はいすくーるDxD 平穏(笑)な日常   作:鶏唐

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まず最初に、すみません。

投稿したつもりで完全に抜けていました。
何か忘れているとは思っていたんですがね。
と、言うことで今回は2話連続で投稿しています。



第23話

「さぁ皆。考えて来たかしら?」

 

「一応、ですけど」

 

「ばっちりでござる」

 

「これで琢磨も活躍できるな」

 

「発表前から既に不安だ」

 

「いい気味デス」

 

 

いよいよ琢磨の強化計画をする時が来たようだ。

先輩は俺達を見渡すと実にいい笑顔で促してくる。

 

 

「じゃあ順番に発表してもらおうかしら。まずはアスナちゃんね」

 

「はい。やっぱり運動神経はバランス感覚が大事だと思うの」

 

「ふむ、一理あるな。バランスが駄目だと機体も二本足で立つことはできない」

 

 

琢磨らしい意見だな。

初めて琢磨の作った機体を見た時なんて4本足の機体だったもんな。

 

 

「そこでお兄ちゃんとお父さんにバランス感覚を矯正するためのツボを教えてもらったの」

 

 

おぉ、そんなツボがあるのか。

これなら琢磨もマシになるな。

 

 

「それじゃあ高藤君。後ろを向いてくれる?」

 

「あぁ、こうでいいのか」

 

「うん。えっと確かココだった、かな」

 

 

ゴリッ

 

 

「っ!?」

 

 

何か今、変な音がしたぞ。

琢磨が今まで見た事無いくらいに険しい顔しているし。

 

 

「結城嬢、本当に合っているでござるか?」

 

「あれ?間違ったかな?こっちだったような・・・」

 

 

メキッ

 

 

「っ!!!」

 

「鳴ってはいけない音が鳴ったデス」

 

「面白いからもう少し見守りましょう」

 

「ゆ、結城さん。ほ、本当に大丈夫なんだろうな」

 

「うん、大丈夫だよ。ほら、大人しくしていて」

 

 

ブチッ

 

 

「お、おい。何か今切れた音がしたぞ」

 

「琢磨?大丈夫でござるか?」

 

「・・・・・・・・」

 

 

バタッ

 

 

「「琢磨ーーーっ!」」

 

「高藤君!?」

 

「あらら、琢磨ちゃんには刺激が強すぎたみたいね」

 

「刺激の方向性がおかしいデス」

 

 

結城、なんて恐ろしい奴なんだ。

指先一つでダウンとは、さすが結城道場の娘なだけはあるぜ。

 

 

「琢磨!無事か!」

 

「ぐ・・あ・・・あぁ、一瞬だが綺麗な川が見えた」

 

「それは大丈夫とは言わないでござるよ」

 

 

助け起こせば何とか意識を取り戻した様子の琢磨。

それは三途の川って言うんじゃねぇのか。

 

 

「ごめんね高藤君」

 

「いや、結城さんは悪くない・・・はずだ」

 

「それで効果はあったデス?」

 

「む・・・そういえば心なしかスッキリしたような」

 

「ふーん、確かにツボの効果はあったようね。先ほどよりは重心が降りて安定しているわよ」

 

 

俺にはよく分からないが先輩が言うならそうなんだろう。

結城のツボ押しは一応効果はあったみたいだな。

 

 

「しかし特に運動ができるようになった気はしないな」

 

「体力や力が上がったわけでは無いでござるよ。結局は琢磨の運動神経次第でござる」

 

「あれ?それって結局意味が無いって事か?」

 

「そんな事は無いわよ。バランスが安定するって事は次の動作にスムーズに動けると言う事だもの、あって損は無いわね」

 

「劇的に効果があるわけじゃないって事か。地味だな」

 

「今度はちゃんとできるようにお兄ちゃんとお父さんに習っておくね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

おかしいなぁ、習った通りにしたつもりだったんだけど。

お父さんはセンスが無い相手にも効果があるって言ってたのに。

 

 

「さて、次はどちらかしら?」

 

「では拙者が」

 

「半蔵は薬だったか・・・お手柔らかに頼むぞ」

 

「問題ないでござるよ。琢磨もこれを飲めばあっという間に超人になれるでござる」

 

「・・・既に嫌な予感しかしないな」

 

 

それって危ない薬じゃないよね?

服部君は問題ないって言ってるけど本当かな。

そういえば八代君も一緒に行ったはず。

 

 

「八代君。本当にあの薬大丈夫なの?」

 

「知らね。俺は大自然の力を借りるので忙しかったからな」

 

「ナコルルの?」

 

「あぁ。結局駄目だったけどな・・・あ、忘れてた。ディズィーのあだ名も考えないと・・・」

 

 

ディズィー?あの森に住んでる人の名前かな?

それにしても人に変なあだ名をつける癖、まだ治ってないんだ。

私は何とか止めてもらったけど、突然付けようとするから注意が必要だね。

リアスや朱乃にも気をつけるように言っておかないと。

 

 

「ふむ。怪しさ満点だが・・・試してみるか」

 

「ささっ、ぐいっと行くでござる」

 

「タクマちゃん一気よ一気!」

 

 

グイッ

 

 

ゴクゴクゴクゴクッ

 

 

「あの薬の入っている瓶、髑髏マークが描かれているデスヨ」

 

「危険なほど効き目があるって事じゃないのか?」

 

「それは危ない方の薬だよ」

 

 

服部君とティナ先輩に促されて一気飲みをする高藤君。

飲み干すと自分の動きを確かめるように両手を握ったり開いたりしている。

 

 

「・・・これは」

 

「どう?タクマちゃん」

 

「今までに無いくらい身体が軽くて力が漲ってきます」

 

「マジか。すげぇな」

 

「本当に効き目があったんだ」

 

 

話を聞いただけなら普通は信じないような効果なのに。

 

 

「ハンゾーもやればできるデスネ」

 

「えっへん。どうでござるか!」

 

「あれ?でもこれって何時まで続くの?」

 

「さぁ?拙者は知らぬでござる」

 

「・・・おい、待て」

 

「ちなみに薬の効果が切れると1週間は歩けない副作用があるらしいでござるよ」

 

「何故それを先に言わない!」

 

「だって聞かれなかったでござる」

 

 

本番は4日後なんだけど・・・

薬って効き目が長くても一日も持たないはずだよね?

と、言う事は本番は歩けない状態って事だよ・・・

 

 

「あらら、ハンゾーちゃん。駄目でしょ、ちゃんと確認しないと」

 

「面目ないでござる。しかし琢磨なら科学の力で何とかするでござるよ」

 

「そういった信頼はお断りだ」

 

「ふっ。どうやら俺の出番がやってきたようだな」

 

 

何処か得意気な八代君。

この時点で嫌な予感しかしないのは何故だろう。

きっと今までの前科が一杯あるせいだね。

 

 

「虎徹。一応聞いておくが・・・例の本に頼ったのか?」

 

「いや、違うぜ。森で大自然達と話していた時に思いついた、とっておきの方法だ」

 

「まぁ信じる事にしよう・・・ん、森?」

 

「あれ、高藤君知らないんだっけ?ナコルルは森の奥で暮らしているんだよ」

 

「うむ、さすがは大自然の巫女でござる。自然と共にあろうとする心意気は立派でござるな」

 

 

私も遊びに行った事はあるけど一人だったら絶対に迷う自信がある。

夜中は野犬が出るって言うし、怖いよね。

そういえばあの森の名前も怖い名前だったなぁ、何だっけ?えーっと・・・

 

 

「悪魔の棲む地、だっけ?」

 

「そうそう、物騒な名前だよな」

 

「へぇ、面白い名前の場所ね。由来は何なのかしら」

 

「・・・悪魔の棲む地、だと?」

 

「知っているのか琢磨!?」

 

「知っているでござるか琢磨!?」

 

「知っているが何故驚く?」

 

「いや、何故か驚かなくちゃいけない気がして」

 

「同じくノリでござる」

 

 

相変わらず変なノリだなぁ二人とも。

 

 

「悪魔の棲む地。まさか駒王町にあるとはな」

 

「悪魔でも棲んでるデス?」

 

「まさか。大自然みたいな森一族ぐらいだろ」

 

「何デスカ、その一族って」

 

「まぁ人は知らない事に恐怖を持つものよ。自然と悪魔なんて言葉が出てきても不思議ではないわね」

 

 

不思議と説得力があるなぁティナ先輩。

それにしてもナコルルの苗字って森だったんだ。

一族って事は親戚の家があるのかな?

 

 

「とにかくだ、俺の方法は動けなくなっても大丈夫だから安心しろ」

 

「君がそう言って自信満々な時ほど碌なことは無い」

 

「うん、それには私も同意かな」

 

「失礼な奴らだな!これを見てから言ってみろ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「半蔵!」

 

「御意!」

 

 

ボフンッ

 

 

俺の言葉に半蔵は分身の術で二人になる。

琢磨に結城め、俺の考えた案に驚くがいい!

 

 

「本気で何をするつもりだ?」

 

「いいから大人しくしておけって、半蔵頼んだぜ」

 

「承知でござる」

 

 

琢磨の背後に回ると、どてらを着込む半蔵。

 

 

「さぁ琢磨、今こそ合体でござる!」

 

「いや、もう展開は読めた」

 

「これ、二人羽織だよね」

 

「甘いな結城。これは三人羽織だ」

 

「え?でも高藤君と服部君で二人でしょ?」

 

「さらにそこにデス様をトッピング!」

 

「人を調味料みたいに言わない欲しいデス!」

 

 

二人羽織となった琢磨と半蔵にデス様を合体!

これぞディズィーと背中の二人を見て思いついた琢磨パワーアップ計画だ。

結局あの背中の二人が何だったのか分からないが、まぁ細かい事はいいか。

 

 

「ねぇトラちゃん」

 

「何すか先輩?」

 

「デス様を入れた意味はあったのかしら?」

 

「フェルちゃんは高藤君の頭の上に乗っているだけだよ」

 

「デス様の役目は半蔵の目、だな。見えないと危ないだろ」

 

「虎徹、これには致命的な欠陥があるぞ」

 

 

そんな馬鹿な。俺の完璧な計画に欠陥だと?

一体何が不満だって言うんだ。

 

 

「確かに試合当日は身体が動かないため半蔵が動かすという発想はいい。しかし、どう見てもバレるだろう」

 

「そうか?真正面から見れば案外大丈夫じゃね?」

 

「他の学生が観客としているんだぞ。無理に決まっている」

 

 

そうだった、俺とした事がこんな事にも気づかなかったとは。

いや、だがまだ大丈夫だ。

 

 

「半蔵、確か姿を消せたよな?」

 

「うむ。外国の忍者に教わったでござる。ふぁいんどみー!」

 

 

おぉ、本当に姿が消えたぞ。

これなら問題ないな。

 

 

「どうよ?」

 

「・・・姿は消えたけど服部君のいる場所が膨らんでるよ?」

 

「背中に突起物があるって事でいいだろ」

 

 

琢磨なら不思議じゃない。

以前も変な道具が入ったバックパックを背負っていたし。

 

 

「それもそうね。タクマちゃん、これならいいわね」

 

「・・・はぁ、どうなっても知りませんよ」

 

「ボクはどうすればいいデス?」

 

「デス様は拙者にボールが来たら方角を教えてくれるだけで十分でござる」

 

「まぁそのくらいな別に構わないデスヨ」

 

 

うんうん、これで琢磨も安心して試合に参加できるってもんだな。

そうだ、二人羽織・・・じゃなかった三人羽織と言えばこれだな。

 

 

「半蔵、これを琢磨に飲ませるんだ。上手く飲ませる事が出来たら試合も勝てるはずだ」

 

「承知でござる!デス様は案内を、琢磨は殿の前まで歩くでござる」

 

「任せるデス」

 

「やれやれ・・・」

 

 

俺の元までやってくる琢磨達。

俺が鞄から取り出した水筒をデス様の指示で半蔵が掴む。

 

 

「うーむ、コレは何でござるか?」

 

「水筒デスネ」

 

「おぉ、なるほど。ではコップを外して・・・」

 

「ボタンを押せば中が出るようになっているデス」

 

「むむ・・・これでござるな」

 

 

思った以上に順調だな。

水筒のコップに中身を注いで行く。

そして注いだコップを琢磨の口へと寄せていった。

 

 

「ん?虎徹、聞いておきたいんだが」

 

「どうした琢磨」

 

「これは匂いからして麦茶か?」

 

「あぁ、そうだぜ。それは・・・」

 

「ふむ・・・なら大丈夫だろう」

 

 

ぐいっ

 

 

「ささ、琢磨。飲むでござる」

 

「案外簡単デスネ」

 

 

ごくりっ

 

 

「俺が作った特製麦茶だ」

 

「なん・・・だと?」

 

「八代君、一人で料理しちゃ駄目だっていつも言ってるでしょ!」

 

「タクマちゃん、大丈夫!?」

 

 

あれ?何で俺は結城に怒られているんだ?

先輩も何で琢磨を心配しているんだ?

まるで俺の料理が下手みたいじゃないか。

これでも人並みと思っているんだぞ。

 

 

「今のところは何もありまん・・・が、どうなるか分かったものじゃないな」

 

「殿、拙者に犯罪の片棒を担がせるつもりだったでござるか!」

 

「ごくごく、普通の麦茶デスヨ?」

 

「フェルちゃん、駄目!」

 

 

あ、俺の水筒を取り上げやがった。

半蔵と言い皆失礼だな。

たかが麦茶だろ、さすがに俺だって作れるぜ。

 

 

「今日はもう帰った方がいいわね」

 

「ええ、そうですね」

 

「明日が琢磨の命日にならぬ事を祈るでござるよ」

 

「服部君、本当にそうなりそうだからやめてよ」

 

 

 




ifシリーズ~MUGENキャラで本編が進んでいたら~


「これが僕の禁手双覇の聖魔剣(ソード・オブ・ビトレイヤー)だ!」

「アレは!?」

「祐斗先輩の頭上に"木"の文字が浮かんでます」

「そして先生から教わった奥義で!」

デーンデーンデーン

「何処からか曲が流れてきたわよ!?」



もう無茶苦茶だな、これ。
"木"とか4画ですか、何て溜まりやすいB Styleだ。


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