はいすくーるDxD 平穏(笑)な日常   作:鶏唐

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ifシリーズ~MUGENキャラで本編が進んでいたら~

「あれ、ロック。何を見ているんだ?」

「僕は楓だってば。虎徹、あれを見てよ。ロックの様子が変なんだ」

「ん?あっちが本物のロックと・・・全身青タイツに変なグラサンかけた奴?」

「ビフォー!ビフォー!ビフォー!」

「レイジング!デッドリー!レイジングレイジングストーム!」

「よくわからないけどカッコいい!」

「嘘!?」


1年 球技大会編
第19話


「今日のHRは2週間後に行われる球技大会について決めていく」

 

 

球技大会?そんなのがあるのか、この学園。

ゴールデンウィーク明けで若干休みボケの頭で、いつの間にか教室にいた担任の話を聞き流す。

 

 

「種目やチーム分けの基準は毎年変更される。チーム分けの基準はクラス、学年、委員部活だ」

 

 

ちょっとした体育祭だな、こりゃ。

それにしても担任の名前って何だっけ?

 

 

「今年はクラス毎のチーム分けとなる。君達A組は1年、2年、3年でチーム分けを行う事になるな」

 

 

って事はウィンドやB組のロックと楓のクラスと対決する事になるわけか。

で、目の前の担任の名前は何だっけ?

こうやって集中しているといいんだが気がついたらいないからな。

かと思えば突然現れるから心臓に悪い先生だ。

 

 

「そして今年行われる種目だがバレーになる。クラス委員は2年、3年と相談してチーム分けを行うように」

 

「はい、お任せくださいませ」

 

 

クラス委員の神月が自信満々な表情で答える。

うちのクラスは何かしら身体を動かすのが得意って言うか格闘家が多いもんな。

 

 

「それでは皆さん、簡単な質問をさせて頂きます。それを元に上級生達とチーム分けを行います、よろしいですわね?」

 

 

壇上に立ってこちらに向けて質問してくるので全員が頷く。

あぁ、神月が目立つから担任の姿が見えない。

あれ?さっきまではいたよな?自在に透明人間にでもなれるのか。

 

 

「まず、身体を動かすのが苦手な方は挙手をお願いしますわ」

 

 

俺は当然得意な方だな。

いつものメンツの中だったら琢磨だけか。

 

 

「高藤さんとミヅマさんですわね」

 

「頭を動かすのならば得意なんだがな」

 

「動くのが面倒、ずっと寝ていたい」

 

「高藤さんは分かりますがミヅマさん、貴女と言う人は・・・」

 

「ふわ~ぁ」

 

 

今更だが濃い奴が多いな、このクラス。

この間の花見でもあいつは寝てたような気がする。

 

 

「こほん、まぁいいでしょう。では次に部活動やクラブなどでバレーの経験者の方」

 

「俺はバレー部だぜ」

 

「私も」

 

「山崎さんに鮎原さんですわね。他に過去に経験していた方はいらっしゃいませんか?」

 

 

過去に経験ねぇ・・・・あ

あったな、そういえば。

 

 

「中学の時、助っ人で何度か呼ばれたことがあるぞ」

 

「あ、私も」

 

「拙者も同じく」

 

 

俺が手を挙げて言うと続いて結城と半蔵も同じように手を挙げる。

俺と半蔵は男子バレー部の助っ人に、結城は女子バレー部の助っ人として試合をした事があった。

・・・いや、あれは強制的に助っ人させられた、が正しいな。

全く先輩の無茶振りにも面白いが困ったもんだ。

 

 

「ありがとうございます。それでは2、3年生と話をして参りますわ」

 

 

何度か頷いた後、出て行く神月。

この後は自習でいいのか?教師もいないし。

 

 

「・・・なぁグレモリー」

 

「何よ?そんな格好してたら転ぶわよ」

 

 

俺が横に座っているグレモリーに話しかけると注意してくる。

椅子に座ったまま後ろに傾けてガタガタさせているだけだぞ。

 

 

「うちの担任の名前って知ってるか?」

 

「えぇ、知ってるわよ・・・・えーっと、その・・・な、何だったかしら」

 

「何で担任の先生の名前を忘れるのよ貴方達は」

 

「じゃあ廿楽は知ってるのかよ」

 

「当然でしょ?担任の先生は・・・あ、あれ?」

 

 

グレモリーも廿楽も知らないか。

なるほど、誰も知らない担任の名前か。

 

 

「半蔵、琢磨」

 

 

シュタッ

 

 

「お呼びでござるか殿!」

 

「何だ一体?」

 

 

俺が呼べば教室の反対側から一瞬で駆けつける半蔵と普通に歩いてくる琢磨。

一応二人にも担任の名前を知っているか聞いてみるが・・・

 

 

「おぉ、そういえば拙者知らぬでござる!」

 

「あぁ、担任か・・・苦手な人だ」

 

「ん?琢磨、先生の名前知ってるのか?」

 

「知っているが、姿が記憶に無い」

 

「んん?どういう事だ」

 

 

名前は知っているが姿が記憶に無い?

なぞなぞか?

 

 

「大体どういった容姿をしているかは分かるんだが、どんなレーダーにも反応しない存在だ。本当に人か怪しいな」

 

「そういえば拙者も気配を察知できぬでござる」

 

「ははは、じゃあ何か?俺達の担任は幽霊とでも言うのかよ」

 

「幽霊・・・まさか精霊?新しいアルカナなの?」

 

「サキ?どうかしたの?」

 

「い、いえ何でもないわ」

 

 

幽霊が担任ねぇ。

となると専門家に聞くのが一番だな。

 

 

「姫島ー」

 

「あら、どうしましたコテツさん?」

 

「姫島って除霊できるよな?」

 

「はい?除霊、ですか・・・できませんよ」

 

 

俺の期待を込めた質問はあっさりと否定されてしまった。

同じ中学だった大自然とか以前に見かけた数の暴力で除霊する巫女とかいるんだがな。

 

 

「おかしいな、大自然が巫女の仕事ですって言ってたぞ」

 

「大自然って何よ・・・コテツ、意味が分からないわ」

 

「うむ、大自然の巫女ならば可能でござるな」

 

「あまり非科学的な事には頼りたくないんだが・・・大自然の彼女に頼むしかなさそうだな」

 

「何で大自然が浸透しているのよ!」

 

 

全く、グレモリーは何も分かっていないな。

大自然は本物の巫女だからな、短刀だけで除霊できる凄い奴なんだぞ。

 

 

「そうだ、結城。大自然ってこの学園にいるんだよな?」

 

「ナコルル?うん、D組にいるよ」

 

「人の名前だったの!?」

 

 

D組か、2週間後には対戦する相手に担任を除霊してくれって頼みにくいな。

仕方ない、このクラスで除霊できる奴を探すしかないな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「と、言うわけで除霊できる奴に心当たりは無いか?」

 

「確かに担任の先生は名前も顔も覚えてないけど、それだけで幽霊って決め付けるのはよくないよ」

 

 

結城嬢は相変わらず優しいでござるな。

だが時には非情となる事も必要なのでござる。

 

 

「変デスネ、会話の流れがさっぱり分からないデス」

 

「大丈夫です、デス様。私達も分かっていません」

 

「悪魔となった私に除霊はできるのかしら?」

 

 

神月嬢が戻るまで暇な為、場所を移して会議でござる。

非科学的な事には関わりたくないと言って抜けた琢磨以外はいつものメンツで集まっているでござる。

しかし幽霊、でござるか。伯母上に対幽霊の忍術を教わればよかったでござるよ。

 

 

「貴方達・・・保健室は溜まり場じゃないのだけど?」

 

「何と、水無月先生。それは真でござるか!?」

 

「え?違うのか?」

 

「二人とも。ファウスト先生に言いつけるわよ?」

 

「「すみませんでした!!」」

 

 

殿と一緒に必死で土下座でござる!

ファウスト先生にかかればどんな生徒もあっという間にアフロでござる!

 

 

「はぁ・・・全く。今は具合の悪い生徒はいないからいいけど、静かにしておく事」

 

「ういっす。さすが水無月先生。話が分かるぜ」

 

 

何とか許しを得たようでござるな。

静かに会議を続けるでござる。

 

 

「神月嬢ならお抱えの陰陽師の一人や二人はいるのではござらんか?」

 

「そういえば草薙も昔は幽霊だったか悪魔だったかを退治する仕事をしていたって聞いたことがあるな」

 

「姫島神社でも朱璃さんが幽霊とお話した事あるって言ってたよね」

 

 

ぬぅ、話がまとまらぬでござるな。

こういう時に話をまとめる琢磨がおらぬから仕方ないでござるが・・・

 

 

「おかしいわね。私達オカルト研究部より事情に詳しくないかしら?」

 

「本当に一般人、ですわよね?」

 

「前から思っていたデスがこの世界の一般人の定義がおかしいデス」

 

「リアスと朱乃は何か案は無いの?」

 

「お前達オカルト研究部だろ?本職じゃねーか」

 

「そうでござるな、このお二人に任せればいいでござる」

 

 

拙者とした事が忘れていたでござるよ。

こういうのは専門家に任せるのが筋と言うもの。

 

 

「そんな事言われても、ね。大体、本当に幽霊なのか疑わしいわよ」

 

「そうですわね。担任の先生が幽霊と言われてもピンと来ませんわ」

 

「何でだよ、別に幽霊がいても不思議じゃねーだろ」

 

「・・・だったら別に悪魔がいても不思議でもないわよね?」

 

「はんっ、悪魔なんているわけねーだろ。グレモリー、漫画の見すぎだぜ」

 

「・・・何かしら、この理不尽さは」

 

 

どうやら専門家の意見では担任の先生は幽霊ではないと。

では一体何者でござろうか、拙者達の担任は?

 

 

キーンコーンカーンコーン

 

 

「おっとチャイムか。こうなったら帰りのSHRで正体を暴いてやるぜ」

 

「うむ、拙者も近くの生徒に協力を仰ぐでござる」

 

 

決戦は夕方でござるな。

売店で手裏剣の補充をしておいた方がよいでござるな。

 

 

「おかしいわよ、何で幽霊が有りなのに悪魔は駄目なのよ」

 

「まぁまぁリアス、やはり悪魔は受け入れがたい存在なのですわ」

 

「しれっとボクの存在を否定されたデス」

 

「あれ?フェルちゃんがもっと小さくなっちゃってる。どうしたの?」

 

「アスナ、放っておいて欲しいデス。やっぱりこの世界おかしいデス」

 

「まだ慣れてないのかな。大丈夫だよフェルちゃん、この国には住めば都って言葉があるんだから!」

 

「何の慰めにもなってないデスヨ」

 

 

その前に授業があったでござる・・・

まずは眠気と言う強敵と戦わねばならぬ。

今のところは全戦全敗、これでは殿をお守りする事ができぬでござる。

 

 

「はぁ、あの先生も毎年毎年可哀相に・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さて、授業も全て終わり問題のSHRとなった。

協力者はクラスの約半数、SHRが終わりとなった瞬間に全員で攻撃する手筈になっている。

 

 

「さて、帰りのSHRを始める」

 

 

来たな!相変わらず扉を開ける音すら分からなかったぞ。

目を離さないように半ば睨みつけるようにして集中する。

 

 

「まず連絡事項は・・・(何だ?やけに生徒達からの視線が強い気が・・・)」

 

 

こちらの気も知らないで暢気に連絡事項を伝えてくる担任。

え?明日の数学の授業は先生が出張なので自習?ラッキー。

はっ!しまった、気を抜いたから担任の姿がぼやけて見える。

集中だ集中。

 

 

「それと神月」

 

「は、はい!」

 

 

ガタッ

 

 

「球技大会のチーム編成が決まったら今週末までに報告しておくように(驚かせるような事をしたか?)」

 

「わ、分かりましたわ」

 

「それと今週は鳴鏡館で百人斬りが行われるので帰り道は連行されないように注意しなさい」

 

 

げっ、平日にやるのかよ。

あそこは本当に百人斬り捨てるからな。

足りなくなったら街で勧誘してくるしな。

鳴鏡館の百人斬りは駒王町での死因ダントツ第一位だぞ。

 

 

「連絡事項は以上だ。ゴールデンウィーク明けだからと言って気を緩めないようにな。では帰りのSHRを終わる。日直」

 

 

さて、そろそろだな。

日直の藤堂が席を立ち号令をかける。

 

 

「起立!」

 

 

ガタガタッ

 

 

「礼!」

 

 

全員が立ち上がりお辞儀をする。

それに合わせて担任も一礼をする、ここだ!

 

 

「全員かかれっ!」

 

「真空波動拳っ!」

 

「神月流 神扉開闢!」

 

「超重ね当て!」

 

「くらいやがれぇっ!」

 

「幻影ハリケーン!」

 

「烈風殺!」

 

「山田さーんっ!」

 

「もらったアル!戀崩嬢!」

 

「手裏剣乱れ撃ちでござるー!ささっ!お二人も続くでござるよ!」

 

「え、私達もやる流れなの!?」

 

「では失礼しまして、雷はいかがでしょう」

 

 

おぉ、傍から見たら凄いリンチだな。

っつーかグレモリーと姫島も飛び道具出せたのか、羨ましい。

 

 

「何っ!?くっ、はあぁぁっ!」

 

 

何か出したっ!?

あれ、どっかで見たような・・・あ、コンタクトレンズだ。

テレビのCMとかでよく見かけたことある形だ。

 

 

「って暢気に思ってる場合じゃねぇっ!」

 

 

攻撃した奴ら全員を吹き飛ばして俺の方にまで迫ってきていやがる。

どんだけ強力な飛び道具なんだよ!

 

 

「八代君こっち!」

 

「うおっ!た、助かったぜ結城」

 

「フェルちゃんが教えてくれなかったら危なかったよ。ありがとねフェルちゃん」

 

「デス様サンキュな」

 

「後で何か奢ればいいデス」

 

 

間一髪のところで結城とデス様に助けられたぜ。

いや、久しぶりに本当に死ぬかと思った。

 

 

「お前達、一体どういうつもりだ!」

 

 

冷や汗をかきながら怒鳴り声に顔をあげれば、赤い髪に顎鬚を蓄えた担任の姿があった。

何でだろう怒ってるだけなのに物凄い迫力だ。

とても普段、影薄い人には見えないな。

 

 

「あー、いやー。先生って何て名前だったかなーと思って」

 

「入学式と最初のHRで自己紹介はしたはずだがな。そしてそれと襲い掛かってきた事がどう関係するんだ八代?」

 

「それは・・・そう、やっぱり先生も強いのかなーと皆で思って・・・な?」

 

 

苦し紛れにクラスメイトに話を振る。

全員が襲い掛かっていない生徒達も一斉に首を縦に振った。

さすが親睦会をやっただけあってチームワーク抜群だな!

 

 

「全く、そういう事か。それで納得したか?」

 

「えぇ、そりゃもう。先生も強いんですね。それで先生の名前は何でしたっけ?」

 

「やれやれ、ヨハン・カスパールだ。満足したか八代?」

 

「何だ、案外普通の名前だな」

 

「・・・何か言ったか?」

 

「いえいえ、何でもありません!」

 

 

ボソッと呟いたつもりだったんだが意外と聞こえていたようだ。

頭に手を当てた先生はクラスを見渡して何故か視線を俺にロックした。

 

 

「八代、お前が主犯だな。これから生徒指導室に来るように!」

 

「何故バレた!?」

 

「お前の中学時代の噂は聞いている。ムカイ先生からも厳しくするように言われているからな」

 

「あのガングロ教師か!卒業しても俺の前に立ちはだかるとは!」

 

「反省の色がまるで無いな、厳しく行くから覚悟しておけ」

 

 

ずるずるずる

 

 

「あぁ、何か足りないと思ったらこの光景か」

 

「そういえば殿、この学園に来て初めて生徒指導室に連行されたでござるな」

 

「何だかほっとする光景だね」

 

「誰か助けろーー!」

 

 

 




おかしいな、担任の紹介なんて簡単に済ませる予定だったのに。

ちなみに担任は某動画とは違い泣き虫ではありません。

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