超次元ゲイムネプテューヌ 夢のヒーローを目指して 作:ホタチ丸
といっても、クエストの内容は終わらないですがねぇ…
展開が遅いのは私の力量不足なので申し訳ないです
でも、この勢いのままどんどん投稿していきます
作者の頭にはプロットができているのでこれが消えないうちに早く打ち出さないとこの作品が危ないんです
それでは、 トラウマ はじまります
夢人たち4人は初クエストである【スライヌ】退治のためにバーチャフォレストへとやって来ていた。
そして、4人の目の前についに【スライヌ】が現れた。
「……」
夢人はその【スライヌ】の姿を見て冷や汗をかきながら固まってしまった。
「居たわよ! みんな、早速……って、どうしたのよ夢人?」
「夢人さん?」
アイエフとコンパはそんな夢人の様子を疑問に思い尋ねた。
「……【スライム】じゃなかったのか?」
夢人は相変わらず固まったままで、頬を引きつらせながら尋ねた。
「何言ってのよ? スライムじゃないくて【スライヌ】よ」
アイエフのその言葉により、現状を理解した夢人は180度方向転換して逃げ出そうとした。
「ちょ、ちょっと!? 急にどうしたのよ!?」
アイエフは逃げ出そうとした夢人を何とか押さえて聞いた。
「……」
「え? なんですか?」
ネプギアは夢人が小声で言った言葉を聞き返した。
すると、夢人は涙を浮かべながら叫んだ。
「犬怖いぃぃぃぃぃぃ!!」
* * *
御波夢人はどこにでもいる少年であった。
彼は小学生の頃、友達の家で飼われていた犬のポチに好奇心から近づいたことがあった。
しかし、ポチはその夢人の姿を見て威嚇するように吠えたのである。
「ワン! ワン!! ワン!!」
その威嚇に驚き、尻もちをつく当時の夢人に最大の危機が訪れる。
そう、ポチの首に繋がれている紐は長かったのである。
「や、やめてぇぇぇぇ!!」
恥も外聞もなく泣き叫ぶ夢人に向かって飛びかかるポチ。
そして、ポチはついに夢人に覆いかぶさったのである。
ポチは室内犬ではなく、普段外で飼われていたことが災いした。
夢人は至近距離で犬の生々しいにおいやよだれなどをダイレクトに感じてしまったのである。
「な、何か匂うよぉぉぉ!! ちょ、噛まないで!? よだれたらさないで!?」
そして、なぜかポチは夢人を気に入ったかのように膝の部分を何度も甘噛みする。
「誰か助けてぇぇぇぇ!!」
これは、彼がまだ年齢2桁にもなっていない冬の話であった。
これ以降、彼は犬を見ると過去のトラウマが再発してしまうようになったのである。
ちなみに、ポチはただじゃれていただけであった。
哀れな夢人少年の思い出である。
* * *
「犬だけは!? 犬だけは無理なんだ!? 許してくれ!?」
「わかった!? わかったから、落ち着きなさい!?」
泣き叫ぶ夢人に対して、アイエフ達は何とかなだめようとする。
「仕方ないわね、なら魔法による遠距離攻撃ならできるでしょ? それぐらい試してみなさいよ」
アイエフはスライヌに近づけない夢人に代替案として魔法を使う練習を提案する。
「そ、そ、そ、そうだった……今の俺にはあの魔王たちに近づくことなく殲滅する方法があるんだったな」
その言葉に落ち着きを取り戻した夢人は再びスライヌへと向き直る。
「……今こそ、俺は過去を乗り越える! 貴様らに怯える日々も今日でお終いだ!! 覚悟しろ!!」
気合いを入れてスライヌを指さす夢人。
そんな姿を見て呆れるアイエフ、苦笑するコンパ、夢人の変化に目を白黒させていたネプギアがいた。
「……気合十分の所、横から失礼するわ」
アイエフは夢人に魔法の使い方を説明しようとした。
「夢人、魔法って言うのはイメージによってその形を変えることができるわ……例えば、弓矢のようなイメージにすれば相手に対して真っ直ぐに向かっていくようにイメージによって魔法はどんな使い方もできるのよ」
アイエフの言葉を頭の中で整理する夢人。
「夢人の中には『シェアクリスタル』によって、膨大な魔力があるからイメージをするだけで魔法は簡単に使えるはずよ」
アイエフはそう言って説明を終えた。
「とりあえず、実践あるのみだな!」
夢人は説明を聞き終えるや否や、スライヌに向かって駆け出した。
「積年の恨み晴らしてやる!!」
もはや勇者ではなく悪者のようなセリフを言いながら、頭の中で弓矢のイメージで魔法を放とうとして、スライヌに向けて夢人は手を向けた。
しかし、いつまで経っても夢人の手からは魔法が放たれることはなかった。
「ヌラ?」
「あれ? おかしいな?」
その状況に再び冷や汗をかき出す夢人。
「……おかしいなぁ……魔力さん、ボイコットしないでくださいませんか……すいません、もしかして定休日とか何かなのかな……ア、アハハハ……」
夢人はひきつった笑みを浮かべてスライヌから少しずつ後ずさる。
「ヌラ!」
「ヌララ!」
夢人を逃がすまいと夢人との距離を詰めるスライヌ達。
「いやあ、ほんの冗談ですよ? すいません、調子のっちゃって……見逃してくれませんか、スライヌ様」
そう言って逃げようとした瞬間……
「ヌラ!!」
その場に居たスライヌ達は夢人に飛びかかった。
「嫌ぁぁぁぁ!?!?!?」
そのことに驚き動きを止めてしまった夢人はスライヌ達に押しつぶされてしまった。
* * *
がめおヴぇr?
* * *
「勝手に終わらせるな!」
スライヌ達に押しつぶされた夢人をアイエフ達はスライヌ達を蹴散らしながら救出した。
「大丈夫ですか!?」
「痛いところはないですか?」
ネプギアとコンパも心配そうに夢人に尋ねる。
「……俺、頑張ったよね? もうゴールしても……」
「ゴールすんじゃないわよ!」
アイエフは1人スライヌ達を蹴散らしながらつっこみを入れる。
「ほら! コンパもネプギアも! そんな馬鹿放っておいてさっさと片付けるわよ!!」
そのことばに反応して、ネプギアは自身の武器である《ビームソード》を、コンパは《注射器》を構えた。
「私達は行ってきますね! 勇者さま!!」
「敵は必ずとるですよ!」
そして、2人もスライヌ達の殲滅に参加した。
「……まだ……死んでない……」
そう言いながら、夢人は意識を手放した。
* * *
「いつまで寝てるのよ!?」
「ぎゃふん!?」
気絶している夢人に対してアイエフは腹を蹴り飛ばして起こした。
「……終わったのか……もういないよな?」
夢人はビクビクしながらネプギア達に尋ねた。
「1匹奥に逃げ込んでしまったので、今から倒しにいくですよ」
コンパはそんな夢人の姿を見て苦笑しながら応えた。
「そ、そうなのか……」
夢人はスライヌが周りに居ないことにホッとして緊張を緩めた。
「まったく、なんで魔法を使わなかったのよ? 簡単に扱えるはずでしょ?」
アイエフは疑問に思っていたことを尋ねた。
「今までそんなファンタジーなこととは無縁に生きてきたんですよ!? そんな急に言われても!? 現実に補正なんて関係ないだよ!?」
夢人は半泣き状態で叫んだ。
「はいはい、さっさと奥に居るの片付けてプラネテューヌに帰るわよ」
アイエフはため息をついて奥に進んでいった。
それにコンパとネプギアも続いていく。
「ま、待って!? 置いていかないでぇ!?」
夢人は慌てて立ち上がってあとを追った。
* * *
バーチャフォレスト奥
そこには大根の根が二つに割れていて二足歩行で動いているマンドラゴラもどきや馬に羽が生えたようなペガサスもどきが闊歩していた。
「あいつらもモンスターなのか?」
夢人は歩きながらモンスターたちを指さしてネプギアに尋ねた。
「そうですよ。あそこに居るモンスター達も比較的弱いモンスターですね」
ネプギアも律儀に質問に応えてくれる。
「……もしかして、スライヌってあいつらより弱い?」
「……そうですね」
ネプギアも気まずそうに夢人から目線を外しながら応えた。
「……ちくしょう」
夢人は情けなくて泣きそうになった。
「バーチャフォレストはそんなに広くないからもう見つかるわよ……さっきみたいに気絶だけはしないでよ夢人」
アイエフはジト目で夢人をにらんだ。
「はい、わかりました……」
落ち込みながら夢人は応えた。
「あ! あそこに居ますよ!」
コンパは発見したスライヌを指さしながら3人に伝えた。
「あれ? でも様子がおかしいような……」
ネプギアがスライヌの様子がおかしいことに気付いたその瞬間……
「ヌラ!」
「ヌラヌラヌラ!」
「ヌーラヌラヌラ!!」
その場に先ほど倒した数より多くのスライヌ達が集合していた。
「まだあんなにいたの!? これは骨が折れるわね……」
アイエフがあまりのスライヌの数に驚いていると……
「ヌーラッラ!! ヌラ!!」
その場に居たスライヌ達が1匹のスライヌの周囲に集まると同時に次第にその姿を大きくしていった。
「……もしかして、有名な合体でしょうか?」
コンパもその様子に冷や汗をかきながらつぶやいた。
「ヌーラ!!」
やがて、頭に王冠をかぶっていそうなぐらい大きなサイズのスライヌ、いや、ビッグスライヌへと進化を遂げた。
「で、で、でかくなった!?」
夢人はお前らは世界中で有名な合体する雑魚キャラかと内心思いながらつっこむだけの気力がなかった。
なぜなら、数が増えてさらに合体した時点でトラウマがフルスロットルでもう立っているのがやっとであった。
「仕方ないわね……ネプギア、あんたならアイツを簡単にやっつけられるでしょう? リハビリの一環として『変身』してやっつけちゃいなさい」
アイエフはそんな夢人の様子を見てビッグスライヌをすぐに倒すためにネプギアに言った。
「『変身』ですか?」
ネプギア自身も初めてみるスライヌ達の合体に驚いていたので思わず聞き返してしまった。
「そうよ、あんな奴ぐらい女神の力を使えばすぐに倒せるでしょ……そうしないと、夢人がもう限界だわ」
ネプギアもアイエフとの会話中に夢人を見る。
「だ、大丈夫ですよ、夢人さん! 落ち着いてください! しっかりしてください!?」
「……もう駄目だぁ……おしまいだぁ……」
うつろな目のままつぶやく夢人と必死に呼びかけるコンパの姿があった。
「わ、わかりました!? やってみます!」
アイエフや夢人たちの状態を見てネプギアは『変身』しようとビッグスライヌに一歩近づいて目をつぶった。
(……『変し!?)
ネプギアが女神の力を使おうとした瞬間ある場面が脳裏に浮かんだ。
* * *
「女神の力とはこの程度か……」
赤い髪の女性が無慈悲に鎌を振るう。
「攻撃とは……こうするんだ!!」
黒い人型にまったく攻撃が効かず、反対に吹き飛ばされてしまう。
そして、何もできずに涙している女神化した自分の姿。
* * *
「……いやぁぁぁぁ!!」
『変身』しようとしたネプギアから突然悲鳴が聞こえたことで3人はネプギアを慌ててネプギアを見た。
「……できない……『変身』できないよぉ……」
ネプギアはその場で膝をついて泣き出してしまった。
はい、以上で今回は終了~
夢人君の苦手なものひとつ目が登場しました
作者は夢人君には立派な主人公になってもらうためにいっぱい弱点を作りました
いじめじゃないからね
今現在の夢人君の状態は
魔力はあるが、魔法を扱うことができない
スライヌ相手に死にかける
以上、2点が分かっています
今後、もっと増えていったり、それを克服したりするので彼の活躍を楽しみにしていってください
それに加えて、ネプギアも3年前のトラウマで女神化できない事態に陥っております
プラネテューヌ編では彼女のトラウマ克服が最大のポイントとなる予定です
次回は、クエストからの帰還と夢人君の新たな決意表明をお送りいたします
それでは、次回 「終わる1日、新たなる決意」