はいすくーるDxD 平穏(笑)な日常   作:鶏唐

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正直な話、私は原作は全く見ておらず軽いノリで執筆しています。
タグにもあるSAOは昔オンライン小説で読んだ記憶が若干ありますがほぼ忘れています。

執筆の目的が暇つぶしなので気軽に見てください。

10/26 誤字脱字を修正しました。


第2話

グレモリーが”弄ると面白い反応を返してくれる奴”と分かった日の放課後。

俺達は先輩の言ったように旧校舎へと向かっていた。

旧、と言う名が付くだけあってボロい建物だ。

 

 

「新校舎にも部室棟があっただろうに何故こっちなんだろうな」

 

「と言うよりも何故私達まで一緒に行動しなければならないのよ」

 

「まぁまぁグレモリー嬢も向かう場所は同じなのでござろう?旅は道連れ世は情け、でござるよ」

 

「それにしても皆さんは大丈夫なんですの?」

 

 

グレモリーと姫島は何やら部活動を作り部室が俺達と同じ旧校舎のようで同行していた。

俺、半蔵、琢磨、結城、グレモリー、姫島の6人で旧校舎を目指すしていると、姫島が変な質問をしてきた。

 

 

「大丈夫?何がだ?」

 

「確かに変ね・・・コテツ、貴方達ティナから何かもらっていない?」

 

「何かって、先輩にもらったものと言えばこれか?」

 

 

俺は鞄につけているキーチェーンのソレをグレモリーに見せる。

そこにはチェスの駒である騎士(ナイト)、要は馬の形をしたキーホルダーだ。

結城も俺と同じく騎士(ナイト)のキーホルダー。

半蔵は兵士(ポーン)が3つ連なったキーホルダー。

琢磨は僧侶(ビショップ)のキーホルダーをそれぞれ先輩から以前に受け取っていた。

何でも常に持ち歩いているといいことがあるらしい。

 

 

悪魔の駒(イービルピース)、使っていないという事はやはりコテツ達はティナの眷属候補なのね」

 

 

何かまた変な事をブツブツと言い出しやがるグレモリー。

っていうか何でこいつは俺のことを名前で呼んでるんだ。

 

 

「まぁ正直チェスなんてやった事も無いから分からないんだけどな」

 

「拙者も将棋なら分かるでござる」

 

「私は簡単なルールくらいなら知ってるけど、他の駒はどうしたんだろう」

 

「バティン先輩のことだ。どこかの土産だろう」

 

 

琢磨の言う通り、先輩は放浪癖でもあるのか中学時代もよくどこかに出かけていた。

で、帰って来ては俺達に土産を色々とくれたもんだ。

土産話の方は大半がうそ臭い話ばかりだったけどな。

 

 

「そういえばお前達の関係がさっぱり掴めないんだが。グレモリーと姫島は何処で知りあったんだ?」

 

 

グレモリーは欧州から来た留学生らしいし、姫島はこの街にある神社の娘だろう?

まるで接点が見当たらない。

 

 

「えぇ、私は時々日本には来ていたのだけどその時に知り合ったのよ。ねぇ、朱乃」

 

「はい。昔からリアスはお転婆で付き合わされるこちらが大変でしたわ」

 

「ちょ、ちょっと何を言ってるのよ!朱乃だって大して変わりないじゃない!」

 

 

なるほど、つまりは似たもの同士という事か。

それでここまで性格が異なるのはある意味すごいことだが。

 

 

「ん、あれ?」

 

「どうした結城さん?」

 

「うーん、何だろう。何か違和感を感じたような・・・」

 

 

旧校舎を目の前にして一度立ち止まる結城。

本人はその原因が分からないのかしきりに疑問符を頭に浮かべている。

違和感?まぁこんなボロボロな建物だ、違和感の一つや二つあってもおかしくないだろう。

現に、1階の窓ガラスがない、時計が傾いている、全体的に薄暗い。

こりゃ人も近寄りたいとは思わないよな。

 

 

「よく来たわね、皆。さぁ入って入って、案内するわね」

 

 

入り口の前で俺達を出迎える先輩。

俺達は先輩を先頭にしてボロ校舎の中に入っていく。

 

 

「見ての通り1階は修復が面倒だったから手をつけてないわ。でも2階と3階は比較的綺麗だから安心してね」

 

「この状態で何を安心しろと」

 

「研究できるスペースが確保されているなら僕は構いませんよ」

 

「うーん、やっぱりまずは掃除、かな」

 

「手伝うでござるよ結城嬢」

 

「リアス、部活の名前は決まったの?」

 

「そうね、何かいい名前は無いかしら」

 

 

それぞれが好き勝手言いながら階段を昇り2階にたどり着く。

先輩の言う通り1階とは比べ物にならないほどマシだった。

何せさっきまでギシギシといつ床が抜けるかと思ったぐらいだ。

 

 

「さて、リアスちゃん達はここね」

 

「オカルト研究部?」

 

「あぁ、恐らく以前に使っていた部活の名前ね」

 

「・・・・うん、これにしましょう」

 

「リアス、まさか・・・」

 

「私達は今日からオカルト研究部よ!」

 

 

何処に自信を持つ要素があったのかグレモリーは胸を張って宣言した。

コイツ、考えるのが面倒になっただけじゃないのか?

姫島も呆れてるぞ。

 

 

「まさかオカルトとはな。どうやら僕に喧嘩を売っているようだ」

 

「思えば拙者は”おかると”に入るのでござろうか?」

 

「半蔵のは芸だろ」

 

「そうだよ。服部君は盛り上げ役でしょ?」

 

「おぉっ!そうでござった!」

 

「相変わらず平和な頭でお姉さんは嬉しいわ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

はーい、ティナ・バティンよ。

一応これでもソロモンの72柱の1柱を先祖に持つ上級悪魔なんだけど4人には内緒ね。

リアスちゃんと朱乃ちゃんと別れた後、私は4人と3階の部屋へと案内した。

 

 

「で、ここが私達の『知的探求部』の部室よ!」

 

「おぉ、廃墟ではござらんな」

 

「ってーか何もなくね?」

 

「机も椅子も無いね」

 

「そこでタクマちゃん、貴方の出番よ!」

 

「あぁ、なるほど」

 

 

昨日、旧校舎の使用許可を貰ったばかりだから本当に何もないのよね。

でも私達にはこういう時に頼りになるタクマちゃんがいるから問題ないわ。

 

 

「ふむ、一先ずは・・・TypeC 120-2、225-2、002-1転送」

 

 

タクマちゃんが懐からブレスレットのようなものを取り出して言葉を紡ぐと私達の目の前に突然、物が出現した。

絨毯x2、ソファーx2、テーブルx1

いやはやいつ見ても凄いわね。

私もご先祖様の能力で転移は扱えるけど引き寄せ(アポート)は無理なのよねぇ。

 

 

「他に必要なものはあるか?」

 

「テーブルクロスとカーテン頼めるかな高藤君」

 

「今週の発売のジャ○プ、まだ読んでねぇんだよ」

 

「畳を所望するでござる!」

 

「後はドリンクをお願いね~」

 

「さすがに何でも転送できるわけじゃないんだがな・・・」

 

「お詫びに隣の教室を琢磨君専用の研究室にしてもいいわよ?」

 

「さて、他に必要なものはないか?」

 

私の予想通り張り切って聞いてくるタクマちゃん

確か家の方に転送装置みたいなのがあって管理している、だったかしら?

タクマちゃんの発明するものは面白い物ばかりで興味がある。

私が最後に見た発明品は・・・ティセちゃんって言うメイドロボね。

 

 

「それで先輩、やる事は中学の時と一緒でいいんですか?」

 

「ささ、殿。じゅーすでござる」

 

「うむご苦労。なんてな、サンキュ」

 

 

ポンッと本を召還して枕にしてソファの上に寝転がるトラちゃん。

A4サイズの分厚い本が15冊に文庫本サイズのこれまた分厚い本が5冊。

神器の力を感じるのは分かるけれども未だにその能力は分かっていない。

本を召還していない時は神器の反応も無いから危険は無いから気にするほどでもないかしらね。

それよりもトラちゃんの質問に答えないと。

 

 

「えぇそうよ。部活名の通り、中学と同じくわ、た、しの知的好奇心を満たすために探求する部活よ!」

 

「もう電柱をよじ登ったりしないでくださいよ・・・」

 

「湖の主とはまた戦いたいでござるな」

 

「超電磁ヨーヨー・・・あれは大変満足のいくものだった」

 

「72時間耐久ゲームはさすがに死ぬかと思ったぜ」

 

あら、懐かしい話ね。

けどまぁ、当分はこうして皆でお話しようかしら。

つい先日もレーティングゲームでストレスは解消した事だしね。

私にも従者を持てって皆五月蝿いのよねぇ。

別に一人で勝てるならそれでも全然構わないのだけど。

この4人に駒を渡したのだって人払いの結界を通過させるためだし。

そりゃ私の眷属になってくれるなら嬉しいけどね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

部活と称した雑談をした後、俺達はそれぞれ帰宅することとなった。

時刻は6時を過ぎたところ、俺は家のドアを開けようとすると後ろから声をかけられる。

 

 

「虎徹、お前も今帰ったのか」

 

「親父、珍しく早いな」

 

 

スーツに身を包んだ親父がいた。

やや長身で彫りの深い顔には若干の疲労が見て取れた。

普段は遅くまで運送会社の営業として働いている親父だ。

何かあったのかね。

 

 

「今日は取引先との営業でな。直接帰ってきたんだよ」

 

「ふーん」

 

 

質問して悪いがそこまで興味があるわけでもない。

俺は軽い相槌を打ちながらドアを開けて家に入った。

 

 

「ただいまー」

 

「今、帰ったぞ」

 

 

玄関で靴を脱ぎリビングに親父と一緒に顔を出す。

リビングにはお袋が洗濯物を畳みながらTVを見ていたようでこちらに顔を向ける。

 

 

「あら二人ともお帰り。ご飯はもう少ししたら作るから待ってなさい」

 

 

そう言うとそのままTVに顔を戻す。

本当に作る気があるのかと思うぐらいに軽い。

だが俺と親父は二人とも料理なんてできないからお袋に任せるしかなかった。

俺は水でも飲もうと冷蔵庫へと向かう。

 

 

「虎徹、すまないがビールを取ってきてくれ」

 

「あいよー」

 

 

水を飲んだ後、冷蔵庫から缶ビールを取り出し親父に持っていく。

ネクタイを外し、襟元を緩めた親父はソファに座ると受け取ったビールをぐいっと飲んだ。

 

 

「くーっ!美味い!ところで虎徹、学校の方はどうなんだ?」

 

「どうって言われてもな3日しか経ってないから分かんねぇよ」

 

「ホント、明日奈ちゃんと琢磨君に感謝しなさいよ、あんたは」

 

「へいへい、分かってるよ」

 

 

俺もお袋が見ているTVを見ながら、親父とお袋に答えていく。

実際、駒王学園を受験すると決めたのはよかったが俺の学力では難しいと言えた。

そこで結城や琢磨の二人が俺に勉強を教えるために何度か家庭教師の真似事をしてもらったのだ。

半蔵?あいつも俺と同じく教わる側だ。

あの時の事を思い出すと頭が痛くなるので別の話題を振った。

 

 

「親父は変わらず社長に振り回されてるのか?」

 

「まぁな。社長自ら宅配をする会社なんて聞いたことない」

 

「CMでもよく見かけるわね」

 

「そのCMも突然営業先に私と向かうと言い出したときは何事かと思ったよ・・・」

 

「しかし親父も外国の人ばかりの所で働くなんてスゲェよな」

 

「そうでもないぞ。向こうも日本語はきちんと話せるしな、まぁ運び方は未だに納得行っていないが」

 

そんな話を続けているとTVのドラマが終わったらしい。

お袋の方も洗濯物が片付いたようで立ち上がった。

ようやく飯を作ってくれる気になったか。

 

 

「ほら、虎徹。自分の部屋に戻るならこれ持ってあがりなさい」

 

「へーい。あぁ、これ弁当箱」

 

 

お袋から畳んで貰った洗濯物を受け取り、空になった弁当箱を渡す。

片手間にやったにしては綺麗に畳まれた洗濯物を持って俺は自分の部屋のある2階へと向かった。

 

 

 




虎徹の両親は一般人です。
周囲は逸般人ですが。

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