はいすくーるDxD 平穏(笑)な日常   作:鶏唐

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今回からゴールデンウィーク突入です。
11話かかって1ヶ月・・・原作には何時になることやら。



1年 ゴールデンウィーク編
第12話


「トラちゃん、おっはよー!」

 

「・・・あ?」

 

 

目が覚めれば目の前には満面の笑顔を浮かべた先輩がいた。

正確には俺に馬乗りになって、だが・・・重い。

 

 

ゴスッ

 

 

「いってーっ!」

 

「乙女にとって失礼な事を考えなかったかしら?」

 

「め、滅相もないです」

 

 

器用に馬乗りになったまま俺の頭を叩く。

いててて、結局何だって言うんだ。

 

 

「折角の休みに何しに来たんですか?」

 

 

今日から待ちに待ったゴールデンウィークだ。

何か約束してたっけ?

 

 

「はぁ、トラちゃん。起きたばかりとは言えそれは無いんじゃないかしら」

 

「?」

 

「まぁいいわ。とにかく着替えて下に降りてくる事。いいわね?」

 

「ういっす」

 

 

先輩が部屋を出て行った後、俺は言われた通りに着替えて1階のリビングに向かう。

うーん、何か忘れてる気がしたんだけど何だっけな。

 

 

ガチャッ

 

 

「虎徹、遅いわよ。やっと起きたのね」

 

「ふわぁ、起きたんじゃなくて起こされたんだよグレモリー・・・・グレモリー?」

 

 

リビングの扉を開けた途端に何故かいるグレモリーが話しかけてきた。

って言うかいつものメンバーに木場に搭城までいるじゃねぇか。

 

 

「殿、今日は戦でござるよ!」

 

「戦?」

 

「皆でゴーカートで遊ぶんだろう」

 

「おぉ、そういえばそうだったな」

 

 

すっかり忘れてたぜ。

もう10時過ぎじゃないか。

 

 

「最近は珍しいペットがいるのねぇ」

 

「ボクはペットじゃないデス」

 

「小母様、この子はフェルちゃんって言うんですよ」

 

「服部先輩、商店街でゴールデンウィーク限定のケーキがあるみたいです」

 

「何と!それは真でござるか搭城嬢!?これはぜひとも買わねば」

 

「木場、君は剣道部だったな。今度、僕の研究に協力して欲しいんだが」

 

「あはは、か、考えておきます」

 

「おいタクマ。また変な発明してるんじゃないだろうな」

 

「それではお父様、トラちゃんをお借りしますね」

 

「ははは。折角の連休だ、思いっきり遊んできなさい」

 

 

さすがに一軒家にこれだけ集まれば姦しいどころの騒ぎじゃないな。

 

 

「さぁコテツさん。朝食を召し上がってくださいな」

 

「私達もお母様のお手伝いをしたのよ」

 

 

姫島とグレモリーに勧められて席につく。

見た目は普通の日本食って感じだな。

 

 

「んじゃ、いただきます」

 

「えぇ、どうぞ」

 

 

パクッ

 

 

鮭の切り身を口に放る。

うん、これはいつも食べてる味だ。

 

 

「私が作ったのはそれじゃないわよ」

 

「そんなに急かすなよ。どうせ食べれば分かるだろ」

 

「まぁまぁリアス、落ち着いて」

 

 

味噌汁を飲んですぐに分かった。

これはお袋が作ったやつじゃないな。

味は・・・まぁ微妙だ。

 

 

「うん、微妙」

 

「相変わらず手厳しい評価ですわね・・・」

 

「くっ、手強いわね・・・」

 

 

そんな事言われてもな、思った事を言っただけだぞ。

落ち込む姫島とグレモリーにかける言葉も見つからないので食事を勧める。

 

 

「ところで何処に行くんですか?」

 

「僕達、今日は遊ぶって事しか聞いてないんですけど」

 

 

搭城と木場がそんな疑問を口にする。

って言うか説明してなかったのかよ。

俺がジト目で連絡を取ったグレモリーを見ると慌てた表情で弁解を始めた。

 

 

「わ、私だって何処に行くか詳しく聞いてないもの」

 

「私も知りませんわよ」

 

「そういえば俺も聞いてなかったな」

 

 

グレモリー、姫島、ライザーさんまでそんな事・・・・

あぁ、そういえば行き先を決めたのって部室だったから知らないのも当然か。

 

 

「行き先はリーアランドだ」

 

「・・・・・え?」

 

「まぁ一種の遊園地だな。最近は格闘家の試合もやっているみたいだが」

 

「うちのお兄ちゃんも参加してるって聞いたことあるよ」

 

「暴れる事ができるならボクも参加したいデス」

 

「うむ、何よりも洋菓子が一杯あるでござる」

 

 

行き先を告げると何故か固まるグレモリー。

ん?何か変な事でも行ったか?

 

 

「あら、いつの間にか名前が変わったんだねぇ」

 

「前は違う名前だったんですか?」

 

「そうだね。確か以前はサーゼクスランドって名前だったはずだよ」

 

『・・・・・・・』

 

 

親父とお袋の説明を受けて今度は他の奴らまで固まりだした。

変な奴らだな。

 

 

「10数年前に経営者の妹が生まれたそうでそれにちなんだ名前に変えたって聞いた記憶があるね」

 

「ふーん、その妹が聞いたら驚くだろうな」

 

「まさか自分の名前が遊園地の名前になるなんて思いもしないでござるよ」

 

「そ、そうね。あ、あははは・・・・はぁ、お兄様・・・」

 

 

ガクリとうな垂れるグレモリー。

ライザーさんに先輩まで愛想笑いをする始末だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さて、リーアランドに到着したわけだが。

 

 

「ひゃっほー!今日は遊ぶぞ半蔵!」

 

「承知でござる!」

 

 

虎徹、半蔵。少しは静かにしろ。

色々見て回りたいのは分かるが今日の目的を忘れているんじゃないだろうな。

 

 

「八代君、服部君。今日はゴーカートで遊ぶんじゃなかったの?」

 

「もちろん分かっているさ。けどその後で遊ぶ分には問題ないだろう?」

 

「トラちゃん元気ねぇ。お姉さん人ごみで疲れちゃったわ」

 

 

僕達は何度か来ているから慣れたものだが初めて来たグレモリー達は周囲を見ては驚いている。

 

 

「凄い人達ね」

 

「リーアランド限定ケーキ、タルト、クッキー・・・全部食べてみせます」

 

「あはは。結城先輩じゃないけど僕達の目的を忘れないでね」

 

「サーゼクス様、何時の間にこんなものを・・・」

 

 

さて、今回はゴーカートで遊ぶわけだが。

ゴーカートなら直接身体を動かすわけでは無いので僕でも遊ぶ事が可能だ。

確かここのゴーカートは最近リニューアルしたと聞いた。

 

 

「殿、殿!ここなんてどうでござるか?」

 

「おぉ、お化け屋敷か面白そうだ」

 

「こらこら、トラちゃん、ハンゾーちゃん。面白そうだけどこれから・・・」

 

『レイレイちゃーんっ!』

 

『アイヤー!何でバイト先にまで来るアルカー!!』

 

 

ふむ、随分と賑やかなお化け屋敷のようだ。

とは言え、先ほど言ったように目的のサーキットはここではない。

 

 

「さぁ、サーキットに行きましょ」

 

 

バティン先輩の言葉に全員が頷き移動を開始する。

ゴーカートにはNERDLESを使った拡張現実ARによるレースが可能となっている。

そのため、半蔵が以前言っていたマ○オカートも実際に出来る。

 

 

「さぁ着いたわよ・・あら?」

 

「お、何か大会やってるみたいだな」

 

「リーアグランプリだって・・・どうしたのリアス?」

 

「いえアスナ、何でもないから気にしないで頂戴」

 

 

サーキットに到着するとどうやらイベントをやっているらしい。

リーアグランプリと題されたそれはレースのタイムを競うもので賭けも行っているらしい。

優勝者にはトロフィーと賞品も出るとの事だ。

 

 

「丁度いい、これに出ようぜ先輩」

 

「いい考えよトラちゃん。皆もそれでいいかしら?」

 

 

特に異論も無いため頷いておく。

どうやら反対するものはいないようだ。

 

 

「じゃあ申し込みをして開始まで練習にしましょう」

 

「そういえば乗った事無い奴もいるんだったな」

 

「それなら先輩、虎徹、半蔵、結城さん、僕で教えるとしようか」

 

「ボクはアスナと一緒にいるデス」

 

「うん、フェルちゃん。頑張ろうね」

 

「あー、ちょっといいかコテツ、タクマ」

 

 

ライザーさんに呼ばれて僕と虎徹が近くに寄ると小声で提案をしてきた。

 

 

「なぁ、何とかティナに教えてもらえるようにしてくれないか?」

 

「あぁ、なるほど。任せとけ」

 

「そうだな、努力しよう」

 

 

そういえばここに来るまで口数が少ないと思えば緊張しているのか。

好きな人が近くにいるとは言えどもこれは行き過ぎじゃないだろうか?

尤も、好きな人が言えない僕が言えた立場ではないがな。

 

 

「それじゃあティナ、悪いけど教えて・・・」

 

「よーし行くぞグレモリー。お前を立派な一流レーサーに仕上げてやる」

 

「え、ちょっと!引っ張らないでよコテツ!」

 

「結城さんは姫島さんに、半蔵は搭城さんを頼む。僕は木場君に教えよう」

 

「うん。じゃあ行こうか朱乃」

 

「うふふ、お手柔らかにお願いしますわね」

 

「ではレースを早く終わらせて、でざーとを食べに行くでござる」

 

「お供します服部先輩」

 

「いくぞ木場君。こちらの分野なら僕も多少は役に立つ自信がある」

 

「はい、お願いします高藤先輩」

 

 

ぞろぞろと分かれて指導に向かう僕達。

さて、お膳立ては済んだぞライザーさん。

 

 

「あらら、皆決まると早いわね。それじゃライザー君行きましょうか」

 

「あ、あぁっ!が、頑張るさ」

 

「今からそんなに硬くなってたら本番大丈夫?」

 

「あ、あぁっ!が、頑張るさ」

 

「・・・・まぁ、いいわ。行きましょ」

 

 

さて、今日中に獲物が網にかかればいいんだがな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そうそう、そんな感じだ。後はコーナーでぶつからないように気をつけろよ」

 

「えぇ・・・・こうね」

 

 

参加の申し込みをしてから俺はグレモリーと併走しながら指導をしていた。

筋がいいのかほとんど教える事はなかったけどな。

 

 

「後はこのサーキット専用だけどハンドルにボタンがついてるだろ?」

 

「えぇ、これね」

 

「サーキット場にあるパネルを踏めばアイテムがランダムで支給されるからボタンを押せば使えるってわけだ」

 

「・・・どこまでゲームに忠実なのよ」

 

「自分がどのアイテムを持っているかはヘルメットを装着していれば分かるぞ」

 

「まぁいいわ。それで甲羅が当たればスピンでもするのかしら?」

 

「その通り、車体とリンクしているみたいでな。当たるとスピンだ」

 

「どんな技術使ってるのよっ!」

 

 

普通に科学技術だと思うが?

最近じゃ家庭用のNERDLESマシンも出てるし珍しいものでもないだろうに。

海外じゃそこまで出回ってないのか?

 

 

「ところでさっきから気になってたんだけど・・・知り合いか?」

 

「さぁ?見覚えはないけど」

 

 

先ほどからじっとこちらを見ている奴らが気になって聞いてみたがグレモリーは知らないようだ。

俺達が練習している背後から3人の視線を感じていた。

ちらっと見ると俺達と同年代か下といった男の3人組みがいた。

 

 

「おい一誠、こっち見たぞ」

 

「知らないフリだ。まず目線を逸らせ」

 

「ぐっ、あのおっぱいから逸らせない自分の目が憎い」

 

 

遠くて何を言ってるのか分からないが碌な事じゃ無さそうだ。

放って置くとするか。

 

 

「ねぇコテツ」

 

「あん?」

 

「アレ、どう思う?」

 

「アレって・・・どれよ」

 

 

ヒュンッ

 

 

ん?今何かが通り過ぎたような・・・

グレモリーの視線に目を向けると凄いスピードで飛ばしている奴がいた。

おぉ、コーナリングと言い上手いな。

 

 

「ありゃ相当な腕だぞ」

 

「私達より年下なのに大したものね」

 

 

さっきので運転してる奴が見えたのか。

グレモリーの動体視力すげぇな。

 

 

「どんな奴だった?」

 

「男の子でお兄ちゃんみたいね。」

 

 

そう言って指差す方向を見ればおかっぱの女の子が騒いでいた。

見たところ中学生か?

 

 

「きゃーお兄ちゃん頑張ってー」

 

「スグ!恥ずかしいから止めろって!」

 

 

いやお前の声も大概だぞ。

気づけば声援を送っていた女の子の傍に停止して何やら口げんかを始める兄妹。

随分と仲のいいこった。

 

 

「敵は中々手強いな」

 

「あら、でも私は負けるつもりは無いわよ」

 

「へぇ、そいつは楽しみだ」

 

「初心者の私でもこのアイテム次第では勝つ可能性はあるもの。コテツ、足元を掬われても知らないわよ?」

 

「へへっ、上等だぜ」

 

 

確かに先頭に対して効果のあるアイテムを引けば初心者でも十分に勝てる。

他にもコースによっては障害物があるコースもあるからな。

 

 

ヒュンッ

 

 

「あははは、凄い!誰も僕を止める事はできない!」

 

「「・・・・・・・」」

 

 

おかしいな、今木場の声が聞こえた気がするんだが。

あいつあんなにテンション高い奴だったっけ。

 

 

「なぁ、グレモリー」

 

「言わないで。私もあんな祐斗を見たのは初めてなんだから」

 

 

スピード狂かあいつ。

遅れて琢磨もその後を追っていくのを見て気づく。

琢磨の奴、システムにハッキングしながら運転してやがる。

やっぱり琢磨も油断ならねぇな。

 

 

「殿ー!見てくだされ」

 

「上達しました」

 

「おぉ、搭城もやるな・・・で、何で板チョコ銜えてんだ?」

 

 

半蔵と搭城がやってきたのはいいんだが二人とも板チョコを口に銜えていた。

 

 

「先ほど親切な御仁がくれたでござる」

 

「何故か白目な人、でした」

 

「悪いけど、全然想像できないわ」

 

「さっちん殿はチョコレート大使だそうでござるよ」

 

「素晴らしい人、です」

 

 

白目のチョコレート大使?

そういえばニュースか何かで見た記憶があるな。

 

 

「おっと忘れるところでござった。殿、組み合わせ表を持ってきたでござる」

 

「お、サンキュ」

 

 

参加者が多いためか幾つかに分けてレースを行い、最終的なタイムが早い奴が優勝だ。

さて、俺はどこのブロックだ?

 

 

「俺は・・・Cブロックだな」

 

「私は何処なの?」

 

「グレモリーはっと・・・Aブロックだぞ」

 

「拙者はBブロックでござる」

 

「私はDブロックです」

 

 

ここのメンバーは綺麗に分かれたみたいだな。

他の連中の名前も何人か乗っている。

まぁとりあえず俺の参加するCブロックだけでも見てみるか。

 

 

・アステカ

・一文字伐

・ヴァーリ

・ムツキ

・キリト

・世紀の大天才大道寺きら

・高藤琢磨

・兵藤一誠

・最強の虎

・八代虎徹

 

 

登録名はニックネームでもいいとか行ってたけど変な名前もあるな。

琢磨も同じブロックか、こりゃ負けられないな。




ifシリーズ~MUGENキャラで本編が進んでいたら~

「愛乃嬢、どうされたでござる!」

「うぅ、はっちゃん。負けちゃったよ」

「私達姉弟の力見たかっ!」

「今は悪魔が微笑む時代なんだぁっ!」

「変な二人組み、あれで弟とかマジかよ」

「それで愛乃さん。隣で倒れている巨漢は知り合いか?」

「うん、私のアルカナだよ」

「いや、アルカナって何だよ」

石油のアルカナVS肉のアルカナ


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