超次元ゲイムネプテューヌ 夢のヒーローを目指して   作:ホタチ丸

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はーい、再びこんばんわ!
なんとか今日中にもう1話あげることができました!
…といってもね、ラムちゃん視点ってやっぱり本編でほとんでやりたいことやれちゃってるからさ
今回も本当に短いわけだよ
…その代わり、ロムちゃん編はもっと長くなる予定なんだけどね
そんなわけで、短いですがこの話も楽しんでもらえるとうれしいです!
それでは、 女神通信R(ラム編) はじまります


女神通信R(ラム編)

 いえーいっ! みんな、元気してる?

 

 ルウィーの女神候補生ラムちゃんだよ!

 

 ……あれ?

 

 どうして夢人がいないの?

 

 ……えっ?

 

 クビになったの?

 

 どうしてよ?

 

 ……機材の壊し過ぎって、それユニちゃんとの追いかけっこのせいじゃない!

 

 まったく!

 

 せっかく今日は気合い入れてきたのに!

 

 今日は女神通信がリニューアルして1本目の収録でしょ?

 

 ……というより、横についてるRって何?

 

 リターンズ? リバースじゃないの?

 

 ……まあ、いいわ。

 

 夢人がいないことはちょっと残念だけど、わたしはちゃんとお仕事するもん。

 

 今回はわたし達がスーパー女神に初めてなった時の話と……

 

 ……えっ!? それもするの!?

 

 夢人がいなくて本当によかったわ。

 

 それじゃ、女神通信R ラム編 始めるよーっ!

 

 

*     *     *

 

 

 ロムちゃんがわたしを守って記憶喪失になったことは本当にショックだった。

 

 夢人の腕に抱きついて笑っているロムちゃんを見ると、記憶を失っているのがウソのように感じる。

 

 ……でも、わたしは怖い。

 

 このままロムちゃんがわたしを思い出さないのではないのか……

 

 このままロムちゃんが夢人のことをお父さんと呼び続けるのではないのか……

 

 夢人はわたし達にとって大切な人だ。

 

 わたしがウソをついてロムちゃんを傷つけた時に、仲直りできたのは夢人のおかげだ。

 

 ……それでも、夢人にロムちゃんが奪われてしまうのではないかと思ってしまう。

 

 わたしの一番を奪われてしまうのではないかと恐怖する。

 

 そんなことあるわけないってわかってる。

 

 それでも不安だよ……

 

 あっ、夢人がネプギアにほほ笑んでいる。

 

 ……いやな子だな、わたし。

 

 その笑みをわたしに向けてほしいと考えてしまう。

 

 そうすれば、きっとこの不安も消えるから。

 

「心配かけて悪かった……必ずロムの記憶を戻すぞ」

 

 ……やっぱりそうだ。

 

 夢人の力強い言葉と笑顔を見るだけで、胸が温かくなる。

 

 さっきまでの不安がウソのようになくなっていく。

 

 ……ずっと見ていたいなぁ。

 

 

*     *     *

 

 

 ロムちゃんがお姉ちゃんやミナちゃんの造った本を指さした時は驚いてしまった。

 

 そして、同時に期待した。

 

 この本を読めば、ロムちゃんの記憶も戻ってくれるのではないのかと……

 

 ……でも実際は違った。

 

 きっとロムちゃんは偶然あの本を指さしたんだ。

 

 わたしは本のことを夢人に話した。

 

 ……実は本当にお姉ちゃんのペンを壊した時の話だと言うのは内緒だ。

 

 わたし達が素直に謝った時のお姉ちゃんの顔は本当に嬉しそうだった。

 

 後から聞いた話だが、本当はわたし達とおそろいのペンを最初から用意していたらしい。

 

 わたしはそれを聞いて嬉しくなった。

 

 お姉ちゃんはわたし達のことをちゃんと考えているんだと感じたからだ。

 

 いつも女神のお仕事で忙しいお姉ちゃんだ。

 

 疲れていてもわたし達のことを思っていてくれたんだ。

 

 きっとロムちゃんも同じ気持ちだと思う。

 

 だって、あの時のロムちゃんの顔も嬉しそうだったから。

 

 そんな思い出のある話を聞いて記憶が戻るのではないかと期待していたんだ。

 

 ……そんな簡単にいくわけないよね。

 

 ちょっとした期待だったんだ。

 

 落ち込む必要はないんだ。

 

「大切な思い出ってやつは消えないんだ……ロムも必死に思いだそうとしているんだよ」

 

 ……なんでだろう。

 

 夢人はわたしが不安な時に、一番欲しい言葉をくれる。

 

 わたしの気持ちを温かくしてくれる。

 

 お姉ちゃんと同じ。

 

 ……いや、お姉ちゃんよりも。

 

 夢人の言葉はわたしに力を与えてくれる。

 

 また助けられちゃったな……

 

「ありがとう、夢人!」

 

 お礼を言うことしかできないわたしだけど、夢人は嬉しそうに笑ってくれる。

 

 その笑顔を見るたびにわたしは胸のドキドキが止まらないよ。

 

 

*     *     *

 

 

「早くーっ! 遅いよーっ!」

 

 わたしは夢人とロムちゃんに大きく手を振りながら言った。

 

 ……夢人にはいっぱい気持ちを温かくしてもらった。

 

 それなら、わたしもわたしができるやり方でロムちゃんを元気づけようと思う。

 

 ロムちゃんはきっと記憶がないことを不安に思ってる。

 

 夢人にずっとくっついているのがその証拠だ。

 

 そんな不安になっているロムちゃんにわたしができること……

 

 わたしの元気な姿を見てもらうことだ。

 

 わたし達はずっと一緒にいた。

 

 嬉しい時も

 

 悲しい時も

 

 怒った時も

 

 楽しい時も

 

 そんなわたしの元気な姿はきっとロムちゃんの記憶に残っているはずだ。

 

 ……それにね。

 

「例え記憶がなくても、わたしにとってロムちゃんが大切だってことに変わりはないから」

 

 ケンカして離れ離れになっていた時に気付いた大切なこと。

 

 どんなことがあったってロムちゃんはわたしにとって大切な人なんだ。

 

 姉妹だからではない。

 

 わたしと一緒に過ごしたからでもない。

 

 ……ロムちゃんだから大切なんだ。

 

 記憶があるかどうかなんて関係ない。

 

 それを知ってるからわたしはもう悲しい気持ちだけに囚われない。

 

「だから、記憶がなくなっちゃってることを後悔させるくらい楽しい思い出を造ろう」

 

 わたしは笑顔でロムちゃんに手をさしだす。

 

「うん(にこっ)!」

 

 ロムちゃんが笑顔でわたしの手を掴んでくれる。

 

 ……うん!

 

 ロムちゃんの笑顔は変わらない!

 

 わたしの大好きな笑顔だ!

 

 

*     *     *

 

 

 夢人がわたし達を守るために何度も変態に挑んでいく。

 

 その度に夢人の体が傷ついていく。

 

 頭からは血を流して、腕も段々上がらなくなってる。

 

 足も震えて立っているのもやっとの状態だ。

 

 ……やめて。

 

 もう、やめてよ!

 

 もう傷つかないでよ!

 

 わたし達は女神だよ?

 

 普通の人間とは違うんだよ!

 

 夢人より頑丈なんだよ!

 

 そんなわたし達の代わりに夢人が傷つく必要なんてないんだよ!

 

 夢人のそんなボロボロの姿、見てられないよぉ……

 

 夢人がわたし達を守ってくれるのは嬉しい。

 

 でも、わたしはそんな夢人の姿なんて見たくない!

 

 ……苦しい。

 

 嬉しいはずなのに、夢人の姿を見るたびに胸が苦しくなってくる。

 

 ……どうしてわたしは無力なんだろう。

 

 わたしは夢人の言葉を信じたいのに……

 

 どうして苦しいの!?

 

 夢人の言葉が嬉しいはずなのに!?

 

 涙が止まらないよ!

 

 ……守りたい。

 

 この人を……

 

 わたし達に優しくしてくれた人を……

 

 夢人の優しさを消してしまいたくない……

 

 夢人を失いたくない!!

 

 ……気が付けば、わたしは夢人を庇っていた。

 

 ……夢人は喜んでくれるかなぁ。

 

 わたしのこの気持ちを……

 

 

*     *     *

 

 

 その後、わたしはロムちゃんと一緒になってスーパー女神、ホワイトシスターになった。

 

 今までのわたしとは違う目線。

 

 今までのわたしとは違う体。

 

 今までのわたしとは違う気持ち。

 

 ……これが大人なのかな。

 

 わたしは漠然とそう考えた。

 

 わたし達のことを思って涙してくれる夢人。

 

 ……守りたい。

 

 この人が自分の優しさで壊れてしまわないように……

 

 もうわたし達のために涙している夢人の顔なんて見たくない。

 

 わたし達は夢人を抱きしめていた。

 

 ……この温もりを失いたくない。

 

 ずっと側で感じていたい。

 

 わたし達は素直にそう思った。

 

 ……そっか、今、気付いた。

 

 わたし達、いや、わたしは……

 

 夢人が好き。

 

 お姉ちゃんに似ているからではない。

 

 わたし達に大切なことを気付かせてくれたからではない。

 

 ……夢人だから好きなんだ。

 

 わたしの心に今までと違う温かさが溢れてくる。

 

 ……この気持ちが恋なんだ。

 

 わたしは嬉しくなった。

 

 初めて好きになった相手が夢人でよかった。

 

 こんな気持ちに気付かせてくれたのが夢人でよかった。

 

 ……だって

 

 こんなにも好きな相手に出会うことができたんだから。

 

 

*     *     *

 

 

 教会に帰って来てからわたしとロムちゃんはずっと夢人にくっついていた。

 

 ……恋心を自覚してから気付いたことだ。

 

 きっと夢人はネプギアのことが好きなんだ。

 

 だって、夢人はネプギアといるとすっごく温かい笑みを浮かべている。

 

 ……悔しいなぁ。

 

 どうしてわたしじゃないんだろう。

 

 わたしが先に出会ってれば変わったのかな?

 

 ……夢人がわたしに向かって好きだと言っている姿を想像する。

 

 ……だ、ダメだ!?

 

 そんなこと想像したら、夢人の顔が見れなくなってしまう!?

 

 今も顔が沸騰しているのではないかと思うくらい熱い。

 

 幸い、ネプギアは夢人の気持ちに気づいていないと思う。

 

 ……でもネプギアの考えはおかしい。

 

 どうして夢人に対してあんなことを思えるのだろう。

 

 わたしは不思議に思う。

 

 ……あれでは夢人がかわいそうだ。

 

 わたしは心の中でネプギアに対して文句の言葉を並べた。

 

 ……まあ、それならそれで別にいいや。

 

 わたしが夢人のことを好きだと思っていればいいんだから。

 

 ……スーパー女神の時に気付いたけど、ロムちゃんも夢人に恋している。

 

 でも、わたしは夢人のことでロムちゃんとケンカしたくない。

 

 ……でもでも、夢人のことは諦めたくない。

 

 どうしたらいいの!?

 

 どうすれば一番いいの!?

 

 わたしは1人で頭を抱えてしまう。

 

 うぅぅ、どうすればいいのよ……

 

 

*     *     *

 

 

 あの後、夢人が起きてわたし達に抱きついて泣いた。

 

 ……わたし達よりも大きな体なのに、とても小さく思えた。

 

 わたし達を守ってくれた丈夫な体がとてももろく感じた。

 

 ……こんな体でわたし達を守ってくれていたんだ。

 

 わたしはまた夢人のことを好きだと感じた。

 

 今度はわたしだけの気持ちだ。

 

 わたしが守りたいと思える夢人の優しさ。

 

 こんなもろい体でわたし達を守ってくれた本物の勇者の姿。

 

 わたしの心を満たすこの気持ちはもうごまかせない。

 

 ……わたしは夢人が好き。

 

 今は相手にされなくても必ず振り向かせてみせる!

 

 ネプギアになんか負けない!

 

 わたしはこの気持ちにウソはつかない!

 

 ……夢人

 

 今は妹のように思っていてもいいよ。

 

 でもね

 

 いつかはあなたの隣に立てる素敵な女性になるわ。

 

 だから今はわたしとロムちゃんの2人で受け止めるよ。

 

 ……あなたが流す涙があなたを壊してしまわないように。

 

 あなたの優しさが失われないように。

 

 あなたがあなたのままでいられるように……

 

 ……強くて優しい夢人でいられますように。

 

 

 …………

 

 

 ……終わったの?

 

 うぅぅ、今更ながら恥ずかしい。

 

 わたしの気持ちにウソはないけど……

 

 改めて思うとすっごく恥ずかしいわ。

 

 ……夢人がいなくて本当によかった。

 

 今は素直に好きだと言えなくても、必ず夢人の前で好きだって言うんだから!

 

 ……フェル、わかっているわね?

 

 これは絶対に夢人に見せるんじゃないわよ。

 

 ……最後に夢人のことをどう思っているかって?

 

 そんなの言わなくてもわかるんじゃないの?

 

 まあ、いいわ、よく聞いておきなさい。

 

 ……夢人

 

 今は小さくて頼りない、弱いわたしだけど。

 

 あなたのように大きくて強い女性になるわ。

 

 その時、あなたに伝えたいことがあるの。

 

 ……あなたが大好きですって。




という訳で、今回はここで打ち止め!
…うーん、本編の方が短くなると、こういうおまけでも短くなってしまうなぁ
なんか物足りなさを感じてしまう私はおかしいのだろうか?
でも、やっぱりラムやユニ、アイエフといったキャラクターの視点は私自身使いやすく感じるんですよね
…なんでだろう?
まあ、それは置いといて、次のロム編は前書きの通り、この倍近くは書くんじゃないかな?
それと今回のおまけはがすとにも担当してもらうので、そっちの方も多くなりそうですね
ネプギア達が何をしていたかなんてほとんど本編で書いてませんもんね
それでは、 次回 「女神通信R(ロム編)」 をお楽しみに!

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