超次元ゲイムネプテューヌ 夢のヒーローを目指して 作:ホタチ丸
といっても、今回はギルドでの話とクエストに行くまでの話でクエストの内容まで行っていません
あと、今回からオリジナルキャラクターが登場しますよ
それでは、 初クエスト、不安の幕開け はじまります
「ここがプラネテューヌか……何か近代都市見たいな雰囲気だなぁ」
ゲイムギョウ界のことを知るために街中を歩く夢人、ネプギア、コンパ、アイエフの4人。
「いい街でしょ? ここプラネテューヌは革新する紫の大地と呼ばれているのよ」
夢人が街並みを見て目を輝かせている横でアイエフがプラネテューヌについて説明を始めた。
「他の大陸ほどインパクトがあるわけじゃなけど、どの大陸よりも新しい技術の開発を進めているのよ」
「へぇ~、本当に僕の考えた未来都市を実現した街なんだな」
夢人は感心したように周りの建物を見回す。
「……あんまりきょろきょろし過ぎて迷子になるんじゃないわよ」
アイエフはため息をついて夢人に注意した。
「わかってる、わかってるって……と言うより、この歳で迷子になんかなりたくないっての」
そう言いながら夢人は3人に向き直った。
「ところで、まずはどうするんだ? まさか、この建物について片っ端から説明されたって俺のキャパじゃフリーズしちまうぞ?」
夢人は疑問に思っていたことを聞いた。
「それについては大丈夫よ。まずはギルドに向かうわ」
「ギルド? それって、冒険家や狩人が依頼を受けたりする場所のことか?」
「ええ、その通りよ。まずは弱いモンスターや今のゲイムギョウ界の状況を肌で感じてもらいたいのよ」
「そう言えば、ギアちゃんもギルドは初めてでしたね」
「そうですね。私はお姉ちゃんの仕事の書類整理しかしたことがなかったですから」
コンパはネプギアにも会話を持ちかけた。
「……ネプギアのお姉さんってプラネテューヌで一番偉い女神なんだよな?」
「……ええ、残念ながらそうよ」
夢人は、それでいいのか、とでも言いそうな顔でアイエフに尋ねると、アイエフは苦笑しながら応えた。
「ね、ねぷねぷはいざって時にすごく頼もしい女の子ですよ!?」
「そ、そうです!? いつもは仕事さぼったり、ゲームしてばっかりですが、すっごく頼もしいお姉ちゃんなんです!」
コンパとネプギアは2人の反応を見てネプテューヌを擁護した。
「……ダメだろ、さぼっちゃ……それに、自分の仕事を他人に任せるなんて」
「そうよ、これはいくらなんでも庇えないわ。ネプ子の自業自得よ」
夢人とアイエフはそれでも意見を変えなかった。
「……そんなこと言ってないで、さっさとギルドに行くわよ」
「ま、待ってくださいです!」
話しながら一行はギルドへと足を向けた。
* * *
とあるビルの一室
夢人たちはギルドに辿り着くと、早速初心者用のクエストを探した。
「この掲示板に表示されているのが、今受けることができるクエストなの……って、今は1つしかないからあんまり関係ないか……」
アイエフは夢人とネプギアにギルドでの仕事の受け方を説明していた。
「あいちゃん、せっかくですから、職員の方に聞いてもいいんじゃないですか?」
コンパがアイエフに言う。
「そうね、今はちょうど他の人もいないし、聞いた方がいいわね」
そう言いながら、カウンターの所でシエスタしている職員の所へ歩いていった。
「……おい、職員が寝ているんだが、それでいいのか?」
「いいの、いいの、こいつはこう見えてこのギルドの管理人だからそこそこ信頼もできるのよ……ってか、起きなさいよ!」
アイエフは職員を怒鳴りながら起こした。
「んだよ……アイエフじゃねぇか、何だ仕事か?」
職員はその声で目を覚まし、頭をかきながら目の前に居るアイエフに尋ねた。
「珍しいな、お前がコンパ以外とパーティー組んでいるなんて……明日は槍か?」
「降るか!? ってか、人を友達少ないみたいに言うな!!」
まるで漫才のような会話をするアイエフと職員。
「この方はプラネテューヌのギルドの管理人のイワさんです。こう見えて昔はすごい冒険家さんだったんですよ」
そんな中、コンパは夢人とネプギアに職員の説明をした。
「おう、その通りだ……改めて自己紹介するぜ。俺はこのプラネテューヌのギルドマスターであるイワだ。よろしくな」
イワがコンパ達の会話を聞き、自己紹介をした。
「今回はどんなクエストを受けんだ? そっちの2人はどう見てもギルド初めてなんだろ?」
「そんなことまでわかるんですか!?」
イワの言葉にネプギアは驚いた。
「あったり前よ、俺は一流のギルドマスターだからな……クエストってのは信頼関係が重要でそいつを任せられるかわからねえと商売できないからな」
ネプギアの驚きの声に調子よく応えるイワ。
「……まぁ、いいわ、ところでなんでギルドのクエストが1つしかないのよ? いつもならもっとあるじゃない」
調子に乗っているイワにアイエフが尋ねた。
「……そりゃ、あれだよ、あれ……えっとなぁ……宇宙心理が働いたとか……見えない何かの影響とか……」
アイエフの質問を聞いた瞬間、イワは先ほどまでとは打って変わって冷や汗をかきながらあさっての方向を向いた。
「……もしかして、仕事さぼってたのか? さっきまで寝てたくらいだし……」
夢人は思ったことを口に出した。
「そ、そ、そ、そんなわけねぇよ!? 俺一流だよ? 別にさっきまで昨日の酒が抜けなくて誰も来ねえし別にいいかなんか思ってねぇよ!?」
「……本当に大丈夫なんですか?」
イワから出た言い訳にさすがにネプギアも不安になってしまった。
「はぁ、そこのところは平気よ。コイツは仕事にだけは手を抜かないから、今出ているクエストは安全なものなのよ」
夢人とネプギアの不安を和らげるようにアイエフは言った。
「そうなのか……じゃあ、このクエストは安心できる依頼なんだな」
「そう言うこと。イワ、今出ているこのクエストを受けさせてもらうわ」
「わかった、わかった……何々、【スライヌ】の討伐だな」
アイエフは夢人が納得したことを確認したことでイワにクエストの受領を申請した。
「場所はバーチャフォレストだな。まぁ、お前らがついてるんなら楽勝だろうよ」
イワは慣れた手つきでクエストの受領を完了する。
「さて、それじゃ行くわよ」
アイエフが先頭に立ってギルドを出ていこうとするが、ネプギアだけが動かず、うつむいていた。
「ネプギア? どうしたんだ?」
そんなネプギアの様子に気づいた夢人は声を掛けた。
「何でもありません! ……早く行かないと置いていかれちゃいますよ? 勇者さま」
声を掛けられたことでネプギアは他の仲間がギルドを出ていったことに気づき、慌ててアイエフ達のあとを追った。
「……」
夢人はそんなネプギアの様子に不安を感じた。
* * *
バーチャフォレスト
今回のクエストはここで【スライヌ】をとりあえず殲滅することだ。
「……具体的な数とかはないのか?」
「いいのよ。それに【スライヌ】はどんどん分裂して増えていくのよ……今回のクエストは【スライヌ】が増えすぎて困っているからバーチャフォレストに居る【スライヌ】の数を減らしてきてっていったところね」
夢人はクエストの疑問をアイエフに尋ねた。
「まぁ、序盤のお決まりだもんな【スライム】って」
夢人はなんだか本当にゲームの中に居るみたいだなぁと思った。
「何言ってのよ。ちりも積もれば山となるのよ」
アイエフは顔を曇らせてつぶやいた。
「え、でも、そんな強い奴じゃないんだろ?」
「そうですよ? 夢人さんが持っている《木刀》でぽかぽかするだけで倒せちゃうくらいですよ」
コンパも夢人と同じ疑問を持った。
「……あいつらの厄介なところは別にあるのよ……」
アイエフは遠い目をしてつぶやいた。
そんなアイエフの姿を見て2人はそれ以上尋ねることはできなかった。
「……って、そんなことより、今回のクエストは夢人の勇者としての力の確認とネプギアのリハビリも兼ねているのよ」
アイエフは思い出したかのように夢人とネプギアに言った。
「……」
ネプギアは黙ったままで応えない。
「ネプギア? 聞いてるの?」
アイエフはそんなネプギアの様子に疑問を持ち、心配そうに顔を近づけた。
「……ん? は、はい!? ちゃんと聞いてますよ!?」
ネプギアは慌てて反応した。
「あんたもしっかりしなさいよ。そろそろ目標が見えてくるわよ」
アイエフはそう言うと全員に戦闘準備を促した。
彼らの初戦闘が始まる……
という訳で、今回はここまでです
次の話はクエストの内容と夢人君の実力発揮?のお時間です
彼はこの世界で無双することができるのか?
ちなみに、夢人君が言っているスライムは誤字じゃありませんよ
彼はまだ知らないのです…この世界のモンスターが常識に囚われていないと…
そんなこんなで、次回 「トラウマ」 をお楽しみにしてください