超次元ゲイムネプテューヌ 夢のヒーローを目指して   作:ホタチ丸

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本日の連続投稿はこれで最後!
何とか寝る前に間に合ったぞ
今回でゲイムギョウ界に来てからの1日がようやく終わります
もう書くことがあまり思いつかないくらい眠くなってきたので
さっさと本編はいりましょう
それでは 終わる1日、新たなる決意 はじまります


終わる1日、新たなる決意

 スライヌ退治と言う簡単なクエストであったはずが、気がつけば

 

 ガメオベアしたり

 

 気絶したり

 

 さらには失神寸前まで追い込まれてしまう人物がいた。

 

 それこそ、この作品の主人公であり、ゲイムギョウ界を救うために召喚された勇者である御波夢人。

 

 そんな彼が本当に女神達を救い、ゲイムギョウ界に平穏を取り戻すことができるのか?

 

 そんな中、『変身』しようとしたネプギアを襲うトラウマ。

 

 彼女は『変身』した自分の力の無さに絶望して『変身』ができなくなってしまっていたのである。

 

 そんな彼女に襲いかかるビッグスライヌ!

 

 彼女はどうなってしまうのか!?

 

 

*     *     *

 

 

「……できない……『変身』できないよぉ……」

 

 突如、悲鳴をあげながら泣き崩れてしまったネプギア。

 

 そんな彼女の様子を見たアイエフとコンパは急いで彼女を救おうとする。

 

「まずいわ!? 行くわよ、コンパ!」

 

「はいです!」

 

 2人は急いでネプギアの盾となるようにビッグスライヌと相対する。

 

「ヌラー!」

 

 そんな2人を威嚇するように雄たけびをあげるビッグスライヌ。

 

 その間に夢人はネプギアへと近づく。

 

「どうしたんだよ!? ネプギア!?」

 

 ネプギアに話しかける夢人であるが、ネプギアはまともに応えることができない。

 

「……私なんか……ごめんなさい……ごめんなさい……」

 

 ただ涙を流しながら謝り続けるネプギアを見て夢人は肩を強く掴み、自分の方を向かせた。

 

「落ち着け! ネプギア!」

 

 夢人のその真剣な表情と声でネプギアは我に返った。

 

「勇者……さま」

 

 ネプギアはポカンとした表情で夢人を見つめた。

 

「ネプギア、お前はだめなんかじゃねぇよ」

 

 ネプギアが我に返ったのを確認した夢人は安心したように笑みを浮かべながら優しく語りかけた。

 

「俺は、お前がどんな思いでその『変身』ってやつを失敗したのかわからない……けど、それなら別にそれで構わない」

 

「……え」

 

 ネプギアは自分が言われたことが理解できずに聞き返してしまった。

 

「俺はお前がどんだけお姉さん、ネプテューヌさんを助けたいと思っているのかは教会での出来事でわかってる……けど、それを1人でやる必要なんかないんだ」

 

 夢人は一度目をつぶり語りだした。

 

「俺なんかこんな初心者用のクエストで何回もお前らに助けられてるだぜ。これじゃお前らに勇者なんて呼ばれる資格なんてないだろ」

 

 そして、夢人は目をゆっくり開いてネプギアに笑いかける。

 

「今日のクエストと同じだ……ネプギア、俺はお前がダメなときは必ずそばに居て助ける」

 

 そう言うと、夢人は立ち上がり木刀を構えた。

 

「女の子を助けるのはいつだって男なんだよ!!」

 

 そう言いながら夢人は木刀を振りかぶりながらビッグスライヌに向けて突撃した。

 

 

*     *     *

 

 

 プラネテューヌ教会

 

 そこでは教祖であるイストワ―ルが『シェアクリスタル』と同じようにゲイムギョウ界を救うための方法がないかを探していた。

 

「……やはり、ありませんね」

 

 プラネテューヌの教会にはそれこそ星の本棚と同等かそれ以上の歴史書や過去の女神たちの残した報告書があるのである。

 

 その中から『シェアクリスタル』に関する伝説を見つけるだけで3年という年月を費やしていたのである。

 

「古の女神の伝説を中心に探すしかないのでしょうか……」

 

 イストワ―ルはそんなことを考えながらゲイムギョウ界を救うために自分の戦いを続けていた。

 

 その時、教会のドアが開かれた。

 

 きっとネプギア達が帰って来たのだと思い、探索を終えて皆を出迎えようとする。

 

「お帰りなさ……い?」

 

 イストワ―ルは彼女達の姿を見て言葉に詰まってしまった。

 

 それは、気絶した青いゼリーまみれの夢人が台車で運ばれてきていたからである。

 

 

*     *     *

 

 

 時は少し遡り

 

 ネプギアにカッコよく啖呵をきった(夢人視点)夢人はその勢いのままビッグスライヌを木刀で殴ろうとする。

 

「南無三!!」

 

 もはや、やけくそになりながら目を閉じて突撃してくる夢人を見て後ろに下がったアイエフとコンパ。

 

 そして、見事ビッグスライヌに夢人の一撃がさく裂しようとした瞬間、夢人は木刀で殴った感触がないことに疑問の声を上げた。

 

「へ?」

 

「ヌラ?」

 

 木刀の刀身がビッグスライヌの中に埋まっていた。

 

「……えっと、あの……俺、結構かっこよく決めるつもりだったんですけど……その……」

 

 そのことを見た夢人は再び冷や汗をかき、顔色はすでに真っ青であった。

 

「ヌラー!!」

 

「捕食は女の子だけだと思ってま……」

 

 ビッグスライヌの体の中に取り込まれてしまったのである。

 

「夢人!?」

 

「夢人さん!?」

 

 アイエフとコンパもそんな事態になるとは思っておらず、急いで夢人を助け出そうと駆けだしたのである。

 

 

*     *     *

 

 

「……と、こんな感じの事が起こったんです」

 

 イストワ―ルは夢人達の初クエストの結果の報告を聞いて胃が痛むのを感じずにはいられなかった。

 

「そ、そうですか……それで、ネプギアさんの方はどうなったんですか?」

 

 イストワ―ルはこれ以上、夢人に関する報告を聞くとゲイムギョウ界よりも自分の方が危ないと考え、話題をネプギアへと変える。

 

「ネプギアの方は、クエストから帰って来てからずっと夢人のそばに居ます……どうも、やっぱり自分のせいで夢人が倒れてしまったと勘違いしてしまっているようで落ち込んでいます」

 

 アイエフは頭が痛いと言わんばかりにこめかみを指で押さえながら報告した。

 

「……そうですか。それでなぜネプギアさんが『変身』できなかったかですが、予想はついています」

 

 イストワ―ルはすべての報告を聞いてアイエフとコンパにネプギアのことを話しておくべきだと確信した。

 

「ギアちゃんはどうして『変身』できなかったですか? 3年前はねぷねぷと一緒に『変身』していたですよ?」

 

「……おそらく3年前のことがずっと心に傷を残しているんのでしょう……それに加えて、ネプギアさんは自覚はありませんが、きっと夢人さんに責任を感じているのだと思います」

 

「責任……ですか?」

 

 アイエフは疑問に思いイストワ―ルに尋ねる。

 

「はい、夢人さんが召喚された時、ネプギアさんは強くネプテューヌさん達、女神の救出とゲイムギョウ界の救うための力を……勇者の力を求めました」

 

 その言葉にアイエフ達も頷く。

 

「ですが、召喚された夢人さんは……言い方は悪いですが、現状ではただ魔力が多いだけの一般人と同じレベルです」

 

 イストワ―ルは俯きながら語り続ける。

 

「……そんな女神が守るべき一般人を勇者として召喚してしまったという負い目があるのだと思います……彼女は優しい性格をしていますから、特にそれが心理的なストレスの原因となっているのでしょう」

 

 イストワ―ルの言葉にアイエフとコンパも心当たりがあるのかお互いに顔を見合わせた。

 

「……そうね、あの子は真面目で責任感の強い子だものね……心のどこかで夢人のことを気に病んでいるのもわかるわ」

 

「それに、ギアちゃんは一度も夢人さんのことを名前で呼んでないです……」

 

「……おそらく、無意識のうちに彼を一般人と区別しようとしているのではないでしょうか。頭では彼を一般人とわかっていながら、特別な存在である『勇者』と思わなければいけない……自分が願ってしまったから彼を一人ぼっちにさせてしまったとも……」

 

 3人は夢人とネプギアがいる部屋に悲しげに視線を向けた。

 

 

*     *     *

 

 

 プラネテューヌの教会の一室。

 

 その部屋に備えられているベットに夢人は横になっている。

 

 彼はクエストが終わり、強制的に帰って来ても未だ一度も目覚めていなかった。

 

 そのベットの横でネプギアはイスに座りながら夢人を見つめていた。

 

「……私が……戦えなかったばっかりに……」

 

 ネプギアは自分から夢人の看護を望みここに居るが、未だ目を覚まさない夢人に対して罪悪感で一杯であった。

 

「……勇者さまにも……家族がいるのに……私は……勝手に……」

 

 ネプギアは夢人の事を改めて考え直していた。

 

 彼は家族を大切に思っている。

 

 それをネプギアは教会であった時に夢人に感じた。

 

 そうでなければ、あの時、夢人はもっとネプギア達を罵倒したはずだ。

 

 そんな家族を大事に思っていたはずの夢人が家族と会えなくなる原因を造ったのは他の誰でもない自分だ。

 

 ネプギアは心のどこかでおとぎ話のような勇者を想像していた。

 

 そんな勇者が皆を幸せにしてくれると思っていたのである。

 

 しかし、実際は勇者も自分と同じように笑ったり、泣いたり、苦手なものもあったりして……

 

 完璧な勇者がいるわけないとわかっていたのに期待していたのである。

 

「……ごめんなさい」

 

 ネプギアは彼の横顔を見て謝ることしかできなかった。

 

 今の彼女にはもう戦う力すらないのだから……

 

 ビッグスライヌとの戦いで女神の力を使うことができなかった自分なんていなくなってしまえばいいとさえ思った。

 

「……なんで……なんで私だけ助かったの……」

 

 ネプギアはまた泣き出してしまいそうになった。

 

「ん? ここは……」

 

 その時に、夢人は起き出したのである。

 

「……ネプギア……また泣いていたのか?」

 

 夢人は寝ぼけ眼でありながら、そばに居るネプギアがまた泣いているように感じた。

 

「……ごめんなさい、私が戦えなかったから……勇者さまが……」

 

 ネプギアはまた俯きながら謝り続けようとした。

 

「いや、あれは俺が……何ていうか……かっこつけようとして失敗しただけだよな……あははは」

 

 夢人は上半身を起こしながらネプギアに対して笑いかけた。

 

「……なんで……」

 

 その姿を見てネプギアは静かにつぶやいた。

 

「……え? 何、ネプギア」

 

 夢人はそれが聞こえなかったのでもう一度言ってもらおうと思い話しかけた。

 

「なんで! なんで笑ってるんですか!? 私が!! 私が勇者としてあなたを呼んだばっかりに!! あの時! 一歩間違えれば、死んでいたんですよ!? なんで私に笑いかけるんですか!? なんで!! なんで……こんな私を助けようとしてくれるんですか!!」

 

 ネプギアは泣きながら夢人に叫んだ。

 

「……ネプギア」

 

 そんな様子のネプギアに夢人は驚いた。

 

 夢人の様子に気付いたネプギアはハッとなり泣きながら部屋を飛び出した。

 

「……なんで助けるのか、か」

 

 部屋を出ていったネプギアを思い、夢人は再びベットに体を倒した。

 

 夢人は天井を見ながら拳を握りしめた。




はい、今回は以上となります
結構シリアスにしたつもりですが、どうでしょうか?
ネプテューヌらしくどんどんネタとかを使うべきかもとも思うのですが、mk2は最初の展開からかなり悲壮感が漂っていてどうしてもシリアス気味になりやすいです
さらに、この作品では夢人君の存在がネプギアをさらに苦しめています
本当にこの主人公は役に立たないなぁ…
まぁ、予定としては今日中にはプラネテューヌ編を終わらせてネプギア視点も余力があれば作りたいと思っているので、ご期待ください
それでは、次回 「最後の希望、ゲイムキャラ」 をお楽しみに
え?それじゃ、勇者の立場がないんじゃ…

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