超次元ゲイムネプテューヌ 夢のヒーローを目指して   作:ホタチ丸

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はい、皆さんまだこんにちわの時間からこんにちわ!
今回はいつもよりすっごく悩んだんだ
…理由は、あんなかわいいロムちゃんとラムちゃんを悩ませてしまったからだよ!
ホント、どうしてこんな話を思いついたのか…
今回はそんな2人にスポットを当てているので、ストーリー的には進んでいません
それでも いいよ! って方は楽しんでください!
それでは、 孤独な双子 はじまります


孤独な双子

 ロムとラムはルウィーの街で悪さをしていたリンダをダンジョンに追い詰めたが逃げられてしまった。

 

 そんな時、夢人達がロムとラムに女神救出の協力をお願いしてきた。

 

 だが、ロムは姉であるブランが捕まっていることを初めて聞き呆然としてしまう。

 

 そんなロムを心配するラムだが、ラムがブランが帰ってこない理由を知っていたとわかると、ロムはラムに怒りをぶつけてしまった。

 

 ロムから初めて本気の怒りをぶつけられたラムは泣き出してしまい、その理由を造った夢人達を睨みながら走り去ってしまった。

 

 ロムとラムの様子に夢人達は暗くなりながらもルウィーの街へと帰ったのであった。

 

 

*     *     *

 

 

 ルウィーの街

 

 夢人達はダンジョンから帰って来ても全員の表情は暗いままであった。

 

「……これからどうする?」

 

 アイエフはそんな夢人達に相談する。

 

 少しでもロムやラムのことではなく、他のことを考えてもらうためである。

 

「……今日は宿を取って休みませんか?」

 

 フェルが休息することを提案する。

 

 その言葉に全員が了承して宿泊施設へと向かった。

 

 そんな中、夢人はネプギア達から離れて立ち止った。

 

「夢人さん? どうかしたんですか?」

 

 ネプギアは立ち止った夢人に尋ねた。

 

 夢人はネプギアの方に顔を向けず、空を見上げたまま小さくつぶやいた。

 

「……裏切り者、か」

 

 夢人が悲しそうにつぶやいたのを見ると、ネプギアは夢人の手を握った。

 

「ネプギア?」

 

 そんなネプギアの行動に驚いて、夢人はネプギアの顔を見た。

 

 ネプギアは目を閉じて言う。

 

「……大丈夫ですよ」

 

 ネプギアはそう言うが、手が震えていた。

 

「……ロムちゃんはいろいろあって混乱しているだけだと思います……それでも……」

 

 ネプギアは目を開いて、眉を下げながらもほほ笑もうとする。

 

「きっと、ラムちゃんと仲直りできると信じています」

 

 ネプギアが言い終わると、夢人はネプギアの手を強く握り返した。

 

「あ……」

 

 握り返されたことに驚いてネプギアは声を上げる。

 

「……そうだな、いつまでも落ち込んでたらいけないって言ったばっかりだもんな」

 

 夢人はネプギアにほほ笑みながら言う。

 

「ありがとう、ネプギア」

 

「はい」

 

 ネプギアも夢人が元気になったことがわかるとほほ笑む。

 

 そんなネプギアを見て、夢人はやはり自分はネプギアが好きなんだと思った。

 

 

*     *     *

 

 

 翌日

 

 夢人達は教会に向かって歩いていた。

 

 ゲイムキャラの情報を聞くのはもちろんのこと、ロムとラムの様子が気になっていた。

 

 少し早歩きになりながら進む夢人達は教会の入り口でピンクのコートを着たラムに会った。

 

「あ」

 

 ラムは夢人達が教会に来るなんて思っていなかったので、驚いて口をポカンと開けた状態で立ち止ってしまった。

 

「ラムちゃん、あのね……」

 

 ネプギアがラムに話しかけるが、ラムはそれに応えず夢人達を睨む。

 

 やがて、ラムは夢人達から視線を外して街の中央へと走って行った。

 

「ラムちゃん!?」

 

 ラムが走って行ったことに驚いてネプギアはラムを呼ぶが、ラムは振り向かずに走って行ってしまった。

 

「……じゃあ、後任せたぜ」

 

 そんなラムの後姿を見て夢人はラムを追って行った。

 

「ちょ!? なんであんたまで行くのよ!?」

 

「夢人さん!?」

 

「夢人!?」

 

 アイエフ、コンパ、日本一は夢人も走って行ったことに驚いて言う。

 

 フェルは夢人の後姿を見てため息をつきながら苦笑して言った。

 

「……ホント、お節介は大変ですね、お兄さん」

 

「……夢人さん」

 

 ネプギアは夢人の後姿を不安そうに見つめていた。

 

「……ラムちゃんを、お願いしますね」

 

 

*     *     *

 

 

 わたしはいつの間にか眠っていた。

 

 『変身』したまま部屋に入ったのにいつの間にか戻っていた。

 

 部屋を見ると、部屋は散らかっていた。

 

 ……わたしが暴れたからだ。

 

 わたしが昨日暴れていろんなものを投げたりしたんだ。

 

 わたしは近くにあった壊れた写真立てを手に取った。

 

 そこにはわたしとラムちゃんとお姉ちゃんが写っていた。

 

 大切な3人の思い出だ……

 

 会いたいよぉ……

 

 会いたいよぉ、お姉ちゃん……

 

 どこにも行かないでよぉ……

 

 わたしを置いていかないでよぉ……

 

 わたしは両手で写真立てを抱えた。

 

 わたしを1人にしないでよぉ……

 

 ラムちゃん……

 

 

*     *     *

 

 

 夢人は街を走りながらラムを探し続けた。

 

 夢人がラムを追っていると、ラムは人ゴミに紛れてしまい、姿が見えなくなったのである。

 

「ハア、ハア、ハア……」

 

 息を切らしながらも夢人はラムを探し続けるために足を止めなかった。

 

 やがて、街の中央にある噴水に夢人は辿り着いた。

 

「一体、どこに、行ったんだ……」

 

 夢人は足を止めて膝に両手をついて息を整える。

 

 体中汗でぬれてしまっている服を気にせず、ラムを探すのを再開しようとした。

 

「いた!」

 

 ラムは噴水の縁に座って俯いていた。

 

 夢人はラムに近づいて呼びかけた。

 

「ラム!」

 

 ラムはその声を聞いて勢いよく顔をあげて夢人を見た。

 

「あんたは!?」

 

 夢人がいたことに驚いたラムだが、すぐに立ち上がり逃げようとする。

 

「待ってくれ!? ラム!」

 

 夢人は立ちあがって逃げようとしたラムの腕を掴んで言う。

 

「やだ!? 離してよ!」

 

 ラムは夢人の方を見ないで腕を外そうと暴れる。

 

「頼む! 話を聞いてくれ!」

 

 暴れるラムの腕を掴んだまま夢人はラムの目の前に回り込む。

 

「あ……」

 

 ラムは自分の目の前に来た夢人を見て動きを止めた。

 

「ラム、お前……」

 

 夢人もラムを見て動きを止めた。

 

 ラムは泣いていたのだ。

 

 ラムの両目から涙が流れていた。

 

 夢人はラムの顔に自分の手を近づけて、指で涙をすくった。

 

「……話を聞いてほしいんだ」

 

 夢人は立ちつくしているラムの目を見て言った。

 

「……うん」

 

 ラムは夢人から視線を外して俯きながら応えた。

 

 夢人はその様子に安堵して笑みを浮かべる。

 

 しかし、夢人は気付いた。

 

「ん?」

 

 夢人は自分とラムを遠巻きに見る人達ががやがやと騒いでいるのを見た。

 

 そんな人達から、通報、とか、警備隊を呼ぶ、などの言葉が聞こえてきた。

 

 夢人は現状を理解して、顔を青ざめて冷や汗をかきだした。

 

 そんな人達の視線にさらされて、走って温まったはずの体はすでに冷え切ってしまった。

 

「……アハハ、気にしないでください……ボクタチ、シリアイナンデスヨ」

 

 夢人は言葉が片言になりながら周りの人達に言った。

 

 その言葉を聞いて、さらに周りの人達は騒ぎだす。

 

「……悪いラム、走るぞ!」

 

「え!? 急に!?」

 

 夢人はその視線に耐えられず、ラムの腕を掴んだまま逃げ出した。

 

 後ろの人々が何やら騒いでいるのを聞きながら夢人は走り続けた。

 

 

*     *     *

 

 

 夢人はラムを引っ張りながら喫茶店に入った。

 

 夢人は騒いでいた人達が追ってきていないことに安堵して息をついた。

 

「まったく! 急に走らないでよね!」

 

 ラムは夢人が急に自分を引っ張って走ったことに対して怒っていた。

 

「……はい、私が悪かったです」

 

 夢人はラムが怒ってますよ、と頬を膨らませている姿を見て素直に謝った。

 

「あんたには慰謝料を請求するわ! ……すいませーん! このケーキお願いしまーす!」

 

 ラムはそんな夢人を見て、笑みを浮かべながらウェイターにケーキを注文した。

 

「あ、あんまり高いのは……」

 

「わたし、聞こえなーい」

 

 夢人がラムに頼もうとするが、ラムは両手で耳を塞ぎながら言う。

 

「はあ……」

 

 夢人はラムの様子を見ながら、自分の財布の中身を確認する。

 

 何とかお金は大丈夫そうなのを確認してため息をつく。

 

「お待たせいたしました」

 

 しばらくすると、ウェイターがケーキを運んできた。

 

「ありがとうございまーす!」

 

 ラムは笑顔でウェイターにお礼を言ってケーキを受け取った。

 

「いっただきまーす!」

 

 ラムは両手を合わせてあいさつすると、フォークで少しずつケーキを切り分けながら食べていく。

 

「なあ、ラム……」

 

 夢人はラムに話しかける。

 

「今食べてるんだから、お話はダメなの」

 

 ラムは眉間にしわを寄せながら夢人に注意する。

 

 その頬にはケーキのクリームがついていた。

 

「食べているときは、お行儀よくしなきゃダメってお姉ちゃんが……」

 

 ラムが言葉を続けるが、途中で俯いてしまう。

 

 先ほどまで嬉しそうにケーキを食べていた顔から元気がなくなり、フォークをテーブルに置いてしまった。

 

「……ねえ、聞いていい?」

 

「何だ?」

 

 ラムは不安そうな表情をして夢人に尋ねる。

 

「……本当にお姉ちゃんは……負けちゃったの?」

 

「……そうだ」

 

 ラムが不安そうにしながらも真剣に聞いてきたので、夢人も嘘をつかずに応える。

 

「……そうなんだ」

 

 ラムはそう言って、両手を握りしめて膝の上に置いた。

 

 ラムの体は次第に震えてきた。

 

「……本当は……わかってた……でも……ぐすっ……ミナちゃんが……ぐすっ……わたし達を……ぐすっ……心配して……」

 

 ラムは泣きながら言葉を続ける。

 

「……ぐすっ……黙って……ウソついて……ぐすっ……」

 

 やがて、ラムは感情が爆発したように叫ぶ。

 

「……わたし! ……ひきょうもの……ぐすっ……だった! ……ロムちゃん……ぐすっ……黙って!」

 

 夢人はラムが泣きながら言葉を続けることを止めなかった。

 

「……怖かった! ……ぐすっ……言うの……言わなきゃ……ぐすっ……いけなかった!」

 

 ラムはそこまで言って夢人の顔を見た。

 

「1人はイヤ! ……ぐすっ……だって! ……わたしは……好きだから! ……ぐすっ……!」

 

 夢人は黙ってラムに近づいて頭をなでた。

 

「どうすれば……ぐすっ……よかったの……かな……ぐすっ……わたし……いやだよぉ……ぐすっ」

 

 頭をなでられていることがわかったラムは夢人をすがるように見つめる。

 

 夢人はそんなラムに優しく微笑む。

 

「……ラムはもうわかっているだろ?」

 

 夢人はラムの頭をなでている手とは、違う手でラムの涙をぬぐいながら言う。

 

「ラムはもう答えを持っているんだ……とっても大事な答えを」

 

「……大事な……答え……?」

 

 ラムは夢人の言葉の意味がわからず、不安そうに夢人を見る。

 

「そう……今のラムに必要なのは、ほんのちょっとの勇気だけだよ」

 

「勇……気?」

 

 ラムは夢人の言葉を繰り返して尋ねる。

 

「誰だって怖いことから逃げたくなるし、卑怯になることもある……それでも立ち向かわなきゃいけない時もあるんだ」

 

 夢人はラムの頭を自分の胸へと持ってきて言う。

 

「あ……」

 

 ラムは夢人の胸に頭をくっつけた時に聞こえてくる心音と温かさに驚いて声をあげた。

 

 ドクン……ドクン……

 

 夢人はそんなラムの髪を優しくなでる。

 

「聞こえるだろ? 俺の心臓の音……」

 

 ラムはその言葉に頷くことしかできない。

 

「苦しい時はここがすっごく辛く感じるけどな……」

 

 夢人は優しく言葉を続ける。

 

「……嬉しい時はすっごく温かいんだ」

 

 ラムは目をつぶって夢人の心臓の音をゆっくりと聞きながら夢人の言葉を聞いていた。

 

「……だから、ラムは怖いかもしれないけど、ロムにラムの持っている大事な答えを言えばいいんだよ」

 

 ラムはその言葉を聞いているうちに、安心して眠ってしまった。

 

 夢人の服をしっかりと握ったままラムは安心したように頬を緩めて眠っていた。

 

 そんなラムの様子を見て夢人はほほ笑みながら、ラムの食べ残したケーキをどうしようか考えていた。

 

 

*     *     *

 

 

 結局、ラムは夢人にしがみついたまま起きなかったので、夢人はケーキを食べて、ラムを教会に送るために通りを歩いていた。

 

 夢人は一度ラムの指をほどいてから、背中に背負って歩いていた。

 

 ラムは無意識に夢人に強くしがみついていた。

 

 そんなラムの様子に苦笑しながら教会に辿り着いた夢人。

 

「こんにちわー、宅配便ですよー」

 

 夢人は冗談を言いながら教会のドアを開けて入った。

 

「は、はい、ちょっと待ってください、今ハンコを持ってきますので……」

 

 夢人が教会に入ると、長い水色の髪で赤い縁の眼鏡をした女性がハンコを探すと言って奥へと歩いていこうとしていた。

 

「じょ、冗談ですよ!?」

 

 夢人は冗談がまともに受け止められるとは思っていなかったので、慌てて女性を呼びとめた。

 

「え? そうなのですか? ……なら、あなたはどうして教会に?」

 

 女性は夢人に向き直って尋ねる。

 

「まだネプギア達はいますか? 俺は……」

 

 夢人はネプギア達がいるかどうか尋ねてから、自己紹介をしようとする。

 

「ラム!?」

 

 しかし、女性は夢人の自己紹介中に夢人に背負われているラムを見つけた。

 

「あなたラムに何を!? ……まさか!? あなたが通報に会った誘拐犯!?」

 

「やっぱり通報されてたのかよ!?」

 

 噴水での一件が通報されていたことに夢人は声を荒げて叫ぶ。

 

「違いますからね!? 俺は紳士ですから、ラムに悪戯なんてして……」

 

「悪戯!? このロリコン変態犯罪者! ラムを離しなさい!!」

 

「お願いだから話を聞いてくれ!?」

 

 女性が夢人の話を聞かずに暴走しているのを見て、夢人は泣きながら懇願する。

 

「……何やってんのよ、まったく」

 

「すっごく大きな声でびっくりしちゃいましたよ」

 

「夢人って変態だっただね! 知らなかったよ!」

 

「いやいや、いち姉さん、それは違い……あれ? 違うのかな?」

 

「そ、そ、その、とりあえず落ち着いてください、夢人さんもミナさんも」

 

 アイエフ、コンパ、日本一、フェル、ネプギアが順に奥から歩いて来て言った。

 

「ネプギアさん? この変態を知っているのですか?」

 

 ミナはネプギアに尋ねた。

 

「はい、私達と一緒に旅をしている御波夢人さんです……あと、夢人さんは誘拐犯じゃなくて、それは誤解なんですよ、きっと……」

 

 ネプギアは最後の言葉だけ自信がなさそうに視線を外しながら言った。

 

「ネプギアさん!? 弁護するならちゃんと弁護してください!?」

 

 夢人はまさかネプギアが自信なさそうに弁護するとは思っておらず、驚いて叫ぶ。

 

「……アンタの日ごろの行いのせいよ」

 

 アイエフが夢人につっこむ。

 

「ミナさん、夢人さんは変態さんじゃないですよ」

 

 コンパがミナに言う。

 

「……そうですか」

 

 ミナはそう言って、ため息をついて改めて夢人に向き直った。

 

「私はここ、ルウィーで教祖をしている西沢ミナと申します」

 

 ミナは頭を下げて自己紹介をした。

 

「先ほどは取り乱してしまい申し訳ありませんでした……ですが、先ほど街の方からラムが誘拐されたという通報が来たので過敏に反応をしてしまいました」

 

 ミナは申し訳なさそうにに謝罪をした。

 

「いや、俺もあの時は慌ててたし、そう見られても仕方ない状況でしたから」

 

 夢人はミナから視線を外しており、右斜め上を見ながら応えた。

 

「……ラムのこと、ありがとうございます」

 

 ミナは夢人にしがみついているラムを見てほほ笑みながら言う。

 

「昨日は泣きながら帰って来たのに、今日街に勝手に出かけてしまい、とても心配していたのですが」

 

 ミナは夢人に近づいて、背中に居るラムの頭を優しくなでた。

 

「今はこんなに安心して眠っているのが嬉しいです」

 

 ミナになでられてラムは無意識にくすぐったそうに笑った。

 

「ラムを部屋までお願いできますか?」

 

「わかってます」

 

 ミナのお願いに夢人は笑顔で応える。

 

 そして、ラムを部屋のベットに寝かせてからネプギア達の所に戻った。

 

「それで、話はどうなったんだ?」

 

 夢人はネプギア達がどんな話をしていたのかが気になり尋ねる。

 

「……ネプギアさん達には応えたのですが、ゲイムキャラの場所は教えられません」

 

 ミナは申し訳なさそうに応える。

 

「本来のこの国のゲイムキャラはもう存在していないのです」

 

「本来の?」

 

 夢人は言葉の意味がわからず尋ねる。

 

「はい、この国のゲイムキャラは女神様達が捕まる前からルウィーのシェアの低下で消滅してしまったのです」

 

 ミナは顔を俯かせながら応える。

 

「……それで、お姉ちゃんがブランさんに頼まれて新しいゲイムキャラをルウィーに生み出したんだって」

 

 ネプギアがミナの言葉に続けて言った。

 

「お姉ちゃん? って、確かネプテューヌさんだよな? ゲイムキャラを生み出すことなんてできたのか?」

 

「…その時は、4人の女神の力を借りたのです。元々ゲイムキャラはゲイムギョウ界の平和のために古の女神達が生み出した存在でしたから、女神達の力を合わせることで誕生させることに成功したのです」

 

 夢人の疑問にミナが応えながら、言葉を続ける。

 

「そして現在、この国のゲイムキャラはある役目を担っています……ですから、この国のゲイムキャラの力がなくなることは避けたいのです」

 

 ミナの言葉を聞いて夢人は目をつぶりながら腕を組んだ。

 

「……結局、ルウィーのゲイムキャラがしていることは教えてくれないのか?」

 

 夢人はミナに尋ねる。

 

「……教えられません、申し訳ございません」

 

 ミナが申し訳なさそうに頭を下げながら言う。

 

 夢人はそんなミナの様子にため息をついて右手で頭の後ろをかく。

 

「……じゃあ、ロムの様子を教えてくれないか?」

 

「……ロムは部屋に閉じこもったまま出てこないんです」

 

 ミナは先ほどよりも顔を暗くしながら応える。

 

「……私達もさっきまでロムちゃんの部屋の前で呼び掛けたんですけど、返事がなくて……」

 

 ネプギア達も顔を俯かせて応える。

 

 そんなネプギア達を見て夢人は笑顔で言う。

 

「なら、俺も行ってみるか」

 

 夢人は腕を大きく回して肩をほぐしながら尋ねる。

 

「ロムの部屋はどこですか?」

 

 

*     *     *

 

 

 わたしは、どうしたいんだろう……

 

 さっきまでプラネテューヌの女神候補生……

 

 ネプギアお姉ちゃん達が部屋の前に居た。

 

 わたしに何度も話しかけてくれた。

 

 でも

 

 わたしはどう答えたらいいのかわからない。

 

 わたしがしたいことって何だろう?

 

 ……

 

 お姉ちゃんに会いたい……

 

 絵本を読んでもらいたい……

 

 頭をなでてほしい……

 

 ほめられたい……

 

 でも……

 

 それよりもしたいことが……

 

「……ロム、聞こえるか?」

 

 ドアの向こうから声が聞こえてきた。

 

 この声は知ってる。

 

 夢人お兄ちゃんだ。

 

「……返事はしなくてもいいから、聞いていてほしいんだ」

 

 何だろう?

 

 夢人お兄ちゃんは出会った時から不思議な雰囲気をしていた。

 

 他の人とは違う感じがする。

 

 わたしは初めて会う人は怖いと思う……

 

 でも、夢人お兄ちゃんは違った。

 

 夢人お兄ちゃんは他の人とは違って怖くなかった……

 

「ロムが今抱えている悩みの答えはロムが持っているんだ」

 

 わたしが持っている答え?

 

 わたしがしたいことの答えは、わたしが持っているの?

 

「それは当たり前のことだけど、とても大切なことなんだ……だから、今は悩んでもいいけど、必ず答えを持って出てきてほしいんだ」

 

 当たり前……

 

 わたしが持っている当たり前のこと?

 

「……その答えがわかったら皆でケーキを食べよう、きっとおいしいはずだからさ」

 

 夢人お兄ちゃんの声はそこで終わってしまった。

 

 何だろう……

 

 わたしの中の当たり前の答えって……




はい、今回はここまで!
ルウィー編に入ってからストーリー的には全然進んでいないけど、これはロムちゃんとラムちゃんの成長のためと思って心を鬼にして書いております
ルウィー編はラステイション編とは違った辛さがあるよ…
と、次の話では「ですの」口調のあの方が登場する予定なので、セリフ回しに自信がありません
それでも、今日中にあと1話はあげたいと思うのでよろしくお願いします
それでは、 次回 「古代の悪魔」 をお楽しみに!
…あれ?特撮でこんなサブタイがあったような気がする

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