はいすくーるDxD 平穏(笑)な日常   作:鶏唐

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ifシリーズ~MUGENキャラで本編が進んでいたら~

「それでは今日は委員会を決める」

「なぁヨハン先生」

「どうした八代」

「清掃委員はゲージMAXって書いてあるけどゲージって何だ?」

「給食委員はブロッキングできれば完璧って・・・この学園に給食はないぞ」

「ボクは飼育小屋にいた方がいいような気してきたデス」

「校長のお達しだ。私が聞きたいぐらいだ」



飼育小屋・・・本編で使えますね。
さて、登場できそうな生物は何がいましたっけ。



第21話

ドンッ

 

 

「ほらほらラグナ君、どんどん食べなさい」

 

「うっぷ・・・お、おう」

 

「お袋、さすがにこれ以上は無理だろ」

 

「何を言ってるの!男の子なんだからまだまだ食べるわよね?」

 

「俺も初めて来た時はこんな感じだったなぁ」

 

「ラグナ君、無理はしなくていいからな」

 

 

ラグナさんを泊めた次の日、朝からお袋のフルコースに手をつけるラグナさん。

田舎のばあちゃんの家でもこんな感じで次から次へと飯が出てくるんだよな。

あぁ、ちなみに俺達は普通の朝食だ。

 

 

「タダで泊めてくれた上にこんなに飯までもらっちまって、なんか悪いな」

 

「いいのよ。ラグナ君は細いし格好いいからサービスしちゃうわね」

 

 

ドンッ

 

 

大盛りのポテトサラダがラグナさんがやっとの思いで減らしていた皿に追加される。

一日の飯の量じゃねぇぞお袋。そしてまた料理するためか台所に戻っていく。

どれだけ張り切ってんだよ。

 

 

「それでラグナ君はどうしてこの町に来たんだい?観光かい?」

 

「あぁ、それなんだが一つ聞いてもいいか」

 

「何だい?」

 

「この町に一番美味い天玉うどんがあるって聞いたんだが本当か?」

 

 

天玉うどん?そんなのあったっけな。

この町の名物と言われても何処にでもある町だしな。

観光名所なんて無いと思うけど・・・あ、リーアランドがあるか。

 

 

「んー、俺も数年ここにいたけど聞いたこと無いな。親父さん知ってますか?」

 

「ふむ、それを知っていると言う事はかなりの通だね」

 

「親父知ってんのか」

 

「あぁ。うどんの全国大会で優勝した店だね。雑誌にもテレビにも店の住所を載せていない常連だけが知る穴場だよ」

 

「何でそんなのが全国大会に出たんだよ」

 

「常連が応募したようでそのまま出場したみたいだな。私も以前に社長に連れて行ってもらったが・・・」

 

「で、・・・どうなんだ味は」

 

 

何でうどんでここまで真剣な表情ができるんだラグナさんは。

親父もノリなのか神妙な顔で頷いているし。

 

 

「極上、この一言に尽きるね」

 

「っ!?・・・頼む!俺をその店に連れて行ってくれ!」

 

「そうだな、こうして出会ったのも何かの縁だ。都合をつけようじゃないか」

 

「本当か!」

 

 

ガタッ

 

 

え、何このノリ?

俺も一緒に行くべきか?

いや、でも今日は大自然の家に行くからな。

 

 

「じゃあライザーさん、よろしく」

 

「・・・そうだな。俺も聞いていて食べたくなってきた。親父さん、俺も連れて行ってください!」

 

「分かった、二人とも夕方に駒王駅前にいなさい。私も仕事が終わり次第合流しよう」

 

「「おう!」」

 

 

いいな、俺も用事が無ければ行くんだけど。

今度親父に連れて行ってもらおう。

 

 

「殿ぉーーーーーーーーっ!」

 

「お、半蔵だ。じゃあ俺行って来るな」

 

「あぁ気をつけるんだぞ」

 

「ティナによろしくな」

 

「まぁ頑張れよ」

 

「行ってらっしゃい、車と辻斬りには気をつけるんだよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さて、虎徹と半蔵はそろそろ家を出る頃だな。

二人に取り付けている発信機が動いているのを見ながら教室の時計を確認する。

今日は家を出るのが若干遅いな、いつも5分前には教室にいるのだがこの調子だと3分前と行った所だろうか。

 

 

「あれ、高藤君。何を見てるの?」

 

「あぁ虎徹と半蔵の居場所を確認していただけだ」

 

「それって発信機?」

 

「そうだ。バティン先輩からもらったチェスのキーホルダーに細工をしたんだ・・む、通信?誰からだ」

 

「・・・ねぇ、高藤君。それ見せてもらってもいい?」

 

「あぁ構わない。すまないが少し席を外す」

 

 

結城さんなら下手な事はしないだろう。

僕は結城さんに断って教室を出て階段の踊り場に移動して通信機を取り出す。

 

 

ピッ

 

 

『遅いぜ。俺だったからよかったが女性を待たすようじゃあ、ミステイクだ』

 

「・・・唐突に連絡しておいて随分な一言だな、ジョニー団長」

 

 

通信の相手はジェリーフィッシュ快賊団の団長からだった。

世界中の権力者達に顔が聞くためか、まともな人間としては唯一のA級ランクの危険度を持っている変わった男だ。

駒王町に本拠地があるとは言え、今は行方をくらましていたはずだが?

 

『どうだい女性のエスコートは上手くなったか?』

 

「切るぞ」

 

『まぁ落ち着きなって、今日はちょいとお前さんに探し人を依頼したい』

 

「ふむ、別に構わないが。それでどんな女性だ?」

 

『残念ながらそいつはまだ分からないな。悪魔の棲む地と呼ばれる場所にギアいると噂がある』

 

「・・・ギア、か」

 

 

どこぞの馬鹿が生み出した生体兵器だったか。

しかし指揮官機は3年前に破壊されたはずだが?

 

 

『ただその噂が至るところから発生していてな。場所の特定をお前さんに依頼したいってわけだ』

 

「分かった。そういう事なら引き受けよう、期限はいつまでだ?」

 

『早ければ早い方がいい。あぁ、後は他にも依頼を受けてくれそうな相手がいたら教えてくれ。当然、女性でな』

 

 

本当にこいつの女性好きはどうにかならないものか。

老若問わず口説くからな。

結城さん達を合わせると大変な事になるのは目に見えている。

いっその事ココノエ博士や大道寺博士あたりでも紹介して痛い目をみればいい。

 

 

『あー、それで、だな。メイの様子はどうだ?』

 

「自分で確かめればいいだろう」

 

 

先ほどまでの自信に溢れた姿とは対照的に心配そうな声色で質問してくる。

何かゴタゴタがあったようだが、さすがにそこまで首を突っ込む気は無い。

ただ、あの錨娘が可愛らしく怒っていたので大方こいつが何かやらかしたのだろう。

 

 

『女子高だから俺は来るなっていうんだよ』

 

 

そいつは正解だ。

こいつをこの学園に解き放ったら何人の女生徒が犠牲になるか分かったものではない。

 

 

「ふむ。正確には今年から共学になったんだがな」

 

『・・・何?そいつは本当か』

 

「あぁそうだが・・・知らなかったのか?」

 

『・・・・・・・・・』

 

 

普段かけているサングラスがズレる程に動揺する姿は初めて見る。

かと思うと真剣な表情で考え込む。

どうせ碌でもない事を考えているんだろうが。

 

 

『ちょいと用事を思い出した』

 

「おい、その金ピカ装備は何だ」

 

『ヒーローは俺一人でいいって事さ』

 

 

金のテンガロンハットに金のコートを着込みだす団長。

何故だろう、とても危険な予感しかしないのは。

一撃でこの学園にいる数少ない男子全員が沈んでいく光景が容易に想像できた。

 

 

「心配しなくてもお前のクルーに手を出すような奴はいない」

 

『・・・本当だろうな?』

 

「情報屋は信用第一だ」

 

『・・・分かった、今は信用しようじゃないか。それじゃあ依頼の件は頼んだぜ。あ、そこのお嬢さん。俺とエレガントなティータイムを』

 

 

ぶつんっ

 

 

ああいった奴は一度手痛い目に合わないと分からないな。

それはそれとして、そろそろ時間か。

虎徹達ももうじき来るだろうし戻っておくとしよう。

 

 

ガラガラッ

 

 

「あ、お帰り高藤君」

 

「これはコテツ達の居場所が分かるデスカ?」

 

「あぁそうだ」

 

 

自分の席に戻ると未だに興味津々といった様子の結城さんとデス様がいた。

できればデス様が一人っきりになれるような状況があれば僕としては非常に嬉しいんだが。

当然、生命の神秘解明と言った意味でだ。

 

 

「ねぇ高藤君。私にもこれ作ってくれないかな」

 

「二人の発信機をか?別に構わないがどうしてまた」

 

「ほら、騒動を起こすのっていつも八代君か服部君でしょ?高藤君一人じゃ見張っているのも大変かなって思って」

 

「なるほど。確かに僕も研究があるからいつも見ているわけには行かないからな。今度作って渡すとしよう」

 

「うん、ありがとう」

 

 

はて、お礼を言うのは寧ろこちらなのだがな。

 

 

ガラガラッ!

 

 

「セーフッ!」

 

「間に合ったでござるっ!」

 

 

「本当にギリギリだぞ八代に服部。早く席に着きなさい」

 

「うおっ!?ヨハン先生、何時の間に!?」

 

「相変わらず気配が読めぬ御仁でござる」

 

「私を追い抜いて教室に入ってきただろう。他の生徒も早く席に着きなさい」

 

 

相変わらずレーダーにも反応なしか。

電波、熱源、音と全て駄目となると何に反応するんだこの教師は。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

時は過ぎて放課後、俺と半蔵は校門前で大自然を待っていた。

今日は先輩も何か用事とかで部活は休みだったから丁度いい。

 

 

「しかし先輩達もアクの強い人が多かったな」

 

「2年の先輩方も3年の先輩方も強そうでござった」

 

 

そういえばそうだな。いきなり交流戦を始めたぐらいだ。

勝手に動く剣を持った紫色の先輩だったり、ブルマを連呼する先輩だったり、

俺達のヒーロー、グリフォンマスクにちなんだ投げ技を持つ先輩だったりと楽しそうな人ばかりだ。

 

 

「お待たせしました」

 

「おう大自然、昨日ぶり!」

 

「昨日ぶりでござる大自然の巫女殿!」

 

「やっぱり変わらないんですね、その呼び名は・・・」

 

 

出会うなりため息を吐くなんて失礼な奴だな。

それに呼び名は以前にも言ったはずだぞ。

 

 

「大自然が俺達にタメ口を聞けば考えるって前にも言っただろ?」

 

「そうでござるよ。結城嬢には普通に話しているではござらんか」

 

「それは、その・・・癖みたいなものなんですよ」

 

 

うーん、よく分からないな。

まぁ無理強いはするつもりも無いし構わないか。

 

 

「それでは行きましょうか」

 

「そうだな。さすがに今日も深夜だとまずい」

 

「拙者、昨日はほとんど寝ていて記憶に無いでござる」

 

 

今日はキングとグリフォンマスクの覆面レスラー頂上決戦だからな。

録画を予約しているとは言え、やっぱり放送時間に見たい。

 

 

「そういえばあいつらの姿が見えないな」

 

「殿、上にいるでござるよ」

 

 

大自然といつも一緒にいる奴らの姿が見えないので聞いてみると半蔵が答えた。

上?おぉ、見覚えのある鳥が飛んでいるのが見えるな。

ぐるぐると上空を旋回している鳥が真っ直ぐにこっちに飛んできて・・・って

 

 

ブスブスッ

 

 

「いてぇっ!?何しやがるこの鳥!」

 

「殿に無礼でござるぞ!」

 

「ママハハも虎徹さん達に会えて喜んでますよ」

 

「もうちょっと大人しく喜んでくれよ!」

 

 

いってぇな、思いっきり嘴で頭を突きやがって。

頭に穴が開いたらどうしてくれるんだ。

 

 

「狼は何処に行ったでござるか?」

 

「お、そういえば姿が見えないな」

 

「シルクゥは実家にいますよ」

 

 

実家?確か北海道だっけ。

ア、ア、アイ何とかってとこだったよな。

 

 

「実家って具合でも悪いのか?」

 

「いえ、ただ色々と事情がありまして家族の元で暮らしているんです」

 

「なるほど、色々な事情なら仕方ないでござる」

 

 

半蔵、どうしてそれで納得できるんだ。

まぁいっか、大自然も悲しそうな顔もしていないし納得した上での事なんだろう。

話しながら歩いていたからか気づけば既に森の中に来ていた。

 

 

「そういえばこの森って大自然以外にも誰かいるのか?」

 

「えぇ、私以外には一人のご老人がいると聞いたことがあります」

 

「むむ?しかし昨日、拙者達は他の者に出会ったでござるよ」

 

「どのような方でしたか?」

 

「黒い布をまとったロンゲの兄ちゃんだったな。カラスを連れていたから、てっきり大自然と同類かと思ってたぜ」

 

 

よく考えれば顔色の悪い兄ちゃんだったな。

深夜だって言うのに切り株に座っていたし。

 

 

「よかったら出会った場所に案内してもらえませんか?」

 

「迷って出会ったんだから分かるわけないだろ」

 

「あ、そうでした・・・」

 

 

ガサッ

 

 

「殿っ、巫女殿、下がるでござる!」

 

 

茂みの音が揺れたと思ったら半蔵が俺と大自然の前に出る。

何だ?また野犬か?

そう思って茂みが揺れているのを見届けていると一人の女の子が姿を現した。

 

 

「あ、あの・・・驚かせてしまってすみません」

 

「おぉ、こちらこそ失礼したでござる。てっきり野犬と思ったでござるよ」

 

 

警戒していたから怖がらせてしまったみたいだ。

しかしこりゃまた凄い美少女が現れたもんだ。

とある一部も大自然とは雲泥の差・・・

 

 

グリッ

 

 

「いぃっ!?」

 

「何かよからぬ思念を感じました」

 

「お前はエスパーか」

 

 

さすが大自然、侮れないぜ。

変な事を考えた途端に足のつま先を踏みつけるとは。

 

 

「あの、大丈夫ですか?」

 

「おう、大自然も手加減してくれているみたいだし問題ないって。ところであんたこの森に住んでるのか?」

 

「は、はい。そうですけど・・・」

 

「どうだ大自然!俺達の勝ちだな!」

 

「何の勝負ですか・・・それに先ほどは男の人と聞いたんですけど?」

 

「男の人・・・もしかして彼の知り合いですか?」

 

 

ん?この子、あの兄ちゃんの知り合いなのか。

 

 

「ロンゲでカラスを連れている兄ちゃんなら確かに知っているぞ」

 

「わ、お客さんが来るなんて初めて・・・あ、その、ど、どうぞこちらへ!」

 

「・・・どうするんですか虎徹さん」

 

「ここは行くに決まっているだろ」

 

「して、その心は?」

 

「何だか面白い予感がするからだ!」

 

 

琢磨のパワーアップ計画のためにも色んな人の意見を聞かないと行けないしな。

と、まぁそんなわけで俺達は、やけに緊張している女の子の後を着いて行く事にした。

 

 

 

 

 




主要人物の紹介って書いたほうがいいですかね。

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