超次元ゲイムネプテューヌ 夢のヒーローを目指して   作:ホタチ丸

60 / 184
はい、皆さんこんばんわ!
この作品もこの話で60話になりました!
ここまで続けられたのも皆さんが読んでくださるおかげです!ありがとうございます!
それでは、 犯罪神信仰規制解除 はじまります


犯罪神信仰規制解除

 ……イライラする。

 

 目の前の男とそれに従うバカ女を見ていると……

 

 目の前の男はアタイ達マジェコンヌの協力者であり、いろいろな情報を提供してきた。

 

 コイツのおかげでゲイムキャラのことやキラーマシンのことを知ることができた。

 

 アタイ等マジェコンヌにとって充分利用価値のある人物だろう。

 

 ……だが、気に食わねぇ。

 

 男の目はアタイ等を見ていない。

 

 アタイ等を物のように扱っているようにも見える。

 

 態度もでかい。

 

 まるで自分を神様だと思っているのではないかと思うくらい傲慢な奴だ。

 

 だから、アタイは男が嫌いだ。

 

 ……だけど、今はそれ以上に気に食わねぇ奴がいる。

 

 男に従っているバカ女。

 

 テメェは何でそんな人形のように従ってんだよ。

 

 テメェは勇者気取りが岩を砕いた時に変わる決意をしたんじゃねぇのかよ。

 

 何でまたそんな死んだように生きてんだよ!

 

「……クソッ!」

 

 アタイは壁を思いっきり殴った。

 

 アタイは何で敵の女神を心配してんだよ。

 

 アタイとバカ女は敵同士なんだよ。

 

 簡単に操られやがったバカ女なんて放っておけばいいのに。

 

 なのに、どうしてなんだよ!?

 

 ……結局、アタイはあの男がやることは全部気に食わねぇってことだ。

 

 どうしてマジック様はあんな奴を好きにさせてんだよ。

 

「……チッ、誰だよ? こんな時に……!?」

 

 アタイは通信機に着信が来たことで苛つきながら廊下に出て画面を確認する。

 

 アタイは通信機の画面を見て驚いた。

 

〔リンダか?〕

 

「マジック様!? 一体どうしたんですか!?」

 

 ……通信の相手はアタイの尊敬する上司、マジック・ザ・ハード様だった。

 

 マジック様自らがアタイみたいな下っ端に通信を入れるだなんて何事なんだ?

 

〔貴様にしてもらいたいことがある……拒否は許さん〕

 

「……もちろんです! マジック様の命令ならばどんな命令でもしてみせます!」

 

 アタイの言葉を聞いて、マジック様は少しだけ嬉しそうにして言う。

 

〔なに簡単なことだ……勇者を……〕

 

 

*     *     *

 

 

「くっ! うっ!」

 

「ほらほら! 受け止めてばかりだと動きが遅くなっちゃうよ!」

 

 日本一は手に持つプリニーガンで夢人に何度も斬りかかる。

 

 夢人は自分の腕に氷の魔法をかけ、先端を尖らせたナイフの様な形状の氷を腕に纏って日本一の攻撃を受け止める。

 

 しかし、氷が重いのか上手く動かせずに日本一の攻撃を受け止めることしかできていなかった。

 

「そうやっていると、いつまで経っても攻撃に移れないよ! 受け止めるんじゃなくて、アタシの攻撃を受け流すように氷を構えないと!」

 

 日本一が氷の一か所を集中的に攻撃すると、氷に罅が入る。

 

「いくら硬くても意味がないよ!」

 

「がっ!?」

 

 日本一が罅の入った箇所に重い一撃を与えると、氷は砕け散ってしまい、夢人はその衝撃によって吹き飛ばされて地面に転がってしまった。

 

「夢人が造った氷は確かに硬いけど、今の攻撃のように受け止めてばかりいるとすぐに壊れちゃうんだよ」

 

「ハア、ハア……だから、受け流す、か」

 

「そう! 普通の剣だとちょっと難しいかもしれないけど、氷なら元から滑るから感覚を掴みやすいはずだよ!」

 

 日本一は快活に笑いながら倒れている夢人に手を差し伸べる。

 

 夢人はその手を握って立ち上がると、再び腕に氷の魔法をかけて日本一に言う。

 

「よしっ! もう一度頼む!」

 

「もちろん! 何度だって付き合うよ!」

 

 夢人の言葉に日本一は笑いながら応えてプリニーガンを構えた。

 

 

*     *     *

 

 

「風の魔法を圧縮?」

 

「そうですの、夢人は基本的に自分の周りにしか魔法を使えませんの」

 

 夢人はがすとの言葉に首をかしげながら、自分の右手を見る。

 

「夢人が飛ぶことができるのは自分の足から風の魔法を放出しているからですの……なら、それを腕に変えればいいだけですの」

 

 がすとはボクシングの様なポーズをとりながら右腕を伸ばしたり縮めたりして説明を続けた。

 

「自分を浮かせることができるだけの圧力を相手に加えることができるはずですの」

 

「……よし、試してみるか」

 

 夢人は目を閉じて自分の右手に意識を集中させる。

 

 中腰になり、左手を前に、右手を腰の位置に落として構える。

 

「でやっ!」

 

 勢いよく手の位置を入れ替えて、右手を突き出して風の魔法を解放した。

 

「って、うわあああああ!? 痛っ!?」

 

 夢人は風の魔法が前方に解放された影響で、後方に吹き飛ばされてしまい、背中から地面に落ちた。

 

「もっと腰を落とすですの! 足でしっかりと踏ん張らないとさっきのようになるですの!」

 

「了解! もう一度!」

 

 夢人は再び腰を落として右手に魔力を集中させた。

 

 今度は先ほどよりも腰を落として右手を勢いよく突き出す。

 

「ぐっ! ……がっ!?」

 

 歯を食いしばって吹き飛ばされないように踏ん張る夢人だったが、今度は足が滑りうつ伏せの状態のまま地面を滑った。

 

「今度は落とし過ぎですの! 何度もやって最適な構えを見つけるですの!」

 

「おう!」

 

 夢人は顔についている土を手の甲で拭いながら再び立ち上がって構えた。

 

 

*     *     *

 

 

「今日は渦の中でこの人形を手放さないようにするんだよ」

 

「仮想敵ってことだよな」

 

 夢人は5pb.から自分の身長と同じくらいのサイズの人型の人形を手渡された。

 

「そう、風の魔法を使っている間に氷の魔法は使えないでしょ? だったら、風の魔法を使っている間は絶対に相手を離しちゃダメだからね」

 

 魔法は一度に発動できるのは1つだけである。

 

 これは魔法を操る本人のイメージが大きく関係している。

 

 例えば、火の魔法を使っている時は氷の魔法は使えない。

 

 理由は、熱い氷と言う矛盾したイメージを想像できないからだ。

 

 氷は冷たいと言うイメージがあるように、熱い氷は無いと。

 

 無意識に魔法を使う本人がイメージしているからである。

 

 だから、魔法は一度に1つしか発動することはできないのである。

 

 例外として、ロムとラムが合体したホワイトシスターはロムとラムが別のイメージを行うことで異なる2つの魔法を使うことができたのである。

 

「人形は破けても何度でも直すから安心して使ってね」

 

「ありがとうな、5pb.……ラム!」

 

「わかってるわ! いくわよ!」

 

 夢人は5pb.にほほ笑みながらお礼を言うと、人形を抱えたまま5pb.から離れて真剣な表情で『変身』したラムに声をかけた。

 

 ラムは一度頷いてからナチュラルホワイトを夢人に構えてブラストを解き放った。

 

「ぐうっ! ……って、あああ!?」

 

 夢人は風の渦の中で人形を手放さないようにしっかりと掴んでいたが、風の影響で掴んでいる手が滑り人形は渦の外へと飛んで行ってしまった。

 

「クソッ! ……あぐっ!?」

 

 夢人は悔しそうな顔で人形の飛んで行った方向を見ていたが、自分も渦の外へと吹き飛ばされてしまい地面に激突してしまった。

 

「……に、人形を」

 

「ボクが取りに行くよ! 夢人くんは休んでて!」

 

「でも……」

 

 夢人が立ち上がろうとして腕に力を入れて上半身を起こすと、5pb.が人形を取りに行ってしまった。

 

「夢人くんはこれからまだ何回も飛ぶんだから、体力は温存しておいてもらわないと……はい」

 

「ありがとう」

 

 5pb.から笑顔で人形を手渡された夢人は同じように笑顔で人形を受け取ると、人形を掴む腕に力を入れて言う。

 

「必ず成功させる……ラム! もう一度!」

 

「オッケー!」

 

 

*     *     *

 

 

「……で、そんな無茶した結果がこれって訳ね」

 

「……申し訳ございません」

 

 アイエフはベットに横になっている夢人を呆れた目で見ながら言った。

 

 夢人は額にタオルを乗せられており、頬も赤く染まっていた。

 

「過労で熱が出たんですね……いくらなんでも無茶をし過ぎたんですよ」

 

 ベットの横で夢人から渡された体温計を見ていたコンパと心配そうに夢人を見ていたロムが言った。

 

「……38度ちょっとですね。これならお薬とゆっくり寝ることですぐによくなるですよ」

 

「夢人お兄ちゃん、ゆっくり休んでね」

 

「……ごめん」

 

 2人の言葉に夢人が苦しそうな顔のまま言った。

 

「まあ、ゆっくり休んでおきなさいよ……最近は本当に頑張ってたからね」

 

 アイエフが最近の夢人の頑張りを思い出して頬を緩めた。

 

「アンタが1人で頑張るんじゃなくて、私達にいろいろと頼ってくれて実は嬉しかったのよ」

 

「……嬉しかった?」

 

「そう……アンタ、今まで魔法の練習とかする時はいつも1人だったじゃない? それを私達の前でするようになって嬉しかった」

 

 アイエフが夢人の頬を優しくなでながら言う。

 

「アンタは魔法を失敗する姿が情けなくて私達の前では練習しなかったのかもしれないけど……不安だったのよ、もしアンタ1人で練習してて大怪我したらどうしようって」

 

「……ごめん、心配かけてて」

 

「謝らなくていいわ」

 

 夢人の言葉にアイエフが苦笑しながら言った。

 

「……でも、困ったわね」

 

「どうかしたんですか?」

 

 コンパが首をかしげながらアイエフに尋ねた。

 

「実は明日からイストワ―ル様の護衛としてリーンボックスに向かう予定なのよ」

 

「いーすんさんの護衛ですか?」

 

「そう……何でもリーンボックスの教祖、箱崎チカに呼ばれたらしいわ」

 

「……そう言えば、ケイさんもファルコムに護衛を頼んでリーンボックスにいるはずだよな」

 

 夢人はぼんやりと天井を見つめながら言った。

 

「……確かミナちゃんもリーンボックスにいるって連絡があった」

 

 夢人に続けてロムも言った。

 

「そんな時に体調崩したのかよ……本当、ごめん」

 

「だから、謝んなくていいっての……まったく」

 

 夢人の申し訳なさそうな言葉を聞いてアイエフがため息をつきながら言った。

 

「だったら、わたしが夢人さんの看病のために残った方がいいですか?」

 

「それには及ばないわよ……もっと適任者がいるから」

 

「適任者?」

 

「……そう、いつまでもうじうじと悩んでないでぶつかって行けっての」

 

 アイエフは窓の外を見て優しくほほ笑みながら言った。

 

 

*     *     *

 

 

 ……まったく、何でアタシがこんなことしているのかしら。

 

 アタシだって夢人の特訓に協力したかったわよ。

 

 ……でも、アタシが協力できることってほとんどなかったのよね。

 

 精々5pb.が人形を造る際にちょこっとだけ手伝っただけだった。

 

 ……お裁縫も少し勉強しとこうかしら?

 

 って、違う違う!

 

 今はそんなことよりも目の前の部屋に引きこもってるバカを引きずりださないと。

 

「いい加減出て来なさいよ! ネプギア!」

 

 アタシはドアを強く叩きながら引きこもり、ネプギアを呼んだ。

 

「あーっ! もう! いつまでも引きこもってんじゃないわよ!」

 

 アタシは何度も呼びかけるのに返事の1つもしないネプギアに苛つき始めた。

 

 まったく本当に面倒くさい女だ。

 

「……返事をしないなら勝手に用件だけ言っていくわ」

 

 アタシはネプギアから反応を期待するのを諦めて、ため息をつきながら言った。

 

「アタシ達は明日からイストワ―ル様の護衛でリーンボックスに向かうの……夢人を残してね」

 

 ……部屋の中で物音が聞こえた。

 

 夢人って言葉に反応したみたい。

 

 なんだちゃんと聞いているじゃない。

 

「実は夢人が特訓のしすぎで体調を崩しちゃったのよ……だから、アンタには夢人の看病のために残ってもらうわ」

 

「きゃっ!? ……痛ったーい……」

 

 ……本当に何やってるのかしら?

 

 悲鳴となんかベットから落ちたような音が聞こえてきたんだけど。

 

 まあ、それだけ夢人を意識してるってことね。

 

 ……アタシ的にはよくはないけどさ。

 

「だから、さっさと出て来なさいよ」

 

 アタシはそれだけ言うと、部屋の前から立ち去った。

 

 ……今のネプギアはただ甘えているだけだ。

 

 夢人に罪悪感は感じていても、夢人の優しさにすがっているんだ。

 

 アタシが夢人に一緒に逃げようと言った時と同じだ。

 

 夢人に依存しているって言ってもいいかもしれない。

 

 女神としての自分を守る言い訳をしているのかもしれない。

 

 ……弱い夢人を守るのは女神である私の役目。

 

 なんて思っているのかもしれない。

 

 正直、ふざけてんじゃないわよ! って怒鳴りたくなるわ。

 

 夢人を見ていないだけじゃなくて、夢人を好きになったアタシ達もバカにしているような気がしてくる。

 

 ……って、アタシも人のこと言えた義理はないけどさ。

 

 夢人を言い訳にして逃げようとしたわけだし。

 

 最初にネプギアに会った時に言われた言葉が本当に合ってていやになるわ。

 

 ……アタシとネプギアはそっくり。

 

 本当に他人の様な気がしない程そっくりなんだ。

 

 今のままのネプギアじゃ、本当に機械みたいに生きるしかなくなってしまう。

 

 笑顔って無表情で固めた女神って言う機械になってしまう。

 

 ……だから、早く気付きなさいよ。

 

 アンタはアタシのライバルなんだから。

 

 そんなアンタがいつまでも落ち込んでいると調子が狂うのよ。

 

 早く本当の自分になりなさいよね。

 

 

*     *     *

 

 

 ……私は久しぶりにこの部屋に来た。

 

 ベットには夢人さんが眠っている。

 

 まだ頬は赤く、熱も少しあるみたいだった。

 

 私はタオルが温くならないように定期的に水で濡らしながらベットの横に置かれた椅子に座っていた。

 

 ……夢人さんの顔を見るのは久しぶりだった。

 

 ラステイションで再会した時はすぐに駆け寄りたかった。

 

 ……でも、できなかった。

 

 私は夢人さんの気持ちを裏切り続けていたんだ。

 

 夢人さんは私達を守るために努力していたのに……

 

 私はそれを知らなかった。

 

 ……私は知っていなければいけなかったのに。

 

 私は右手の小指を見つめた。

 

 あの夜に約束したはずなのに……

 

 夢人さんは自分が弱いことをわかっていても私達と一緒に戦ってくれるって約束してくれた。

 

 ……私はその意味を勘違いしていたんだ。

 

 私は夢人さんを守るべき人間としか見れていなかったんだ。

 

 一緒に戦う仲間として見れていなかったんだ。

 

 バーチャフォレストで私を守ってくれるって言った言葉も信じていなかったんだ。

 

 ……苦しい。

 

 夢人さんがベットで寝ている姿を見るとあの夜を思い出す。

 

 夢人さんが初めてゲイムギョウ界に来た時の夜。

 

 あの時も私は夢人さんの姿を見て胸が痛んだ。

 

【なんで! なんで笑ってるんですか!? 私が!! 私が勇者としてあなたを呼んだばっかりに!! あの時! 一歩間違えれば、死んでいたんですよ!? なんで私に笑いかけるんですか!? なんで!! なんで……こんな私を助けようとしてくれるんですか!!】

 

 ……本当にひどい言葉を言った。

 

 私は最初から夢人さんをバカにしていたんだと思えてしまう。

 

 ……私に優しくしてくれたのに。

 

 私はその優しさを理解していなかったんだ。

 

「……ごめんなさい……ごめんなさい……」

 

 私は涙を流して寝ている夢人さんに謝るしかできなかった。

 

 ……ごめんなさい。

 

 あなたをちゃんと見れないダメな女の子で……

 

 あなたを傷つけてばかりいるいやな女の子で……

 

 あなたが寝ている時にしか謝れない弱い女の子で……

 

「……夢人さん……ごめんなさい……」

 

 私は布団の中に隠れていた夢人さんの手を握った。

 

 ……初めて触れた時よりも少しだけ大きくなっているような気がした。

 

 手の皮も厚くなっており、肉刺もできていた。

 

 夢人さんが強くなろうとした努力の証を感じた。

 

 ……それなのに、私はそれを認めていなかったんだ。

 

 さっきよりも胸が苦しくなった。

 

 どうして……

 

「……知らなかったんだろう」

 

 夢人さんからたくさん温かい気持ちをもらっていたはずなのに……

 

 私はそれを受け取るだけしかできなかったんだろう。

 

 私はあなたに何ができたんですか?

 

 与えられてばかりの私はあなたに何を返せるんですか?

 

 ……これ以上、甘えちゃいけないってわかっているのに、私はあなたに甘えてしまう。

 

 ……教えてください、夢人さん。

 

 あなたに私は何ができますか?

 

 ……私にはもう、何もわからないんです。

 

 

*     *     *

 

 

〔リーンボックスの市民の皆さん! 皆さんにとって重要な発表があります!〕

 

 リーンボックスの街頭に設置されていた巨大なスクリーンにナナハの姿が映った。

 

 人々は急にスクリーンにナナハが映し出されて驚いて足を止めて、スクリーンに注目する。

 

〔これより我が国リーンボックスは犯罪神信仰の規制を解除します!〕

 

 人々はナナハの発表を聞いて驚いた。

 

 リーンボックスはシェアが高く保たれていたので人々の生活は安定していたのだ。

 

 そこにナナハが発表した犯罪神信仰の規制解除。

 

 これはつまり、女神公認で犯罪許可を出したことにつながっている。

 

 シェアが高い今の現状でこんなことを許可したことに人々は困惑した。

 

〔これにより、皆さんはどんな手段を使っても幸せを求められるんですよ! 皆さんの幸せは皆さんの手で掴みとってくださいね!〕

 

 ……どんな手段を使っても幸せを掴み取る。

 

 その言葉が市民の目を変えさせた。

 

 人々はまるで正気を失ったかのように目から一瞬光が消えた。

 

 やがて、再び人々の目に光が戻ると、そこには先ほどまであった光とは別の光を宿していた。

 

 人々は互いを睨み、殴り合いも始まった。

 

 ……他人を不幸にしても自分の幸せを目指す。

 

 そんな欲望が人々の胸に湧き上がって来ていたのだ。

 

〔幸せになってくださいね……それがつかの間の幸せでも……〕

 

 ナナハが薄く笑いながら言った。

 

 ……リーンボックスの秩序は崩壊を始めていた。




という訳で、今回は以上!
リーンボックスに集まった教祖たち
リンダに命令を下したマジック
ナナハを洗脳した男の目的
肝心の夢人君はプラネテューヌで倒れてる
…やばいな、明日からもっと文量が増えるかも
後、私実は今修正作業をしようと考えているんですよ
最初のころの話とかの擬音をなくして描写を加えたり、空行をなくして読みやすくしていくつもりです
内容は変えないので安心してもらっていいのですが、年内中には修正作業が終わらないかも…
そちらの方は気長に待っていてくださいね
それでは、 次回 「君を守る」 をお楽しみに!

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。