はいすくーるDxD 平穏(笑)な日常   作:鶏唐

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ifシリーズ~MUGENキャラで本編が進んでいたら~
第4話 半蔵の神社探し、虎徹の教会探し

「おかしいでござる。神社が異様に多いでござる」

『そうだな、僕が探しただけで博麗神社と言う名前が10以上あるぞ』

『なぁ教会にいるゲーニッツさんって人、子供が10人以上いるらしいぜ』

『僕も廃ビル探していて同じ顔のナイフを持った学生服の男を10人以上見たな』

「なるほど、つまりこの町には似た顔が多いでござるな」



MUGENで一番派生キャラが多いのって誰なんでしょうね?


第20話

ガラガラッ

 

 

「あー、やっと終わったぜ・・・」

 

「遅かったわねトラちゃん。また生徒指導室でヨハン先生のお説教かしら?」

 

「そーっすよ。本当に話は長いわ、存在感薄いわ、途中から島津先生が参加するわで疲れましたよ」

 

 

放課後、一日置きに行われる生徒指導室の説教地獄から帰ってくると俺以外のメンバーは既に揃っていた。

ったく、ちょっと廊下でカーリングをしていたぐらいで怒るんだもんな。

別に廊下を全力疾走で走っていたわけじゃ無いんだから、そんなに目くじら立てる事じゃないだろうに。

 

 

「中学校よりも呼び出されるペースが上がっているな」

 

「八代君の場合、8割くらいは自業自得だからね」

 

「10割じゃない事が驚きデス」

 

「うむ、拙者も必死に説得したのでござるが主犯である殿だけ呼び出される始末でござるからな」

 

「駄目よトラちゃん。そういう時は見つからないようにしないと」

 

 

そんな事を言われてもなぁ。

この学園は無駄に広いから色々と遊べないか考えてしまう。

 

 

「それで今は何の話をしていたんだ?」

 

「来週の球技大会でござる」

 

「今年はクラス毎の大会だからね。皆とは違うチームになるけど大丈夫かしら?」

 

 

あぁ、そういえばそうだったな。

すっかり忘れていたぜ。

 

 

「確か明日あたりにメンバーの顔合わせをするはずです」

 

「私はBチーム、八代君と服部君はEチーム、高藤君はGチームでフェルちゃんはBチームのマスコットだよね」

 

「お菓子を貰えるんデスから文句は無いデス」

 

「残念、私はCチームだから皆と対決できないわね」

 

 

確か各チーム毎に対戦して勝った数が多いクラスが優勝だったよな。

てっきり総当たり戦かと思ったが学園的にも時間が無いのかね。

あれ?でも待ってくれ。

 

 

「何時の間にチーム分けが決まったんだ?」

 

「八代君、先週の金曜日に神月さんから連絡があったでしょ」

 

「そうだったか?まぁいいや、俺はEチームだな」

 

「どうせ何か企んでいて話を聞いていなかったんだろう」

 

 

否定できないな。

今度は視聴覚室のビデオとDVDを全てジ○リ作品に置き換えようと考えていたからな。

 

 

「でも参加するからには勝つ気持ちで行かなくちゃ駄目よ、特にタクマちゃん」

 

「うっ・・・善処はします」

 

「ドーピングとか使えばいいじゃないか?琢磨ならそれぐらい作れるだろ」

 

「僕の専門分野は機械工学だ。さすがに薬学の知識は乏しいぞ」

 

「拙者は多少齧った程度でござる」

 

 

そうだったのか。ドーピングぐらい公式の大会じゃないから構わないと思ったんだがな。

何か琢磨が活躍できるような方法は無いものかな。

 

 

「練習、は駄目だよね?」

 

「アスナちゃん・・・タクマちゃんの運動音痴は知っているでしょう?」

 

「軽く走る程度なら問題ないんだけどな、とにかく体力が足りない」

 

「縄跳びすれば絡まり、球技をすれば顔面に直撃、本気で走ればこける、実に残念でござるよ」

 

「つまりへなちょこ、デスネ」

 

「解体ぐらいなら僕でもできるぞ」

 

 

チャキッ

 

 

「デスッ!?」

 

 

まぁデス様が言うようにへなちょこ、って言葉がぴったりだな。

そして琢磨、お前どこからメスなんて出した?

あぁ、転送装置か。あれは本当に便利だよな、俺にも一個作って欲しいぜ。

 

 

「よし、それじゃあ今回の活動内容はこれね!3日後までにタクマちゃんの運動音痴を治す方法を各自用意すること!」

 

「むむ、承知!拙者は知己の薬師を当たってみるでござる」

 

「うーん、お兄ちゃんなら押したら治るツボとか知ってるかな」

 

「はっ!大自然なら大自然の力で何とかしてくれるに違いない」

 

「こうなればパワードスーツを・・・いやパワーアシスト付きのアクセサリーの方が・・・」

 

「・・・アレ?普通に練習する手段は無いデスカ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うーん。おかしいわね」

 

「どうしたのティナ?」

 

 

深夜、恒例となったはぐれ悪魔相手の訓練も一区切り着いたところでティナが悩んでいた。

普段から飄々としているティナが悩むなんて珍しいわね。

 

 

「なーんか、はぐれ悪魔の数が少ない気がするのよね」

 

「そういえば最近は数が少なくなっていますわね」

 

「これだけ毎日退治していれば数も減ると思いますけど」

 

「いいえ、普段私達が狩っている程度なら放っておけば増えるわよ」

 

「どれだけ数がいるんですか・・・」

 

 

ここの町の人間もそうだけど、はぐれ悪魔も変なのばっかりね。

 

 

「これは気をつけたほうがいいかもしれないわね」

 

「どういう事ですか?」

 

「下手したら私達も狩られるかもしれないって事よ・・あら?」

 

 

ザッ

 

 

足音の聞こえる方向へと全員で目を向けると変わった剣を持った男がいた。

赤いヘッドギアに赤い服を着た見るからにガラの悪そうな男。

 

 

「おい、この辺りでこいつを見なかったか」

 

 

そういって男が見せてきたのは一枚の薄汚れた紙。

そこに描かれていたのは白い髪に赤と黒を基調としたコートを着ている変な顔をした男。

・・・これってもしかして賞金首なのかしら?

 

 

「いいえ、見ていないわよ」

 

「チッ、そうか。悪かったな・・・ん?」

 

 

舌打ちをして退散するのかと思ったらマジマジとティナを見る男。

この男、賞金稼ぎ?

賞金首に賞金稼ぎなんて映画や漫画だけの話かと思っていたけど実際にいるのね。

 

 

「お前・・・ティナ・バティンか?」

 

「え?えぇ、そうだけど・・・会った事あったかしら?」

 

 

確かにティナの能力を考えれば色んな場所に行けるのだから知り合いでもおかしくない。

でも知り合いって感じでもないし、まさかまた何かやらかしたのね。

 

 

「ちょ、ちょっとリアスちゃん。何かしらその目は、お姉さん詳しく聞きたいんだけどなぁ」

 

「また何かやらかしたのね」

 

「直接言った!?」

 

 

本当にコテツと言いティナと言い、厄介事を起こす才能だけは確かなんだから。

ちょっとでも目を離すとどんな厄介事を持ってくるか分かったものじゃないわ。

 

 

「いや、ライザーの奴から聞いていてな」

 

「ライザー君が?と言う事は貴方、ライザー君の知り合い?」

 

「あぁ、ソル・バッドガイだ。ライザーから色々と聞いているぜ」

 

「ふーん、どんな話かしら」

 

「そいつはライザーの名誉のために伏せておく」

 

 

げんなりした表情で言っているしきっとティナについて熱く語ったんでしょうね。

それだけ熱く語れるなら早く告白すればいいのに。

 

 

「ソルさんはその方を探しにいらしたんですの?」

 

「一応そのつもりだったんだがな。当てが外れたか」

 

「ラグナ・ザ・ブラッドエッジ?」

 

「それ本名なんですか?」

 

「違うだろうな。とにかく日本に来ているのは間違い無い。もう暫く探すしか・・・・」

 

 

ザザッ!

 

 

「見つけたぞソル!」

 

「チッ、面倒なのが来やがったか」

 

 

今度は何だって言うのよ。

あの言い方からしてソルの知り合いみたいだけど。

 

 

「決着を着けるぞソル!」

 

「坊やもしつこ・・・い、ぞ?」

 

 

後ろを振り返って固まるソル。

どうしたのかしら?それよりも・・・

 

 

「女の子に対して坊やは無いと思うわよ」

 

「わお、可愛い子ね。ソル君の彼女?」

 

「・・・色々と待て。坊や、なのか?」

 

「そ、そうだ!私だ、カイ・キスクだ!」

 

 

長剣をぷるぷると引きずって凄い剣幕で怒鳴っているけど、可愛いだけよね。

あんな子を怒らせるなんてソルはどんな酷い事を?

 

 

「ソルさん、怒っているみたいですし謝った方がいいですよ」

 

「ソルさん、きちくです」

 

「違ぇっ!いいから黙っていろ!坊や、お前その姿はどうした?」

 

「そ、それは・・・信じてはもらえないかもしれませんが・・・」

 

 

カイの話では本当に信じられない話だった。

カイは本当は男で何処かの吸血鬼に女性の姿に変えられてしまったとの事。

・・・吸血鬼、ギャスパーじゃないわよね?

 

 

「このままではICPOにも戻れませんしどうしてくれるんですか!」

 

「何故それを俺に言う」

 

「貴方がいつまで経っても真剣に(勝負の)申し出を受けてくれないからでしょう!」

 

「ソル貴方・・・最低ね」

 

「女性にここまで言われて無視は酷いですわ」

 

「だから違う!こいつは男だったって言ってんだろ!」

 

「と言う事はソル君は男色の気があった、と」

 

「どちらにしろ最低ですね」

 

 

さすがに私達では入り込めない世界だわ。

そういうのが好きって人がいるのは知ってはいたけど実際に会うことになるなんてね。

 

 

「話の通じねぇ悪魔どもだな!坊やも言葉を抜かして言うんじゃねぇっ!」

 

「ちょ、ちょっと待ってソル君。何で私達の事、悪魔って分かったのかしら」

 

「あん?そんなの分かるだろ普通に」

 

「えぇ、分かりますね普通に」

 

 

ソルだけでなくカイまで・・・

もしかして今までバレていないと思ったのは見逃されていただけってことなの?

 

 

ガサガサッ

 

 

「ちっ、こんな時に面倒な奴らが」

 

「この騒ぎではぐれ悪魔が寄って来ちゃったみたいね。皆、行けるわね?」

 

「えぇ、最近物足りなくなってきたところだったもの」

 

「あらあら、苛められたいのは誰かしら」

 

「あはは・・・頑張ります」

 

「・・・カイさんは下がっていてください」

 

「いえ、私も戦います!」

 

 

そんな事を言っても剣が使えないんじゃ駄目だと思うけど。

かと思ったら剣を手放してはぐれ悪魔の一匹に身体を向ける。

 

 

「スタンエッジ!」

 

「手は貸さねぇぞ」

 

「ここを切り抜けたら今度こそ勝負を受けてもらうぞソル!」

 

 

十分戦力になりそうね。

さて、それじゃあ私達も行くとしましょうか!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さて、どうしたもんかね」

 

「ととととと殿!ここは拙者にお任せあれ!」

 

「「グルルルルルッ!」」

 

 

深夜、半蔵の言っていた薬師の知り合いと俺の目的である大自然に会うため森の中にいた。

ただし野犬に囲まれた状態で。

何でこいつらこんなに涎をだらだら溢しているんだよ。

森なんだから飢えには困らないだろ。

 

 

「っつーか腹減ってんのか。半蔵、ちょっとコンビニでドッグフード買ってきてくれ」

 

「殿ぉ、何でそんなに落ち着いているでござるか!」

 

「はぁ?だって腹空かせてる犬だろ」

 

 

全く、逆に何でそんなに慌てているのか知りたいぐらいだ。

ちょっと目をぎらぎらさせて涎を溢しているぐらいで大げさだな、半蔵は。

 

 

「拙者達が食べられるでござるよ!」

 

「バカだな半蔵は。犬はドッグフードしか食べないだろ」

 

「殿は都会っ子だから知らないでござるよ!空腹の野犬は平気で人を襲うでござる!」

 

「マジでかっ!?」

 

 

なんてこった、野良犬がそんなに危険な存在だったとは。

今度から野良犬を見てもドッグフードやらないようにしよう。

 

 

「グルルルルッ!」

 

「こうなれば仕方ないでござる、無益な殺生は好まぬが殿を守るため!」

 

「おいおい、動物愛護団体に訴えられるぞ」

 

 

クナイを服の袖から取り出す半蔵に待ったをかける。

・・・いや、待てよ。RPGだと敵を倒して仲間になるのは王道じゃないか。

いやいや、しかしこのままでは俺達が襲われるみたいだし、どうするか。

 

 

ドゴンッ!

 

 

うおっ!何の音だっ!?

何かを叩きつける音に俺が視線を向けるとそこには変な格好をした男がいた。

白い髪に赤いコートを羽織った・・・浮浪者?

でっかい剣を地面に振り下ろしているし、さっきの音はアレか。

 

 

「おら、どけ犬っころ!」

 

 

ぶぉんっ!

 

 

「「キャインキャイン!」」

 

 

でっかい剣を振り回して野良犬を追っ払う浮浪者。

難しそうな顔をしているが実はいい人なんだろうか?

 

 

「よぅ、大丈夫かテメェら」

 

「サンキュな」

 

「かたじけないでござる」

 

「日本は比較的平和って聞いてきたんだが嘘だったのか?」

 

「いや平和だぞ。たまに何処かの悪の組織が動いたりするけど」

 

「平和でござるよ、何処かの道場で毎日人斬りが行われるでござるが」

 

「・・・日本での平和って言葉の意味が違うのか」

 

 

さすがに戦争が起こってないから平和で合ってるよな?

抗争はしょっちゅう起こっているけど。

 

 

「そういうお兄さんは何でこんなところに?」

 

「あぁ、ちょっとした用事で日本に来たんだが金が無くてな・・・この森で一夜を明かそうかと」

 

「本当に浮浪者だったのか」

 

「ほーむれす、と言う奴でござるな!」

 

「人聞きの悪い事言うんじゃねぇよ!ちょっとホテルに泊まる金が無いだけだ!」

 

 

そういうのを世間一般ではホームレスって言うんじゃなかったか?

でもまぁ助けてもらったからな。

 

 

「そういう事なら助けてもらったお礼に家に泊まっていけよ」

 

「・・・いいのか?」

 

「さすが殿、寛大な心でござるな」

 

「なーに困ったときはお互い様だろ」

 

「・・・そっか。なら世話になる、俺はラグナ・ザ・ブラッドエッジ。よろしくな」

 

 

ラグナ・ザ・ブラッドエッジ?

あれ、どっかで聞いたような気がするな。

どこだったっけ?

 

 

「なぁ、半蔵。どっかで聞いたことないっけ?」

 

「うーむ、記憶に無いでござる」

 

 

普段一緒にいる半蔵も覚えてないなら気のせいか。

何処かで聞いた気がしたんだけどな・・・

 

 

「なんだ?どうかしたか?」

 

「あ、いや何でもない。俺は八代虎徹だ、こっちは親友の服部半蔵」

 

「よろしく頼むでござる」

 

 

ガサガサッ

 

 

「何時までも来ないから探しに来てみれば・・・何をやっているんですか二人とも」

 

「おぉ、大自然」

 

「大自然嬢、わざわざかたじけないでござる」

 

 

茂みをかきわけて大自然が出てきた。

相変わらず肩には鳥、傍には犬を引き連れている。

これで後は猿でもいれば桃太郎だな。

 

 

「そちらの方は?」

 

「あぁ、さっき野犬に囲まれていたのを助けてくれたんだ」

 

「そうですか、だから森に入るときは注意してくださいと言ったんです。二人を助けて頂きありがとうございました」

 

「いいって、俺も通りかかっただけだからな」

 

「それにしても放課後から今までずっと森にいたんですか?」

 

「久しぶりに来たから迷っちまったぜ」

 

「遭難するかと思ったでござる」

 

 

悪魔の棲む地と呼ばれるだけあって薄気味悪い場所だしな。

途中出会ったカレーが好きそうなロンゲの兄ちゃんに聞いても帰れしか言わなかったしな。

 

 

「ここに棲む人でも油断すると迷いますから・・・今度からは校門前で待ち合わせしましょう」

 

「おう、頼んだぜ大自然。それじゃあ帰るな」

 

「また明日でござる大自然嬢」

 

「邪魔したな、大自然とやら」

 

「あの私、ナコルルです。虎徹さん達は諦めましたけど初対面の人に呼ばれるのは・・・」

 

 

仕方ない、明日出直すとするか。

 

 

 




気づけば20話です。
このままゆるーく続けていきたいですね。

はぐれ悪魔が減っている理由とラグナが日本に来た理由は別です。

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