はいすくーるDxD 平穏(笑)な日常   作:鶏唐

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ifシリーズ~MUGENキャラで本編が進んでいたら~


「ねぇコテツ」

「何だグレモリー?」

「休日に町を歩いていると音楽が流れてくるんだけど、アレは何なの?」

「あぁ、誰か一撃必殺でも使ったんだろう。学校でもよく聞くじゃねぇか」

「一撃必殺って何よ。それに聞いたことは無い・・・」

テレッテー

「新しく保険医に入った先生だな、コレは」

「どうなってるのよ、この学園は!」



第22話

「・・・・・・・・これで、どうだ!」

 

「わ、えっと、その、ごめんなさい!」

 

「何と!拙者も切り札を出す時が来たようでござる!」

 

「ふぉっふぉふぉ、お返しじゃ」

 

「切り札なら私も持っていますよ」

 

「ぐああーっ!1周してきやがった!」

 

 

ちくしょう、これで終わりだと思ったのに!

 

 

「・・・おい、何故ニンゲン達が集まってUNOをしているんだ」

 

「まぁまぁ、いいじゃないか」

 

 

ジト目で睨んでくるロンゲの兄ちゃん、テスタメントさんだっけ?を尻目に俺達はUNOで遊んでいた。

と、言うのも森の中で出会った女の子、ディズィーに着いて行っていた最中に半蔵の目的の人物である爺さんと合流。

それでディズィーの家に着いてお互い自己紹介をしたところで爺さんがUNOを取り出したからだ。

後はディズィーと大自然にルールを教えてひたすら遊んでいた。

 

 

「ディズィー。どうしてニンゲンを連れて来たんだ」

 

「え?だって皆さんが貴方の知り合いだって言うから」

 

「わしは知らんぞ」

 

「私も知りません」

 

「俺は知ってるぞ」

 

「拙者も知っているでござる」

 

「・・・はぁ。後ろの少年二人が夜中に出歩いていたから注意していただけだ」

 

「えぇっ!そうだったんですか!?」

 

 

全く、何を今更。

俺はそう言ったじゃないか、心の中で。

自分勝手に呆れていると驚いたディズィー・・・・うーむ

 

 

「呼びづらいな」

 

「はい?」

 

「ディズィーって名前が呼びづらい。あだ名つけてもいいか?」

 

「さすが殿!拙者もそう思っていたところでござる」

 

「あぁ、物凄く聞き覚えのある会話です」

 

「面白そうじゃのぅ」

 

 

同じ初めて会ったにしても爺さんはいいんだよ。

ウブって短いから簡単に覚えられるし。

テスタメントさんは何か変なあだ名を付けた途端に手に持っている鎌で斬りかかってきそうだしな。

 

 

「あだ名・・・何だかいい響きですね!」

 

「お、おう。そうか」

 

 

思った以上に食いつきがよかった。

寂しがりやなのか?

こんな森に二人で暮らしていたら分からないでもないな。

 

 

「ディズィーさん。今のうちに辞めておくべきだと思います。後悔するのは貴女ですよ」

 

「そうだディズィー、そもそもニンゲンと関わると碌な事にはならない」

 

 

なんと、テスタメントさんだけでなく大自然まで敵に回ってしまうとは。

大自然め、一体何が気に入らないと言うんだ。

 

 

「そもそも!虎徹さんは私に何か聞きたかったんじゃないんですか?」

 

「え?UNOをしに来ただけだけど」

 

「うむ、中々白熱した戦いでござった」

 

「違うでしょ!虎徹さんは私に、半蔵さんはウブさんに用事があったんでしょう!」

 

 

あれ?そう言われるとそんな理由だったような気がしないでもないな。

何でディズィーの家に来る事になったんだっけ?

 

 

「・・・・・・・あっ」

 

 

ポンッ

 

 

「おぉ、すっかり忘れてたぜ」

 

「どうしたでござるか殿?」

 

「大自然に琢磨のパワーアップについて聞こうとしていたんだった」

 

「琢磨?・・・・・・・・・・おぉ、そういえばそうでござったな!」

 

「わしを呼びつけた本人が忘れるとはの。嬢ちゃんも苦労しておるようじゃな」

 

「うぅ、虎徹さん達に関わるといつもこんな事ばかりです」

 

「ニンゲン、さすがに同情するぞ」

 

 

むぅ、何だか知らないがディズィーのあだ名をつける雰囲気じゃなくなったな。

先に用事を済ませないと大自然が大噴火になってしまう。

・・・・全然上手くないな。口にしないで正解だったぜ。

 

 

「殿!早く用事を済ませねば大自然の巫女殿が大噴火の巫女殿になってしまうでござるよ」

 

 

ゴスッ

 

 

どやぁ、と得意げな半蔵の頭を殴っておく。

 

 

「とりあえず皆に集まってもらったのは他でもない。琢磨の運動音痴を治したいんだが何かいい手は無いか?」

 

「琢磨さんのですか?・・・アレは筋金入りですよ」

 

「誰じゃね、半蔵君の知り合いかい?」

 

「うむ、拙者の親友でござる。頭でっかちで知識は凄いでござるが運動をすると途端に、ぽんこつになるでござる」

 

 

半蔵、それは褒めているのか?

いや、まぁ合ってるから別にいいけどよ。

 

 

「で、ディズィーとテスタメントさんも一緒に考えてくれ。同じ森一族の仲間だろ」

 

「森一族?」

 

「言語はわかるが言っている意味が分からない」

 

「虎徹さんにそれを言うのは無意味です。すみませんが諦めてください」

 

 

首を傾げるディズィーと何やらコソコソと二人で話しているテスタメントさんと大自然。

さすが自然の力を操る連中だ。もう案が浮かんだのか。

 

 

「ウブ殿もよい薬は無いでござろうか」

 

「・・・ちなみにその琢磨、とやらは背は低いかの?」

 

「?普通ぐらいの高さでござるよ」

 

「よし協力しよう!1日どのようなスポーツもこなせる薬なんてどうじゃ?」

 

「おぉ、素晴らしいでござる!」

 

「じゃがその代わり、次の日から1週間ほど歩けぬ身体になってしまうがの」

 

「ぬぅ・・・琢磨なら問題ないでござろう。頂くでござる」

 

 

ウブの爺さんはもう見つけたのか。

後は俺の方だな。

 

 

「その琢磨さん、と言う方はスポーツが得意ではないんですよね?」

 

「おう、そうだぞ」

 

「でしたら一杯練習すればいいんですよ」

 

「はぁ・・・分かってないなディズィー」

 

「え?駄目ですか?」

 

「そんなの面白くないだろ!」

 

「えぇっ!?」

 

「そうですよね・・・虎徹さんならそう言うだろうと思ってました」

 

 

全くディズィーの奴は何も分かっていないな。

俺達、知的探求部の行動理念は面白くなければ駄目だって言うのに。

 

 

「そもそも虎徹さんは私に何を期待していたんですか?」

 

「何って・・・自然パワー的な力とか?」

 

「馬鹿にしてますよね、それ」

 

 

笑顔で怒る人なんて久しぶりに見たぜ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ここが・・・そうか」

 

「見た目はとてもそう見えないな」

 

「名店、と言うのはそういうものだよ」

 

 

親父さんに連れられて俺とラグナは噂のうどん屋に来ていた。

親父さんに合流するまでのラグナは常にそわそわして落ち着きがなかった。

それに昼からずっと付き合う俺の身にもなって欲しいものだ。

正直な話、俺はうどんは嫌いじゃないがそこまで好きじゃない。

まぁ虎徹のノリに合わせる形で来たので別にいいんだけど。

 

 

「って言うか寿司屋じゃないっすか」

 

「うん?言ってなかったっけ」

 

「いや、まぁ確かに寿司屋にもうどんはあるだろうけどよ」

 

「ここのうどんは隠しメニューなんだよ。さぁ入ろうか」

 

 

うどん屋かと思ったら寿司屋だった。

寿司屋のうどんって、サイドメニューだろ?

しかも回らない寿司屋、本当に美味いのか疑問だ。

 

 

ガラガラッ

 

 

「へい、らっしゃい」

 

「3名だけどいいですか?」

 

「八代さんか、どうぞ」

 

「「・・・・・」」

 

「ほら二人ともこっちだ」

 

 

すいすいと中に入っていく親父さん。

俺とラグナもそれに着いて行くがカウンターに座っているマスター、じゃなくて大将を見て動きを止めた。

海賊帽子を被って白ひげを蓄えた筋肉隆々とした初老の男がいれば俺達じゃなくても動きを止めると思う。

 

 

「どうしたんだ?」

 

「あ、いや何でも・・・おい、ラグナ」

 

「あ、あぁ。邪魔するぜ」

 

 

我に帰ってラグナと一緒に親父さんの座っているカウンター前に腰を下ろす。

っつーか大将、寿司握るような人間に見えないぞ。

 

 

「注文は?」

 

「例のものを3つ、それと適当に握ってください」

 

「へい」

 

 

さすが親父さん、タダものじゃねぇな。

あの大将と平然と会話をしている。

大将が店の奥に行ったのを見計らってラグナが耳打ちしてきた。

 

 

「おい、本当に大丈夫なんだろうな、この店」

 

「俺に聞くなよ。親父さんも何度か来た事があるって言ってるんだから大丈夫だろ」

 

「騙されてんじゃねぇだろうな・・・」

 

 

そう思いたいのは俺だって一緒だ。

帰ろうと、言おうとしたが親父さんは平然としているし大将も戻ってきたため断念する。

そして見事な手際で寿司を握っていく。

 

 

「・・・寿司3人前、お待ち」

 

「ありがとう大将。二人とも、ここはメインの寿司も美味いんだよ。ほら、食べなさい」

 

「お、おう」

 

「い、いただきます」

 

 

目の前に置かれた握りずし。

ネタはマグロなど至って普通のネタみたいだな。

親父さんも食べてるし俺も覚悟を決めて食べてみる。

 

 

パクッ

 

 

「・・・美味い」

 

「・・・美味ぇ」

 

 

寿司を食べるのは初めてじゃないが今まで食べてきた寿司とは全然違う。

思わず次へと箸が進むのを見て親父さんが笑った。

 

 

「ははは、今回はうどんがメインなのを忘れていないかい二人とも?」

 

「天玉うどん3つお待ち」

 

 

おっと、そうだった。

危うく忘れるところだったな。

ドンッと置かれた湯気をたてる丼に目を向ける。

 

 

「こいつが伝説の天玉うどんか・・・」

 

「伝説って、おおげさだなラグナ」

 

 

普段の無愛想な顔から一転して真剣な表情で天玉うどんをじっと見るラグナ。

よっぽど天玉うどんが好きなんだな。

しかし親父さんが極上と呼ぶほどのうどんだ。気にはなるな。

 

 

「では・・・いただきます」

 

 

ずるずるずる

 

 

「「・・・・・・・・」」

 

 

ずるずるずるずるっ!

 

 

「どうだい味は・・・って聞くまでも無いみたいだな」

 

「当然だ」

 

 

あ・・・気がつけば食べてしまっていた。

まさか、こんなうどんが存在するとは・・・

俺が今まで食べてきたうどんとは一体何だったんだ。

親父さんが極上と称するのに相応しい天玉うどんだった。

 

 

「大将、お代わり!」

 

「悪いがうちはお代わり禁止だぜ兄ちゃん」

 

「なっ!頼む!後一杯だけでいいんだ!」

 

「何と言われようが駄目なもんは駄目だ」

 

 

チャキッ

 

 

ラグナ、気持ちは分かるが食事のマナーぐらいは守れよ。

そして大将、その剣はどっから出したんだ。

よく見ると剣の柄のところに拳銃が取り付けられている。

見た目といいおっかない大将だ。

 

 

「満足できたみたいで紹介した私も嬉しいよ」

 

「えぇ、寿司も美味いし本当にありがとうございます親父さん」

 

 

ラグナと大将が言い争いから闘いに発展しそうなのを親父さんと遠目に見ながら寿司をつまむ。

しかし変わった名前の店だな、瀬流万手寿って何て読むんだ?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

うーむ、まさか自然パワーが役に立たないとは。

他に琢磨の運動音痴を治せそうな方法は無いかね。

 

 

「あ、そうだ。アレがあったな」

 

 

ドサドサッ

 

 

大量の本を出現させる。

大自然は慣れた様子だったが初めて見る3人は驚いた様子だった。

特にテスタメントさんはディズィーの前に出て鎌を構えるほどだ。

 

 

「ニンゲン、それは何だ」

 

「俺にもよく分からない落書きノート」

 

「明らかに今、魔力を感じた。何らかの魔道書か?」

 

「うーん、そんなステキな本じゃないと思うけどな」

 

 

一冊をテスタメントさんに渡すと難しい顔で本とにらめっこを始めた。

そこで後ろのディズィーの変化に気づいた。

 

 

「なぁディズィー」

 

「何ですか?」

 

「その後ろにいるのって何だ?」

 

「え?あっ!だ、駄目二人とも!」

 

 

ディズィーの背中?肩?に緑頭巾と水色の姉ちゃんがいた。

何だか怒ってるというよりは警戒してる?

ふむ、イマイチ状況が分からないが・・・面白そうだ。

 

 

「大丈夫・・・ちょっと驚いただけだよね。危なくないから落ち着いて・・・」

 

 

ぺたぺた

 

 

「おぉ、触れるぜ。幽霊か何かと思った」

 

「御菓子を食べさせてもよいでござろうか?」

 

「え?」

 

「ニンゲンども!ディズィーから離れろ!」

 

 

何だよ、そんなに怒らなくてもいいじゃないか。

ペタペタと緑頭巾を触ってみれば感触があるな。

半蔵も水色の姉ちゃんにクッキーを上げようとしていた。

 

 

「なぁなぁ、こいつらの名前は?」

 

「え、えっと・・・この子がネクロで、この子がウンディーネです」

 

「ネクロって言うのか。骨みたいな顔してるんだな、お?背中から出てるのか」

 

「ひゃんっ!そこは触らないでください!」

 

「この"しゅーくりーむ"は格別でござるよ。しかしこれは拙者の・・・ああっ!食べた!拙者のでござるよ!」

 

 

背中から出ているって事は・・・そうか、寄生虫の仲間だな。

やたらと露出した服装になったからドキッとしたが、ネクロとウンディーネが出やすいそうになっているのか?

まるで二人羽織みたい・・・・はっ!こ、これだ!

 

 

「虎徹さん、女性の身体をじろじろと見るのは関心しませんよ」

 

「それ以上ディズィーに触れようものならば斬る!」

 

「おぅ、悪い悪い。ほらディズィーにネクロも悪かったな」

 

「い、いえ・・・その、大丈夫ですから。ネクロも怒ってないよね?」

 

「殿ぉっ!うんでぃーね嬢が拙者のしゅーくりーむを~!」

 

「そんなのいつでも買えるからいいじゃないか」

 

 

ネクロも困ったような顔をしているが怒ってはないみたいで安心したぜ。

骸骨の顔してるから怖い印象だけど実際は違うみたいだな。

 

 

カッ

 

 

「きゃっ!」

 

「おぉ、何やら本が光ったが何じゃこれは?」

 

「・・・さぁ?」

 

 

チャキッ

 

 

「正直に言え。何をした」

 

「俺も知らねぇよ!だからその鎌を離してくれ!」

 

 

一安心したところで本が光ったかと思うと、その光がディズィーを包み込んだ。

やっぱり変な事しかしないな、この本。

 

 

「ディズィーさん、大丈夫ですか?」

 

「はい、突然でびっくりしましたけど特に何ともありませんよ?」

 

「・・・命拾いしたなニンゲン」

 

 

おぉ、怖ぇ。テスタメントさん、どんだけ過保護なんだよ。

しっかし・・・何ともない?

 

 

「半蔵、大自然。どう思うよ」

 

「殿の本が光って何も無かったなど、これまで無かったでござる」

 

「絶対、何かやらかしましたね」

 

 

やっぱり二人もそう思うよな。

でも本人は問題無いって言ってるしな。

 

 

「む?・・・ディズィー」

 

「?」

 

「いや、これは・・・ギアの力が感じられないだと?」

 

「え、でもネクロとウンディーネはいますし、私も力は感じますよ」

 

「これは一体どういうことだ・・・」

 

 

ぎあ?確か歯車だったっけ?

歯車の力、何か弱そうな力だな。

っと、話しているところ悪いがそろそろ帰らないとテレビが始まってしまう。

 

 

「あー、悪いけど俺そろそろ帰るけどいいか?」

 

「では拙者もお暇するでござる」

 

「そうですね。さすがに何時までもお邪魔するわけには行きませんし」

 

「わしも夕餉の支度があるからのう」

 

「もう帰っちゃうんですか?」

 

 

他の皆も帰る事を告げると寂しそうな顔になるディズィー。

何だか俺が苛めているみたいじゃないか。

 

 

「あー、でもディズィーのあだ名をまだ決めてないし。また今度来るな」

 

「・・・いいんですか?」

 

「うん?来ちゃまずいか?」

 

「い、いえ。そういうわけじゃないですけど」

 

「こんなに面白い友達が出来たんだ。また遊ぼうぜ」

 

「友達・・・・は、はいっ!」

 

 

何ていうか純粋って言葉が似合うな。

あと、何か動作が犬っぽい。

黄色いリボンを見てバナナとか、ネクロとウンディーネを合わせてアシュ○マンとか名づけようとしたけど考え直すか。

 

 

 

 

 




半蔵知り合いの薬師は、おじいさんキャラなら誰でもよかったです。
某アンバーは制限に引っかかりますしね。

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