超次元ゲイムネプテューヌ 夢のヒーローを目指して   作:ホタチ丸

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ほーい!二度目のこんばんわ!
今日は昨日投稿できなかった分、もう1話投稿しちゃうよ!
今回はいつもより少し短いけど、区切りがいいので投稿しちゃうね!
話すこともないし、さっそく本編に行こう!
それでは、 勇者、全国指名手配 はじまります


勇者、全国指名手配

 1人だけリーンボックス行きの船に乗ってしまった夢人。

 

 そんな彼は船の窓にしがみつきながら叫ぶ。

 

「ネプギアー!?」

 

 窓から外を見る彼の顔には涙があふれていた。

 

「夢人さーん!」

 

 ネプギアは船の外から夢人に向かって叫ぶ。

 

「先にリーンボックスで待っててくださいねー!」

 

「ちょっ!? それだけ!?」

 

 夢人はネプギアが自分の想像とは違う言葉を叫んだことに驚いてしまう。

 

 

*     *     *

 

 

 雪の降り積もる中、船に乗っている夢人を追おうとするネプギア。

 

「夢人さん! 行かないでください!」

 

 ネプギアは涙を流しながら叫ぶ。

 

 船に追いつけないことがわかっていながら船を追いかけ走り続ける。

 

「ネプギアー!」

 

 夢人も船の窓を開けて顔を外に出しながら叫ぶ。

 

「夢人さ……!?」

 

 ネプギアは走っている途中で転んでしまう。

 

「ネプギアー!」

 

 ネプギアが転んでしまったことに気づいて叫ぶ夢人。

 

「夢人さーん!」

 

 ネプギアは地面に倒れたまま夢人の名前を叫ぶ。

 

「ネプギアー! 俺は! 待ってる!」

 

 夢人はネプギアに叫び続ける。

 

「お前が来るのを! ずっと待ってるぞー!」

 

 ネプギアは夢人の言葉に涙を流しながら叫ぶ。

 

「はい! 私も! 必ず! 会いに行きます!」

 

 ネプギアが叫び終えると、船はどんどん港から離れて行ってしまう。

 

「夢人さん……待っててください」

 

 ネプギアは地面に座りながらつぶやく。

 

「あなたに、必ず会いに行きます」

 

 ネプギアが涙を流して見守る中、船は見えなくなっていった。

 

 

*     *     *

 

 

「ウェへへへ、へへへ……っは!」

 

 夢人が妄想に耽っているうちに船はすでに港が小さく見える位置にまで進んでいた。

 

「ちょっ!? まじで1人かよ!?」

 

 夢人は1人だけ船に乗ってしまったことを思い出して叫ぶ。

 

「乗務員さーん! 戻して! お願い! ラステイションに戻して!」

 

 夢人はその場で頭を抱えながら叫ぶ。

 

「こんぱちゃーん! マイエンジェルこんぱちゃーん!」

 

 そんな夢人の後ろからワレチューが目をハートにさせてやってくる。

 

「待てって、このバカネズミが!」

 

 リンダも慌ててワレチューの後ろからやってくる。

 

「こんぱちゃん! こんぱちゃん! どこにいるっちゅか!? 恥ずかしがらず出てくるっちゅ! こんぱちゃーん!!」

 

 ワレチューは船のドアの前で辺りを見回しながら叫ぶ。

 

「だから、騒ぐんじゃねぇよ! 周りに迷惑をかけるだろ!」

 

 リンダはワレチューの頭を掴んで持ち上げる。

 

「な、何するっちゅか!? やめるっちゅ!?」

 

 ワレチューはリンダの手から離れようと暴れる。

 

「だから、騒ぐんじゃねぇって! 今、船下ろされたら困るだろうが!」

 

 リンダはワレチューを睨みながら言う。

 

「ほら、他の客に迷惑だろうが……すいません、アタイの連れがうるさくて」

 

 リンダはワレチューから目を離して、頭を抱えている夢人に愛想笑いを浮かべながら謝る。

 

「ホント、こいつにはよく言っとくんで……って、お前は!?」

 

 リンダは自分が謝っている相手が夢人だとわかると、一歩後ろへ下がった。

 

「何でお前がここにいんだよ!? お前ら、乗り遅れたんじゃねぇのかよ!?」

 

 リンダは夢人を指さしながら言う。

 

 夢人はリンダの方へ顔を向ける。

 

 しかし、その顔には涙があふれていた。

 

「な、何で泣いてんだよ!?」

 

 リンダは夢人が泣いていることに気付いて慌てる。

 

「……1人だけ乗り込んじまった」

 

 夢人は涙目でリンダに応える。

 

「……俺、これからどうすりゃいいんだよ」

 

 夢人はその場で膝を抱えて座り始める。

 

「こんな場所でいじけてんじゃねぇ!」

 

 リンダはうじうじしている夢人に叫ぶ。

 

「こんぱちゃんは!? こんぱちゃんはどうしたっちゅか!?」

 

 ワレチューはコンパがいないかどうかを夢人に叫びながら尋ねる。

 

「俺だけだよ!? コンパはまだ港だよ!?」

 

「そ、そんな……」

 

 ワレチューはそれだけ聞くと、夢人の隣で膝を抱えて座り始める。

 

「こんぱちゃんが……いないっちゅ……」

 

 そんな2人がうじうじしている光景を見たリンダは天井を見上げて叫ぶ。

 

「お前ら! ふざけてんじゃねぇ!!」

 

 

*     *     *

 

 

「ったく、何だってテメェなんかと一緒に船乗ってんだよ」

 

 リンダはイスに座りながら頬づえをつく。

 

「仕方ないだろ、俺だけ乗っちまったんだから」

 

 机を挟んで反対方向に夢人は座りながら応える。

 

「……こんぱちゃん……」

 

 リンダの左、夢人の右の位置にワレチューは落ち込みながら座っていた。

 

「だいたいなぁ、アタイらは敵同士なんだぞ? それが何でこんな仲良しこよしみたいな雰囲気で一緒にいんだよ?」

 

「いやぁー、知り合いがいるのといないとじゃ、気持ちの持ちようが違うからさ」

 

 夢人はリンダに苦笑しながら応える。

 

「ったく、テメェは人見知りのガキか?」

 

 リンダはそんな夢人にため息をつきながら応える。

 

「それに、いい機会だと思ってさ」

 

「あん?」

 

 夢人は真剣な顔になりながら言う。

 

 リンダはそれに睨みながら応える。

 

「お前がどうしてマジェコンヌに入っているのかを知りたいんだよ」

 

 夢人の質問にリンダは思わず吹き出してしまった。

 

「ぷっ、フフフ、アハハハ!」

 

 リンダが笑いだしたことを疑問に思い、夢人は首をかしげながら尋ねる。

 

「……おかしいことか?」

 

 リンダはそんなことを聞いてくる夢人を見て笑いながら応える。

 

「んなこと聞かれるとは思わなかったぜ! テメェはバカか?」

 

 リンダは夢人を指さしながら応える。

 

「アタイはテメェらのような甘ちゃんが大っ嫌いなのさ」

 

 リンダの顔は真剣な表情をしていた。

 

「テメェらのような奴らがゲイムギョウ界で笑っているのが気に食わなくてマジェコンヌに入ってのさ!」

 

 リンダの応えを聞いて夢人は目をつぶる。

 

「……何だ? どうした? 怒ったか?」

 

 リンダは夢人を挑発しながら言う。

 

「アタイが根っからの悪人じゃないとでも思ったか? ざーんねんでした! アタイは根っからの悪人なんだよ!」

 

 リンダは夢人に笑いながら言う。

 

 夢人はそれを聞いて堪えられず声を漏らした。

 

「んふっ、もう、ダメだ、我慢できな……アハハハハ!」

 

 リンダは笑いだした夢人を睨みながら言う。

 

「なにがおかしいんだよ!」

 

 リンダが怒鳴るが、夢人はそれを気にせずほほ笑む。

 

「……そうやって悪ぶってる奴が根っからの悪か?」

 

 夢人の応えを聞いて、リンダは夢人をさらに強く睨む。

 

「……何がいいてぇンだよ」

 

「わざと悪ぶってるような奴がおかしいんだよ」

 

「んだと!」

 

 リンダは立ち上がり、刀を取り出して夢人に向ける。

 

「これ以上、ふざけたことぬかすんじゃねぇ! さもないと……」

 

 リンダが夢人の首に刀を近づけて言う。

 

 それでも、夢人はリンダにほほ笑む。

 

「ほーら、そうやってむきになって怒る……そりゃ、そうですよって言ってるようなもんだぞ?」

 

 リンダはしばらく夢人を睨み続けるが、やがて刀を戻して再び座る。

 

「……けっ!」

 

 リンダはそっぽを向きながら言う。

 

「……ったく、調子の狂う奴だぜ」

 

 リンダがそうつぶやくのを聞いて、夢人はほほ笑む。

 

「……こんぱちゃん」

 

 ワレチューはそんな空気の中もコンパの名前をつぶやき続けた。

 

 

*     *     *

 

 

 結局、3人はそれから何も話さずに船がリーンボックスに到着した。

 

「……ようやくテメェとお別れできるぜ」

 

 リンダは夢人をにやりと笑いながら見る。

 

「アタイらとお前らは敵同士なんだ……これ以上の慣れ合いはごめんだね」

 

 リンダはそう言って、夢人に背を向けて船から降りようとする。

 

 夢人はそんなリンダの後ろ姿を見て笑いながら言う。

 

「お前らがリーンボックスで悪さしても俺達が絶対に止めてやるからな」

 

 夢人はリンダと逆の方向に向かいながら船を降りようとする。

 

「けっ! 言ってろ」

 

 リンダも笑いながら夢人の言葉に応えてワレチューと共に船を降りようとした瞬間、船が大きな爆発音とともに揺れた。

 

「なっ!?」

 

 夢人は衝撃のあまり床に手をついてしまう。

 

「な、何だ!?」

 

 リンダも慌てて周りを見回す。

 

「……この音は、近いっちゅ!」

 

 ワレチューは地面に転がりながら叫ぶ。

 

「くそっ!」

 

「待てよ!?」

 

 夢人は音の発生源の場所に向かって走り出す。

 

 リンダはそんな夢人を追いかけるために走り出した。

 

「お、おいらを置いていかないでほしいっちゅ!」

 

 ワレチューも急いで立ち上がり、2人の後を追う。

 

 

*     *     *

 

 

 夢人達が駆け付けた場所、そこは船のエンジンルームであった。

 

「ここか!」

 

 夢人は黒い煙を出し続けるドアを蹴り破って中に突入する。

 

「おい! 待てってんだよ!」

 

「こほっ、こほっ、けむいっちゅ」

 

 リンダとワレチューも部屋の中に突入する。

 

「こいつはひどい!」

 

 夢人は辺り一面黒い焦げが目立つ部屋を見て言う。

 

「エンジンが!?」

 

 リンダはエンジンが修復不可能なほど壊されているのを見つける。

 

「……この匂いは爆薬っちゅね」

 

 ワレチューもエンジンの様子を見ながらつぶやく。

 

「一体誰が……」

 

夢人がそう言って、部屋の奥を調べようとした時……

 

「動くな!」

 

「「「っ!?」」」

 

 いきなり部屋の外から声が聞こえてきた。

 

 夢人達が振り向くと、若い男が警棒を構えながらこちらに向かって言う。

 

「ここで何があったか知らないが、君達を重要参考人として連行する」

 

「ま、待ってくれ!? 俺達も今来たところなんだ!?」

 

 男は夢人の言葉を聞いても警棒を構えた手は下ろさずに言う。

 

「ダメだ! 私に同行してもらう!」

 

 男の言葉にこれ以上、言ってもわかってくれないと夢人は判断した。

 

「……だ、誰か……」

 

「「「「っ!?」」」」

 

 エンジンルームの奥から声が聞こえてきた。

 

 夢人達は急いで奥まで行くと、セーラー服を着た男が火傷を負って倒れていた。

 

「おい!  大丈夫か!?」

 

 男がセーラー服の男を抱えながら尋ねる。

 

「……あ、アイツらが……」

 

 セーラー服の男は夢人とリンダ、ワレチューを指さしながら言う。

 

「……アイツらが……エンジンルームを……爆破したんだ」

 

「な、何だって!?」

 

 男はそれだけ聞くと、夢人達を睨む。

 

「ま、待ってくれ!? 誤解だ!?」

 

「黙れ! 貴様らを逮捕する! このテロリストめ!」

 

 男は夢人達の言葉を聞かずに警棒を振りかぶり、殴りかかる。

 

「突っ立ってんじゃねぇ!」

 

 リンダは殴られそうになった夢人の襟を掴んで引き寄せる。

 

「リンダ!?」

 

 夢人はリンダが自分を助けてくれたことに驚く。

 

「ここは逃げんぞ!」

 

 リンダはそれだけ言うと、夢人を引っ張りながらエンジンルームを走り去る。

 

「これで時間を稼ぐっちゅ!」

 

 ワレチューは黒いビー玉を床にぶつけた瞬間、エンジンルームに強烈な閃光が発生した。

 

「な!?」

 

 男は強烈な閃光が発生したため、両手で顔を隠してしまう。

 

「くっ!?」

 

 閃光が収まると、そこには夢人達の姿がなかった。

 

 男は急いで無線に向かって叫ぶ。

 

「本部へ! 船を爆破したテロリストが逃亡しました! 至急、増援を!」

 

 男が無線に叫んでいる後ろで、セーラー服の男はかすかに笑った。

 

 

*     *     *

 

 

 船を脱出してリーンボックスの裏路地に入りこむ夢人達。

 

「はあ、はあ、はあ、ここまでくりゃ、大丈夫だろう」

 

 リンダは息を整えながら言う

 

「はあ、はあ、はあ、そうだな」

 

 夢人も膝に両手をついて応える。

 

「……しかし、まずいことになったちゅ。おいら達がやっていない爆破事件の犯人だと言われてしまったちゅ…これからはうかつに動けないっちゅね」

 

 ワレチューの言葉に2人も頷く。

 

「……とりあえず、あのセーラー服の野郎が何であんなこと言いやがったのかだな」

 

 リンダはセーラー服の男を思い出して顔をゆがませる。

 

「状況的に考えると、アイツが犯人だよな」

 

 夢人がそう言うと、2人も頷く。

 

「当たり前だろ! アタイらがやってねぇンだからよ!」

 

 リンダが叫ぶ横でワレチューが冷静に言う。

 

「……でも、追いかけてくる連中はおいら達が犯人だって思ってるっちゅ」

 

 ワレチューの言葉に2人は俯きながら考える。

 

 これからどういう行動をすべきなのか……

 

 その時、電子音とともに街頭に設置されていた巨大スクリーンからニュースが流れだす。

 

《ゲイムギョウ界アワーズより、臨時ニュースをお伝えします》

 

 夢人達もニュースが気になり、路地から顔を出してスクリーンを見上げる。

 

「な!?」

 

「ウソだろ!?」

 

「そんな!?」

 

 3人は驚愕した。

 

 何故ならスクリーンには3人の顔が映し出されていた。

 

《本日、リーンボックスに到着した船が爆破される事件が発生しました》

 

 スクリーンの中でニュースキャスターが淡々と言葉を続けていく。

 

《目撃者の発言によりますと、犯人は写真にありますように、この2人組の男女とネズミです》

 

 夢人達の顔がスクリーンに大きく映し出される。

 

《現在犯人はリーンボックス内に逃亡している模様、住民の皆様は3人の姿を確認したら速やかにリーンボックス特命課に通報をお願いします……繰り返します》

 

 夢人達はそれ以上、ニュースを聞いていられなかった。

 

「「「な、何だってー!?」」」




はい、今回はここまで!
という訳で、夢人君たちがゲイム業界中のお茶の間の話題をさらっちゃうよ!
ちなみに、ゲイム業界アワーズは全国で放送されているのでほかの大陸にもばっちり放送されているよ!
さて、夢人君たちは無事に冤罪を晴らすことができるのか?!
女神候補生の登場を期待している読者はちょっと待っててね!
次回には、登場させますから!
それでは、 次回 「真犯人を探せ」 をお楽しみに!

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