超次元ゲイムネプテューヌ 夢のヒーローを目指して   作:ホタチ丸

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はい、皆さんこんばんわ!
何とか20時までには投稿できましたよ
今回からルウィー編に入りますね!
といっても、今回は導入編なので短いんですけどね…
ってか、ラステイション編書いてから3000字超えているのに自分で作ってて物足りなさを感じてしまった
まあ、それは置いといて本編を楽しんでくださいね!
それでは ルウィー、波乱の予兆 はじまります


発動!? 勇者の超能力
ルウィー、波乱の予兆


 ギョウカイ墓場

 

 中心にそびえる塔の一室で1人の赤い髪をした女性がモニターを眺めていた。

 

 モニターにはプラネテューヌでのネプギアの活躍とラステイションでのユニの活躍が写されていた。

 

「……聞いていた情報とは違うな」

 

 女性は自分達に情報を提供した男の情報と違うことを疑問に思った。

 

 確かにあの男は信用ならない。

 

 どこか自分達をモノのように見る視線が気に入らないでいた。

 

 だが、彼がもたらした情報は有益だ。

 

 実際、プラネテューヌとラステイションのゲイムキャラの居場所を見つけられたのは彼の情報のおかげである。

 

 そして、そこに構成員を送り込み、ゲイムキャラを破壊すればすべてが終わると思っていた。

 

 しかし、実際は違う。

 

 情報とは違う事態が起こっている。

 

 すべてが情報通りに行くとは思っていなかったが、おかしなことも多いのは事実だ。

 

 やがて、モニターに映る映像が終わると女性は立ち上がり言った。

 

「……奴らの次の行き先はルウィーか」

 

 それだけ言うと、女性は部屋から出ていった。

 

 その手に1枚の写真を握りながら言う。

 

「勇者か……」

 

 写真には御波夢人の姿が映っていた。

 

 

*     *     *

 

 

 その頃、夢人達はルウィーに向かうためにラステイションからルウィー行きの列車の中に居た。

 

 列車は現在はトンネルを通っている。

 

 運よくボックス席をとれたので彼らはこれから向かうルウィーのことについて話していた。

 

「次の目的地のルウィーだけど、あまり言い状況とはいえないわね」

 

 アイエフがため息をつきながら言う。

 

「どうしてですか?」

 

 そんなアイエフを見てネプギアが尋ねる。

 

「ルウィーには女神候補生がいるのはいるんだけど、そいつがどうも厄介みたいなのよ」

 

 諜報部の情報とラステイションを出るときにケイから聞いていた情報を話した。

 

「女神候補生さんがですか?」

 

 コンパも意味がわからないと首をかしげながら言う。

 

「そう、その女神候補生がネプギアよりも小さい子らしいのよ」

 

「小さい子ってフェルくらいか?」

 

「指さすのはやめてくださいよ、お兄さん」

 

 夢人とフェルも会話に加わる。

 

 なぜフェルがいるのかというと……

 

 

*     *     *

 

 

 ゲイムキャラの協力を得ることに成功した夜。

 

 ラステイションの教会にある一室で夢人とフェルは話をしていた。

 

「……怖くないんですか? ボクはモンスターの力を使うんですよ?」

 

 フェルが不安そうに夢人に尋ねる。

 

 それに対して夢人も真剣な表情で言う。

 

「俺から言えることはひとつだけだよ」

 

「……はい」

 

 夢人から言われる言葉がわからず、緊張してしまうフェル。

 

「……ケモ耳ショタっ子とか誰得だよ!」

 

 夢人はフェルの肩を掴んで言った。

 

「は?」

 

 フェルは夢人が言ったことの意味がわからず、思わず聞き返してしまう。

 

「……すいません、もう一度言ってもらえますか?」

 

 あれは幻聴、幻聴、と思いながらフェルは尋ねる。

 

「だから、ケモ耳ショタっ子とか誰得なんだよって言ったんだよ」

 

 夢人はため息をつきながら言う。

 

 そんなことを言われるとは思わなかったフェルは慌てて言った。

 

「あ、アンタは一体何言ってんだよ! ボクはモンスターと同じ……」

 

「同じじゃねえよ」

 

 フェルの言葉を遮って夢人は言った。

 

「フェルはフェル、それでいいだろ? そんな難しいこと考えてないでお前はどうしたいんだよ?」

 

「ボクが?」

 

 夢人が真剣な顔をしていたのでフェルは思わず聞き返す。

 

「……お前があの時、俺達の所に来たってことは覚悟決めてきたんだろ? 最初に会ったときに比べてすっごい生き生きしてんもんなお前の顔」

 

 そう言ってから夢人はフェルの頭をなでる。

 

「……少なくともお前が生きていくと決めてくれたことが俺とファルコムは嬉しいんだ」

 

「ファルコムも?」

 

 フェルが意外そうに尋ねる。

 

「当たり前だろ? お前とずっと居たんだからな」

 

「……後でお礼を言いに行きます」

 

「ファルコム泣きだしちまうんじゃないか」

 

 そんなファルコムの姿を想像して夢人とフェルは互いに笑いだす。

 

 しばらくすると、フェルは真剣な顔になって夢人に言う。

 

「……ボクはこの世界で生きていくことを決めました」

 

 夢人もそんなフェルの表情を見てしっかりと目を見て言葉を待つ。

 

「この世界がボクの知っていた世界とは違うけど、これ以上この世界を壊させないためにマジェコンヌと戦います」

 

 そして、フェルは右手にある狼の紋章に触れる。

 

 すると、狼の紋章が光出す。

 

 やがて、光が収まると、フェルは小さなぬいぐるみサイズのフェンリルを抱いていた。

 

「……だから、ボクとフェンリル、『リン』も一緒に連れて行ってください! お願いします!」

 

「ワウ!」

 

 フェルは顔を下げながら力強く言った。

 

 フェルの中で生きていたフェンリル、リンは限定的ではあるがぬいぐるみサイズで活動できるのであった。

 

「……?」

 

 いつまでも返事がないことを疑問に思い、フェルは顔を上げて夢人を見る。

 

 夢人の顔は青ざめており、冷や汗が止まることなく流れていた。

 

「……お兄さん?」

 

 フェルがどうしたのだと尋ねようとした時。

 

「犬怖いいいいいいいい!!」

 

 その言葉だけ残して夢人は部屋を飛び出した。

 

 その姿にフェルはしばらく唖然としていたが、やがて笑いだす。

 

「これからよろしくお願いしますね」

 

 フェルは普段は頼りないけど自分のことを思ってくれている夢人を思って言った。

 

 

*     *     *

 

 

「だいたい思ったんだけどよ、お兄さんってなんだよ? 普通に夢人って呼んでたじゃないか?」

 

「お兄さんはお兄さんですから」

 

 夢人はフェルが自分をどうして兄と呼ぶのかがわからず聞くが、フェルの答えは答えになっていなかった。

 

 フェルは自分のことを大切に思ってくれている夢人のことを兄のように慕っているから呼び方を変えたのである。

 

「そこ! 話を脱線させないの! まったく……」

 

 アイエフはこめかみを押さえながら言う。

 

 そんなアイエフの様子に苦笑しながらコンパが言う。

 

「でもかわいそうですね、そんな小さい子が女神の仕事をしているなんて」

 

「そうですね……」

 

 ネプギアもコンパの言葉に同意しながら顔を悲しそうに俯かせた。

 

「……ギアちゃん?」

 

 そんな様子のネプギアを心配してコンパが声を掛ける。

 

「……私達がギョウカイ墓場で負けたから、そんな小さい子が女神の仕事をしなければならない状況になっているんですよね」

 

「……ネプギア」

 

 自分達が負けたから小さい子供に女神の役目を押し付けることになってしまったことに責任を感じて落ち込むネプギア。

 

 そんなネプギアに近づく夢人。

 

「……ユニちゃんだってノワールさんがいなくなってあんなに落ち込んでいたんだから、きっとその子も……」

 

「えいや」

 

「痛!」

 

 ネプギアが落ち込みながら言葉を続けようとしたが、夢人がデコピンをしたことで中断された。

 

「ゆ、夢人さん?」

 

 夢人がなぜそんなことしたのかわからず、デコピンされた箇所を手で押さえながら聞く。

 

「ネプギアは本当に優しいよな」

 

 そんな様子のネプギアに夢人は笑いかける。

 

「まだその女神候補生に会っていないのに、その子のことをそんなに思えるんだからな」

 

 ネプギアも静かに夢人の言葉を聞く。

 

「その子がどんな思いで女神の仕事をしているのかはわからないけど、その子のためにも絶対に女神達を助けなきゃいけないんだ……だから、落ち込んでる暇なんてないぞ」

 

 夢人の言葉を聞き終えると、ネプギアはその意味を理解してほほ笑む。

 

「そうですね! その子が頑張っているのと同じで、私たちが頑張ってその子の負担を減らせるように頑張りましょう!」

 

 ネプギアはやる気が出たのか、座席から立ち上がり右手を上げる。

 

「私、頑張りますよ!」

 

「……元気が出たのはいいけど、ここ列車の中だから落ち着いてね」

 

 ネプギアが調子を取り戻したのを見てアイエフは苦笑しながら注意した。

 

「……すいません」

 

 ネプギアは顔を赤くしてゆっくりと座った。

 

「ゆ、夢人さん!? どうして魔法で出した岩に頭を打ち付けているんですか!?」

 

 ネプギアの笑顔を久しぶりにまじかで見て、夢人は恥ずかしくなり顔が赤く染まっていた。

 

 夢人はそれを誤魔化すためにラステイションのゲイムキャラのおかげで使えるようになった土の魔法で岩を造り出し、それに向かって頭を何度も打ち付けた。

 

「……ホント、前途多難だわ」

 

「……そうだよね」

 

 アイエフとフェルはそろってため息をついた。

 

「おーい! もうそろそろルウィーに着くって……何この状況?」

 

 そんな現場に列車に備え付けられていたトイレから帰って来た日本一が言った。

 

「……いつも通りだから気にしないで」

 

「そうなんだ、それよりもうすぐルウィーに着くって車掌さんが言ってたよ」

 

 日本一がそう言うと、列車の窓から光が差し込んだ。

 

 夢人達は窓の外から見える一面の銀世界に目を奪われていた。

 

「わー! すっごい雪!」

 

 日本一が子どものように目を輝かせながら言う。

 

「ここがルウィー……」

 

 ネプギアもあまりにも雪が多いので驚いた。

 

 ルウィーに来たことのない夢人やフェルも言葉もなく驚いていた。

 

「ルウィーは一年中雪で覆われている国なのよ」

 

 その様子を見てアイエフはルウィーについて簡単に説明し、ルウィーに来たことのあるコンパはニコニコと皆を見ていた。

 

 ……ルウィーで思わぬ出会いがあるのを彼らはまだ知らなかった。




という訳で、ルウィー編始めますよ!
今回は登場しませんでしたが、かわいい双子の女神候補生も次回からどんどん登場する予定です!
それに加えて、あのお方も登場します
…ってか、こんな時に出てきたらパワーバランスが崩れちゃうんじゃないかってくらいですよね
さてさて、夢人君はルウィー編では見事活躍することができるのかどうかもお楽しみに!
それでは、 次回 「2人の女神候補生」 をお楽しみに!

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