超次元ゲイムネプテューヌ 夢のヒーローを目指して   作:ホタチ丸

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はい、皆さんこんばんわ!
ちょっと遅くなったけど、この章もこれで終わりです。
いろいろと書きたい要素もあったけど、結構省いちゃったかも……
それでは、 クリスティン漂流記(リーンボックス編) はじまります


クリスティン漂流記(リーンボックス編)

 ……あ、アハハ、あたし何でここにいるんだろう?

 

 この章であたし、名前だけしか出ていないよね?

 

 しかも、結局事件は夢人君達が解決しているし、あたしなんて本当に大したことしてないんだよ?

 

 ……ありがとうね、フェル。

 

 そうだよね、あたしはあたしのできることをしただけなんだから。

 

 今回の話はリーンボックスであたしとケイさん、ユニやアイエフ達が何をしていたのかの話だよ。

 

 ……その中で出会ったレイヴィスって言う男のことについても話すね。

 

 それでは、 クリスティン漂流記 リーンボックス編 始まるよ。

 

 

*     *     *

 

 

 あたしがブレイブ・ザ・ハードを退けた夢人君達と別れた後、ラステイションの教祖である神宮司ケイさんにとある依頼を持ちかけられたんだ。

 

「……護衛ですか?」

 

「そう。君の冒険者としての実績と実力を見込んで頼みたいんだ」

 

 ケイさんはあたしにリーンボックスまでの護衛を依頼してきた。

 

「あたしに護衛なんて頼まなくても、ラステイションの人達にお願いすればいいんじゃないですか?」

 

 この間シェアが急激に低下したルウィー以外、他の3国のシェアは高く保たれているはずだ。

 

 特に、リーンボックスはユピテルって言う音楽アーティストが積極的に女神のシェアの回復に努めていたはずだ。

 

 そんな安全が約束されているような国に行くのに冒険家であるあたしの護衛が必要なの?

 

「それはできない。ユニが夢人君達について行ってしまった今、ラステイションを守る者が彼らしかいなくなってしまったんだ。……情けない話、この国の警備隊はユニを頼りにしていた者が多くいたんだ。今、彼らの力を落とすことは、この国を危険にさらしてしまうことになってしまうんだ」

 

「……酷い話だね」

 

 あたしは素直にそう思った。

 

 ユニがラステイションのために頑張っていた姿を知っているからこそ、あたしはこの国の警備隊の人達に対して怒りがわいてきた。

 

「……僕もそう思うよ。だからこそ、ユニは歪んでしまっていたんだから」

 

 ケイさんも悔しそうに顔を歪めていた。

 

「本来なら女神不在の今だからこそ、彼らにはより一層頑張ってもらわなければならないはずだったんだ。……それがあろうことか、ユニがまだ『変身』できなかった時には見下す者までいた」

 

 ふざけないでほしい。

 

 あなた達はユニを、女神を便利な武器や兵器とでも思っているのか?

 

 彼女達だってこのゲイムギョウ界に生きる、心のある存在だ!

 

 そんな彼女達と共に国を守る存在である警備隊にそのような人達がいることに吐き気がした。

 

「……そう怒らないでほしい。そう言った者はすでに除隊させてある。君と同じように彼女を慕う漢乙によってね」

 

 ……その言葉を聞いて、あたしは少しだけ怒りにより昂ぶっていた気持ちが鎮まるように思えた。

 

「その問題を解決するためにも、僕はリーンボックスにあるものを届けなければいけない」

 

 ……あるもの?

 

「これのことさ」

 

 ケイさんはあたしにほほ笑みながら自分の手のひらに乗せられている物を見せてくれた。

 

 これって……何かのデータチップ?

 

「これが僕達の切り札……これとリーンボックスで開発されている物で僕達は反撃ののろしをあげる」

 

 ……それって、つまり。

 

「女神達の救出作戦……その作戦を成功させるためにも、僕は絶対にリーンボックスにこれを届けなければならない」

 

「……うん、わかったよ。喜んで護衛の依頼を受けさせてもらうよ」

 

 あたしに否はなかった。

 

 ゲイムギョウ界の平和を願う1人の人間として、あたしは絶対にこの依頼を成功させる。

 

 むしろ、ケイさんがあたしを頼ってくれて嬉しく思えた。

 

 戦う場所は違っても、夢人君達と同じようにあたしもゲイムギョウ界のために戦う機会をくれたんだから。

 

 

*     *     *

 

 

 ……しかし、リーンボックスに着いたあたし達を出迎えたのは、リーンボックスの女神候補生であるナナハによる信じられない放送だった。

 

〔これより我が国リーンボックスは犯罪神信仰の規制を解除します!〕

 

「バカな!? そんなことをしたら、リーンボックスの秩序が崩壊してしまう!?」

 

 教会に向かう途中の街頭に映し出されたナナハの言葉にいつもは冷静なケイさんが焦るように驚きの声をあげた。

 

 あたしだって信じられない。

 

 確かに犯罪神信仰の規制解除をすれば、よくなる部分がある。

 

 信仰すべき女神が不在の今、人々は心のよりどころがなくなり不安になってしまう。

 

 不安が恐怖に代わり、生きる気力を失ってしまう人だって出てしまう可能性がある。

 

 そんな人達を減らすための策として、犯罪神を一時的に信仰させることが有効なんだ。

 

 生きる目的があれば人はどんな状況でも生きていける。

 

 彼らに犯罪神を信仰すると言う目的を与えることが目的なんだ。

 

 確かに治安は悪くなるけど、人の命には代えられない。

 

 しかし、それはシェアが低い場合の時だけだ。

 

 今のリーンボックスのシェアがあれば、そんなことをする必要がない。

 

 今の発言では、まるでリーンボックスはマジェコンヌに全面降伏すると言っているようなものだ。

 

〔これにより、皆さんはどんな手段を使っても幸せを求められるんですよ! 皆さんの幸せは皆さんの手で掴みとってくださいね!〕

 

 ……その言葉が引き金となって、周りの人達の様子が変化した。

 

 彼らの目は理性を失ったかのように、暗く淀んだ光を放っていた。

 

「……一度街から離れましょう!」

 

「すまない! 頼む!」

 

 あたしはすぐにケイさんの腕をとって走り出した。

 

 すぐにでも街から出なければいけない。

 

 周りでは先ほどの放送を聞いていた人達が殴り合いや窃盗、破壊活動など普通では考えられない行動をとっていた。

 

「これは本当にまずいね」

 

 あたしは状況の悪さを認識して、逆に笑いがこみ上げてしまいそうになる。

 

「……ファルコムは平気なのか?」

 

「ええ。ただ周りの人達はそうでもないみたいですけどね!!」

 

 あたしは襲いかかってきた人を思いっきり蹴り飛ばしてやった。

 

「あの放送が引き金なのは間違いない、っと!」

 

 次から次へと襲いかかってくる人達を相手に、あたしはケイさんを庇いながら相手を続ける。

 

「……僕とファルコムが平気で、周りがおかしくなったか」

 

 そんな冷静に考えられても困るんだけどね!

 

 正直、ただおかしくなった人達に剣を向けられない。

 

 あたしは襲い掛かってくる人達を相手に素手で相手をするしかなかった。

 

 しかし、襲い掛かってくる人達の数は多く、ついにあたし達はビルの壁に追い詰められてしまった。

 

 ……この数は、まずいかも。

 

 あたしがどうにかしてこの状況から逃げ出そうと考えいた時だった。

 

「伏せなさい!!」

 

 その声を聞いた瞬間、あたしはケイさんに覆いかぶさった。

 

 すると、何発もの銃声が聞こえて、周りの人達が倒れてしまった。

 

 ……も、もしかして、やっちゃった?

 

「麻酔銃で眠ってもらっているだけよ……早くこっちに来なさい!!」

 

 あたし達を助けれてくれたのは、赤い髪を二つに縛り胸元が大きく開かれた服を着た女性だった。

 

「ケイブさん!! こっちだ!!」

 

「わかったわ!! さあ、早く!!」

 

 あたし達がケイブさんって呼ばれた女性の近くに来た時、1台のワゴン車がやってきた。

 

 あたし達は急いで車に乗り込んだ。

 

「シュンヤ! お願い!」

 

「了解!」

 

 運転席に座っていた男性、シュンヤはそう言うとすぐに車を走らせた。

 

 ……これで一安心なのかな?

 

「どうにか間に合ったみたいね……私はリーンボックス特命課のケイブです。ラステイションの教祖、神宮司ケイ様で合ってますか?」

 

「ああ、僕が神宮司ケイだ。正直、いきなりこんな事態に巻き込まれてどうにもできない状態だったんだ。ありがとう」

 

 車の中でケイブが申し訳なさそうに言う。

 

「すみません。こんな事態に巻き込んでしまって、私達もこの事態を防ぐことができなかったのです」

 

「何があったの? ……っと、あたしはファルコム。ケイさんの護衛だよ」

 

「ええ、わかったわ。簡潔に言ってしまうと、リーンボックスの教会が犯罪組織の手に落ちました」

 

 なっ!?

 

「ナナハ、リーンボックスの女神候補生が銀髪の男に操られてしまったことから始まったわ」

 

 操られた?

 

 女神を操ることなんてできるの?

 

「シェアが低下してたわけでもない女神の洗脳か……普通ではありえないね。一体その銀髪の男はどんな魔法を使ったんだい?」

 

「……それはわかりません。しかし、ナナハが男をご主人様と呼んで従う姿は普段の彼女ではありませんでした」

 

「……考えたくはないが、彼女が本心で男に従っているとは……」

 

「そんなわけねえ!!」

 

 車を運転していたシュンヤが大きな声でケイさんの言葉を遮った。

 

「ナナハ様はオレ達の様な元犯罪者でも優しく手を差し伸べてくれたんだ!! いくら教祖様でもそれを言うのは絶対に許さねえ!!」

 

「……彼は?」

 

「彼はシュンヤ。ユピテルのメンバーの1人で、以前のリーンボックスでの事件の際、ナナハと夢人達に救われた1人です」

 

 多分、夢人君が指名手配になった時の事件だ。

 

 シュンヤはハンドルを握る腕に力を込めながら言う。

 

「オレ達がマネージャーに騙されたとはいえ、リーンボックス中の人達を殺してしまう一端を背負った。それなのに、勇者くんやナナハ様はオレ達を救ってくれた。ナナハ様に至っては、操られたオレ達の体を心配してくれたんだ。そんな優しいナナハ様がこんなことをするような奴に従うなんてありえねえ!!」

 

「……すまない。君の様な男に慕われているのに、犯罪組織に身を落とすわけがないね」

 

「い、いえ!? 俺も生意気なこと言ってすいません!!」

 

 ケイさんが素直に謝ったことで、シュンヤも慌てて謝った。

 

 ……でも、そうなるとどうしてそんなことになったんだろう?

 

 シュンヤの話を聞く限り、犯罪組織に身を落とす人物でないことはわかる。

 

「とりあえず、今は情報を1つずつ整理するしかないね。……シェアエナジー増幅装置は無事なのかい?」

 

 シェアエナジー増幅装置?

 

 一体なんだろう?

 

「それは敵に奪われてしまいました。おそらくナナハの放送を聞いて皆がおかしくなったのは、装置を使った影響ではないかと思います」

 

「……そう考えるのが普通なのかもね。そのナナハさんが自身の中のシェアを増幅させたことで、この国の女神を信仰している人達がおかしくなんたんだろう」

 

「それってどういう意味?」

 

 あたしが質問すると、ケイさんが顎に手を当てて言う。

 

「女神が信仰の対象であり、一種のカリスマ性を持っていることはわかっているだろう? きっと女神と言う存在を上辺だけしか知らない人達は彼女の影響力によって催眠状態になっているんだと思う」

 

 だから、あたしやケイさん、ケイブやシュンヤは平気なんだね。

 

「それじゃ、もう1つの方は?」

 

「そちらは無事です。……いえ、実は仮組み立てすら終わっていなかったので、無視されたと言う方が正しいんですが。」

 

「……そうかい。まあ、切り札の方が無事ならよかったよ」

 

 へっ?

 

 切り札ってそのシェアエナジー増幅装置の事じゃなかったの?

 

 あたしがそのことについて疑問に思った時、ケイブの通信機に悪い知らせが舞い込んできた。

 

「……今、情報が入りました。ルウィーの教祖、西沢ミナ様が捕まってしまいました」

 

 ……この最悪の状況、どうにかして挽回しないと。

 

 

*     *     *

 

 

 その日、あたし達は特命課の事務所に逃げ込んだんだけど、そこであたしは信じられない存在を目撃した。

 

「……え、えっと、確かワレチューだよね?」

 

「ち、違うっちゅよ!? おいらは特命課に所属しているパンチューって言うパンダだちゅ!?」

 

 いやいやいや。

 

 その変装はあり得ないでしょ。

 

 だって、顔を白く塗りつぶしただけなんだし。

 

「そうよ。彼はリーンボックスの危機を察知して駆けつけてくれた元特命課の社員よ。彼がいたからこそ、私達は無事だったの」

 

 ……何でケイブはそんないい笑顔でワレチューを紹介しているんだろう。

 

 最初はクールビューティーって言う言葉が似合う女の人だって思ったのに……

 

 ちょっと意外な一面を見た気がした。

 

「それでパンチュー、頼んでいたことはしておいてくれたかしら?」

 

「もちろんっちゅ! これを見て欲しいっちゅ!」

 

 パンチュー、いやワレチューがパソコンの画面に地図を映し出した。

 

 地図には一点だけ赤い印でマークが付けられている。

 

「あの放送はこの電波塔を利用して、リーンボックス中に放送されたようだっちゅ。ここを押さえれば、何か打開策が思いつくはずっちゅよ」

 

「ありがとう。やることは決まったわね」

 

 ……ちょっと腑に落ちない点はあるけど、確かにその通りだ。

 

「明日、この電波塔に乗り込むわよ」

 

 これ以上、リーンボックスをめちゃくちゃになんてさせない!

 

 

*     *     *

 

 

 翌日、あたしとケイブ、それとパンチューの3人だけで電波塔へと向かった。

 

 シュンヤや他のユピテルの2人はケイさんの護衛をお願いしてある。

 

 その道の途中で、あたし達はイストワ―ル様を護衛していたユニ達に出会った。

 

 ワレチューの存在には驚いていたが、事情を聞いた彼女達はあたし達と一緒に電波塔へと乗り込んだ。

 

 電波塔は人の気配がなく、いやに静かだった。

 

 ……もしかして、無人なのかと思った。

 

 しかし、それは違った。

 

 あたし達が電波塔の制御室に入った時、中で制御パネルを弄っていた男がいたんだ。

 

「ん? なんだ、随分と遅いご到着だな。女神候補生ども」

 

 男は銀髪で赤と緑のオッドアイをしており、赤い模様が顔で不気味に光っていた。

 

 ……多分、コイツがナナハって言う子を洗脳した張本人に間違いない!

 

 あたし達が武器を構えて攻撃の姿勢を見せても、男は余裕そうに笑いながら言う。

 

「いいのか? ここにある機材を壊したら、リーンボックスの奴らはずっとこのままかもしれないだぞ?」

 

 卑怯な!?

 

 男の言葉がウソである可能性もあるが、洗脳を解く手段がわからない以上、あたし達は男に向けて攻撃できない。

 

 攻撃すれば、機材まで破壊してしまうからだ。

 

「自己紹介をしておこう。俺の名前はレイヴィス。この偽りに満ちたゲイムギョウ界を破壊する魔王だ」

 

 ゲイムギョウ界を破壊する魔王……

 

 レイヴィスはそう言って、フェルを見た。

 

「お前ならこの言葉の意味がわかるはずだ。なあ、御同輩」

 

「……ええ、あなたは本来のこの世界を知っているんですね?」

 

 えっ?

 

 どういう意味なの?

 

「そうだ。お前やあの女も俺と同じ、『転生者』って言うバグだ」

 

「女って言うのはナナハのことかしら?」

 

 ケイブがレイヴィスを睨みながら鋏を持つ手に力を込めた。

 

「その通りだ。あの女やそこの少年も、いずれ必ずゲイムギョウ界に破壊を招く、ありえない存在なんだからな」

 

 ありえない存在。

 

 フェルが?

 

「……まあいい。どうせ貴様らには理解できないんだからな。精々この世界がなくなるまであがけばいいさ」

 

 そう言ったレイヴィスは霧のように消えて行った。

 

「魔法……なの?」

 

「いいえ、魔法ではありませんでした。……しかし、彼は一体何者なんでしょうか」

 

 ……レイヴィスが言っていた言葉の意味は気になる。

 

 でも、あたしはそれ以上に気になることがある。

 

「……フェル」

 

 あたしはフェル見た。

 

 フェルは顔を歪めて拳を強く握っていた。

 

 ……あなたは何を知ってるの?

 

 

*     *     *

 

 

 レイヴィスがいなくなった後、電波塔に下っ端から連絡があった。

 

 ……でも、リン子って誰のこと?

 

 ケイブって実は結構抜けているところがあるのかな?

 

 下っ端からの連絡によると、ナナハの洗脳は夢人君が解いたらしい。

 

 夢人君達の所に現れたジャッジ・ザ・ハードって言うマジェコンヌの幹部も夢人くんとネプギア、ナナハの3人で撃退したと報告があった。

 

 あたし達は電波塔からシェアエナジー増幅装置を使ったナナハの映像を流して、リーンボックスの人達の洗脳を解くことに成功したんだ。

 

 ……その後、フェルとナナハから『転生者』ってことを告白された。

 

 正直、信じられないような話だった。

 

 一度死んだのに、生き返るだなんて……

 

 でも、あたし達はフェル達の言葉を信じた。

 

 それはきっとフェル達が体を震わせながら告白したから……

 

 隠しておきたいことを、あたし達を信頼して話してくれた姿を見たからだ。

 

 ……情けないな、あたしも。

 

 リーンボックスの教祖みたいに、あたしもフェルが抱えている悩みを見抜けなかったんだ。

 

 あたしはあの子と長い間旅したつもりだったのになあ……

 

 ありがとうね、フェル、ナナハ。

 

 あたし達を信頼して話してくれて……

 

 あたし達はあなた達がどんな存在であろうとも、あたし達にとって大切な仲間であることに違いはない。

 

 安心して、って言うのは少し違うかもしれないけど。

 

 あたし達はあなた達をちゃんと受け止めるよ。

 

 レイヴィスの言ったようなバグじゃない。

 

 同じようにゲイムギョウ界に生きる存在として……

 

 

*     *     *

 

 

 ……っと、やっぱり一章分だと随分と長くなるね。

 

 本当ならもっと詳しく話したかったんだけどね。

 

 あの後、女神候補生達のライブをしてイストワ―ル様が大きなシェアクリスタルを3つ造ったんだ。

 

 ……3つ?

 

 そんなに必要なの?

 

 転送装置に使う分、女神達を助け出す分……

 

 やっぱり、1つ余るんじゃないのかな?

 

 それに、ジャッジ・ザ・ハードが置いて行ったパワードスーツなんて何に使うんだろう?

 

 アンダーインヴァースから運ばれてきたそれを見て、あたし達は驚いてしまった。

 

 ……一体、何を考えているんだろう。

 

 気にしてもしょうがないのかな?

 

 あたし達はあたし達のできることをするだけだから。

 

 あたしもゲイムギョウ界の平和のために、夢人君達と一緒にギョウカイ墓場に乗り込む。

 

 これ以上、女神がいないせいで不幸になる人達をなくすために……

 

 ハードブレイカーの守りたかった人の心を守るためにも……

 

 あたし達は必ず女神を助け出す!

 

 

……

 

 

 ……っと、お疲れ様、フェル。

 

 フェルはちゃんとご飯とか食べてる?

 

 こんな仕事をしてて生活習慣がおかしくなったりしてない?

 

 ダメだよ? 無理しちゃ。

 

 ……言われなくてもわかってる?

 

 ちょっとその言葉は信用できないかな?

 

 フェルってば、なんだか最近夢人君に似てきたし……

 

 夢人君って言えば、なんか様子がおかしかったよね?

 

 緊張しているのかな?

 

 女神の救出はそれぐらい重要なことだしさ。

 

 ……でも、大丈夫だよ。

 

 夢人君は1人じゃない。

 

 あたし達がついているからね。

 

 弱い人間だけど、強い心を持ってブレイブ・ザ・ハードに挑んだ夢人君ならきっと大丈夫だよ。

 

 信頼してるよ、勇者さま。




という訳で、今回は以上!
もっといろいろと書きたいこともあったけど、これぐらいかな?
一応、重要なことは書けたと思うんで大丈夫だとは思いますけどね。
……というより、本格的に書いたらまた一章分使っちゃうよ。
と、ここで告知しときます!
以前アンケートで募集したクリスマス記念小説は別作品扱いで投稿させていただきます。
ここには投稿せず、番外編だけのものを明日に投稿しますのでよろしくお願いしますね。
まあ、こちらの方も投稿しますけどね。
ちょっと投稿の時間が遅くなってしまうのは申し訳ないですが、ご了承ください。
次回からついに女神救出編!
ようやくネプ子達も登場させられると思うと、テンションが上がってきますよ!
それでは、 次回 「嵐の前に」 をお楽しみに!

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