超次元ゲイムネプテューヌ 夢のヒーローを目指して   作:ホタチ丸

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はい、毎度同じくこんばんわ!
なんとこの作品がUA5600を突破しました!
これもこの作品を読んでくださる皆様のおかげです!
本当にありがとうございます!
今回は恒例の女神通信ですが、楽しんでいってくださいね!
それでは、 女神通信(ロム編) はじまります


女神通信(ロム編)

 ……えっと、こんにちわ(ぺこり)

 

 今回はわたしが1人で担当ということで緊張しています。

 

 ラムちゃんはこの後の収録だそうです。

 

 …深呼吸した方がいいの?

 

 すう……はあ……すう……はあ……

 

 ……少し落ち着いたかな。

 

 えっと、今回は……

 

 ルウィーでわたしとラムちゃんがけんかしちゃった時のお話です。

 

 恥ずかしいけど、がんばります。

 

 それでは、 女神通信 ロム編 、始めます。

 

 

*     *     *

 

 

 わたしのお姉ちゃんはお仕事で遠くに行っているらしい。

 

 わたしはそれをミナちゃんから聞いた。

 

 ミナちゃんはわたしとラムちゃんのお世話をしてくれている人です。

 

 わたしとラムちゃんがイタズラすると怒る怖い人でもある。

 

 ……そっか。

 

 お姉ちゃんはしばらく帰ってこれないんだ。

 

 わたしは少しさびしく思った。

 

 お姉ちゃんはお仕事が忙しくて一緒にいる時間はあまりとれないけど……

 

 わたしとラムちゃんに絵本を読んでくれる。

 

 わたしはお姉ちゃんが読む絵本が大好き。

 

 お姉ちゃんが絵本の内容を読む声を聞いていると、気持ちよくなる。

 

 だから、わたしはよくお姉ちゃんに絵本を読んでもらうようにお願いする。

 

 ……ラムちゃんもきっとそう。

 

 ラムちゃんもわたしと一緒に絵本をお姉ちゃんに読んでもらってる。

 

 だから、3人でくっついて絵本を読む時はとっても嬉しい。

 

 お姉ちゃんとラムちゃん。

 

 わたしの大好きな人と一緒にいることが嬉しい。

 

 ……早く帰ってこないかな、お姉ちゃん

 

 

*     *     *

 

 

 わたしとラムちゃんがお姉ちゃんがしばらく帰ってこれないと聞いてからしばらくしてミナちゃんからお願いをされた。

 

「お手伝い?」

 

「そうですよ、今はブランさんがいらっしゃらないのでルウィーはしなければならないことが多いのです」

 

 ミナちゃんはわたしにほほ笑みながら言う。

 

 ……でも、いつもと違う。

 

 いつもならもっときれいに笑うのに。

 

「ですから、ロムとラムにもブランさんのお仕事を手伝ってほしいのです」

 

 わたしがミナちゃんに違和感を感じていると、ミナちゃんはお姉ちゃんのお仕事のお手伝いをお願いしてきた。

 

 お姉ちゃんの?

 

「何でわたし達がやらないといけないのよ?」

 

 ラムちゃんは唇を尖らせて言っていた。

 

 ……わたしもいやだな。

 

 わたしだってやりたいことやしたいことがあるんだから。

 

「……お仕事を手伝ってくれるのでしたら、『変身』をするのを許可しますよ」

 

 『変身』!?

 

 『変身』してもいいの!?

 

 わたしとラムちゃんは、今は『変身』することができない。

 

 お姉ちゃんとミナちゃんに止められている。

 

 何でも女神の力はわたし達にはまだ早いらしい。

 

 ……でも、わたしは『変身』するのが好きだ。

 

 空を自由に飛ぶのが好きだ。

 

 初めて『変身』した時は、お姉ちゃんとラムちゃんと手をつないで飛んだ。

 

 今でも思い出せる。

 

 3人でルウィーの街を空から見たことを。

 

 それに、わたしがお姉ちゃんのお仕事をお手伝いすれば、お姉ちゃんが帰って来た時、いっぱいほめてもらえるかもしれない。

 

「……うん、やる」

 

「ロムちゃん!?」

 

 わたしはお手伝いすることにした。

 

 ラムちゃんはわたしがお手伝いをすることに驚いていた。

 

「ラムちゃんも一緒にしよ?」

 

 わたしはラムちゃんに一緒にお手伝いしてくれるようにお願いした。

 

 ラムちゃんは一瞬顔を曇らせてから言った。

 

「……あー、もー、わかったわよ! やってやるわよ!」

 

 ラムちゃんは大きな声でそう言うと、腕を組んでわたしに背中を向けてしまった。

 

「ありがとう(にこっ)」

 

 わたしはラムちゃんには見えていないだろうけど、笑顔でお礼を言った。

 

 でも、ラムちゃんは返事をしなかった。

 

 ……この時には、ラムちゃんは知っていたんだと思う。

 

 お姉ちゃんが帰ってこない本当の理由を……

 

 だからこそ、わたしに顔を見せてくれなかったんだと思う。

 

 

*     *     *

 

 

「アイシクルトルネード!」

 

 わたしは手に持っているホワイトの先端に魔力を集中させて氷の渦をモンスターに放つ。

 

 モンスターは氷の渦にのまれて光となって消えていく。

 

「やったね!ロムちゃん!」

 

「うん(ぶいっ)」

 

 一緒にダンジョンに来ていたラムちゃんがわたしに近づきながら言う。

 

 わたしはそれに返事をして左手でブイサインを造る。

 

 ……ミナちゃんからお願いされたお仕事をし始めてから少し時間が過ぎた。

 

 まだお姉ちゃんは帰ってこない。

 

 どうしたんだろうな……

 

 こんなに長い間いなかったのは初めてだった。

 

 わたしの不安が顔に出ていたのか、ラムちゃんはわたしを無言で抱きしめた。

 

「……ラムちゃん?」

 

 わたしは最初抱きしめられたことに気付かなかった。

 

「……大丈夫だよ、お姉ちゃんはすぐに帰ってくるよ」

 

 ラムちゃんはわたしの耳に口を近づけて優しく言う。

 

 ……そうだよね。

 

 わたしが不安そうにしてたらラムちゃんにも迷惑かけちゃうもんね。

 

「ありがとう(だきっ)」

 

 わたしもラムちゃんを抱きしめ返した。

 

 ラムちゃんの体が一瞬震えた気がした。

 

 それでも、ラムちゃんは強く抱きしめ返してくれた。

 

 そうだよね。

 

 お姉ちゃんが帰ってくるまで一緒に頑張ろう。

 

 だって……

 

 わたし達はずっと一緒だもんね。

 

 

*     *     *

 

 

 そんな日々が続いた時

 

 わたしは夢人お兄ちゃんに出会ったんだ。

 

 あの時のわたしラムちゃんに置いていかれて泣きそうだった。

 

 でも、そんなわたしに声をかけてくれた。

 

「えっと……大丈夫か?」

 

 わたしは最初は見知らぬ人が声をかけてきたので怖かった。

 

 わたしは人見知りが激しく、初対面の人とはまともに話すことはできない。

 

 わたしが今まであったことがある人はわたしに話しかける時、いくつもの感情を感じることがある。

 

 わたしに向ける感情やわたしじゃないことに向ける感情がある。

 

 わたしはそんないくつもの感情が混ざり合っているのを感じると怖いと思ってしまう。

 

 だから、わたしは初対面の人と話すのが苦手だ。

 

 ……でも、夢人お兄ちゃんは違った。

 

 他の人にはあるのに夢人お兄ちゃんはないように感じたんだ。

 

 心からわたしのことを心配しているように思えたんだ。

 

 まるできれいなお水だった。

 

 濁っていたり、ゴミが入っていない。

 

 そんなふうに思えたんだ。

 

 ……それでも、最初は怖がってビクビクしちゃった。

 

 でも、夢人お兄ちゃんは……

 

「俺の名前は御波夢人、御嬢さんのお名前はなんですか?」

 

 手を大きく振りながら言った。

 

 御嬢さんと言われたことは初めてで恥ずかしかった。

 

 でも、そんな夢人お兄ちゃんだからわたしはすぐに心を開けたんだと思う。

 

 そして、わたしが泣きそうになっていたわけを話すと一緒にラムちゃんの所まで行ってくれると言われた。

 

 その時、つないだ手はすっごく温かくて落ち着いた。

 

 …この温かさを懐かしく思った。

 

 だって、お姉ちゃんの手と同じように感じたんだ。

 

 

*     *     *

 

 

 その後、悪い人をラムちゃんと一緒にこらしめようとダンジョンへ飛んで行った。

 

 悪い人がモンスターを操ったのは驚いた。

 

 けれども、わたしとラムちゃんの敵ではなかった。

 

 モンスターを楽に倒して、悪い人を捕まえようとした時、急にぴかっと光があふれてきた。

 

 わたし達が光に驚いている隙に悪い人は逃げてしまった。

 

 悪い人を逃がしてしまって少し落ち込んでいたところに、夢人お兄ちゃんがやってきた。

 

 わたしのことを心配してくれた。

 

 ……嬉しかった。

 

 純粋な気持ちで心配されたことが。

 

 お姉ちゃんに似ていると思った人に心配されたのが。

 

 ……でも、そんな嬉しい気持ちも長くは続かなかった。

 

 夢人お兄ちゃんと一緒にいたプラネテューヌの女神候補生

 

 ネプギアお姉ちゃん

 

 今はネプギアちゃんと呼んでいる人がいた。

 

 最初は他の国の女神候補生がシェアを奪いに来たのかと睨んでしまった。

 

 でも、ネプギアちゃんを庇うように前に出た夢人お兄ちゃんの言葉にわたしは衝撃を受けた。

 

 女神がマジェコンヌに捕まっている。

 

 ……わたしは最初信じられなかった。

 

 女神が捕まってる?

 

 お姉ちゃんは女神だ。

 

 だったら、お姉ちゃんが捕まってるの?

 

 だから帰ってこないの?

 

 わたしは手に力が入らなくなり、ホワイトを落としてしまった。

 

 そんなわたしをすぐにラムちゃんが支えてくれた。

 

 ……あれ?

 

 でも、それなら……

 

 どうして

 

 どうして、ラムちゃんは……

 

 ショックを受けていないの?

 

 ラムちゃんもお姉ちゃんのことが好きだよね?

 

 わたしはお姉ちゃんが大好きだからショックを受けたんだよ?

 

 でも、それなら……

 

 どうして普通でいられるの?

 

 ……そう言えば

 

 さっき夢人お兄ちゃんの言葉を止めようとしていたよね?

 

 ……もしかして

 

「……ラムちゃんは……知ってたの?」

 

「え?」

 

 ……そうなんだ。

 

 わたしはラムちゃんの表情ですべてがわかった。

 

 だって、ずっと一緒にいたんだもん。

 

 表情でわかるよ……

 

 ラムちゃんがわたしにウソをついていたことを。

 

 ……許さない。

 

 ラムちゃんはわたしにウソをついていた。

 

 お姉ちゃんが帰ってこない理由を黙っていた。

 

 わたしはそんなに信用できないの?

 

 ずっと一緒にいた。

 

 一番の仲良しだと思っていたのに!

 

 わたしは一番ラムちゃんのことが好きだったのに!

 

 わたしの信頼は裏切られたの?

 

 ラムちゃんはわたしを裏切ったの?

 

 ……あの時

 

 わたしは今までにないほど怒っていた。

 

 だって

 

 ずっと一緒にいたラムちゃんがわたしを裏切ったから……

 

 わたしのことを裏切ったから……

 

「ラムちゃんの……裏切り者!!」

 

 わたしはそれだけ言ってダンジョンから飛んで行った。

 

 ……ラムちゃんの顔を見たくなかったから。

 

 わたしの涙を見せたくなかったから……

 

 

*     *     *

 

 

 わたしは教会に帰ると、ミナちゃんにも尋ねた。

 

 ……ウソだと思いたかった。

 

 夢人お兄ちゃんの言葉を……

 

 信じたかったんだ。

 

 ラムちゃんとミナちゃんを……

 

 でも

 

 わたしの希望はミナちゃんによって崩れた。

 

 ……やっぱり

 

 ミナちゃんも知っていたんだ。

 

 お姉ちゃんが帰ってこない本当の理由を。

 

 お姉ちゃんが捕まっているってことを。

 

 わたしは何も信じられなくなって部屋に逃げ込んだ。

 

 体の中から怒りがあふれだしてきた。

 

 わたしは部屋の中で暴れまわった。

 

 ……今にして思えば

 

 あんなに暴れたのは初めてだった。

 

 ラムちゃんとミナちゃんに裏切られたと思って暴れた。

 

 信じていた人に裏切られた。

 

 そんな悲しい気持ちを怒りに変えて暴れた。

 

 初めての感情に戸惑っていたんだ。

 

「あああああああ!!」

 

 わたしはどうすれば落ち着けるのかがわからなかった。

 

 だからこそ、体を動かした。

 

 部屋にあったものを壊しながら。

 

 おさまることのない悲しみにくれていた。

 

 

*     *     *

 

 

 翌日

 

 わたしは自分が暴れて散らかった部屋を見ても何も感じなかった。

 

 ……今まで何をしてたんだろうなあ。

 

 お姉ちゃんのためと思っていたお手伝い。

 

 本当はお姉ちゃんの代わりをしていただけ。

 

 じゃあ……

 

 わたしはこれから何をすればいいの?

 

 わたし1人で何をすればいいの?

 

 ラムちゃんやミナちゃんの言う言葉は信用できないよぉ……

 

 わたし1人じゃ何もできないよ。

 

 わたしがどうしたらいいのか分からず途方に暮れていると、部屋のドアが叩かれた。

 

「……ロムちゃん、聞こえてる?」

 

 ネプギアちゃんの声が聞こえてきた。

 

 どうして来たんだろう?

 

 わたしは気になりつつも返事はしなかった。

 

 ……したくなかった。

 

 何もする気が起きなかったから。

 

「ロムちゃん、そのままでいいから聞いてくれないかな?」

 

 ネプギアちゃんはわたしが返事をしなくても言葉を続けた。

 

「私達はね、昨日も言ったけど女神を助けるための旅をしているの」

 

 それは昨日も言っていた。

 

「……最初はね、ロムちゃん達が女神の仕事をしていることを聞いて辛かったんだ」

 

 ……ネプギアちゃんが辛いの?

 

 どうして?

 

「……実は、私はブランさんと一緒に一度捕まったの」

 

 え?

 

 ネプギアちゃんがお姉ちゃんと一緒に捕まった?

 

 じゃあ、どうして……

 

 どうして、お姉ちゃんは帰ってこないの!

 

 わたしはスカートのすそを強く握りしめた。

 

「でも、私だけが助けられた」

 

 わたしは怒りがわいてきた。

 

 どうしてお前なんだ!

 

 どうして……

 

「……だから、今はブランさん達を助けるために旅をしているの」

 

 え?

 

 わたしはその一言で怒りを忘れた。

 

 助ける?

 

 お姉ちゃんを?

 

 自分は助かったのに?

 

「……これは私の大切な人の言葉なんだけどね」

 

 ネプギアちゃんの言葉が理解できないままでいたわたしにネプギアちゃんは語りかけ続けた。

 

「弱かったり、何も知らなかったりしても……それは何もしない言い訳にならないんだって」

 

 知らなくても?

 

「私は今でも捕まった時の弱いままなのかもしれないけど……」

 

 ネプギアちゃんの言葉は優しく感じた。

 

「お姉ちゃん達を助けるために旅を続けていくよ」

 

 何で……

 

 何で弱いのに……

 

 何でまたやられちゃうかもしれないのに……

 

「それが私の決めた答えなんだ」

 

「……ネプギアお姉ちゃんの決めた答え?」

 

「……だから、ロムちゃんにも考えてほしいんだ」

 

 わたしはいつの間にかネプギアちゃんの言葉を小さくつぶやいていた。

 

 わたしの言葉が聞こえたのかどうかはわからないけど、ネプギアちゃんは言葉を続ける。

 

「ロムちゃんだけの答えを」

 

 わたしだけの……

 

 答え?

 

「もし、ロムちゃんがこのままずっと部屋にいても私達は旅を続ける……そして、ブランさん達を助けてくるよ」

 

 このまま……

 

 わたしがそう考えていると、ネプギアちゃんは言った。

 

「……だから考えてほしいんだ、ロムちゃんが本当にしたいことの答えを」

 

 足音が聞こえる。

 

 ネプギアちゃんはそれだけ言うとドアの前からいなくなった。

 

 わたしの答え……

 

 わたしがしたいことってなんだろう……

 

 

*     *     *

 

 

 あの後、夢人お兄ちゃんも来た。

 

 夢人お兄ちゃんもネプギアちゃんと同じようなことを言っていた。

 

 ……わたしがしたいことの答えはわたしが持っている。

 

 それは当たり前のことだけど大切なこと。

 

 そう言っていた。

 

 それでも、わたしはわからないまま部屋に居続けた。

 

 ご飯はミナちゃんが部屋の前に置いてくれる。

 

 ラムちゃんはここしばらく会っていない。

 

 ラムちゃん……

 

 わたしとずっと一緒にいたラムちゃんならわかるのかな……

 

 わたしの中の答えが……

 

 そんなふうに考えていた。

 

 ……いやな子だな、わたし。

 

 わたしはラムちゃんを傷つけたのに。

 

 身勝手な怒りをぶつけたのに……

 

 わたしが一方的にラムちゃんに対して怒ったのに……

 

 それでも

 

 それでも、わたしは……

 

 ラムちゃんに頼ってしまう。

 

 ラムちゃん……

 

 今何をしているのかな……

 

 元気でいるのかな……

 

 病気になっていないかな……

 

 ご飯はちゃんと食べているのかな……

 

 気がつけば、わたしはずっとラムちゃんのことを考えていた。

 

 会いたい……

 

 会いたいよぉ……

 

 でも

 

 会えない

 

 だって

 

 わたしがラムちゃんを傷つけたから……

 

 ラムちゃんに会う資格なんて……

 

 わたしが自分の中の答えよりもラムちゃんのことを考えているときだった。

 

 ネプギアちゃん達の話し声が聞こえてきた。

 

 ……

 

 何でもゲイムキャラが壊れてルウィーが危ないらしい。

 

 ルウィーが危ない?

 

 わたし達がいる国が危ないの?

 

 ……いやだ。

 

 いやだよ!

 

 わたしはまだ……

 

 まだラムちゃんと仲直りしていないんだ!

 

 またラムちゃんと笑いあいたいんだ!

 

 今は会えないけど……

 

 ラムちゃんとずっと一緒にいたいんだ!

 

 ……なんだ。

 

 本当だった。

 

 本当に当たり前のこと。

 

 今までと変わらないんだ。

 

 わたしは……

 

 例え、ラムちゃんに嫌われても……

 

 ずっと一緒にいたい!

 

 これがわたしの答えだったんだ!

 

 わたしはそれがわかった時、教会の裏口から外へ駆けだした。

 

 会いたい。

 

 会いたい!

 

 わたしの答えを気付かせた人に……

 

 わたしに優しくしてくれた人に!

 

 わたしは急いで病院に駆け込んだ。

 

 そして、病室のベットに寝ているあの人の手を握って言った。

 

「起きて……夢人お兄ちゃん!」

 

 わたしが強く手を握りながら言うと、夢人お兄ちゃんは目を開いて言った。

 

「……答え、見つけたんだな」

 

 その目は優しさがあふれていた。

 

 ……ああ

 

 やっぱり

 

 夢人お兄ちゃんはお姉ちゃんやラムちゃん、ミナちゃんと同じ。

 

「……ラムの所に行くぞ」

 

 わたしの手を強く握り返して夢人お兄ちゃんは起き上がった。

 

 ……わたしを大切に思ってくれているんだ。

 

 

*     *     *

 

 

 わたしと夢人お兄ちゃんはブロックダンジョンに急いで向かった。

 

 ピンク色のコートを着た女の子が走って向かったことを聞いたからだ。

 

 夢人お兄ちゃんは少しつらそうだった。

 

 ……やっぱり、怪我をしていて無茶をしている。

 

 わたしは心配になり夢人お兄ちゃんを見上げた。

 

 そんなわたしに気付いたのか、夢人お兄ちゃんは笑顔でわたしの頭をなでながら言った。

 

「これぐらい平気だって……今はそれより大事なことがあるしな」

 

 わたしを安心させようとする笑顔。

 

 頭をなでる手の温かさ。

 

 わたしが言える言葉は一つだけだった。

 

「ありがとう」

 

 わたしのその言葉を聞くと、夢人お兄ちゃんはすごく嬉しそうに笑った。

 

「それを聞いちゃ、もっと急がないとな!」

 

 わたしの手を握る力が強くなるのを感じた。

 

 ……温かい。

 

 大切な人の手ってどうしてこんなに温かいんだろう。

 

 どうしてこんなに嬉しくなるんだろう。

 

 

*     *     *

 

 

 ブロックダンジョンに辿り着いたわたし達はラムちゃんと出会えた。

 

 そして、わたしは自分の答えを……

 

 ラムちゃんと仲直りしたいと言えた。

 

 ラムちゃんも同じ気持ちだった。

 

 ……嬉しい。

 

 いっぱい傷つけたのに。

 

 いっぱい泣かせたはずなのに。

 

 それでも……

 

 一緒にいてほしいというラムちゃんが。

 

 わたしはラムちゃんが大好きだ!

 

 もう迷わない。

 

 わたしはラムちゃんが大好きなんだ!

 

 この気持ちだけは絶対に忘れない!

 

 その後、悪い人が出した機械のモンスターをラムちゃんと2人で倒した。

 

 『変身』してピンク色の髪になったラムちゃんを見ながらわたしは思う。

 

 ……わたしは1番ラムちゃんが好き!

 

 

*     *     *

 

 

 キラーマシンに夢人お兄ちゃんがやられそうになった時にネプギアちゃん達が来て助けてくれた。

 

 ネプギアちゃんが夢人お兄ちゃんの手を握りながら不安そうな顔になって心配している。

 

 ……そうなんだ。

 

 きっとネプギアちゃんは夢人お兄ちゃんのことが大切なんだ。

 

 きっとわたしに言ってくれた言葉も夢人お兄ちゃんの言葉なんだろう。

 

 わたしは2人を見ながらそう思った。

 

 ……でも

 

 少しだけ胸が苦しいかな……

 

 なんだろうな……

 

 この気持ち……

 

 

*     *     *

 

 

 夢人お兄ちゃんがキラーマシンを倒した時、わたしは目を輝かせてすごいと思った。

 

 夢人お兄ちゃんの使う魔法はよくわからなかったけど、とにかくすごい!

 

 わたしは夢人お兄ちゃんのことがかっこよく見えた。

 

 わたし達の知らない魔法を使ってピンチを救ってくれる。

 

 絵本の中の勇者さまに見えた。

 

 ……夢人お兄ちゃんの言っている言葉の意味はよくわからなかったけど。

 

 きっとすごい意味があったんだと思う。

 

 いつかわたしもあんなふうに魔法が使えるようになるかな……

 

 わたしが目を輝かせている横で、ラムちゃんの頬が引きつっていたのがわかった。

 

 ……どうしたの?

 

 夢人お兄ちゃん、かっこよくないかな?

 

 わたしはかっこいいと思うんだけど……

 

 

*     *     *

 

 

 その後、マジックって言うマジェコンヌの幹部さんが来てわたし達はやられそうになったが、夢人お兄ちゃんとネプギアちゃんが協力してやっつけた。

 

 わたしもいつかネプギアちゃんのように夢人お兄ちゃんの力になれるかな?

 

 わたしは1人では弱いままだけど……

 

 これからもラムちゃんと一緒に強くなっていく。

 

 だって

 

 わたしとラムちゃんはずっと一緒だから。

 

 ネプギアちゃんに負けないように。

 

 2人で強くなっていく。

 

 そして……

 

 わたし達もいつか一緒に戦おうとラムちゃんと決めました。

 

 だから、待っててね……

 

 必ず追いつくから。

 

 

 ……

 

 

 えっと、終わったの?

 

 どんなふうに撮れたのか気になるけど疲れちゃった。

 

 この後、ラムちゃんが収録を終えるまでここで待っててもいい?

 

 一緒に帰る約束をしているの。

 

 ……だったら、こっちに椅子があるの?

 

 ありがとうございます。

 

 ねえ、夢人お兄ちゃん……

 

 わたし強くなるよ。

 

 いつか夢人お兄ちゃんの隣に入れるように……

 

 それまで、待っててね(にこっ)




という訳で、今回はおしまい!
というより、私昨日最後に確認したとき、UAが確か5200程度だったと思ったんだけどいきなり増え出して驚いたんだ
朝確認したとき、夢かと思って布団に戻っちゃったもん!
まあ、そんなこと雑談は置いておきましょう
次の話はラムちゃん視点でのルウィー編のまとめになるのでそんなに時間がかからないと思うんだ
だから、できれば今日中にあげられるように今から書きあげるけど、あまり期待しないでね
それでは、 次回 「女神通信(ラム編)」 をお楽しみに!

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