超次元ゲイムネプテューヌ 夢のヒーローを目指して 作:ホタチ丸
本日2回目の投稿です!
でも、今回はロムちゃんラムちゃん登場しないんだ…(ナンダッテ―)
それでは、ゲームをプレイした方ならトラウマ必須の強敵の登場回をお楽しみしてください
それでは、 古代の悪魔 はじまります
夢人達がルウィーに辿り着いて2週間が経過した。
夢人達は教会の協力が得られなかったので、自分達でゲイムキャラを探して交渉しようと考えてルウィーに滞在している。
そして、今日もギルドでクエストを受けながらゲイムキャラを探そうとしていたのであった。
* * *
「見つからないよね、ゲイムキャラ」
「ハア、ハア……そう、だな」
日本一と夢人は街の商店街を歩いていた。
2人は朝からルウィー周辺をランニングしていたのである。
日本一はランニングした後だと言うのに元気が有り余っていた。
対照的に、夢人は息も切れて辛そうにしていた。
「もーう! ホント、夢人って体力ないよね、それでも勇者なの?」
日本一は夢人に不満を言う。
「……そん、なの、わかんないって……」
夢人は言葉を途切れさせながら応える。
「まったく! 今から今日のダンジョンに潜るのに必要なアイテムを買っていかなきゃいけないんだよ? 大丈夫なの?」
そんな夢人を心配して日本一は言う。
「大……丈……夫……」
夢人は何とか笑顔を造ると、右手の親指を上げて応える。
「なら、早く行くよ!」
「走……るん……じゃねえ!」
日本一が走り出すのを見て、夢人は苦しそうに言った。
* * *
その後、夢人が息を整え終えるのを待ってからアイテムの購入を始めた。
「必要なものはこれで大丈夫なの?」
「ちょっと待てって」
日本一の言葉に夢人は買い物のリストがかいてあるメモ帳を見て確認する。
「これは……こっちは……よし! これでオッケーだ!」
夢人は買い忘れがないことを確認して日本一に言った。
「それじゃ帰ろうか、皆首を長くして待ってるから」
「そうだな」
夢人も日本一の言葉に同意して、ネプギア達が待っているであろうギルドへと向かう。
「ちょっとよろしいですの」
そんな2人に後ろから声が掛けられた。
2人が振り返ると、そこには白い兎をモチーフにしたであろうデザインの帽子をかぶった茶髪の小柄な少女がいた。
「えっと、俺達のことか?」
夢人は少女に尋ねた。
「そうですの、そこのさえない男とぺったんこ女に言ったですの」
少女はそう言って応える。
「俺のどこがぺったんこ女だ!?」
「え!? あなたがその反応をするですの!?」
夢人はそう言って少女を睨む。
少女もまさかそんな反応が帰ってくるとは思っていなかったので驚いてしまった。
「お、落ち着きなよ夢人!?」
いきなり喧嘩腰になった夢人を抑えるため、日本一は夢人を羽交い絞めする。
ちなみに、日本一もぺったんこと言われて怒りを感じていたが、夢人の奇行によって忘れてしまっていた。
「離せ、日本一! 俺はこの女に俺が男であると証明しなきゃいけないんだ!」
「わかってるですの!?」
それでもなお暴れて少女に向かっていこうとする夢人。
それに慌てながらつっこむ少女。
「とにかく落ち着いてよ!」
「チッ……わかったよ」
日本一の説得によって夢人は暴れるのはやめたが、その顔には不満の色が残っていた。
「そ、それで君は一体誰なの? どうしてアタシ達に話しかけてきたの?」
日本一は夢人の様子を見て、慌てて少女に尋ねた。
「……がすとは、ただ商品をおすすめしようとしたですの」
「商品?」
がすとがため息をついた後に言葉を続けた。
がすとの言葉を日本一は疑問に思って尋ねる。
「そうですの……申し遅れたですの、がすとは錬金術師でいろいろな国で商品を販売しているですの」
がすとが服のポケットから商品を取り出しながら言う。
「あなた達が冒険者であることがわかったので、ぜひがすとの商品を買ってもらおうと思ったんですの」
がすとは胸を張って言った。
「なるほど……でも、ごめんね、実は買う予定のものは全部買っちゃったんだ」
日本一はがすとの言葉に納得したが、買い物が終わってしまったので申し訳なさそうにしながら断ろうと思っていた。
「がすとの商品はただの商品じゃないですの!」
そんな日本一に向かってがすとは言いながらポケットの中から小さな薬の瓶を取り出した。
瓶の中には黒い粒のような錠剤が入っていた。
「たとえば、これは魔法がうまくつかえない人でもかんたんに魔法をつかうことができるクスリですの」
がすとは瓶から一粒だけ取り出して見せた。
「B.H.C.といってとってもべんりなクスリで……」
「そのクスリを俺に買わせてください!!」
夢人はがすとの言葉を遮って土下座をしながら言った。
「な!? いきなり何をしているんですの!?」
「夢人!? やめなよ!?」
がすとは急な夢人の反応に驚いて声を上げる。
日本一も土下座している夢人を立ち上がらせようとするが、夢人は動かない。
「もう魔法(笑)何て呼ばれるのは嫌なんです!! 俺ももっとちゃんと魔法が使いたいんです!!」
夢人はがすとを見上げて、泣きながらお願いし続ける。
「お願いします!! いくらでも払いますんで!! 俺に売ってください!!」
夢人のその言葉を聞いてがすとはにやりと笑った。
「……いくらでも、ですの?」
「はい! もちろんです!!」
「ちょ、夢人!? それ以上はダメだよ!?」
日本一が慌てて夢人を止めようとするが、夢人はそれに構わず財布を取り出してがすとへと渡した。
「今の俺の全財産です!! これで足りなかったら借金してで買わせていただきます!!」
「だから、ダメだってば!?」
日本一が夢人から財布を奪おうとするが、がすとが先に夢人の持っていた財布を手にとって中身を確認した。
「……そうですの、これなら5粒くらいですの……それでもいいですの?」
がすとが営業スマイルを浮かべて夢人に尋ねた。
夢人はそれに対して笑顔で応える。
「買った!!」
* * *
「アンタはバカか!!」
「げふっ!」
ネプギア達と合流した夢人と日本一は先ほどの出来事を説明した。
説明が終わるとアイエフは夢人の頭を強く叩いた。
「何よ、そのいかにも怪しいクスリは! そんな詐欺まがいの奴に引っかかるんじゃないわよ!」
アイエフは眉を吊り上げて夢人に対して怒鳴る。
「あいちゃん、落ち着いてください!」
コンパが夢人に近づこうとしたアイエフをいさめながら言う。
「そうですよ! それに本当に魔法が使えるようになるかもしれませんし……」
ネプギアは夢人の方を見ながら言う。
「……で、そのクスリってどんな物なの?」
フェルがクスリの効果について夢人に尋ねた。
「フッ、こいつの効果は魔法のイメージ力のアップだそうだ」
夢人が自慢げに言いながら、ポケットから先ほど購入したB.H.C.を取り出した。
「イメージ力ですか?」
ネプギアは言葉の意味がわからず尋ねる。
「そう、魔法はイメージ力によってその形や能力が変化するだろ? ……こいつはそのイメージをより強固なものにするためのクスリなのさ!」
夢人はB.H.C.をネプギア達に向けながら言った。
「……なんか、自転車の補助輪みたいだね」
フェルが呆れながら言った。
「そんなのと一緒にすんなよ! こいつさえあればな……」
* * *
「きゃあああ!?」
強力なモンスターの攻撃によってネプギアは吹き飛ばされてしまう。
「いやああ、助けて!」
吹き飛ばされた衝撃によって武器を落としてしまい、ネプギアは泣きそうになりながら助けを呼ぶ。
「待て!」
そんな時に、崖の上から声が聞こえてきた。
「これ以上、ネプギアを傷つけることは許さないぞ! とお!」
崖の上に居た人物、夢人は崖から飛び降りて華麗に着地をした。
着地をし終えると、ネプギアにほほ笑みかけながら言う。
「俺が来たからにはもう大丈夫さ!」
右手の親指を上げて宣言する夢人。
「ギャオオオオオ!!」
モンスターが夢人へと襲いかかる。
「その程度の攻撃など効かん!」
夢人は前方に魔法のバリアを張り、モンスターの攻撃を防いだ。
「この勇者である俺に勝てると思うなよ」
夢人は両手に魔力を集中させてモンスターに向けて放つ。
「喰らえ!! これが俺の必殺魔法だ!!」
夢人の両手から強烈な光が放たれてモンスターに直撃した。
「ギャオオオオオ!?」
その一撃を喰らい、モンスターは光となって消えてしまった。
モンスターが消えたことを確認した夢人は、後ろに居たネプギアを横抱き、お姫様だっこしてほほ笑む。
「これからは俺がネプギアを守るよ」
「夢人さん」
夢人の言葉にネプギアは瞳を潤ませながら、両手を胸の前で組む。
そして、2人はいつの間にか現れた白馬に乗ってプラネテューヌへと帰って行った。
* * *
「ウェへ、へへへへ」
「……夢人、気持ち悪いよ」
夢人がパーフェクト夢人劇場へと旅立ち、気持ち悪い笑みを浮かべていると日本一は引きながら言った。
「……またですか」
フェルはその夢人の顔を見て呆れてため息をつく。
「いい加減にしろ!!」
「ぎゃふん!」
アイエフが夢人の頭を叩くことで、夢人は再起動をはたす。
「……聞いておきたいことがあるんだけどいいかしら?」
アイエフはにっこりと笑いながら夢人に尋ねる。
「何だ?」
「そのクスリの効果ってどれくらいなの?」
アイエフの質問を聞くと、夢人は顔を青ざめ始めた。
「確か、5分だよね」
いつまでも答えない夢人に代わって、日本一が答える。
「そーう、それはそれは……」
アイエフは顔は笑顔だが、彼女の雰囲気は黒くなっている。
「……アハハハ、ハハハ、ハハ……」
夢人は顔を引きつらせながら笑ってごまかそうとする。
「フフフ、フフフフフ……」
アイエフも夢人と一緒に薄く笑う。
しばらくすると、アイエフは夢人に怒鳴る。
「この、マヌケ!!」
* * *
「まったく……バカのせいで余計な時間を使ったわよ」
「ゆ、夢人さんだって悪気があったわけじゃ……」
アイエフはパーティーの先頭を歩きながら言った。
ネプギアは夢人をフォローしようとする。
「……ネプギア、アンタはアイツみたいに騙されんじゃないわよ」
アイエフはネプギアを反眼で見ながら言った。
「あははは、気をつけます……」
そんなアイエフの様子に何を言っても無駄だと感じてネプギアは言った。
後ろの方では、頭にたんこぶを造った夢人が全員分の荷物を持って歩いていた。
「……大丈夫? 夢人」
「……無理なら無理って言ってくださいね」
日本一とコンパはそんな夢人を心配して言った。
「……大丈夫です、はい」
夢人は元気のない顔で言った。
そんな夢人を見てフェルは言う。
「あんなもの買うからだよ」
「……だって、俺だって男だもん……無双とか憧れてるんだよ……」
フェルの言葉に俯きながら夢人は応える。
「はあ、いつまでもうじうじしてんじゃないわよ!」
アイエフが夢人を見て言った。
「だって、だって……」
夢人はアイエフから視線をそらして言った。
「そうですよ、夢人さん」
ネプギアは夢人にほほ笑みながら言う。
「夢人さんが弱くても私達は気にしませんよ」
夢人はネプギアの言葉を聞いて膝を地面についてしまうほどの衝撃を受けてうなだれてしまった。
「……弱い……」
夢人は地面に涙を落としながらつぶやいた。
「え? え? 夢人さん!? どうしたんですか!?」
「ちょっとどうしたの!?」
「大丈夫ですか!?」
そんな夢人をネプギア、コンパ、日本一は心配した。
それを見たアイエフとフェルはため息をついて言う。
「……無自覚って怖いわ」
「……ギアお姉さん、それはひどいや」
* * *
世界中の迷宮
通称、ブロックダンジョンと呼ばれるこのダンジョンはダンジョンの至るところが色とりどりのブロックで構成されている。
そんなダンジョンにリンダはいた。
「……ったく、本当にいんのかねぇ」
リンダは刀で何度も肩をたたきながら辺りを見回した。
「こんなところにゲイムキャラがいるとは思えねぇンだけどなぁ……」
リンダはマジェコンヌに情報を提供している男からの情報によって、このダンジョンにゲイムキャラがいることを聞いていた。
「……それにしてもここはやけに寒いな、別に氷があるわけじゃねぇのに地面から冷気があふれてるみてぇだしよ」
リンダは体を震わせながら言った。
やがて、リンダはダンジョンの奥の開けた場所に辿り着いた。
「居やがったぜ!」
リンダはその奥に居るゲイムキャラを見つけた。
〔……誰ですか〕
ゲイムキャラはリンダがやってきたことを怪しく思い尋ねた。
リンダは笑いながら応える。
「冥途の土産に教えといてやるよ……テメェが封印しているものが欲しい悪党だよ!」
リンダはゲイムキャラの返答を聞かずに、ゲイムキャラに向けて刀を振り下ろした。
* * *
その頃、夢人達はブロックダンジョンの入口に来ていた。
「なんかカラフルなダンジョンだな」
夢人は周りのブロックを見ながら言った。
「ここはブロックダンジョンって呼ばれてて、その名の通りダンジョン全体がブロックで構成されているのよ」
アイエフがダンジョンのことを夢人達に説明した。
「……同じ色集めると消えないかな、これ」
「ちょっとブロック集めて試してみようか?」
フェルも珍しそうにブロックの壁を触りながら言った。
日本一もブロックの壁を軽く叩きながら言った。
「でも、消えちゃったらダンジョンが崩れちゃうですよ」
フェルの隣でコンパが苦笑しながら言った。
「ここにゲイムキャラさんがいるといいんですけどね」
ネプギアはのんびりしているパーティーメンバーを見て苦笑していた。
「そうね、早速……」
「おっと! それには及ばないぜ!」
アイエフがネプギアの言葉に同意してダンジョンを探索しようとした時、それを遮る声が聞こえてきた。
「……あまり聞きたくない声だわ」
アイエフは額に手を当てて声を発した人物に向き直った。
「まったく、何でアンタがここに居んのよ」
アイエフが声を発した人物、リンダを睨みながら尋ねた。
リンダはそんなアイエフの視線を気にせずに手に持っていた白い袋を投げつけた。
「テメェらが探していたゲイムキャラはそいつだぜ」
リンダは笑いながら言った。
白い袋を拾い上げたネプギアは驚愕した。
「こ、これは!?」
袋の中には粉々に砕かれたゲイムキャラの残骸があった。
「ひ、ひどい!? どうしてこんなことをするですか!?」
コンパがリンダに叫びながら尋ねた。
リンダは余裕の笑みを浮かべながら、夢人達をバカにしたように言う。
「だから言ってんだろ? 悪党が悪さして何が悪いってな」
そんなリンダの様子に夢人達は戦闘の準備を始めた。
「ゲイムキャラをこんなにしやがって! ただじゃ済まないぞ!」
夢人が木刀の切っ先をリンダに向けて叫ぶ。
しかし、リンダは余裕の表情を崩さずに言う。
「バーカ! ゲイムキャラが壊れた時点でお前らの負けは確定なんだよ!」
「どういうこと!?」
リンダの言葉の意味がわからず、日本一が叫ぶ。
「……このルウィーには古代の悪魔がいんだよ」
リンダがにやりと笑いながら言葉を続ける。
「古の女神の時代から恐れられていた悪魔が、今目覚めるんだよ!!」
リンダは天井に向けて両手を広げて叫ぶ。
その様子にネプギアはハッとなって言う。
「まさか!? ゲイムキャラの役目って!?」
「今更気づいても遅いんだよ!!」
リンダは地面のブロックに刀を突き刺して叫ぶ。
「出て来やがれ! 古代の悪魔、キラーマシン!!」
リンダの叫びに反応して、刀を突き刺したブロックが浮き上がりだした。
それに伴い、ダンジョン全体が揺れ出す。
「な、何が起こってるですか!?」
「ダンジョン全体が揺れてる!?」
ダンジョン全体が揺れ始めたことによって驚いて叫ぶコンパとアイエフ。
やがて、リンダの前に1つのブロックが完全に浮かび上がった。
停止したブロックは弾け飛び、衝撃で夢人達は壁まで吹き飛ばされてしまった。
「きゃあああ!?」
「うわあああ!?」
弾け飛んだブロックから黒い大きな物体が現れた。
機械的な体でありながらまがまがしい雰囲気を出す物体を見て夢人は言う。
「あれが……キラーマシン!!」
キラーマシンは顔の部分にあるカメラアイを赤く光らせながら夢人達を見ていた。
はい、今回はこれで終わりです!
でも、がすとの口調って本当に難しい
彼女って漢字とひらがながどのように使われるのかがよくわからない
…読者の皆さま、安心してください!
私は次の話でまたロムちゃんとラムちゃんの話をメインに書いていきたいと思っております!
彼女たちの可憐な活躍を待ち望んでおられる方々はもう少しですよ!
それでは、 次回 「普通で当たり前のこと」 をお楽しみに!
え?だれか忘れてるって?