はいすくーるDxD 平穏(笑)な日常   作:鶏唐

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ifシリーズ~MUGENキャラで本編が進んでいたら~

「この森に半蔵の知り合いの薬師がいるのか?」

「うむ・・・お、いたでござる!」

「おやおや半蔵さん。待っていましたよ」

「それでは早速薬を・・・」

「この"まききゅーX"を飲めば巨大化してパワーアップ間違いなしです」

「何と素晴らしい!かたじけないでござる!」

「G琢磨か・・・面白そうだな!」


ルガールが飲めばGルガールですかね?
肌が黒くなりそうな気がします。



第25話

ちゅんちゅんちゅん

 

 

ばさっ

 

 

「おっしゃーっ!今日はやるぜ!」

 

 

ガチャッ

 

 

「うるさいわよ虎徹!ご近所の迷惑になるでしょ!」

 

 

さすがに起きて騒ぐのは駄目だったようだ。

とは言え、今日の俺はテンションが上がりっぱなしだ。

何せ今日は球技大会、座学の授業が無いなんて最高じゃないか!

 

 

「ふわぁ、元気だな虎徹は」

 

「おはよライザーさん」

 

 

お袋の後ろでライザーさんが眠そうにしていた。

一昨日から家に帰ってこなかったな。

実家にでも帰っていたのか?

そういえばラグナさんもいなかったな。

まさか二人で旅行していたのか、羨ましい。

 

 

「おう、ったく。何で俺まで付き合わなくちゃいけないんだ」

 

「ん?どうかしたのか?」

 

「ラグナ君のお仕事を探すために一昨日から頑張っているみたいなのよ」

 

「へぇ、それでそのラグナさんは何処に?」

 

「結局見つからなかったからリビングで落ち込んでるよ」

 

 

それは残念だったな。

まぁ外国の人だし採用条件も厳しかったりするんだろう。

 

 

「ほら、二人とも。朝御飯が用意出来ているんだから早く降りなさい」

 

「へーい」

 

 

お袋とライザーさんと一緒に1階に下りる。

そこにはライザーさんの言う通りソファに座ってうな垂れているラグナさんの姿があった。

親父はいないみたいだし、出勤したんだろう。

 

 

「おはようラグナさん・・・とどちら様?」

 

 

食卓で知らない男が飯を食っていた。

っつーかゴツいな、この人。

何食ったらこんなに筋肉がつくんだ。

 

 

「あら、ソル君。お代わりはいるかしら?」

 

「・・・あぁ、頼む」

 

「はいはい、ちょっと待っててね」

 

 

お袋は知ってるみたいだけどソルって言うのか。

 

 

「あぁ、コテツ。こっちは俺の知り合いでソル・バッドガイ。たまたま日本に来ていたみたいで招待したんだ」

 

「へぇ。俺は八代虎徹、よろしくなソルさん」

 

「あぁ。お前さんの事はライザーからよく聞いている」

 

 

一体何を言ったのか気になるぜ。

しっかし我が家が暑苦しい場所になっちまったな。

唯一の女性がお袋だけって、何の癒しにもなってねぇよ。

 

 

「はぁ、この国はどうなってんだよ。一言目には履歴書だなんて、おかしいぜ」

 

「んー、身元がはっきり分かってないと不安だからじゃないのか?」

 

「って言うかラグナさんって何処の国の人?」

 

「あぁ?・・・階層都市だよ」

 

 

階層都市って日本のすぐ近くじゃないか。

行ったことはないけど何か面白そうな場所だろ?

一回行って、最下層から最上層まで昇ってみたいと思っているんだよな。

 

 

「ったく・・・おいライザー、ソル。履歴書が無くても働ける場所はねぇのかよ」

 

「無茶苦茶な注文だな」

 

「・・・メンドクセェ」

 

「はい、お待たせ。大盛りにしておいたわね。それで何の話をしているの?」

 

「ラグナさん、履歴書が書けないってさ」

 

「あ、そうよね。ラグナ君は外国の人だから日本語は書けないわよね」

 

「いや、そうじゃな・・・」

 

「そう言う事なら私に任せなさい!」

 

 

そうだよな、日本語ペラペラだったから忘れていたけど、この3人って日本人じゃなかったな。

何で履歴書が書けないか不思議に思ったけど当たり前だった。

 

 

「おい、ライザー。何かあいつら勘違いしてねぇか」

 

「あはは・・・ここの家は基本的にこんな感じだ」

 

「あー・・・何か悪ぃな」

 

「いいのよ。おばさんがおせっかいなだけなんだから」

 

「そうそう、お袋の迷惑な世話好きは今に始まった事じゃないって」

 

 

ゴツッ!

 

 

「いてっ!何すんだよ!」

 

「アンタは黙って学校に行きなさい!」

 

「へいへい、分かったよ」

 

 

こうなったお袋は誰にも止められないな。

おっと、忘れるところだった。

 

 

「今日はうちの学園で球技大会があるんだけど暇だったら見に来てくれよな」

 

「球技大会?」

 

「詳しくは知らないけど一般の人にも公開して行うんだとさ」

 

 

ディズィー達にも伝えるよう、大自然に言ってあるしな。

ライザーさん達は一昨日から帰ってこなかったから伝えそこねていたぜ。

 

 

「殿ーっ!絶好の球技大会日和でござるよーーっ!」

 

「ほら半蔵君も来たよ、頑張って来るんだよ」

 

「おう!それじゃあ行ってきます!」

 

「行ってらっしゃい。まぁ気分転換の意味も込めて見に行こうぜ二人とも」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今日は僕の通う中学校は創立記念日で休み。

部長から駒王学園で行われる球技大会を見に来るようにと言われていた。

その道すがら僕の友人がいたので声をかける。

 

 

「あ、ケイ」

 

「あん?何だ、オメェかよ」

 

「む?相棒の知り合いか?」

 

「初めまして。ケイと同じ学校に通う木場祐斗です」

 

 

友人のケイ・ダッシュの隣にいた大柄な男性に自己紹介をする。

見た目は怖そうだけど・・・あのモミアゲ凄いね。

 

 

「俺はマキシマ、相棒が世話になっているようだな」

 

「チッ、お前は保護者かよ。このポンコツが」

 

「はっはっは。相棒は口は悪いが根はいい奴でな、気を悪くしないでくれ」

 

「はい、それは分かっています」

 

 

確かに学校でも色々と誤解されがちだけど何だかんだ言いながらも助けてくれるしね。

まぁ大体そう言うとケイの場合は・・・

 

 

「チッ、さっさと行くぞ」

 

「おいおい、別に照れなくてもいいだろう」

 

「照れてねぇよ!いいから行くぞ。遅れたらあいつに何を言われるか分かったもんじゃねぇ」

 

「何処に行くんだい?」

 

「俺達の仲間が学園で球技大会が開かれるから見に来ないかと言われていてな」

 

 

球技大会?

もしかして行き先が同じなのか。

 

 

「それって・・・駒王学園ですか?」

 

「そうだが、知っているのか?」

 

「はい。僕も招待されているんです」

 

「そうか。だったら案内を頼んでもいいか?」

 

「いいですよ」

 

 

マキシマさんと話している間もケイが先に進んでいく。

本当に見ていて飽きない友人だ。

マキシマさんもそんなケイの様子を見て苦笑を漏らす。

 

 

「全く、相棒は・・・すまんな」

 

「いえ。ケイ!駒王学園はそっちじゃないよ」

 

「・・・テメェらが早く来ねぇのが悪い。さっさと案内しろ木場」

 

「それじゃあ行きましょうか」

 

「そうだな」

 

 

マキシマさんと一緒に笑って駒王学園を目指す。

そういえばマキシマさんの着ている服・・・服?に着いているマークってどこかで見て事がある。

確か、製塩会社ネスツのシンボルマークじゃなかったっけ?

 

 

「マキシマさんはネスツで働いているんですか?」

 

「ん?あぁ、そうだ。今日は休みを取っていたんだが早朝に呼び出されていてな」

 

「何かあったのか?」

 

「いや、クリザリッドが過労で倒れただけだ。何の心配もいらんよ」

 

「けっ、いい気味だぜ」

 

 

恐らくは人の名前なんだろうけど随分な扱いを受けてる人みたいだ。

それにしても二人はどういった経緯で知り合ったんだろう。

年齢も違うし性格も違う。マキシマさんは相棒って言っていた事と関係あるのかもしれない。

 

 

「木場は身のこなしからして何かしているのか?」

 

「えぇ、剣術をしています」

 

 

僕は神器で剣を取り出して構える。

最近では学校での闘いにも参加しているからか自然と出せるようになった。

部長には悪いけど既に人間界に慣れてしまっている自分がいる。

突然人が空を飛んだり炎を出したりしても驚かなくなってしまった。

 

 

「ほぅ、能力者か。腕もよさそうだな」

 

「まだまだ俺の相手じゃねぇけどな」

 

「あはは。ケイが強すぎるんだよ」

 

 

まさか同学年で僕よりも速い人がいるとは思わなかった。

けど僕だって最近は、とある剣術道場に通って腕を磨いている。

そこの師範も一瞬で背後に回る速さを持つからいつか教えてもらいたいと思っている。

 

 

「ならば俺と闘ってみるか?訓練と思えばいい」

 

「いいんですか?」

 

「頑丈さには自信があるさ」

 

「・・・それで故障したら世話無いぜ」

 

 

マキシマさんからの意外な提案だ。

でも見た目からして戦車がよく似合う人だ。

将来行われるレーティングゲームのためにも色々なタイプの人と闘えば経験になる。

 

 

「そうですね・・・分かりました。()りましょう!」

 

「ちなみに俺が勝てばそこのクレープを奢ってもらうぞ」

 

「この甘党が・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それでは球技大会を開催する!」

 

 

いよいよ、この日がやってきた。

グラウンドに生徒全員が集まり空手先生の話を聞く。

身体が動けない琢磨は心配して着いてきたティセに支えられている。

 

 

「学年混合のチームで対戦し勝てば1ポイント、全ての試合が終了後に合計ポイントの多いクラスの優勝だ」

 

 

確か全部で7クラスあったな。

1クラスが30人前後だし学年もあるから×3で・・・

と、とにかくかなりの試合数になるわけだな!

 

 

「30人×7クラス×3学年で630人だな。そして6人制のバレーだから105チームだ」

 

「だから試合数としては52試合前後だね」

 

「・・・お、俺もそう思っていたところだ」

 

「嘘をつけ」

 

「あはは、指を折って数えていたからね」

 

 

琢磨と結城め、ちょっと自分達が頭いいからって。

俺だって考えればすぐに分かったはずだ。

 

 

「それにしてもさすがにチーム数が多すぎよね。今日中に終わるのかしら」

 

 

グレモリーの言う通りだ。

グラウンドと体育館が3つだろ?

何日かに分けた方がいいと思うぞ。

 

 

「なお試合会場については、この後発表される会場で行うように」

 

 

なんだ、他にも場所を確保していたのか。

どこかの広場とか他所の学校の体育館とか借りたのか。

 

 

「そして駒王学園特別ルールとして、武器、能力の使用を認める」

 

「え?」

 

「試合で用いるバレーボールは頑丈だが、万が一破壊した場合はそのチームは失格とする」

 

「はい?」

 

「相手コートに入らなければ対戦選手への攻撃を認める」

 

「何と!?」

 

「我々、教師陣チームが抜き打ちで乱入する。勝った場合は特別に10ポイント、負ければマイナス10ポイントだ」

 

「・・・解せん」

 

「以上だ。俺が最強の格闘王、KENJIだ!文句のある奴はかかってこい!」

 

 

短い時間で物凄く大変な事を説明された気がするな。

えーっと武器、能力が有りで対戦選手にも攻撃が可能。

おまけに先生達も乱入してくる?

ぬおーっ!無理に決まってんじゃねーか!

 

 

「これならいけますわね!」

 

「ちょっと待て神月!あのルールを聞いてその反応かよ!?」

 

「私達のクラスをお忘れですの?武器を持った方は少ないですが能力者は大勢いますわよ」

 

「うおおおっ!俺が一番だー!」

 

「へへっ、燃える展開じゃねぇか」

 

「よーっし!愛の力で絶対勝とうね!」

 

「山田さんも有りなのかな?」

 

「波動拳じゃ、ネットに当たっちゃうなぁ」

 

 

確かにこれなら勝てそうだな。

とは言え、俺みたいな一般人はどうやって生き延びるかを考えないと死んでしまう。

 

 

「半蔵はいいが、結城と琢磨。俺達やべぇな?」

 

「アスナはボクが守るデス」

 

「ありがとうフェルちゃん」

 

「武器が有りならば・・・ホウオウもありと言う事だな?」

 

 

あれ?何か大丈夫そうだぞ。

もしかしてこのクラスで一番危険なのは俺だけか?

グレモリーも飛び道具を使えていたしな。

 

 

「はっ!そうだ姫島!お前は危ないだろう!?」

 

「あの、危ない人みたいに言うのは止めて頂けませんの?」

 

「その素質は十分にあるだろうが・・・って俺が聞きたいのはそうじゃなくてだな」

 

「朱乃もコテツの言う飛び道具なら出せるわよ」

 

「何・・・だと?」

 

 

まずい、このままじゃ俺だけ死んでしまう。

何とかしなくては・・・

 

 

「チャンピオンさんなら大丈夫ですわ~」

 

「四条、お前はそれでいいのか」

 

「真剣勝負って素晴らしいじゃありませんか」

 

「お前はそういう奴だったな」

 

 

昨日行われた第1回定規戦争では見事に俺が優勝となった。

まぁ四条の奴がいきなり自分の定規を壊して俺の不戦勝だけどな。

それ以来何故かチャンピオンと呼ばれてしまっている。

・・・悪い気はしないがな!

 

 

「大丈夫でござるよ殿、拙者にお任せあれ!」

 

「任せていいんだな半蔵?」

 

「もちろんでござる!殿を守れずして何が忍びか!」

 

 

半蔵と同じチームなら何とかなるか。

いざとなれば分身を盾代わりにすればいいんだもんな。

 

 

「ふふん、その余裕がいつまで続くかしらね虎徹!」

 

「げぇっ、ガーネット!?」

 

「アンタの対戦相手は私達よ!」

 

 

中学時代の知り合いであるシルヴィ・ガーネット。

シスコンで手が剣になる便利なんだか不便なんだかよく分からない奴だ。

よくガーネットから妹にちょっかいを出したとか言って叩かれていたな。

後輩と話すだけで叩かれて、たまったものじゃなかったぜ。

 

 

「今日はよろしくね虎徹」

 

「ウィンド、お前も相手チームか」

 

 

でもウィンドは教会の娘ってだけだろ?

ゲーニッツさんも人が良さそうな人だったからな。

戦力として数えなくてもいいだろう。

となると相手はガーネットだけか。

ここはグリフォン先輩とトッキー先輩で抑えてもらおう。

 

 

「ふふふ、勝てる。これなら勝てるぜ!」

 

 

 




虎徹はウィンドの強さを知りません。
次回、カオスなバレーボールをお楽しみに。

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