超次元ゲイムネプテューヌ 夢のヒーローを目指して 作:ホタチ丸
やっぱり本編短いとおまけも短くなっちゃった
しかもルウィーって2人もいるから同じ場面を何度もやる必要もないですしね
今回はロムちゃんが記憶喪失中にどんなことを思っていたかと、夢人達についていくことを決めたシーンを入れてみました
それでは、 女神通信R(ロム編) はじまります
こんにちわ(ぺこりっ)
今回はわたしが担当します。
わたしがラムちゃんと一緒にお絵描きしている時からのお話になります。
記憶がなくなっている時のことも覚えているので、それも一緒にお話しします。
……本当に夢人お兄ちゃん、クビになったの?
そうなんだ。
でも、恥ずかしいことも言うからよかったのかな?
ラムちゃんと一緒にスーパー女神になった時のことなんて恥ずかしくて言えないよぉ……
……えっ? もう始めるの?
うん、わかった。
それでは、 女神通信R ロム編 始まります。
* * *
わたしとラムちゃんがリーンボックスから帰ってきてお部屋でお絵描きをしている時だった。
わたしはさっきドラマで観た夢人お兄ちゃんを描いていた。
わたしの知らない魔法でキラーマシンを倒す夢人お兄ちゃん。
その姿がわたしにはかっこよく見えた。
ラムちゃんはそうは思っていなかったみたいだけど、わたしはその姿に憧れた。
……だって、わたしにあの強さがあればお姉ちゃんを助けに行くことができるのかなって思ったから。
誰も知らない魔法で皆を幸せにする勇者さま。
……それでいて一緒にいると温かい気持ちになる。
わたしの大切なお兄ちゃんのような人。
わたしにとって夢人お兄ちゃんはそんな人だ。
わたしが描いた夢人お兄ちゃんを見せると、ラムちゃんは首を大きく振って両手でバツを造って言った。
「ダメダメ! 絶対にダメ! あんなの夢人じゃない!」
わたしはその姿を見て安心する。
ラムちゃんは無理をしている。
きっと本当は夢人お兄ちゃん達と一緒にいたかったんだ。
……だって、その顔は知ってるものだったから。
ラムちゃんがわたしに対してウソをついていた時の、ずっと1人で我慢していた時の顔だったから。
……でも、わたしは言わない。
だって、夢人お兄ちゃんにいじわるするラムちゃんは少しいやだから。
ラムちゃんが言うまでわたしは待ってる。
そうすれば、きっとラムちゃんも一緒に笑って夢人お兄ちゃんと一緒にいられる。
……早く素直になればいいのに。
そんなに我慢する必要はないと思うんだけどなぁ。
わたしはお絵描きをしながら横で頭を抱えているラムちゃんを見る。
「……大丈夫?」
わたしはため息をついたラムちゃんに声をかけた。
ラムちゃんは1人じゃないよ?
いつでもわたしが一緒にいるんだよ。
……だから気をつかわないでほしい。
ラムちゃんが勇気を出すまでわたしは待ってるから。
「ロムちゃん、あのね……!?」
ラムちゃんが言葉の途中で倒れそうになった。
「ら、ラムちゃん!?」
わたしは慌ててラムちゃんを支えようとしたが、力が入らない。
……苦しい。
体から力が抜けていく。
目が開けていられない。
「……ろ、ロム、ちゃん」
……ダメだ!
今目を閉じちゃ絶対にダメだ!
「ラムちゃん!?」
わたしは目の前でぐったりとしているラムちゃんを強く抱きしめた。
……ラムちゃんを守りたい。
わたしはラムちゃんに自分の中に残っているすべての魔力とシェアを送り込んだ。
これで、ラムちゃんは……
* * *
わたしはお父さん、夢人お兄ちゃんとラムちゃんと一緒にお絵描きをしていた。
この時のわたしは記憶がなくて、夢人お兄ちゃんのことをお父さんって呼んでいた。
……ちょっと恥ずかしいなぁ。
わたしは夢人お兄ちゃんから送られてきたシェアエナジーの温かさをお父さんの温もりだと思っていた。
夢人お兄ちゃんといると心が温かくなる。
わたしは一生懸命夢人お兄ちゃんの絵を描いた。
「……よ、よく描けてるよ、なあ、ラム?」
「……そ、そうよね、夢人」
……だったらどうして頬を引きつらせているの?
わたしは次に絵本を読んでもらった。
内容は3姉妹のお話。
どこかで聞いたことのある様な話にわたしは意識を手放していく。
……夢人お兄ちゃんの声が耳に気持ち良く響いてくる。
* * *
……あれ? ここはどこ?
「……どうしよう」
わたしの目の前でわたしによく似た女の子が2つに割れてしまったペンを持って尋ねてきた。
……ラムちゃん?
さっきまで一緒にいた女の子であった。
「お姉ちゃんに謝ろう」
……あれ?
勝手に口が動いちゃった。
これは、夢?
ラムちゃんはわたしの言葉に頷いて、割れたペンを持って移動した。
そこには、白い帽子をかぶった女性がいた。
「……どうしたの?」
女性はわたし達が部屋に入って来たことに気付いて首をかしげながら尋ねてきた。
「……ラムちゃん」
「……うん」
わたしとラムちゃんは顔を見合わせて頷いた後、同時に頭を下げて謝った。
『ごめんなさい!』
「……えっ?」
女性はわたし達が突然謝ったことに驚いたが、割れたペンを見せると苦笑しながらわたし達を抱きしめて言った。
「……ちゃんと謝ることができて偉いわ」
……嬉しいな。
何だろう、この温かさ……
……お姉ちゃん?
「……開けてごらんなさい」
女性がわたし達から離れて机の引き出しから2つの箱を取り出してわたし達に渡した。
わたし達は同時に箱を開けた。
中には壊れたペンと同じデザインのペンが入っていた。
「ロムちゃん!」
「うん!」
わたしはラムちゃんと顔を見合わせてから女性に向き直った。
女性は柔らかく笑みを浮かべて言った。
「……これからは物を大切にしなさい」
わたし達は笑顔で言った。
『ありがとう、お姉ちゃん!』
* * *
「……ロム、ロム?」
「……う……ん……お父さん?」
わたしはいつの間にか眠っていたようだ。
夢人お兄ちゃんがわたしを優しく揺すって起こしてくれたようだ。
「これから少し外を歩かないか?」
夢人お兄ちゃんがわたしにほほ笑みながら言った。
……似てる。
夢の中の女性と似ている。
あの人はわたしのお姉ちゃん?
……だとしたら嬉しいな。
だって、お父さんそっくりの温かさを感じたから。
* * *
夢人お兄ちゃんとラムちゃんと一緒に外を歩いていると、わたし達の後ろから変態さんがやって来た。
「アククククク、そうだ! 先ほども言ったが、吾輩はトリック・ザ・ハード、マジェコンヌの幹部にして幼女を守る紳士だ!」
変態さんはそう言って笑いながらわたしを見た。
「こわい」
わたしは慌てて夢人お兄ちゃんの後ろに隠れた。
……でも、それは逆効果だったようで、変態さんは鼻息が荒くなりわたしとラムちゃんを見る目がとろけ始めた。
……いやぁ、怖い、助けて。
わたしの思いが通じたのか、夢人お兄ちゃんがわたしとラムちゃんを庇って変態さんに立ち向かった。
「俺は絶対にロムとラムを守ってみせる!」
嬉しい。
夢人お兄ちゃんは迷いなくわたし達を守ってくれると言ってくれた。
わたしは胸が温かくなるのを感じた。
変なクスリを飲んだ夢人お兄ちゃんは変態さんの顔を殴った。
やった!
これで変態さんもおとなしくなるよね?
「少女や女性、熟女もまた……幼女だったのだから!!」
……どういう意味なんだろう?
わたしは夢人お兄ちゃんの言葉が理解できなかった。
「そう! 胸は膨らみ、手足はすらりと伸びて、顔は大人っぽくなっていく……つまり! 貴様の愛は、幼女を否定しているのだ!!」
……よくわからないけど
胸が大きくて、手足がすらりと伸びて、大人っぽくなった方がいいのかな?
そうすれば夢人お兄ちゃんは喜んでくれるのかな?
わたしはラムちゃんに尋ねた。
「……胸、おっきい方がいいの?」
それを聞いたラムちゃんは無言のまま夢人お兄ちゃんを睨み始めた。
……まるで怒った時のお姉ちゃんのようだった。
* * *
夢人お兄ちゃんが何度も地面に叩きつけられている。
変態さんは強くて夢人お兄ちゃんは手も足も出ずにやられていた。
……やめて。
もう、やめて!
もう立たないでいいよ!
わたし達のことはもういいから!
わたしは夢人お兄ちゃんに涙を流しながら叫んだ。
夢人お兄ちゃんは頭から血を流しながらもわたしに無理をして笑いながら立ちあがった。
「やめないさ、今の俺はロムのお父さんだろ……だったら! 娘を守るのが父親だ!」
……気付いてしまった。
夢人お兄ちゃんはお父さんじゃない。
お父さんよりずっと大切な……
……わたしが思い出し始めた時、ラムちゃんがわたし達を庇って怪我をしていた光景が目に映った。
* * *
……わたしの中にラムちゃんを感じる。
わたしとラムちゃんが1つになった時、わたしは本当に嬉しかった。
ラムちゃんとこれからも一緒にいられるから。
ラムちゃんと一緒に戦えるから。
……ラムちゃんと一緒に夢人お兄ちゃんを守れるから。
わたしは夢人お兄ちゃんが好き。
今まではお姉ちゃんと同じ好きだった。
……でも違う。
わたしに温かいものをたくさんくれたあの人を守りたい。
いつも傷ついて戦っているあの人を癒してあげたい。
ずっと側で笑っていたい。
……この気持ちが恋。
お姉ちゃん達が知れば、まだ早いって言われるかもしれないけど。
……これがわたしの初恋。
兄ではなく、大切な男の人への気持ちなんだ。
わたしは体に流れる力に夢人お兄ちゃんの温もりを感じた。
こんなにも温かい存在を失いたくない。
わたしはまだ小さい子どもだけど、あなたを思う気持ちにウソはない。
……わたし達が大人になれば変わるのかな?
わたしは自分が大人になった姿を想像した。
ネプギアちゃんの様な女の子。
ユニちゃんの様にすらりと伸びた手足。
ナナハちゃんのように大きな胸。
……それがわたしの描く理想の女の子。
さっき夢人お兄ちゃんの言っていた成長の意味だと思う。
気がつけば、わたし達は大人の姿、ホワイトシスターになっていた。
わたしを涙を流しながら見つめる夢人お兄ちゃん。
……ううん、違う。
夢人さん。
わたし達の大人の姿はあなたにはどう見えますか?
あなたから見たらまだ頼りないかもしれませんが、あなたを守る力は……
あなたを支える力はあります。
……だから1人で傷つかないでください。
あなたのことが好きなわたし達からのお願いです。
もう、悲しい涙を流す必要はないんです。
* * *
わたし達がキラーマシンと変態さんから夢人お兄ちゃんを守って、怪我の治療をしているとネプギアちゃん達がやって来た。
……でも、変。
ネプギアちゃんは絶対におかしい。
夢人お兄ちゃんはそんな人じゃないよ?
わたしはネプギアちゃんの夢人お兄ちゃんへの気持ちがわからなくなってしまった。
……どう思ってるんだろう。
前に会った時から大切な人であることは変わらないと思う。
でも、それだけじゃない。
……それじゃ、夢人お兄ちゃんがもっと怪我をしてしまいそう。
わたしは夢人お兄ちゃんが寝かされているベットにラムちゃんと一緒に横になりながら考える。
ラムちゃんも夢人お兄ちゃんが好き。
これはスーパー女神になったことでわかった。
……素直じゃないからなぁ。
わたしは顔を真っ赤にさせているラムちゃんを見ながら考える。
どういう方法が一番いいんだろう?
どうすればみんな仲良く夢人お兄ちゃんといられるのだろう?
……夢人お兄ちゃんはネプギアちゃんが好き。
これは多分あってると思う。
だからこそ、夢人お兄ちゃんはネプギアちゃんにいつも優しく笑いかける。
……ちょっと苦しいなぁ。
ブロックダンジョンで2人を見た時よりも胸が苦しく感じる。
わたしも夢人お兄ちゃんの隣にいたい。
ラムちゃんだってそうだ。
どうしよう。
……そうだ!
確か、お姉ちゃんが持ってた本に男の人が複数の女の人に好かれている内容の本があったはずだ。
後で、こっそりと読んでみようと思う。
きっと何か解決策があるはずだから。
* * *
「ロム、ラム、ちょっといいか?」
夢人お兄ちゃんが両手を後ろに隠して、わたし達に目線を合わせて言う。
「これは俺を守ってくれた2人へのプレゼントだ……開けてみてくれ」
……何だろう?
わたしとラムちゃんは首をかしげながらプレゼントの入っている包装をほどいていった。
「えっ!」
「これって!」
……ペンが入っていた。
わたしとラムちゃんでおそろいのデザインのペンが入っていたのだ。
「……あと、これは2人のお姉さんに」
夢人お兄ちゃんはもう1つプレゼントの包装を持っていた。
「これからまた新しい思い出を、今度は3人で造っていけるようにするための俺からのプレゼント」
……嬉しい。
わたしはペンを両手で胸に抱きしめた。
「このペンをお姉さんに渡すために、一緒にお姉さん、女神を助けるために力を貸してくれないか」
夢人お兄ちゃんが真剣な表情でわたし達に尋ねた。
わたし達の答えは最初から決まっている。
『うんっ!』
……わたし達は笑顔で頷いた後、同時に言う。
『ありがとう!』
その時の夢人お兄ちゃんの顔は記憶にあるお姉ちゃんの顔と同じで嬉しそうだった。
* * *
わたし達は夢人お兄ちゃん達と一緒にお姉ちゃんを助けることを決めた。
……お姉ちゃん、待っててね。
わたし達が必ずお姉ちゃんを助けに行くよ。
……大丈夫だよ。
だって、夢人お兄ちゃんが付いているから。
わたし達を守ってくれる勇者さまがいるから。
わたしの大好きな勇者さまが……
…………
終わったの? フェル君?
今回は前とは違う恥ずかしさがあった
夢人お兄ちゃんと連絡取れる?
待ってるラムちゃんと一緒にケーキを食べに行きたいから、一緒について来て欲しいんだ。
……その前にやることがあるの?
わかった。
恥ずかしいけど、がんばる。
……夢人お兄ちゃん。
わたしは小さい女の子ですが
いつかネプギアちゃん達にも負けない素敵な女性になるね。
その時は、妹を卒業してもいいですか?
あなたのことを夢人さんって呼びたいです。
……夢人さん、大好き。
という訳で、今回は終了!
本編と同じ流れの女神通信ってやることが限定されちゃうんですよね
今回でロムちゃんも気持ちを自覚しました
…本当、どうして私はこの2人から恋愛を書こうと思ったんだか
2人の恋愛って、幼い感じを出さなければいけないと思ってしまうので本当に難しい
だからこそ、2人を成長させたんですが、あまり悪い印象は受けていない様子
正直、批判の嵐を覚悟していたので良かったです
っと、さて、次回はネプギア達が何をしていたのかをがすと視点でお送りします
それでは、 次回 「錬金調合書(ルウィー編)」 をお楽しみに!
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