はいすくーるDxD 平穏(笑)な日常   作:鶏唐

11 / 52
ペルソナのP4Uからラビなんとかさんを出そうとしましたが、
生徒会長と言う事は・・・ますますリアスの幼馴染の出番が無くなることに気づきました。


第10話

週末、俺達のクラスは休日にも関わらずとある公園にいた。

目的は当然、以前に愛乃から提案のあった花見のためだ。

 

 

「それでは皆の出会いを祝して、かんぱーい!」

 

「「「「「かんぱーい!」」」」」

 

 

愛乃の掛け声と共に全員がグラスを掲げて近くの奴と音を鳴らす。

まぁ当然のように中身はジュースだけど。

 

 

「しっかし、俺達以外にも人が多いな」

 

「今日は花見が満開ってニュースでもやってたからね。はい、お菓子いる?」

 

「お、サンキュ。えーっと・・・誰?」

 

 

横に座っていた奴がお菓子をくれたのはいいんだが知らない奴だった。

こんな奴クラスにいたっけ?っつーか何でヨーヨー持ってんの?

 

 

「あはは。普段は仕事とかあって中々学校に来れないからね。私は鬼子母神陽子(きしぼじん ようこ)。よろしく」

 

「すげぇ苗字だな、よろしく。で、仕事って何してるんだ?」

 

「ICPOだよ」

 

 

あいしーぴーおー?

ICPOか、それってもしかして・・・

 

 

「あの有名なとっつあんと同じ仕事か!」

 

「あはは、アレはアニメの話だけどね」

 

 

すげぇ奴がクラスメイトになったもんだ。

それにしても改めて見回してみると何人か知らない奴がいる。

そんな視線に気づいたのか鬼子母神は同じ様に見渡すと説明してくれた。

 

 

「アイドルのアテナに芸人一座のエリス、あれは石油王の娘でエミリ・ド・ロシュフォール」

 

「凄いメンツだな。しかし何で普段いないんだ?」

 

「うちの学校は一芸制度だからそれが認められたら出席扱いになるんだよ。アテナの芸能活動やエリスの公演とかね」

 

「石油王の娘は?」

 

「建前上は親の手伝いってことらしいけど・・・どうだろう?」

 

 

学生で働くとか大変だな・・・って

 

 

「一芸制度って何だよ。俺、聞いてねぇぞ」

 

 

それなら勉強しなくてもよかったじゃないか!

これはまた結城に問い詰めなくてはいけないな。

でも結城の事だからどうせ、『知ってると思った』とか言いそうだ。

 

 

「あはは。その割には一芸制度でも受かりそうな子達ばかりだけどね」

 

「おーっす、邪魔するぜ」

 

「よう草薙」

 

 

鬼子母神と話していると草薙京(くさなぎ みやこ)が来て向かいに座る。

とりあえずコップが空だったので近くにあるジュースを注いでやった。

 

 

「サンキュ八代」

 

「で、どうしたんだ?」

 

「アレ見ろよ、アレ」

 

「あれは・・・石油王の娘と神月か?」

 

 

先ほど話しに出てきた石油王の娘と神月が開けた場所で向かい合っていた。

何だ、お互い金持ちの家だから成金自慢でも始めるつもりか?

だったら結城やグレモリーあたりも混ぜてやれよな。

 

 

「へへっ、これからバトルに決まってるだろ」

 

「何だ、いつもの事か」

 

 

今までも何人かが廊下やグラウンドで闘っているのを見たことがある。

神月は噂じゃ段位を合わせれば100段とか言う段位マニアだ。

石油王のお嬢様は・・・闘えるのか?

 

 

「あの立ち姿からしてあっちも相当な腕前だな。鬼子母神、アンタもな」

 

「ふふっ。ありがとう、でいいのかな?」

 

「おーい、火花散らしてないで質問に答えろよ。別にここじゃなくても見るなら他があるだろ」

 

「おっと、忘れるところだった。八代、どっちが勝つか賭けようぜ」

 

「へぇ、面白いじゃないか」

 

 

そういう事なら受けて立つぜ。

さて、神月は何度か春日と闘っているのを見たことがある。

問題は石油王の娘、ロシュフォールだな。

 

 

「ちょっと、私の前で賭博とはいい度胸じゃない」

 

「心配しなくてもお菓子とかその程度だって」

 

「それぐらいならいいけれど・・・」

 

「よし決めた!ロシュフォールだな」

 

「お?強さも分からないのにいいのか?」

 

「ふふん、いいか草薙。俺はな、面白い方に賭けるのが好きなんだよ!」

 

 

強さが分からない?だから面白いんじゃないか。

草薙は俺の答えを聞いて一瞬間の抜けた顔をしたかと思うと笑った。

 

 

「へっ、いいね。アタシはそういうの好きだぜ。じゃあアタシは神月だな」

 

「おう!勝った方がこのアイス獲得だぞ?」

 

「・・・二人とも、溶けるよ?それよりもちょっと見て欲しいものがあるんだけれど」

 

 

盛り上がっていたところで鬼子母神が水を差す。

まぁ今はロシュフォールも神月も闘いの前の話をしているみたいだからいいけどよ。

取り出したのは一枚の紙切れだった。

 

 

「ラグナ・ザ・ブラッドエッジ。こいつ見たこと無い?」

 

「変な顔してる奴だな」

 

「賞金首か?」

 

「そう。それも史上最高額のね、最近日本に出没したって聞いたからもしかしたら見たかなって思って」

 

「うーん、こんな変な顔してる奴なら中々忘れないと思うけどな。草薙は?」

 

「いや、アタシも知らないな。やっぱ強いのか?」

 

「えぇそうね。数々の賞金首が探しているのだけど見つけて挑んでも今のところ全て返り討ちにされてるの」

 

 

じゃあ捕まえたら大金が貰えるじゃないか。

ってさすがに俺じゃ無理だな、半蔵や琢磨の手を借りればどうだろう。

さすがにこの賞金首も忍者と科学者を相手にした事はないだろう!

 

 

「はぁ、大物の賞金稼ぎソル・バッドガイも近々動くって言うし早く捕まらないかな。統制機構の人も何だか面倒そうな人だし」

 

 

相当困っているようで今度は愚痴を溢しだした。

俺と草薙は顔を見合わせると何事もなかったように闘いの様子を見ることにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「やぁクリザリッド君。お疲れ様」

 

「はぁはぁ、や、八代さん。そう言ってくれるのは貴方だけです」

 

 

毎年花見の席を陣取ってくれているクリザリッド君に労いをかけるとパタリと倒れてしまった。

製塩会社ネスツと我が社、ルガール運送が業務提携をしてはや5年、ネスツからこちらに来た社員もよく働いてくれている。

特にクリザリッド君はオズワルドさんと同じく仕分け担当として頑張ってくれている。

 

 

「八代君!今日は無礼講だ、どんどん飲みたまえ」

 

「その台詞は既に聞きましたよ社長。マチュア君、飲ませすぎじゃないか?」

 

「社長からしたらこの程度序の口ですよ」

 

 

クリザリッド君の横にビールを注いだコップを置いたところで社長に絡まれてしまう。

挨拶の時に聞いた言葉を再度言う社長に酔っているのかと思い秘書のマチュア君に聞くが聞いての通りだ。

 

 

「ははは。八代君も営業でいつも大変だろう。さぁ飲みなさい」

 

「あ、これはありがとうございます」

 

 

社長自ら注いで頂いたビールを飲む。

やはり花見の席でのビールは格別だな。

 

 

「社長が私の営業にまで付いてきたりしなければもう少し楽なんですがね」

 

「まぁまぁ、八代君は社長のお気に入りなのですから」

 

「オズワルドさん」

 

 

愚痴を溢した私を宥めてくれたのは仕分け担当のオズワルドさんだった。

クリザリッド君が来るまでは一人で駒王町の仕分けを行っていた偉大な人だ。

 

 

「お気に入りって私は何かしましたかね?」

 

 

社長のお気に入りと言われても何かをした記憶が無い。

いや、失敗した記憶なら幾らでも思いつくのだが。

 

 

「それは俺も聞きましたよ。さすが八代さんです」

 

「あぁ。父が認めるのも納得できると言うものだ」

 

 

何時の間にやら起き上がっていたクリザリッド君に社長の息子さんのアーデルハイド君までが言い出す。

本当に身に覚えが無い。

 

 

「まず94年の入社したのが八代さんだけですからね」

 

「あの年の社長は鬼のようだった」

 

 

私はサラリーマンから今の職場に中途入社したのだがその時のことを言っているのだろうか?

あの時はまだ小さい虎徹が私のために特製ドリンクをくれて飲んで向かったのを覚えている。

しかし虎徹は大の料理音痴だ。面接が始まった時にはまるで二日酔いのように視界が揺れ、寒気が襲ってきていた。

 

 

「何を馬鹿な、たかが面接じゃないか」

 

「父は完全に根元から入っていた、と言っていました」

 

「私も当時見ていましたよ。たった一歩後ろに下がっただけで完全に見切ってみせたのですから大したものです」

 

 

そういえば突然社長が足を上げて飛び上がった時があったな。

視界の揺れで一歩後ろに後ずさったが・・・結局あれは何をしようとしていたんだ?

 

 

「まぁ、私の事はいいじゃないですか・・・ん?」

 

 

どうも分からないのに褒められるという行為はむず痒く感じてしまう。

話を流そうとすると何やら歓声が聞こえてきた。

 

 

「ほぅ、あちらでどなたかが闘っているようですね」

 

「あれは・・女子高生同士か。どちらも中々の腕前だな」

 

「しかも神月財閥のご令嬢に・・・ロシュフォール家のご令嬢まで?」

 

 

格闘が流行してはや10年、今や子供達も闘う光景はよく見られる。

見るのは構わないがさすがに闘う事は私にはできない。

虎徹も才能は無いらしく危険な事をしなくて済むと思い、ほっと胸を撫で下ろしたものだ。

だが何故か格闘家達と妙に縁があるので結局心配は尽きないのだが。

 

 

「ふむ、駒王学園の生徒のようだね。ローズもいるようだ」

 

「お嬢さんもいらっしゃると言う事は・・・まさか虎徹も?」

 

 

社長の娘さんも私の息子と同じ駒王学園に通っているはず。

いや、しかし息子からは同じクラスといった話は聞いてはいな・・・

 

 

「よーしそこだ!いいぞロシュフォール!」

 

「今でござる!拙者のしゅーくりーむは神月嬢に懸かっているでござるよ!」

 

 

・・・・いた。それも半蔵君も一緒のようだ。

二人は幼い頃からいたから逆にいて当然、と言うべきかもしれないが。

去年まで女子高だったからか、虎徹達の姿が目立ってしょうがない。

近くにいるもう一人の男子生徒は琢磨君か。

 

 

「ほぅ、あそこで声を張り上げているのが八代君のご子息かね?」

 

「はい、そうです・・右にいるのが家の愚息です」

 

 

社長の質問に私は頭を抱えながらも答えた。

社長は何故か右目を光らせながら息子を凝視していた。

まさか社長のコレクター魂に火がついたのでは・・・

しかし虎徹に運送業が向いているとは思えない。

 

 

「八代君の息子と言う事は彼も相当な人材なはずだ。八代家の力、私の物としたいものだな」

 

「・・・はい?今、なんと仰いました社長?」

 

「いやいや、気にしないでくれたまえ。さぁ私達も応援するとしよう」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「ぐおおおおぉぉっ!」」

 

 

納得の行かない結果に俺と草薙は叫び声を上げた。

決着付かず引き分け、神月とロシュフォールは清々しい笑顔で握手なんてしている。

 

 

「あと一歩でロシュフォールが勝ってた。そうだろ草薙?」

 

「はぁ?何言ってんだ。その前に神月の拳がロシュフォールを捉えたのが早い」

 

「いーや、ロシュフォールだ!」

 

「神月だ!」

 

「賭けは二人の負けでしょ?」

 

「と、言う事でお二人のお菓子は私達で頂きますわね」

 

 

俺と草薙が言い合っているとグレモリーと姫島がそう言ってお菓子を取り上げた。

気づけば結城、琢磨、半蔵、デス様の姿もあった。

 

 

「どちらも引き分けに賭けないのですから当然でしょ」

 

「ふむ、では頂くとしようか」

 

「うぅ、拙者のしゅーくりーむがぁ」

 

「ボクが全部頂くデスから安心するといいデス」

 

「ちっ、こうなったら八代!実力で勝負だ」

 

「無茶言うな!」

 

 

格闘の心得以前にセンスが無いと太鼓判を押された俺に勝負を挑むな。

俺だって当然このままでは収まりが付かない事は分かっているが・・・・そうだ!

 

 

「琢磨、草薙の相手を用意してくれ」

 

「ふむ、丁度いいか。いいだろう」

 

 

さすが琢磨、困った時には頼りになるぜ。

若干俺達から離れて何かを転送しようとしているのを見て、俺は草薙に話しかける。

 

 

「草薙、これから琢磨の用意したメカに勝てれば俺の残りの菓子をやろう」

 

「高藤の?・・・へっ、メカ程度に草薙の歴史を超えれるかよ。いいぜ、相手になってやる」

 

「さぁ琢磨!草薙の相手を・・・・」

 

 

振り返ると琢磨の傍には何も無い。

あれ?どういうことだ・・・いや、いた。

視線を下げれば変なのがいる。

身体がないロボと言えばいいのか?手足や頭は何故か浮いているけど。

 

 

「これがホウオウだ」

 

「おいおい、頼むぜ琢磨。こんなので勝てるのかよ」

 

「ふっ、心配せずとも実践データは既に取っている」

 

「なんだ、こんなガラクタでアタシに勝てると思ってるのか?」

 

「では早速試合開始と行こうじゃないか」

 

 

終始怪訝な表情のまま草薙とホウオウが向かい合う。

琢磨は大丈夫と言っているけど本当に大丈夫なんだろうな。

 

 

「それでは試合・・・・開始!」

 

 

俺の掛け声と共に草薙が駆け出し飛び上がった。

ホウオウはそれに合わせて宙に浮いた手が一旦下がり・・・勢いよく上げた。

 

 

「なっ!?嘘だろ!」

 

 

ズサァッ

 

 

・・・・夢でも見てんのか?

あんな小さい姿で草薙を十数mは吹き飛ばしやがった。

 

 

ドンッ

 

 

「ぐっ、今度は飛び道具かよ」

 

 

いや、連射してるぞ。

おかしいな。出せないから分からないが、そんなにポンポンと出せるもんだっけ?

暫くの間、そのまま草薙は近づく事もできずに負けてしまった。

 

 

「どうだ草薙?」

 

「納得いかねーっ!もう一回だ!」

 

「おっと今度は私がやらせてもらう!」

 

「違うよ、私の番だよ!」

 

「その力、私が取り込んでくれよう」

 

 

何やら次々と参加者が現れてしまった。

結局順番で闘うということで落ち着いたクラスメイト達。

あれ?何か大人も混じってるような・・・

 

 

「虎徹、話しておく事がある」

 

「何だ琢磨?」

 

「先日の結城さんの件だ」

 

「あぁ、監視カメラか。どうなった?」

 

「生憎と犯人の特定までは行っていないが、"すごう"は限りなく黒だ」

 

「そうか。証拠は集めれそうか?」

 

「難しいな。相手も警戒してくるだろう」

 

 

結城に聞くのも手だが下手に不安にさせるのもな。

少なくとも下校時の黒服達はいなくなったようだし。

 

 

「他に手がかりは無いもんかね」

 

「レクト・プログレスのPCから社員名簿を探れば分かるかもしれん」

 

「あぁ、そういえば黒服たちはそこの社員だったな」

 

「"すごう”を特定し、警戒しておけば証拠も集まるだろう」

 

「いざとなれば半蔵が家に潜り込むのも手だな」

 

「呼んだでござるか?」

 

「高藤君、あのロボット何?」

 

「あんなのボクが轢いてやれば終わりデス」

 

 

やれやれ、内緒話はここまでだな。

半蔵には後で話すとして結城には話すわけには行かない。

 

 

「殿!拙者のしゅーくりーむが!」

 

「おいしかったデス」

 

「俺のまで食べやがって!何処にそんなに入ってんだ」

 

「痛いデス!止めるデス!」

 

「一旦メスを入れれば分かるかもしれんぞ」

 

「やっぱりこいつが一番怖いデス!」

 

「だからフェルちゃんを苛めちゃ駄目だよ!」

 

 

結城のストーカーは一先ず忘れるとしてだ。

不思議生物デス様と戯れるとしよう。

 

 

 




明日奈のストーカーはさっさと捕まえて終わりにしますか。


ifシリーズ~MUGENキャラで本作が進んでいたら~

「ティナ、他の駒はもう埋まったの?」

「えぇ、あそこではぐれ悪魔と戦っているのが私の眷属達よ!」

「ドゥドゥドゥドゥドゥドゥエ!」

「ワワワワワワワワルイネ☆」

「アッアッアッアッアッアッアッ-イ!イーア!」

「まともな人選にしなさいよ!」

「だって面白いんだもの」



▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。