達と同じ1年生か。

刀を持っているって事は、かえ・・・ロックと同じ剣士か?

いや、意表をついて多種多様な武器で戦うかもしれないな。

 

 

「それではこれより試合を始めます。準備は宜しいですな?」

 

 

審判の人が出てきた。

何であの人、全身黒い格好なんだろう。

確か裏方の黒子だっけ?

審判してるんだから裏方じゃないだろうに。

 

 

「いざ尋常に・・・勝負!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さぁ人の持つ可能性見せてみるがいい!」

 

「えっ!?」

 

 

試合開始と同時に教頭先生の姿が全身紫色へと変化する。

まさか魔族!?いえ、それにしては違うような・・・

それに先輩方も平然としているし。

 

 

「こ、これはっ!?」

 

 

同じチームのヒビキが驚愕の表情となるのを見て若干安心する。

そ、そうよね。幾らこの学園に異能力を持っている人間が多いとは言ってもおかしいわよね。

 

 

「一瞬で姿を変えるとは教頭先生は手品師ですか!?」

 

「ちっがーーうっ!」

 

 

そこじゃないでしょ!?

驚くところはそこなの!?

 

 

「落ち着きなさいリアス。響も・・・来るわよ!」

 

「っ!?」

 

 

ウィップ先輩の声で身構える。

モリガン様、いえモリガン先生がジャンプレシーブと共にボールがこちらのコートへと向かってくる。

速度は平凡、そ、それもそうよね。

三大貴族と言えど人間界に来て公衆の面前で力を振るうなんて真似は・・・

 

 

「ソウルフィスト!」

 

「躊躇もなく振るって来た!?」

 

「うわっと、全く飛び道具なんて羨ましいたら無いわねっ!」

 

 

アオバ先輩が魔力の塊を避けてボールを拾う。

そのボールを私は慌ててネット際に向けてトスをする。

先ほどの攻撃威力は絞っているけど一般人に当たったらどうするつもりだったのかしら。

私は魔力塊の向かった背後をちらっと見てみる。

 

 

「モグモグ。中々の味デス」

 

「何!?食べられるのかデス様!?よし、じゃあ俺も」

 

「こら虎徹!拾い食いするように育てた覚えは無いよ!」

 

 

さすがはデス様と言うべきか吸収してしまっていた。

そしてコテツも真似しようとしてお母様に怒られている。

何をしようとしているのよコテツは。

そしてコテツのお母様、ツッコミどころが違います。

 

 

「行きなさい響!」

 

「承知!」

 

 

視線を戻すとウィップ先輩に答えてヒビキがスパイクを打つ。

それを受けようとするのは見るからにやる気の無さそうなラグナ、だったかしら?

ライザーの知り合いのようだけど新入りの先生がどう動くかしら。

 

 

「雇われたと思ったらいきなりお遊戯かよ・・・」

 

 

パンッパンッ!

 

 

「うおっ!?」

 

 

不満を溢しながらボールを拾おうとしたところへウィップ先輩の威嚇射撃がラグナの足元へと撃たれる。

それを避けたもののボールは相手コートへと落ちた。

よしっ、まずは1点ね。

 

 

「あっぶねーなっ!何しやがる!」

 

「新人教師とは言えルールを理解していないのなら引っ込みなさい」

 

「何だと?」

 

「そういえばルール説明はまだだったわね」

 

 

モリガン先生が手短に説明する。

相手は新人教師とは言え、あの無骨な大剣を見る限りあの人も一般人じゃないことは分かる。

本当にどうなっているのよ人間界は。

 

 

「へいへーい、ラグナさんビビってる!」

 

「どうしたラグナ、その剣は飾りかー!」

 

「うぜぇ!外野は黙ってやがれ!」

 

 

コテツとライザーが野次を飛ばしてしっかりと反応している。

どうやら短気のようね、ウィップ先輩の言葉にも反応していたようだし。

 

 

「さーてこの調子でガンガン行きましょ」

 

「あらあら、どうするの教頭先生?」

 

「ククク、まだ始まったばかり。これからだ」

 

 

・・・教頭先生あんなキャラだったかしら?

もっと落ち着いた紳士な人だったと思うけど。

姿が変わると性格も変わるのかしらね。

とにかく今度はこちらからのサーブ。

 

 

「行くわよ!青葉サーブ!」

 

「ちっ、つまりはこういう事だろ。おらぁっ!」

 

 

バシィッ!

 

 

アオバ先輩の強烈なサーブをラグナ先生が素早く前進して高くアッパーで打ち上げる。

他の試合を見ても思ったけどボールに攻撃するなんて違和感しかないわ。

 

 

「ふんっ!」

 

 

ラグナ先生とは別の白髪の先生がスパイクを打つ。

鍛え上げられた身体に片目からは赤い光を放っている。

空手着を着ているけど見た事ない先生ね。誰かしら?

 

 

「任せなさい!」

 

「させるかよ、デッドスパイク!」

 

「ふふっ、こちらもね。ソウルフィスト!」

 

 

ウィップ先輩に向けて二人の同時攻撃。

こうなったらっ!

 

 

「片方は任せて下さい!」

 

 

魔力を込めて放つ。

消滅の魔力を帯びた弾丸はモリガン先生の魔力を何とか無力化させた。

さすがに力の差が有りすぎるのか一方的に消滅は無理だったみたい。

後はもう一方だけど・・・

 

 

「飛び道具で邪魔してくるなんて・・・この、外道がああぁぁぁっ!!」

 

 

えっ、そういうルールのはずでしょ・・・

と言うか先に攻撃したのはウィップ先輩じゃ・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

おいおい、何だよあの拳銃は。事象兵器(アークエネミー)か!?

ったく、この国はどうなってやがる!?

階層都市よりも面倒な奴らばかりじゃねぇか。

何でたかがバレーでこんなうぜぇ事しなくちゃならねぇんだ。

 

 

「ちっ、うぜぇな」

 

 

いくら天玉うどんのためとは言え、割りに合わないぜ。

それにしてもこの腕輪、何だってんだ。

出力は低いとは言え魔素と認識しているのか魔道書も動いてやがる。

こんなモン作りそうなところと言えば第七機関だろうが・・・

ちっ、こんな事なら外の世界についてもう少し師匠に聞いておくんだったぜ。

 

 

「あちらのコートも面白い事になってるわねぇ」

 

「あれは面白いというか悲惨って言うんだよ」

 

 

無駄にデカイ壬無月、とか言う奴が剣を下から上へと振り上げる。

それだけで衝撃波が発生しネットの下を潜り抜けて相手コートへと攻撃していく。

そしてファウストとか言ういかにも怪しい紙袋を被った奴は上から色々なものを投擲して相手コートへと落としている。

・・・幾らなんでも隕石を降らせるってのはどうなんだ。

他の教師陣は逃げ惑う生徒達を楽しそうに見ているだけで何も言わねぇし。

 

 

「キャーッ!」

 

「あぁっ!蒼那がやられたっ!」

 

 

一人ひとりと生徒が脱落していく。

これは向こうが終わるのも時間の問題だな。

それはこちらのコートも同じだが・・・

 

 

「ハハハハハッ!どうした、もっと抗ってみせるがいい!」

 

「ちょっ!さすがに反則でしょっ!?」

 

「くっ、ボールの軌道が見えません」

 

「打ち返しても戻ってくるなんて卑怯よ!」

 

 

教頭が猛威を振るっていた。

ボールを空間移動させ相手コートへとそのまま送り返している。

しかも出現するのは相手チーム全員の死角となっている場所や中間地点と絶妙な場所へだ。

まぁおかげで俺達がこうしてのんびりとできるんだから文句は無いが・・・

 

 

「さすがに勝った気がしねぇな」

 

「ルール上問題ないからいいのよ」

 

「うむ」

 

 

ルールを教えてくれたモリガンとほとんど喋らねぇズィルバーのおっさんが楽観的に言う。

少なくともモリガンは生徒達の慌てようを見て楽しんでいるのは分かる。

 

 

「くっ、そこっ!」

 

「魔力弾!?ヒビキ、それはフェイントよっ!」

 

 

気づけば攻撃も混じっている。

阿鼻叫喚な相手コート、一方で教頭は本当に楽しそうだな。

こんなワンサイドゲームじゃ外野も面白くは・・・

 

 

「今だグレモリー!顔面からぶつかっていけ!」

 

「そっちは囮でござるよ!」

 

「規則性があるようだが上手く隠しているな。何かに使えるかもしれん、ティセ解析しておけ」

 

「部長、頑張ってください」

 

「ほら、後ろですわよ」

 

「あ、上から魔力弾がきますよ部長」

 

 

駄目だあいつら、完全に楽しんでいやがる。

むしろ虎徹達が対戦した方がよかったんじゃねぇのか。

 

 

「やはり人間は危険だ!帰るぞディズィー!」

 

「ま、待ってくださいテスタメントさん!きっと何か理由があるはずです!」

 

「生徒だけじゃなくて教師までこんなのかよ・・・へヴィだぜ」

 

 

よかった、まだマシな奴がいたか。

とは言え一般人なのがディズィー、だったか?その女だけってのもどうなんだ。

賞金稼ぎのソルに見るからに怪しい男。

あんなのと俺は同類なのか・・・

 

 

「あら、皆楽しそうね。私ももう少し若ければ参加したのに」

 

 

いや、さすがにあんたは無理だ。

虎徹の母親だけあってかこの試合の危険さに全く気づいていない。

 

 

「ったく、階層都市の基準がおかしいのかこの町の基準がおかしいのか・・・」

 

「あら、他の学校でも似たようなものだけど?」

 

「階層都市に帰りたい・・・」

 

 

これならまだタオに絡まれてる方がマシだな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ピピーーッ!

 

 

「試合終了!勝者、教師チーム!」

 

 

うん、まぁ分かってた。

けどグレモリーのチームも点を取っていたんだから健闘した方だ。

っつーか教頭の出鱈目な強さは何だ。

やっぱり、おろちんと同じで中二病だから強いんだろうか。

 

 

「いやー面白かった。グレモリーの逃げっぷり見たか?」

 

「ふふっ、あんなに慌てているリアスを見て心が躍りましたわ」

 

「どこが面白かったのよ!こっちは必死だったのよ?!」

 

「まぁまぁリアス。でも惜しかったよ」

 

「何処がよ。こっちは全員で追いかけてるのにあっちは教頭一人で余裕だったじゃない」

 

 

結城が宥めようとするがやはり悔しかったようだ。

グレモリーは相当な負けず嫌いなのは知っていたが教師相手でもとはな。

 

 

「ふっふっふっ、まぁ今度は俺達が勝つから見てな」

 

「本当でしょうね。教頭先生だけじゃなくて他の先生も十分強かったわよ」

 

 

俺の自信満々な言葉に疑わしい視線を向けてくるグレモリー。

俺だって何もしなかったわけじゃない。

それに試合会場は俺達の母校、作戦なんて山ほどあるさ。

 

 

「半蔵、琢磨。去年のトラップはまだ残ってたよな?」

 

「うむ。卒業式に大量に使ったとは言えどグラウンドの罠はまだ残っているはずでござる」

 

「そうだな。いざとなれば屋上からグラウンドに向けてのミサイルも隠したままだ」

 

「よし、後は中学校の奴らに連絡を取ってタイミングを合わせるか」

 

「うーん、でもムカイ先生達が見つけていたりしないかな」

 

 

む、確かにその可能性はあるな。

あの岩石教師め、物理的にトラップを壊そうとするからな。

 

 

「とても試合の話をしているとは思えないデスネ」

 

「ふふっ、コテツさん達の中学時代が目に浮かぶようですわ」

 

「まぁ、他所の中学でも話が伝わるくらいですからね」

 

「本当にどういう学生生活をしていたのよ・・・ティナもいたのよね?」

 

「んふふ~、それはもう私達にとって面白おかしく過ごしたに決まってるじゃない!」

 

「先生たちの苦労が目に浮かぶわ・・・」

 

 

んん?そういえば俺達の中学で何か忘れてはいけない何かがあった気がするんだが・・・

何だっけな?

 

 

「どうした虎徹」

 

「いや、なーんか忘れてる気がしてな」

 

「ぬぅ、何でござろうか。大抵の事は卒業式にやりきったはずでござるが」

 

「あれだけやってまだ足りなかったの八代君」

 

 

まぁ今思い出せないって事は大した事じゃ無いはずだ。

とにかく今度は俺達の通っていた中学校で試合だ。

先生達と話をしているお袋は場所知っているからいいとして。

 

 

「おーい、次の試合会場に向かうから着いて来てくれー」

 

 

ライザーさん、ディズィー、ソルさん、テスタメントさんに声をかける。

ラグナさんは早速教師としての仕事が待っているらしい。

 

 

「悪いが俺はそろそろ行くぞ」

 

「ん?いいけど何か用事でもあるのかソル?」

 

「結局目当てはどちらも空振りだったようだからな。次の依頼を探す」

 

 

そういえば賞金稼ぎって言ってたな。

ソルさんの狙っていた賞金首ってどんな奴らだったんだろうか。

きっと厳つい顔をしたいかにも悪人みたいな顔なんだろう。

 

 

「私も帰るぞ。さぁ、ディズィーも行こう」

 

「え、私はまだ・・・」

 

「おいおい、肝心のコテツ達の試合を見ないでどうするんだよ二人とも」

 

「ふん、私はニンゲンとつるむ気は無い」

 

「カラスでストーカーしていたくせによく言うぜ」

 

「何だと?羽を毟り取ってやろうか鳥が」

 

「へぇ。さっき俺とソルで火炙りにしたのをもう忘れたらしいな」

 

 

何故かライザーさんとテスタメントさんが火花を散らす。

あれ、この二人初対面だったよな?何でこんなに仲が悪いんだよ。

 

 

「カラスとフェニックス。鳥同士何かあるんだろ」

 

 

ふむ。ソルさんの言葉を考えて見よう。

カラスとフェニックス・・・・そうか!

東京レイブンズと駒王フェニックスのファン同士の争いか!

あんな山奥にもプロ野球の中継は入っていたのか、いやもしかしたらラジオかもしれない。

 

 

「そういう事なら俺はライザーさんに味方するぜ!」

 

「オメェが入るとややこしくなるから止めておけ」

 

 

ひょいっと首根っこを掴まれて後ろに放り投げられてしまった。

むむむ、俺にも熱い駒王フェニックスファンの血が流れているというのに・・・

 

 

「あ、ソル君。それじゃあこれを上げる」

 

「あ?」

 

「見つけたら適当に狩っておいてね」

 

「・・・メンドクセェ」

 

 

先輩がソルさんに紙の束を渡す。

それを軽く見たソルさんはげんなりとした表情でその場を去って行った。

 

 

「先輩、さっきのは?」

 

「害虫駆除の依頼書よ」

 

 

へぇ、そんなのもあるのか。

害虫なんて退治しても次から次へと沸いてきて大変・・・あ

 

 

「思い出したぞ」

 

「どうしたの八代君?」

 

「いや、あまりにもウザイ奴だったから記憶の彼方に追いやっていた」

 

「ウザイ奴って・・・八代先輩が言うってことは相当ですね」

 

「おい、どういう意味だ塔城」

 

「まぁまぁ、それでコテツさん。誰を思い出したんですの?」

 

 

そうだった。塔城なんかに構っている場合じゃなかった。

俺は当事者である半蔵を見てみる。

 

 

「?どうしたでござるか殿」

 

「ふむ。ウザイ奴などあの中学には幾らでもいるが?」

 

 

その様子だと半蔵も琢磨も記憶の彼方のようだ。

だが中学校に行くという事は確実に半蔵は被害に会うだろう。

あの変態で絶壁な胸をしていて半蔵に付き纏っていたストーカー。

 

 

「忘れたかお前達。あの変態ストーカー、天野夕麻を」

 

 

 


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